ローエングリン一-小姓達二人が
二一ニ第幕第ー場(序楽は結婚式の華麗な恍惚さを現す。幕が上ると舞台は花聟花嫁の室である、後方の中央に新婚の床が美々しく飾られてあり、あけてある張出し窓に沿うて又一台のやや低い休みの床がある。舞台の後ろで楽が奏せられる、新婚の歌は初めは遠く、次第に近く聞え来る。歌が中ほど歌われた時、後方の左右の戸が開き、右よりは上薦達がエルザを擁し、左よりは男の人々が国王と共にローエングリンを導いて入って来る。小姓達は燈火を捧げて先きに立つ)新婚の歌(男達と上薦達、共々に歌う)やよ、真心に導かれ、恋の天恵の守護ある彼方へ、いざや行き給え恋の勝利に満ち足りし心ぞ二なき悦びの妹背とこそはちぎらせし。道徳の武夫、行き給え、いざ先立ちて。若き生命の花の君、いざ行き給え、先立ちて。祝宴の酔いは今ははや過ぎてあれかし、二人には心の深き歓楽の幸こそ、いざや来れかし。(この時方々の戸口が開かれる)た、恋の飾りに香を罩めて、匂いも妙の花の室よ、迎えよ、祝ぎの輝きゆ免れ来りし妹と背を。やよ、真心に導かれ、恋の天恵の守護ある彼処へ、いざや入り給え恋の勝利に満ち足りし心の〓さ、悦びの妹背とこそはちぎらせし。(左右から向かい合って来た列が舞台の真中で出合うと、上薦達はエルザをローエングリンの前に連れて来る、二人は抱き合い、そこに立ち止っている。小姓達はローエングリンの華麗な上衣を説いでやり、佩剣を解いてやり、それを休み用の床の上に置く。上〓達は亦同様にエルザの高価ローエングリン二一三悦びの
二一四な上衣を脱いでやる) (その間に八人の上薦はローエングリンとエルザの囲りを静かに歩み廻る)八人の上萬達(廻り終って)神の幸をば得給いし如く、我等が捧げまいらす悦びを亦納れ給え、受け給え。(そして又廻り歩く)こ恋の幸をば友として、今宵の此処を忘れ給うな、とこしへに。(王はローエングリンとエルザを抱き其幸福を祈る) (小姓等は一同の退出を促す。一同は再び序列を正し、以下新婚の歌の歌われる間に、の前を過ぎて、男の列は右手へ女達は左手へ室を去り行く)新婚の歌(一同退出しつつ歌う)二なき心に守られて、恋の天恵の幸深き此処にぞ居ませ、妹と背よ。恋人二人妹と背よ。恋の勝利に満ち足りし心ぞ二なき幸いの妹背とこそはちぎらせし。み道徳の武夫、なごやかに籠り居給え、ここにこそ。若き生命の花の君、籠り居給え、ここにこそ。祝宴の酔いは今ははや過ぎてあれかし、二人には、心の深き歓楽の幸こそ、いざや来れかし。た、ま恋の飾りに香を罩めて、匂いも妙の花の室よ、迎えよ、祝ぎの輝きゆ免れ来りし妹と背を。(ここで一同は全く舞台を去る。左右の扉は最後に出て行く小姓達によって閉められる。歌は次第に遠ざかりつつ響く)二なき心に守られて、恋の恵みの幸深き此処にぞ居ませ、妹と背よ。恋の勝利に満ち足りし心ぞ二なき幸いの妹背とこそはちぎらせし。ローエングリン二一五新婚の二一五
二一六(行列一同が室を出て行くと、エルザはさも幸福の感に堪えかねるかの様にローエングリンの脚に身を投げかける。ローエングリンは歌の声が遠ざかり行く間に、張出し窓の際にある休み用の床に腰かけ、エルザを軟かに引き寄せる)









