とある岩山。
ドラえもん「のび太君、諦めて帰ろうよ」
のび太「そうはいかない! だって、あの城の中にはしずかちゃんが捕まっているんだぞ!」
ドラえもん「そりゃそうだけど……」
城は岩山の頂上にあった。
ドラえもん「のび太君。あそこへ行って、生きて帰った者はいないんだよ?」
のび太「しずかちゃんを助けないで、僕はこのまま帰る訳にはいかないのだ!」
ドラえもん「のび太君! 夢ん中だけ勇ましくなっちゃうんだから……」
のび太「そう言うなよ。せっかくいい夢見てんのに。僕1人で助けに行くから!」
ドラえもん「気をつけてね……」
のび太「大丈夫! 僕の夢の中なんだから。もう、いちいちうるさいんだから……」
ドラえもん「大丈夫かな?」
のび太は1人で山を登る。
しかし、途中でへばってしまう。
のび太「それにしても、酷い道だなぁ……」
声「のび太さーん!」
声をかけたのはドラミだった。
のび太「ドラミちゃん! わあっ、どうしてこんなところにいるの?」
ドラミ「お兄ちゃんがね、えっと…… これを渡してやってくれって。これを被れば魔法が使えるの」
のび太が帽子を被る。
のび太「本当かな?」
ドラミ「試してみれば?」
のび太「よーし。空飛ぶじゅうたんよ、出ろ!!」
のび太の魔法によってじゅうたんが出現。
のび太「本当に出た! よーし、しずかちゃん。待っててくれよ! じゅうたん、あの宮殿めがけて出発!」
じゅうたんが浮かび上がる。
のび太「うわああっ!」
ドラミ「気をつけて!」
のび太はじゅうたんに乗って宮殿にたどり着く。
のび太「しずかちゃんはどこだ? あっ、いた!!」
部屋にしずかがとらわれていた。
しずか「のび太さん! のび太さん、魔王が来るわ」
のび太「僕がついていれば大丈夫!」
のび太たちの前にジャイアンとスネ夫が現れる。
ジャイアン「なんだお前は?」
のび太「あっ! ジャイアンとスネ夫じゃないか!」
しずか「何言ってんの。魔王よ」
ジャイアン「何をごちゃごちゃ言っている? 捕まえろ……」
スネ夫「へい!」
のび太「捕まるもんか!」
2人はじゅうたんに乗って逃げる。
スネ夫「ただの雑巾になれ!!」
魔法のじゅうたんが雑巾に変わり、のび太としずかは落下してしまう。
そこへ巨大魔王が出現。
ジャイアン「ハッハッハ! このジャイアン様から逃げられると思うのか? 捻りつぶすぞ」
のび太「ジャイアンの1番怖いものに変身!」
のび太がジャイアンの母となり、巨大化を果たす。
ジャイアンの母「武!! 捻りつぶすだって?」
ジャイアン「母ちゃん…… あっ、きったねぇ、きったねぇ。魔法にこんなのありかよ!!」
ジャイアンはそのまま立ち去っていく。
しずか「のび太さん、魔法が使えるの?」
のび太が元に戻る。
のび太「うん、使えるんだ。ドラミちゃんにもらった帽子のおかげ。ジャイアンだって負けないよ、宿題もぱっぱとやっちゃう!」
その後、のび太としずかは箒にまたがって飛んでいた。
のび太「しずかちゃん。欲しいものがあったら、なんでも言って、出してあげるよ…… 人形だって、洋服だって、宝石だって」
しずか「のび太さんって、本当に優しいのね……」
のび太「いやあ、それほどでも。しずかちゃんの為だもん!」
声「のび太!」
のび太「わあっ! 助けて!」
夢を見ていたのび太が暴れる。
ママ「のび太。のび太ったら、もう寝ぼけて。掃除をやりかけて居眠りをして! さっさとなさい。それが済んだらお使いよ」
のび太「はーい…… ふあーっ。夢だったのか…… でも、本当に魔法が使えたら楽しいだろうなぁ……」
箒を立てるのび太。
のび太「箒よ働け、ちんからほい!」
最終更新:2016年02月22日 18:12