エンペラーとの戦いから、6年が過ぎ、ミサトは高校生になっていた。
ミサト「今日バイトだから遅くなる。わーった、わーった。ちゃんと戸締りも火の元確認も
大丈夫だって」
ミサトが父親との電話を切った。
ミサト「ったく・・・」
さやか「ミサトちゃん!久しぶり、元気だった?」
別の高校に通っている、さやかが来た。
ミサト「おう、さやか!」
さやか「ミサトちゃん髪のびたね―」
ミサト「オレはもともとこんなんだよ。のびたのは、さやかの方だろ」
さやか「ね、会ったら話したいこよあるって言ってたけどどうしたの?」
ミサト「あ―・・・ああ、えーと、いや時間ないから後で話す!」
さやか「ほんとだ!急がないと始まっちゃう」
ミサトとさやかは遊園地のふたば仮面ショーに行った。
女性客1「キャ――!!」
女性客2「茂木さ―ん!」
茂木「おのれ悪の怪人め、これ以上の乱暴は許さない!」
ミサト「ふう、間に合ってよかったな」
さやか「大人気だねぇ、茂木さん」
女性客1「茂木さんもいいけど・・・」
女性客2「やっぱり本命は」
ミサト「お、出番だぞ、オヤジさん!」
さやか「うん!」
ふたば仮面「変身!ふたば仮面!!」
女性客1「来た来たきた――!!ヤバイ!あのポーズ超かっこいい」
女性客2「さすがカリスマアクター、指先にまでビシッと気が通ってるわね!」
ミサト「よーし、じゃあいくぞ。せーの」
さやか「ふたばかめ―ん!」
客たち「ふたばかめーん!」「がんばれ、ふたばかめーん!!」
それから、2人はミサトがバイトしてるラーメン屋に行った。
ミサト「はい、お待ち」
さやか「わ―ありがとう!」
ミサト「いいさ、のびないうちに食っちまおうぜ」
さやか「それにしても久しぶりだなあ、このお店の感じも変わってないよね」
ミサト「そうか?まあ、そうかもな」
さやか「週に何日くらい入ってるの?」
ミサト「うーん、そのときにもよるかな。おやっさんも、もういい年だから出来る範囲で手伝ってる感じ」
さやか「でも、あんなに心配性のお父さんがよくバイト許してくれたよね。さっきの電話だってお父さんでしょ?」
ミサト「さっき?ああ・・・校門で会ったときか、うちのおやじが過保護だなんて昔じゃ考えられないよな?」
さやか「お父さんが変わったのて、ABKがエンペラーに襲われてからだよね」
ミサト「おう、そだな。かれこれもう6年か」
さやか「ねえ、あのときのこと覚えてる?」
ミサト「ああ、もちろん――」
6年前。郷や隊員達ははエンペラーに破壊されたABKを、修復していた。
隊員「よーし持ち上げるぞ」 「おーい、こっちも頼む!」
郷「負傷者はこっちだ!それから手が空いてる奴は・・・ぐ・・・ッ!?」
郷が倒れた。
郷「ぐおおおぉ・・・」
ミサト「おい郷!大丈夫か、どうした!?」
郷「立てない」
ミサト「え?」
郷「腰が痛い・・・」
ミサト「はあ!?」
ミサト「無理し過ぎなんだよバカ!あっちで休んでろ!」
父親「ミサト・・・」
ミサト「ん?」
ミサトの父親が来ていた。
父親「ミサト!無事でよかった、ミサト・・・!!」
父がミサトを抱きしめる。
ミサト「と、父ちゃん・・・!?」
父親「私は大馬鹿者だ。お前を失ってからでは遅いのに・・・
ミサト「ちょ、父ちゃん仕事はどうしたんだよ!?」
父親「そんなものはどうでもいい。今まで本当にすまなかった。母さんが死んでから・・・落ち込むお前にどう接していいかわからず、仕事を言い訳にして大事な娘をないがしろにしてしまった。私を許してくれるか」
ミサト「当たり前だろ父ちゃん。だから笑ってよ、オレ笑ってる父ちゃんが好きだからさ!」
吹上「・・・ミサトさんのお父さんですか。しかしどうして彼がここに?」
ミミ「私が呼んだの。ちょっとおせっかいだったかしら?」
吹上「・・・いえ、そんなことないと思いますよ」
さやか「あはは、ミミさんらしいよね。もう長いこと会ってないなぁ、今頃みんなどうしてるんだろ」
ミサト「ミミさんはバリバリ働いて偉い人になってるよ。で、吹上さんはそのミミさんにコキ使われてる」
さやか「あ―想像できる」
ミサト「北春日部博士も相変わらず、いや・・・前より元気かもしんないな。で、今は上の人たちを説得して松坂さんを右腕にしてるみたい」
さやか「へぇ―・・・」
ミサト「松坂さんさ、自分の犯した罪の償いがしたいんだって。怖そうな顔して真面目だよな」
さやか「ね、ミサトちゃん。郷さんはどうしてるの?」
ミサト「お?」
さやか「今でもよく会ってるんだよね?」
ミサト「お、ああ。そのことなんだけどさ。実はさ、さやか――!」
ラーメン屋の店主で、ABKの一員でもある飯能が鍋を鳴らした。