第二場ローエングリン甘美な歌は遠ざかる、我等は二人きりになった、相見て以来、今はじめて二人きりになった。これで世間と離れているのである、我等の心の囁きは誰も近寄って盗み聞きする事は出来ない。-わが妻エルザ、可愛い可愛い純潔な我が花嫁。お前は幸福と思うのかい、それを私に今はお言い。エルザ天上の幸福の極度を授かっていながら、私、それをただ幸福と言っていられるだけでしたら、何と冷い私でしょう。私はあなたを此の心が憧れ慕っている事を思いますれば、ただ神様によってのみ授けていただける悦楽を呼吸いているのでござりますわ。ローエングリン(情熱的に)恋人よ、そなたが其身を幸福を言っていられるならば、それは又私にもそなたが天上の幸福を授けて呉れるというものだ。(愛撫する様に)私はそなたを此の心が憧れ慕っている事を思いやれば、ただ神様によってのみ授けていただける悦楽を呼吸いているのである。-我等の恋の本質を私はつらつら思いみるに、何という荘厳さだろう。嘗て一度も相見た事はなかったが、我等は相互にそれを予感していた、そなたの為めの武士に私が選出されたのは、恋が私にそなたへの路を開いてやったのです、ローエングリン二一七二一七
二一八私はそなたの純潔をそなたの目つきで読みました、-私はそなたの温情の用に立つべく意を決せずには居られなくなった。エルザそれでも私は以前にあなたに逢いましたわ、尊い夢であなたは私の近くに寄って来て下さいました。夢ではなしにあなたが私の前にお立ちになったのを見ました時は、私は直ぐと、あたたが神の旨うけてお来でになったのであると知りましため。私はあなたに見られると、小川となって流れ行きたいと思いました、草花となって御足に纏わりたいと思いました、草原の上に香を釀してあなたのお歩きなさる前に咽び入りたいと思いました。これがただ恋というだけのものでしょうか、-何と言ったらいいか知ら、ああ斯株に何と言うとも言い尽くせない嬉しさを意味する〓葉は、どんなにか、ああ、あなたさまの御名-それはわたし知ってはならないのでありますけれど、それであなた様の一等おえらい所をお呼びしてはならないのではありますけれど。ローエングリン(柔かに温かに)エルザ。エルザ私の名をば仰っしゃるのが何てまあ快く響く事でしょう。(少し躊躇いつつ)あなたはあなたのお名前の類いない立派な響きを私に言わして下さるわけには行かないこと?こんなに恋の二人っきりのしんと静かな場合にだけ、許して下すってもいいわ、私の口で言えるように。ローエングリン可愛い可愛い私の妻。エルザザ二一九
二二〇ひつそりしててよ、誰も目を覚ましてはいはしないわ。決して決して世間に聞かれる事ありゃしないわ。ローエングリン(彼女を優しく抱きよせ、あの芳香をそなたは私と一緒に嗅げない?何とまあ愉快に官能を酔わせる事だろう、秘密に満ちて微風につれて来るではないの、私は何も問はないで、ただあの神祕に身を委ねるよ。- (声を上げ)私がそなたを、可愛いそなたを始めて見た時、その時私をそなたに結びつけたのも、やはり同じい神祕なのだ。私はそなたの身分など尋ねる必要はなかったのだ、ただそなたの目を見ました、-私の心がそなたを理解したのである。1층あの芳香は議に満ちた夜より湧いて来るのだけれど、斯うも優しう官能を酔わして呉れる。-あいている窓より外の花園を指して) (情熱的に)重い罪の嫌疑を受けてるそなたに私が逢った時も、そなたの無罪純潔に私が強く惹きつけられたのは亦そうであった。(エルザは彼に身を委せ縋りつつつつ羞かしさを隠す)エルザああ私あなたに相応しい者だといいのだけれど、そしてあなたの前に消え入るばかりでない様になれるといいけれど。何かあなたに辛い事でもあるのを私が知る事が出来て、あなたの為めにお役に立ち、そしてあなたと一〓の者になれるといいけれど。あなたが私の難儀の時に来て下さいました様に、私もあなたの御難儀を知っていますといいのだけれど。あなたのお身に迫っている心配事を私知っていますとしたら。どんな事にも辛抱してあなたの為めに尽すのですけれど。-あなたの秘密は此の全世界に決してお洩らしなさらない様に二二一
二二二そんな類いのものになって居りまして? (次第に秘密深げに)それが世間に知れるとしたら、何か不吉な事があなたを待ってるのじゃないか知ら、若しそうだったら、そして私それを知っていいのでしたら、私の力でそれが私に分るのでしたら、私はどんなに迫られようともそれは洩しはしないのに、あなたの為めには私は死ぬのも厭いはしないわ。ローエングリンエルザ!エルザ(いよいよ情熱的に)ああ、私があなたに不釣合いな為め消え入ってしまはなくていい様に、あなたの信用を得さして下さい、そして私に誇を授けて下さいまし。あなたの秘密を私に見せて下さいまし、あなたが誰方様であるという事を、ローエングリンああ、言わずにお居で、エルザーエルザ(いよいよ迫る)私の変らぬ誓いをお汲み下さって、御身分の程をあかして下さいまし。後悔などを遊ばさずにお国を言って下さいまし、ローエングリン(きっとして二三歩退り)そなたの誓いを私が信じているからは、そなたは又私の最高の信頼に感謝しなければならない筈だ。決してそなたは禁制に対して心を迷わしてはならないま私はそたたをすべての女性に優って私に適したんだと思っている。(それから又直ぐ親愛の情を覚えてエルザの方に向き)私の胸に寄りなさい、可愛い可愛い純潔なそなた。はっきり私に知らして下さいまし。ああ、三
二二四そなたの目が私を軟かに照らす様に、その目に私が私の一切の幸福を見る様に、近くお寄り、私の心の〓い熱に。(情熱的に)ああ私にそなたの呼吸を歓喜に駆られて受けさしてお呉れ、しかと私を、しかと抱きしめておくれ、私はそなたの所有になって幸福の程を味いたい。そなたの為めに私が捨てて来た所のものの代りにそなたは愛で私に十分償いをして呉れなければなりません、神の世界の広い中で私の運命ほど尊いのは他には一つもなかったのだから。よしんば王が其冠を私にやると言ったとしても、それは私は断る方が正当だった。私の犠牲の酬いられる唯一のものは、そなたの愛に私は見出さねばならない。だから疑惑わいつも必ず避けてお居で。そなたの愛こそ私の誇らしい保証であって呉れ。私は夜と苦悩の領域より出たのではない、光明と愉楽の中より私は来た。エルザまあ、神様、何を私は聞くのでしょう。何という証拠を此方は仰っしゃるのでしょう。あなたは私を賺してなだめなさるお積りでしたのねえ、そして私は何てまあ悲しい事を聞いたのでしょう。あなたが捨ててお来でになった運命は、それがあなたの最高の幸福でしたのねえ。悦楽の中よりお来でになったあなた様は二二五
二二六又そこへお帰りなさりたいのですわねえ。どうして此のみすぼらしい私の信実があなた様を満足さす事出来ると信じられましょう?いつかはあなた私を恋して下さった事を後悔なさいまして行っておしまいなさいますわ。ローエングリンそんなに独り苦しい思をしないがよい。エルザでもあなた様、私に苦しい思をさせて下さいますではござりませんか。私はあなた様がまだ此地に居て下さいます日の数をそれを数えていなければなりませんかしら?御滯留の程を思って心配して私の頰は蒼ざめ行くにきまってますわ、-するとあなた様は急いで行っておしまいになり、私はみじめに取り残される事になりますのねえ。ローエングリン(強く力を込めて)そなたが心に疑惑をもたない限り、そなたの魅力は決して決して消えはしない。エルザああ、あなた様を引きつけておく力が私に、どうしたらある事でしょう?あなた様の御素性は魔術に充ち、奇蹟によってあなた様はお来でになったのですもの、-どうして私は平気で居られるでしょう、どこに私はあなた様の保証を得られます事やら? (強く何事かに感じてエルザははっと愕き怖れ、耳を献てるかの様に言葉を途切らす)あなたには何も聞えないこと?何か寄って来る様なけはいがお耳には入らなくって?ローエングリン二二七二二七
二二八ローエングリンエルザーエルザいや、そうでないわ。(前方を凝視しつつ)だけどあの、あれ、白鳥が!水面を白鳥がこちらへ泳いで来ることよ、-あなたがお呼びになることね、-小舟を引いて来ますのよ。-ローエングリンエルザ、もういい、もういい、気を静かにお持ちなさい。エルザ私どうしても静かな気にはなれませんわ、どうしても安心は私出来ませんわ、あの、あなた様が、-よしんば私の命を捨てましても、-あなた様が誰方であるやら、それが私に分らないなら。あれ、-白鳥が、エルザ、気を静かにお持ちなさい。ローエングリンエルザ、そなたは何を大胆にも言おうとします?エルザ不運な恋しいあなた様、私がお尋ねしなければならない事をお聞き下さいまし。お名を名のつて下さいまし。ローエングリンエルザ、黙ってお居で!エルザどこからお来でになりまして?ローエングリンああ気の毒なそなただなあ!エルザそして御身分御家柄は〓ロオエ二二九
二三〇ローエングリンああ不仕合せな我々だなあ、そなたは何と誓いました? (舞台の後方に背を向けているローエングリンの前に立っていた彼女は、フリードリヒと其徒党四人を見つける、フリードリヒ等は後ろの扉を排して剣を抜いて侵入して来たのである)エルザ(恐怖の叫声を上げてから)み御身をお護り下さいまし。剣ですわ、これ剣ですわ。(エルザは休み床に立てかけてあった剣を素早く取ってローエングリンに渡す。ローエングリンは鞘を彼女に持たせたまま抜くより早く、後ろより斬りかかろうとしたフリードリヒを一撃に斬リ殺す。他の四人の徒党は愕き怖れて剣を取り落し、ローエングリンの足許に身を投げ出し処づき哀を乞う。エルザは身をローエングリンの胸に投げかけ、気も力も尽きはててぐったりと沈みかかる。-長いしんとした沈黙)ローエングリン(心の深い激動を味いつつ、〓乎と一人立っている)ああ、もうこれで我々の一切の幸福は終りとなった。よ(身を屈めてエルザを柔かに抱き起し、休みの床に凭りかからせる)〓乎と一人立っている)エルザ(力なげに目を見開きつつ)永遠の神様、私を憐んで下さいまし。(徐々に夜が明けようとする、ずっと下まで燃え下つていた蝋燭は消えそうになる。はローエングリンの合図によって起上る)ローエングリンこの死骸を国王の前に裁判の為めに運んで行け。(四人の貴族はフリードリヒの死骸を抱き起し、後ろの戸口よりそれを抱えて出て行く。ングリンは紐を引いて鈴を鳴らす、四人の上薦左方よリ登場)ローエングリン(上稿達に)私の最愛の妻エルザに装飾をさせて国王の前へ連れて行って下さい、そこで私の身分が何であるか、私は妻に答える積りです。(ローエングリンは悲痛そうな厳粛な態度で徐かに右手の戸より出て行く。ローエングリン二三一四人の貴族ロオエ-もはや身を動か二三一
二三二す力も無くなっているエルザを連れて上蘭達は左の方から退場。徐々にしらしら明けの光景。蝋燭ははや皆消えている。幕は前方に下りて舞台一面をかくす。城郭の方からの様に角を吹く兵士の或る吹奏が聞える)


第三場(前方の幕再び上ると、舞台は第一幕の様にセルデ河畔の沃野の光景。-東の空は燃える様に赤くなり、次第々々に明けてすっかり朝の景色となる。一隊の兵を率いた一領主、前方右手より登場、馬より下り、その馬は一人の従卒に渡す。二人の小姓が楯と槍とを彼に持って来る。領主は自分の旗を大地に突き立てる、従って来た一隊の兵は其旗の囲りに集まる。-第二の領主が亦第一の領主の通りにしてやって来る間に、既に又第三の領主の近づき来る喇叭の音が聞える。|第三の領主も同様にして登場、同じく一隊の兵を率いている、新たに来た兵士の群はめいめい其主の旗の囲りに集まる。領主達や其部下の貴族達は皆互に挨拶を交えたり、武器を品評したり褒め合ったりする。-第四の領主は又其一隊の兵を率いて右手よリ登場、舞台後方の中程迄に位置|を取る。国王の喇叭が鳴ると一同は急いで各自の旗の囲りに集まり整列する。の兵を率いて左手より登場)男等一同(王が柏の下に来ると、楯を打ち鳴らし)ハインリヒ王万歳。国王ハインリヒ様万歳。国王(柏の下に立って)有り難う、親愛なブラバントの皆様方。私はドイツの各地方で斯様に十分立派な軍勢の団結を得たのを思うと、得々として私の心は燃える様だ。よろしい、これで帝国の敵も来らば来れ、我等は勇敢に迎え撃とう。.あの荒寥たる東方から決して再び敵が攻め入りえない様にしてやろう。ローエングリン王はザクセン微暮(王が柏の下に来ると、楯を打ち鳴らし)二三三
二三四ドイツ国土の為めにドイツの剣がある。永久栄えよ、国威国力。男 等一同ドイツ国土の為めにドイツの剣がある。永久栄えよ、国威国力。国王時にあの人は何処に居る、ブラバントの偉大の為めに名誉の為めに神より遣わされて来たあの方は? (群衆中に何やら忌み怖れる様な動搖みが起る。四人のブラバント貴族フリードリヒの死骸に被いをかけ吊台に載せて昇いで来る、そして舞台の中ほどに腰をおろす。一同ぞっとしながら訝り尋ねる目つきをして見る)同何を昇いで来たのか知ら?どういう事になったのだろう?あれはテルラムントの手下だなあ。国王誰をそなた方は昇いで来たのだ?何を私に見よというのだ?そなた方を見れば私はぞっとする。四人の貴族ブラバントの守護者の方の意志であります、、あの方が誰方であるか、それをお知らせになるのであります。(エルザ大勢の上薦を従えて登場、足もとも不確かに徐々に舞台の前方に歩み来る)男の人々見玉へ、エルザの君が来られる、貞淑無二のエルザの君が!あの顔つきの何と曇っている事だろ、何と蒼ざめた顔色だろう。国王(進んで行ってエルザを迎える、エルザは王と向合いに高い腰掛にかかる)何と私はそなたの悲しげな様子を見ねばならないのだろう。御良人の出征の別れがそう迄お心にかかりまするか?何を私に見よというのだ?二三五
二三六(エルザは顔を上げようとするが出来ない) (舞台の後方には群衆が彌増しに込み合う、ロ々に言う声が聞える)声道をあけるがよい、ブラバントの戦士の方に。男の人々一同万歳、ブラバントの戦士万歳。(国王は此時再び自分の席に着いている。-ローエングリン、第一幕に於けると仝く同一の扮装で一人の兵も従えず、悲痛そうに併し厳粛な態度で登場、きっとして前方へ歩んで来る)国王さあ来られた、万歳、敬愛な我が戦士。出征の為めそなたが忠実に召集された兵士一同ここに斯く士気漲って必勝を期し、そなたに従い出発すべく待っていますぞ。ブラバントの人々ロ々に言う声が聞える)ブラバントの戦士の方に。我々一同ここに斯く士気漲って必勝を期し、あなたに従い出発すべく待っています。ローエングリン我が国王よ、支配者よ、あなたに申上ぐべき事があります、私が召集した勇敢な兵士達を、私は率いて出征するわけには行きません。(一同非常に愕き意外の態)男の者一同呀つ!何て無情な言葉を言われるのであろう!ローエングリン私は今は戦友として来たのではない、-私は今訴人として皆様がたに聞いて貰いたい、- (そう言ってフリードリヒの死骸にかけた被いを除る、一同それを見るや嫌悪の情に駆られ面をそむける)呀つ!二三七
二三八ローエングリン(粛として死骸の前に立ち)先ず第一に私はこれを皆様の前にきっぱり訴える、そして正義公道による宣告をお尋ねしたい、この男が夜半に私を不意討ちに来ました故、私は斬り殺したのだが、これは何うです、正しいのですか?国王及び余の男達一同(皆厳かに死骸の方へ手を差し延べ)そなたの手が此奴を地上で殺した通り、天では此奴に神罰が下るに相違ありません。ローエングリンそれでは第二に皆さんは斯ういう訴えを聞いて下さい、私は天下に明白に今は訴えねばならない、神より授けられた私の妻が、心惑うて私に裏切りをしたのであります。国王エルザの君よ、さてもそなたは何としてさような罪を犯されたのか?男の人々(ひどく愕き心を曇らして)エルザの君よ、何としてさような事が?さてもあなたは何としてさような罪を犯されました?上萬達(悲嘆愁訴の顔つさをしてエルザを見やり乍ら)まあ、お可哀そうに、エルザ様。ローエングリン(いよいよ厳格に)私が如何なる者であるか、それを決して問はないと、妻が私に誓つた事、皆様も聞いていられたでしょうな?然るに妻は大切な其誓いをば破りました。不実な勤告に妻は心を傾けたのです! (一同は心の極度な激動を顔色にも出す)妻の疑心の粗野な問いに応じ、なおこれ以上に答を惜む事はしますまい、まあ、ニマ九
二四〇迫る敵には私はそれを拒ばなければなりませんでした、-今は告げねばなりません、私の名前も又身分も、(次第々々に彼の額には寥廓爽朗の色が浮ぶ)今は皆よく聞いて下さい、私が白日の光を怖れるか何うかを、全世界の前に、国王の前に、この国の前に、私は他意なく私の秘密をさらけ出します。(ずんと胸を張る様に身を起して)さ、お聞き下さい、私の身分が皆様がたに不釣合だかどうであるか。国王及び男達一同まあ何という前代未聞の事に逢わねばならないのだろ。ああ其の無理に問われた答え、言わずにおいては呉れないか知ら。ローエングリン(爽朗透徹の心持で粛として前方を見やりつつ)皆様がたの行く事出来ない遠い国にモンサルヴァートと言う城があります、さ、明るい塔がその真中にそびえ立って、それは地上に知られない程の尊いものであります。そこに霊験あらたかな盃が一つありまして、そこの最貴の宝物として保存されてあります。それは人間の最も純潔なものによって護られて行く様に、一群の天使がもたらしたものであって、その霊験の力をば毎年新たに強める為め、毎年天より一羽の鳩が降りて来る事になっています。その皿はグラールという名で、純潔無垢な信仰にはグラール守護の騎士の力を分たれます。選ばれてグラールに仕える者には、超自然の力が授けられます。そういう騎士には如何なる悪党の悪計も害を加うる事が出来ず、一度グラールを見た者には死という夜はない事になります。一四一
二四二グラールによって遠い国に遣わされ、善い行いの権利の為めの戦士たるべく命ぜられた者にも、その身分を知られないでいる限りは、聖グラールの神力は消えるものではありません。それ程グラールの祝福は崇高偉大なものであります、若しもあらはになる時は、-其騎士は俗人の眼より逃れなければなりません、それ故皆さんは其騎士を疑わないがいいのです、皆さんが騎士の身分を知るとなれば、騎士は皆さんを捨てて行かねばなりません-。さて今私がここに禁制の問に答えるのをお聞きなさい、私は即ち其為めにグラールに遺されて皆さんの許に来たのである、私の父パルツィファルはグラール奉仕の騎士の王で、その騎士たる私は、-ローエングリンと言う名であります。