飯能「おいミサト!いつまでしゃべってるんだ。そろそろバイトの時間だぞ?」
ミサト「あ―・・・チッ・・・わーったよ!」
さやか「?」
さやか「じゃあ私帰るね」
ミサト「おう・・・わりーな、バタバタして」
さやか「さっき何か言いかけてたみたいだけど・・・」
ミサト「ああ、いや。なんでもない。大丈夫だ」
さやかが帰っていった。
ミサト「なんだよ、せっかく久しぶりにさやかに会ったのに」
飯能「お前が「あの事」を言おうとするからだろ」
ミサト「でも、アクション仮面のことはさやかも知ってるんだからさあ」
飯能「まあ、そうだなあ。今更隠すこともないよな・・・そろそろ言ってもいいかあ」
店の電話が鳴った。
飯能「おっと。へいへい毎度・・・おう了解だ」
「さっそく仕事だ、ミサト。出前一丁!」
ミサト「おーらい!」
ミサトが原付に乗った。
飯能「場所は3丁目8番21号だ。気をつけろよ」
ミサト「あいよ」
飯能「まあ、おまえなら大丈夫だろ。そらヘルメットだ」
ミサト「サンキュ、それじゃ行ってくる!」
ミサトの原付に、ミミの乗るABKの車が寄ってくる。
ミミ「お久しぶりね、ミサトちゃん!」
ミサト「何言ってんだ、ミミさん。3日ぶりだろ?」
ミミ「そうともいうわね。新車いい感じじゃない」
ミサト「まあね、吹上さんすぐ作ってくれるからすげー助かる」
ミミ「ふふっ、ですってよ、吹上くん!」
ABK本部。
吹上「頼むからもう壊さないでくれよ!原付は使い捨てじゃないんだからな!」
北春日部「ははは、まあそう噛み付くな。いまやミサトくんは我々の主戦だ。あの日エンペラーは消滅した。しかしエンペラーによって蒔かれ未だ発芽していない種は数多く存在している。我々にはまだ後始末という大事な仕事が残されている」
吹上「あの事件をきっかけに、国からも予算がおりましたしね」
北春日部「おかげで施設も建て直せたしな」
吹上・北春日部「「ははははは!」」
北春日部「郷が引退した今、我々が引退したのは君だけじゃ、ミサトくん。期待しておるぞ!ははははは!」
ミサト「・・・ったく、笑ってる場合かよ!」
郷「まあ、そうビリビリすんなって、もしかして緊張してんのか?ミサト!」
郷が車の後部座席に乗っていた。
ミサト「てめえ、郷!誰が緊張なんかするかよ!」
郷「俺がいないと心配か?大丈夫だ、ちゃんとそばについてるからな!」
ミサト「何言ってんだよ、思い上がんなよ腰痛ジジイ!」
郷「なんだとコラ!?お前こそなに言ってんだ、師匠に向かって!」
ミサト「なにが師匠だ・・・オレは頼んでないからな!」
ミミ「ふふっ、そうねえ。たしかに頼んだのはこっちの方なのよね」
松坂「パルとの融合は誰にでも可能。しかし、新世代の正義のヒーローとして適正を持っていたのはミサトくんだけだった!これも運命ってヤツかもな」
郷「あの時から徐々に腰が悪化して・・・ついに腰を壊しちまったときはもうだめかと思ったけど、まさかお前が二代目を継いでくれるとはな、心強いよ」
ミサト「おやじは絶対言えないけどな!それで今日はどんな怪人なんだよ?」
郷「おう、相手はニワトリ怪人。身体はでかいが中身は小学生だ」
ミサト「子供なのにニワトリ?子供らしくヒヨコになりゃいいのに」
郷「なるほどそれがカギかもな、あの怪人は大人になりたいのかもしれない。そこをついてみろ」
ミサト「・・・・!わかった!」
ミサト達は、ニワトリ怪人が暴れてる現場に到着した。
ニワトリ怪人「にくい!憎い!憎い!」
ミサト「よーし見てろよ、オレがどんだけ優れた弟子か見せてやる!パル!」
パル『アア!』
ミサト「パルだって、あんなおっさんより、オレみたいな若くて可愛い女子高生の方が良いよな!?」
パル「ア・・・アア!」
ミミ「いいから早く変身して!」
ミサト「行くぞパル!ゴー・アクション!」
ミミ「ゴー・アクション!」
吹上「ゴー・アクション!」
ミサトが、パルの出した仮面を付け、ABKから転送されたスーツを装着し、
アクション仮面ムスメに変身した。
ミサト(=ムスメ)「変身、アクション仮面ムスメ!」
ニワトリ怪人「うおおおおおおお!憎い憎い憎い!動物を大切にしないやつが憎い!」
ムスメ「・・・ふん、お前の憎しみは理解した。・・・だが!それは本当におまえの憎しみか?」
ニワトリ怪人「ガアアアア!!誰だお前は!?」
ムスメ「元気はつらつオフコース!!アクション仮面ムスメ!」
郷「・・・いいかミサト、絶対殴るなよ。俺たちの拳は敵を倒すためのものじゃない。俺たちのなすべきことは――」
ムスメ「あ―もうはいはい、何度も聞いたんだ。わかってるよ、師匠!」
「この拳は・・・憎しみの心だけを砕く!!」
最終更新:2016年03月09日 21:49