男の人々、上一達一同(驚嘆の目に彼を見やって)あんな高貴な身分の証明されるのを聞いていると、我が目は熱して貴い歓喜の涙が湧く。エルザ(心身沮喪した者の様に)私の足もとはぐらぐらするわ。何という夜になった事だろ、おお、気息よ来てお呉れ、不幸な私に気息よ何卒! (ぐったりと倒れ臥そうとする、ローエングリン彼女を抱き起す)ローエングリン(極度の悲痛に駆られて)おおエルザ、そなたは私に対し何をしました?私の目がはじめてそなたを見た時は、私はそなたを恋い慕う心に燃える身を覚えた、そして私は新しい幸福を直ぐ見出した、崇高い力を、私の素性の奇蹟の程を、秘密によって守られる私の力を、-それを私は純潔無垢の心の仕事に奉仕さすべく思っていた、-然るにそなたは私の秘密を何故打破ってしまいました?二四三
二四四今は私は、ああ是非ない、そなたに別れて行かねばならない。国王及び男達一同る。ああ辛い事だ、あなたが我々を去って行くとは、神より遣わされた崇高いあなた、天の恵みが我々を捨てて行くならば、何処に我等は慰めを得られるでしょう?エルザ(絶望悲痛の極に駆られ)私の夫のあなた、いけません、あなたを私行かしはしません。私の償いの証人としてここに残っていて下さいまし。私の激しい後悔をあなたは避けてはいけません、私をあなたは罰して下さいまし、斯うして私あなたの前に身を投げ臥しますわ。上薦達ああ、何うしましょう、もうあなたを捨てて行っておしまいになりますわ。ローエングリンああ、私は行かねばならない、ならないのだ、可愛い我が妻。私が遠く離れているので、はやグラールの神体を怒らしている。エルザお話を承つても、それ程神々しいあなた様ですもの、神様のお慈悲をもお心よりお捨てなさらないで下さいまし。悲しみ嘆いて此の重い罪を悔い償おうとしますものに、この一等憫れな女に、お傍に居るだけのお情けをも追い払っては下さいますな。どんなに私のした事が悪くありましょうとも、私を突きやっては下さいますな、この一等憫れな私という女を、ああ、どうぞ尖きやっては下さいますな。ローエングリンそなたの罪にはただ一つの罰がある許り、-ああ、そなたにも私にも其罰の厳しい苦痛は等しく当る。別れなければならない、我々は別々にならなければならない、-これが罰である、これが償いである、ローエングリン二四五二四五
二五六(エルザは悲鳴をあげて地に倒れる)国王及び貴族達(ローエングリンを囲繞して)ああ、居て下さい、我等を棄てて行かない事にして下さい。あなたの部下の軍兵はあなたの指導を待っています。ローエングリンああ国王よ、私はあなたに出征のお供をずる事が出来ません。グラールの騎士たる事をあなた方が知った以上、其騎士がグラールの旨に背いて皆さんと共に戦に赴くならば、その騎士のあらゆる戦闘力は取上げられてしまうのです。けれども、大王、私はあなたに予言しておきます、高潔なあなたには大きい勝利は予約されています。未来に決して我がドイツへ東方の蛮族が勝ち誇って侵入する事はありません。(群衆の間にどよめきが起る。舞台の後方より伝わり広まり来る口々の声は)白鳥が!白鳥が! (ローエングリンが最初この国に来た時の様に、見える)一葉の小舟を曳いた白島が河を泳いで来るのが男達、上萬達白鳥が!白鳥が!見るがよい、又やって来る。白鳥が!ああ何うしよう、やって来る!エルザ(喪神の状態から覚め、椅子に縋って立ち上り、まあ、怖ろしい。白鳥が! (そう言ったきりで彼女は長い間そのまま化石した様になっている)ローエングリン(感動)私は愚図々々して居った、はやグラールの迎えが来た。(余の人々が皆極度の緊張を以て何物かを期待している間に、ローエングリンは河岸に近づき、鳥に向かって身を屈め、悲しそうに眺めやって)ローエングリン二四七河岸を眺めやる)白二四七
二四八可愛い我が白鳥よ。-ああ此の最後の悲しい舟路、これを私はどんなにお前にさせ度くないと思ったろう。一年経って、お前の勤めの時が終りになったなら、-グラールの神力により救われた所の別な姿のお前を私は見たかったのだ、(烈しい悲痛がこみ上げて来て、彼は又舞台前方のエルザの方へ向きかへり)おおエルザ、ただ一年でよいから私はそなたの許にそなたの幸福の証人として居たいと思った。そうすればそなたが死んだと思っていたそなたの弟がグラールの導きによって再び芽出度く帰るのだったに。- (一同は意外の感に堪えぬ面持)ローエングリン(角笛と剣と指環とをエルザに渡しつつ)それ故そなたの弟が帰ったら、私は此世では遠く離れているのだけれど、この角笛と剣と指環をそなたは弟にやってお呉れ。危難の場合に弟は此の角笛によって救いを得、激しい戦いの時は此の剣で弟は勝利を得る、又此の指環について弟は私が最初そなたをば難儀と恥辱より脱出さした事を思い出して呉れるがよい。(そう言って彼はもはや何等の表情をも出す事の出来なくなっているエルザに再びキツスをして)さよなら、さよなら、さよなら、私の可愛い妻!さよなら。なお止まっていれば私はグラールの怒に触れる。(エルザは身を痙攣らす様にして彼に縋りついている。最後に彼女は力を失い、上薦達に抱えられてぐったりとくずおれる、ローエングリンは彼女を上薦達の手に渡すや急いで岸の方へ行く)国王、男の人々、上藤達(ローエングリンの方へ手をさし延べつつ)ああ何うしよう。高貴な温雅な騎士のあなた。何と悲痛な難儀をば我等は負わせられるのでしょう。二四九
二五〇勝誇った様な顔つきをして)オルトルート(舞台の前方に現れ来り、帰り行けかし、得意の戦士、舟でお前を曳いて来たのが誰じゃやら、それを私は勝誇り、馬鹿な女に言ってやら。私が首に卷いてやったあの鎖で、あの白鳥が誰じゃやら、私はちゃんと見て知った、ありゃブラバントのあと取りさ。ー同何じゃと。オルトルート(エルザに)お礼を言うよ、あの騎士を追いやって呉れて有り難う。これで彼奴を白鳥は連れて行って呉れる。なお此の上は彼奴が此地に居ようもんなら、お前さんの弟までも救い出してしまったろうよ。やあ、*これは異数徒の神ヴォーダン、フライア等で、悪方たるオルトルート等が尊崇して居り、基督教的唯一神を奉ずるエルザ等に敵対する事、「タンホイザー」に於けるヴェーヌスと異らず。

同(激怒す)忌々しい阿魔奴。やあ、不貞腐れな図う図うしさで、何たる悪事を白状し居るか。オルトルート神々達の御恵みに背中を向けたお前達、神々達の復讐を今こそようく受けるがよい。(そう言って彼女は悪盛って勢強い歓喜の態ですっくと突っ立ち居る。はや岸に達していたローエングリンは、オルトルートの言う事を残らず聞き、跪いて厳粛な無言の祈講三昧に入る。凡ての人の視線は緊張した期待を以て彼の一身に集まる。一羽の白いグラールの鳩が小舟の上に舞い下る。ローエングリンはそれを見るや、感謝に充ちた目を挙げて躍り上り、白鳥の鎖を解いてやる、すると白鳥は直ぐ水中に潜り入る。そして其代りにローエングリンは白銀の光眩しい服装をした美しい一人の児童-ゴットフリート-を水から上げて岸に置く)ローエングリンかた〓〓見られよ、方々、ブラバントの大公を。基督教的唯一神を奉ずるエルザ等二五、
二五二これ方々の指揮者に任ぜらるべき人。(オルトルートはゴットフリートを見るや否や悲鳴をあげて倒れる。ローエングリンは急いで舟に飛び乗ると、鳩は舟の鎖を啄みて直ぐ曳いて行く。エルザは最後の悦ばしげな朗えた顔をしてゴットフリートを見る、ゴットフリートは前方へ進み来り王の前に頭を下げる。一同は天上の幸福に会った様な調子の愕きを以てゴットフリートを見る、ブラバントの人々は維命維畏む様な姿で彼の前に跪づく。それからゴットフリートは急いで行ってエルザの腕に抱かれる。エルザは束の間の驚喜の状態から覚め、急いで河岸の方を見る、しかしローエングリンの姿はもはや見えない)エルザああ、あなた、ああ、あなた。(遠くの方でローエングリン再び見える。楯に身をもたせ、悲しげに頭を垂れて舟の中に立っている。それを見ると一同は高い悲嘆の声をあげる。エルザはゴットフリートの腕に抱かれながら又次第に喪神の態になって、落ち沈む様に大地に倒れようとする。ローエングリンが次第に遠ざかリ行くままに、幕徐かに下る) (をはリ
DRITTER AUFZUG

ERSTE SZENE
Die einleitende Musik schildert das prächtige Rauschen des Hochzeitsfestes. Als der Vorhang aufgeht, stellt die Bühne das Brautgemach dar, in der Mitte des Hintergrundes das reich geschmückte Brautbett; an einem offenen Erkerfenster ein niedriges Ruhebett. Musik hinter der Bühne; der Gesang ist erst sntfernt, dann näher kommend. In der Mitte des Liedes werden rechts und links im Hintergrunde Türen geöffnet; rechts treten Frauen auf, welche Elsa, links die Männer mit dem Könige, welche Lohengrin geleiten. Edelknaben mit Lichtern voraus


BRAUTLIED
der Männer und Frauen
Treulich geführt ziehet dahin,
wo euch der Segen der Liebe bewahr!
Siegreicher Mut, Minnegewinn
eint euch in Treue zum seligsten Paar.
Streiter der Jugend, schreite voran!
Zierde der Jugend, schreite voran!
Rauschen des Festes seid nun entronnen,
Wonne des Herzens sei euch gewonnen!

Hier werden die Türen geöffnet
Duftender Raum, zur Liebe geschmückt,
nahm euch nun auf, dem Glanze entrückt.
Treulich geführt ziehet nun ein,
wo euch der Segen der Liebe bewahr!
Siegreicher Mut, Minne so rein
eint euch in Treue zum seligsten Paar.

Als die beiden Züge in der Mitte der Bühne sich begegneten, ist Elsa von den Frauen Lohengrin zugeführt worden; sie umfassen sich und bleiben in der Mitte stehen. Edelknaben entkleiden Lohengrin des reichen Obergewandes, gürten ihm das Schwert ab und legen dieses am Ruhebette nieder; Frauen entkleiden Elsa ebenfalls ihres kostbaren Obergewandes
Acht Frauen umschreiten währenddessen langsam Lohengrin und Elsa


ACHT FRAUEN
nach dem Umschreiten
Wie Gott euch selig weihte,
zu Freuden weih'n euch wir.

Sie halten einen zweiten Umgang
In Liebesglücks Geleite
denkt lang der Stunde hier!

Der König umarmt und segnet Lohengrin und Elsa
Die Edelknaben mahnen zum Aufbruch. Die Züge ordnen sich wieder, und während des Folgenden schreiten sie an den Neuvermählten vorüber, so dass die Männer rechts, die Frauen links das Gemach verlassen

BRAUTLIED
gesungen während des Fortgehens
Treulich bewacht bleibet zurück,
wo euch der Segen der Liebe bewahr!
Siegreicher Mut, Minne und Glück
eint euch in Treue zum seligsten Paar.
Streiter der Jugend, bleibe daheim!
Zierde der Jugend, bleibe daheim!
Rauschen des Festes seid nun entronnen,
Wonne des Herzens sei euch gewonnen!
Duftender Raum, zur Liebe geschmückt,
nahm euch nun auf, dem Glanze entrückt.
Hier haben die Züge die Bühne gänzlich verlassen; die Türen werden von den letzten Knaben geschlossen. In immer weiterer Ferne verhallt der Gesang
Treulich bewacht bleibet zurück,
wo euch der Segen der Liebe bewahr!
Siegreicher Mut, Minne und Glück
eint euch in Treue zum seligsten Paar.

Elsa ist, als die Züge das Gemach verlassen haben; wie überselig Lohengrin an die Brust gesunken. Lohengrin setzt sich, während der Gesang verhallt, auf einem Ruhebett am Erkerfenster nieder, indem er Elsa sanft nach sich zieht


ZWEITE SZENE

LOHENGRIN
Das süsse Lied verhallt; wir sind allein,
zum erstenmal allein, seit wir uns sahn.
Nun sollen wir der Welt entronnen sein,
kein Lauscher darf des Herzens Grüssen nahn.
Elsa, mein Weib! Du süsse, reine Braut!
Ob glücklich du, das sei mir jetzt vertraut!

ELSA
Wie wär ich kalt, mich glücklich nur zu nennen,
besitz ich aller Himmel Seligkeit!
Fühl ich zu dir so süss mein Herz entbrennen,
atme ich Wonnen, die nur Gott verleiht.

LOHENGRIN
feurig
Vermagst du, Holde, glücklich dich zu nennen,
gibst du auch mir des Himmels Seligkeit!

zärtlich
Fühl ich zu dir so süss mein Herz entbrennen,
atme ich Wonnen, die nur Gott verleiht; -
Wie hehr erkenn ich unsrer Liebe Wesen!
Die nie sich sahn, wir hatten uns geahnt;
war ich zu deinem Streiter auserlesen,
hat Liebe mir zu dir den Weg gebahnt:
Dein Auge sagte mir dich rein von Schuld -
mich zwang dein Blick, zu dienen deiner Huld.

ELSA
Doch ich zuvor schon hatte dich gesehen,
in sel'gem Traume warst du mir genaht;
als ich nun wachend dich sah vor mir stehen,
erkannt ich, dass du kamst auf Gottes Rat.
Da wollte ich vor deinem Blick zerfliessen,
gleich einem Bach umwinden deinen Schritt,
gleich einer Blume duftend auf der Wiesen,
wollt ich entzückt mich beugen deinem Tritt.
Ist dies nur Liebe? - Wie soll ich es nennen,
dies Wort, so unaussprechlich wonnevoll,
wie ach! dein Name - den ich nie darf kennen,
bei dem ich nie mein Höchstes nennen soll!

LOHENGRIN
schmeichelnd
Elsa!


ELSA
Wie süss mein Name deinem Mund entgleitet!

etwas zögernd
Gönnst du des deinen holden Klang mir nicht?
Nur, wenn zur Liebesstille wir geleitet,
sollst du gestatten, dass mein Mund ihn spricht.

LOHENGRIN
Mein süsses Weib!

ELSA
  • Einsam, wenn niemand wacht;
nie sei der Welt er zu Gehör gebracht!

LOHENGRIN
sie freundlich umfassend und durch das offene Fenster auf den Blumengarten deutend
Atmest du nicht mit mir die süssen Düfte?
O wie so hold berauschen sie den Sinn!
Geheimnisvoll sie nahen durch die Lüfte,
fraglos geb ihrem Zauber ich mich hin. -

mit erhobener Stimme
So ist der Zauber, der mich dir verbunden,
da als ich zuerst, du Süsse, dich ersah;
nicht deine Art ich brauchte zu erkunden,
dich sah mein Aug, - mein Herz begriff dich da.
Wie mir die Düfte hold den Sinn berücken,
nahn sie mir gleich aus rätselvoller Nacht: -

feurig
So deine Reine musste mich entzücken,
traf ich dich auch in schwerer Schuld Verdacht.

Elsa birgt ihre Beschämung, indem sie sich demütig an ihn schmiegt


ELSA
Ach, könnt ich deiner wert erscheinen,
müsst ich vor dir nicht bloss vergehn;
könnt ein Verdienst mich dir vereinen,
dürft ich in Pein für dich mich sehn!
Wie du mich trafst vor schwerer Klage,
o wüsste ich auch dich in Not;
dass mutvoll ich ein Mühen trage,
kennt ich ein Sorgen, das dir droht! -
Wär das Geheimnis so geartet,
das aller Welt verschweigt dein Mund?

immer geheimnisvoller
Vielleicht, dass Unheil dich erwartet,
würd aller Welt es offen kund?
Wär es so und dürft ich's wissen,
dürft ich in meiner Macht es sehn,
durch keines Droh'n sei mir's entrissen,
für dich wollt' ich zu Tode gehn!

LOHENGRIN
Geliebte!

ELSA
immer leidenschaftlicher
O, mach mich stolz durch dein Vertrauen,
dass ich in Unwert nicht vergeh!
Lass dein Geheimnis mich erschauen,
dass, wer du bist, ich offen seh!

LOHENGRIN
Ach, schweige, Elsa!

ELSA
Meiner Treue
enthülle deines Adels Wert!
Woher du kamst, sag ohne Reue, -
durch mich sei Schweigens Kraft bewährt!

LOHENGRIN
streng und ernst einige Schritte zurücktretend
Höchstes Vertraun hast du mir schon zu danken,
da deinem Schwur ich Glauben gern gewährt;
wirst nimmer du vor dem Gebote wanken,
hoch über alle Fraun dünkst du mich wert!

er wendet sich schnell wieder liebevoll zu Elsa
An meine Brust, du Süsse, Reine!
Sei meines Herzens Glühen nah,
dass mich dein Auge sanft bescheine,
in dem ich all mein Glück ersah!

feurig
O gönne mir, dass mit Entzücken
ich deinen Atem sauge ein:
lass fest, ach! fest an mich dich drücken,
dass ich in dir mög glücklich sein!
Dein Lieben muss mir hoch entgelten
für das, was ich um dich verliess;
kein Los in Gottes weiten Welten
wohl edler als das meine hiess.
Böt mir der König seine Krone,
ich dürfte sie mit Recht verschmähn.
Das einz'ge, was mein Opfer lohne,
muss ich in deiner Lieb ersehn!
Drum wolle stets den Zweifel meiden,
dein Lieben sei mein stolz Gewähr!
Denn nicht komm ich aus Nacht und Leiden,
aus Glanz und Wonne komm ich her!

ELSA
Hilf Gott, was muss ich hören!
Welch Zeugnis gab dein Mund!
Du wolltest mich betören,
nun wird mir Jammer kund!
Das Loos, dem du entronnen,
es war dein höchstes Glück;
du kamst zu mir aus Wonnen
und sehnest dich zurück!
Wie soll ich Ärmste glauben,
dir g'nüge meine Treu?
Ein Tag wird dich mir rauben
durch deiner Liebe Reu!

LOHENGRIN
Halt ein, dich so zu quälen!

ELSA
Was quälest du mich doch!
Soll ich die Tage zählen,
die du mir bleibest noch?
In Sorg um dein Verweilen

verblüht die Wange mir, -
dann wirst du mir enteilen,
im Elend bleib ich hier!

LOHENGRIN
lebhaft
Nie soll dein Reiz entschwinden,
bleibst du von Zweifel rein!

ELSA
Ach, dich an mich zu binden,
wie sollt ich mächtig sein?
Voll Zauber ist dein Wesen,
durch Wunder kamst du her; -
wie sollt ich da genesen,
wo fänd ich dein Gewähr? -

Sie schreckt in heftigster Aufregung zusammen und hält an, wie um zu lauschen
Hörtest du nichts? Vernahmest du kein Kommen?

LOHENGRIN
Elsa!

ELSA
Ach nein!

vor sich hinstarrend
Doch dort, - der Schwan - der Schwan!
Dort kommt er auf der Wasserflut geschwommen, -
du rufest ihm, - er zieht herbei den Kahn!

LOHENGRIN
Elsa! Halt ein! Beruh'ge deinen Wahn!

ELSA
Nichts kann mir Ruhe geben,
dem Wahn mich nichts entreisst,
als - gelt es auch mein Leben, -
zu wissen - wer du sei'st!



LOHENGRIN
Elsa, was willst du wagen?

ELSA
Unselig holder Mann,
hör, was ich dich muss fragen!
Den Namen sag mir an!

LOHENGRIN
Halt ein!

ELSA
Woher der Fahrt!

LOHENGRIN
Weh dir!

ELSA
Wie deine Art?

LOHENGRIN
Weh uns, was tatest du!

Elsa, die vor Lohengrin steht, welcher den Hintergrund im Rücken hat, gewahrt Friedrich und seine vier Genossen, welche mit gezückten Schwertern durch eine hintere Tür hereinbrechen

ELSA
nach einem fürchterlichen Schrei
Rette dich! Dein Schwert, dein Schwert!

Sie reicht das am Ruhebett angelegte Schwert hastig Lohengrin, so dass dieser schnell es aus der Scheide, welche sie hält, ziehen kann. Lohengrin streckt Friedrich, welcher nach ihm ausholt, mit einem Streiche tot zu Boden; den entsetzten Edlen entfallen die Schwerter, sie stürzen zu Lohengrins Füssen auf die Knie. Elsa, die sich an Lohengrins Brust geworfen hatte, sinkt ohnmächtig langsam an ihm zu Boden. - Langes Stillschweigen

LOHENGRIN
tief erschüttert, steht allein aufrecht
Weh, nun ist all unser Glück dahin!

Er neigt sich zu Elsa hinab, erhebt sie sanft und lehnt sie auf das Ruhebett

ELSA
matt, die Augen aufschlagend
Allewiger, erbarm dich mein!
Der Tag ist in allmählichem Anbruche begriffen; die tiefer herabgebrannten Kerzen drohen zu verlöschen. Auf Lohengrins Zeichen erheben sich die vier Edlen


LOHENGRIN
Tragt den Erschlagnen vor des Königs Gericht!

Die Edlen nehmen die Leiche Friedrichs auf und entfernen sich mit ihr durch eine Tür des Hintergrundes. Lohengrin läutet an einem Glockenzuge; vier Frauen treten von links ein

LOHENGRIN
zu den Frauen
Sie vor den König zu geleiten,
schmückt Elsa, meine süsse Frau!
Dort will ich Antwort ihr bereiten,
dass sie des Gatten Art erschau.

Er entfernt sich mit traurig feierlicher Haltung durch die Tür rechts. - Die Frauen geleiten Elsa, die keiner Bewegung mächtig ist, nach links ab. Der Tag hat langsam begonnen zu grauen; die Kerzen sind verloschen. Ein zusammenfallender Vorhang schliesst im Vordergrunde die ganze Szene. Wie aus dem Burghofe herauf hört man Heerhörner einen Aufruf blasen


DRITTE SZENE
Als der vordere Vorhang wieder aufgezogen wird, stellt die Bühne die Aue am Ufer der Schelde dar, wie im ersten Akt. - Glühende Morgenröte, allmählicher Anbruch des vollen Tages. Ein Graf mit seinem Heergefolge zieht im Vordergrunde rechts auf, steigt vom Pferde und übergibt dies einem Knechte. Zwei Edelknaben tragen ihm Schild und Speer. Er pflanzt sein Banner auf, sein Heergefolge sammelt sich um dasselbe. - Während ein zweiter Graf auf die Weise, wie der erste einzieht, hört man bereits die Trompeten eines dritten sich nähern. - Ein dritter Graf zieht mit seinem Heergefolge ebenso ein. Die neuen Scharen sammeln sich um ihre Banner; die Grafen und Edlen begrüssen sich, prüfen und loben ihre Waffen usw. - Ein vierter Graf zieht mit seinem Heergefolge von rechts herein und stellt sich bis in die Mitte des Hintergrundes auf. Als die Trompeten des Königs vernommen werden, eilt alles, sich um die Banner zu ordnen. - Der König mit seinem sächsischen Heerbann zieht von links ein


ALLE MÄNNER
an die Schilde schlagend, als der König unter der Eiche angelangt ist
Heil König Heinrich!
König Heinrich Heil!

DER KÖNIG
unter der Eiche stehend
Habt Dank, ihr Lieben von Brabant!
Wie fühl ich stolz mein Herz entbrannt,
find ich in jedem deutschen Land
so kräftig reichen Heerverband!
Nun soll des Reiches Feind sich nahn,
wir wollen tapfer ihn empfahn:
aus seinem öden Ost daher
soll er sich nimmer wagen mehr!
Für deutsches Land das deutsche Schwert!
So sei des Reiches Kraft bewährt!



ALLE MÄNNER
Für deutsches Land das deutsche Schwert!
So sei des Reiches Kraft bewährt!

DER KÖNIG
Wo weilt nun der, den Gott gesandt
zum Ruhm, zur Grösse von Brabant?

Ein scheues Gedränge ist entstanden; die vier brabantischen Edlen bringen auf einer Bahre Friedrichs verhüllte Leiche getragen und setzen sie in der Mitte der Bühne nieder. Alles blickt sich unheimlich fragend an

ALLE
Was bringen die? Was tun sie kund?
Die Mannen sind's des Telramund!

KÖNIG
Wen führt ihr her? Was soll ich schaun?
Mich fasst bei eurem Anblick Graun!

DIE VIER EDLEN
So will's der Schützer von Brabant;
wer dieser ist, macht er bekannt.

Elsa, mit grossem Gefolge von Frauen, tritt auf und schreitet langsam, wankenden Schrittes in den Vordergrund

DIE MÄNNER
Seht, Elsa naht, die taugendreiche!
Wie ist ihr Antlitz trüb und bleiche!

DER KÖNIG
der Elsa entgegengegangen ist und sie nach einem hohen Sitze, ihm gegenüber, geleitet
Wie muss ich dich so traurig sehn!
Will dir so nah die Trennung gehn?

Elsa versucht vor ihm aufzublicken, vermag es aber nicht
Grosses Gedränge entsteht im Hintergrunde; man vernimmt

STIMMEN
Macht Platz dem Helden von Brabant!

ALLE MÄNNER
Heil dem Helden von Brabant!

Der König hat seinen Platz unter der Eiche wieder eingenommen. - Lohengrin, ganz so gewaffnet wie im ersten Aufzuge, ist ohne Gefolge, feierlich und traurig, aufgetreten und schreitet ernst in den Vordergrund

KÖNIG
Heil deinem Kommen, teurer Held!
Die du so treulich riefst ins Feld,
die harren dein in Streites Lust,
von dir geführt, des Siegs bewusst.

DIE BRABANTER
Wir harren dein in Streites Lust,
von dir geführt, des Siegs bewusst.

LOHENGRIN
Mein Herr und König, lass dir melden:
die ich berief, die kühnen Helden,
zum Streit sie führen darf ich nicht!

Alle drücken höchste Betroffenheit aus

ALLE MÄNNER
Hilf Gott! Welch hartes Wort er spricht!

LOHENGRIN
Als Streitgenoss bin ich nicht hergekommen;
als Kläger sei ich jetzt von euch vernommen! -

Er enthüllt Friedrichs Leiche, von deren Anblick sich alle mit Abscheu abwenden
feierlich vor der Leiche
Zum ersten klage laut ich vor euch allen
und frag um Spruch nach Recht und Fug:
Da dieser Mann zur Nacht mich überfallen,
sagt, ob ich ihn mit Recht erschlug?

DER KÖNIG UND ALLE MÄNNER
die Hand feierlich nach der Leiche ausstreckend
Wie deine Hand ihn schlug auf Erden,
soll dort ihm Gottes Strafe werden!



LOHENGRIN
Zum andern aber sollt ihr Klage hören,
denn aller Welt nun klag ich laut,
dass zum Verrat an mir sich liess betören
das Weib, das Gott mir angetraut!

DER KÖNIG
Elsa! Wie konntest du dich so vergehn?

DIE MÄNNER
heftig erschrocken und betrübt
Elsa! Wie mochte das geschehn?
Wie konntest du dich so vergehn?

DIE FRAUEN
mit klagenden Gebärden auf Elsa blickend
Wehe dir, Elsa!

LOHENGRIN
immer streng
Ihr hörtet alle, wie sie mir versprochen,
dass nie sie woll erfragen, wer ich bin?
Nun hat sie ihren teuren Schwur gebrochen,
treulosem Rat gab sie ihr Herz dahin!
Alle drücken die heftigste Erschütterung aus
Zu lohnen ihres Zweifels wildem Fragen,
sei nun die Antwort länger nicht gespart:
Des Feindes Drängen durft ich sie versagen, -
nun muss ich künden, wie mein Nam' und Art.

Mit immer steigender Verklärung seiner Mienen
Jetzt merket wohl, ob ich den Tag muss scheuen:
Vor aller Welt, vor König und vor Reich
enthülle mein Geheimnis ich in Treuen.

Sich hoch aufrichtend
So hört, ob ich an Adel euch nicht gleich!

DER KÖNIG UND ALLE MÄNNER
Welch Unerhörtes muss ich nun erfahren?
O könnt er die erzwungne Kunde sich ersparen!

LOHENGRIN
in feierlicher Verklärung vor sich herblickend
In fernem Land, unnahbar euren Schritten,
liegt eine Burg, die Montsalvat genannt;
ein lichter Tempel stehet dort inmitten,
so kostbar, als auf Erden nichts bekannt;
drin ein Gefäss von wundertät'gem Segen
wird dort als höchstes Heiligtum bewacht:
es ward, dass sein der Menschen reinste pflegen,
herab von einer Engelschar gebracht;
alljährlich naht vom Himmel eine Taube,
um neu zu stärken seine Wunderkraft:
es heisst der Gral, und selig reinster Glaube
erteilt durch ihn sich seiner Ritterschaft.
Wer nun dem Gral zu dienen ist erkoren,
den rüstet er mit überirdischer Macht;
an dem ist jedes Bösen Trug verloren,
wenn ihn er sieht, weicht dem des Todes Nacht.
Selbst wer von ihm in ferne Land entsendet,
zum Streiter für der Tugend Recht ernannt,
dem wird nicht seine heil'ge Kraft entwendet,
bleibt als sein Ritter dort er unerkannt;
so hehrer Art doch ist des Grales Segen,
enthüllt - muss er des Laien Auge fliehn;
des Ritters drum sollt Zweifel ihr nicht hegen,
erkennt ihr ihn, - dann muss er von euch ziehn. -
Nun hört, wie ich verbotner Frage lohne!
Vom Gral ward ich zu euch daher gesandt:
mein Vater Parzival trägt seine Krone,
sein Ritter ich - bin Lohengrin genannt.

ALLE MÄNNER UND FRAUEN
voll Staunens und in höchster Rührung auf ihn hinblickend
Hör ich so seine höchste Art bewähren,
entbrennt mein Aug in heil'gen Wonnezähren.

ELSA
wie vernichtet
Mir schwankt der Boden! Welche Nacht!
O Luft! Luft der Unglücksel'gen!

Sie droht umzusinken; Lohengrin fasst sie in seine Arme


LOHENGRIN
in schmerzlichster Ergriffenheit
O Elsa! was hast du mir angetan!
Als meine Augen dich zuerst ersahn,
zu dir fühlt ich in Liebe mich entbrannt,
und schnell hatt ich ein neues Glück erkannt:
Die hehre Macht, die Wunder meiner Art,
die Kraft, die mein Geheimnis mir bewahrt, -
wollt ich dem Dienst des reinsten Herzens weihn: -
was rissest du nun mein Geheimnis ein?
Jetzt muss ich, ach! von dir geschieden sein!

DER KÖNIG UND ALLE MÄNNER
Weh! Wehe! musst du von uns ziehn,
du hehrer, gottgesandter Mann!
Soll uns des Himmels Segen fliehn,
wo fänden dein wir Tröstung dann?

ELSA
in heftigste Verzweiflung ausbrechend
Mein Gatte! nein! Ich lass dich nicht von hinnen!
Als Zeuge meiner Busse bleibe hier!
Nicht darfst du meiner bittern Reu entrinnen;
dass du mich strafest, liege ich vor dir!

DIE FRAUEN
Weh, nun muss er von dir ziehn!

LOHENGRIN
Ich muss, ich muss! mein süsses Weib!
Schon zürnt der Gral, dass ich ihm ferne bleib!

ELSA
Bist du so göttlich, als ich dich erkannt,
sei Gottes Gnade nicht aus dir verbannt!
Büsst sie in Jammer ihre schwere Schuld,
nicht flieh die Ärmste deiner Nähe Huld!
Verstoss mich nicht, wie gross auch mein Verbrechen!
Verlass mich, ach! verlass die Ärmste nicht!

LOHENGRIN
Nur eine Strafe gibt's für dein Vergehn! -
ach! mich wie dich trifft ihre herbe Pein!
Getrennt, geschieden sollen wir uns sehn -
dies muss die Strafe, dies die Sühne sein!

Elsa sinkt mit einem Schrei zu Boden


DER KÖNIG UND DIE EDLEN
Lohengrin umringend
O bleib, und zieh uns nicht von dannen!
Des Führers harren deine Mannen!

LOHENGRIN
O König, hör! Ich darf dich nicht geleiten!
Des Grales Ritter, habt ihr ihn erkannt,
wollt er in Ungehorsam mit euch streiten,
ihm würde alle Manneskraft entwandt!
Doch, grosser König, lass mich dir weissagen:
dir Reinem ist ein grosser Sieg verliehn!
Nach Deutschland sollen noch in fernsten Tagen
des Ostens Horden siegreich nimmer ziehn!

Lebhafte Erregung. Vom Hintergrunde her verbreitet sich der Ruf:
Der Schwan! Der Schwan!

Man sieht auf dem Flusse den Schwan mit dem leeren Nachen auf dieselbe Weise wie bei Lohengrins erstem Erscheinen, anlangen

DIE MÄNNER UND FRAUEN
Der Schwan! Der Schwan!
Seht dort ihn wieder nahn!
Der Schwan! Weh, er naht!

ELSA
aus ihrer Betäubung erweckt, erhebt sich auf den Sitz gestützt, und blickt nach dem Ufer
Entsetzlich! Ha, der Schwan!

Sie verbleibt lange Zeit wie erstarrt in ihrer Stellung

LOHENGRIN
erschüttert
Schon sendet nach dem Säumigen der Gral!

Unter der gespanntesten Erwartung der übrigen tritt Lohengrin dem Ufer näher und neigt sich zu dem Schwan, ihn wehmütig betrachtend
Mein lieber Schwan! -
Ach, diese letzte, traur'ge Fahrt,
wie gern hätt' ich sie dir erspart!

In einem Jahr, wenn deine Zeit
im Dienst zu Ende sollte gehn, -
dann durch des Grales Macht befreit,
wollt ich dich anders wiedersehn!

Er wendet sich im Ausbruch heftigen Schmerzes in den Vordergrund zu Elsa zurück
O Elsa! Nur ein Jahr an deiner Seite
hätt ich als Zeuge deines Glücks ersehnt!
Dann kehrte, selig in des Grals Geleite,
dein Bruder wieder, den du tot gewähnt. -

Alle drücken ihre lebhafte Überraschung aus

LOHENGRIN
während er sein Horn, sein Schwert und seinen Ring Elsa überreicht
Kommt er dann heim, wenn ich ihm fern im Leben,
dies Horn, dies Schwert, den Ring sollst du ihm geben.
Dies Horn soll in Gefahr ihm Hilfe schenken,
in wildem Kampf dies Schwert ihm Sieg verleiht;
doch bei dem Ringe soll er mein gedenken,
der einst auch dich aus Schmach und Not befreit!
Während er Elsa, die keines Ausdrucks mächtig ist, wiederholt küsst
Leb wohl! Leb wohl! Leb wohl, mein süsses Weib!
Leb wohl! Mir zürnt der Gral, wenn ich noch bleib!

Elsa hat sich krampfhaft an ihm festgehalten; endlich verlässt sie die Kraft, sie sinkt ihren Frauen in die Arme, denen sie Lohengrin übergibt, wonach dieser schnell dem Ufer zueilt

KÖNIG, MÄNNER UND FRAUEN
die Hände nach Lohengrin ausstreckend
Weh! Weh! Du edler, holder Mann!
Welch harte Not tust du uns an!

ORTRUD
tritt im Vordergrunde auf, mit wild jubelnder Gebärde
Fahr heim! Fahr heim, du stolzer Helde,
dass jubelnd ich der Törin melde,
wer dich gezogen in dem Kahn!
Am Kettlein, das ich um ihn wand,
ersah ich wohl, wer dieser Schwan:
Es ist der Erbe von Brabant!


ALLE
Ha!

ORTRUD
zu Elsa
Dank, dass den Ritter du vertrieben!
Nun gibt der Schwan ihm Heimgeleit:
Der Held, wär länger er geblieben,
den Bruder hätt er auch befreit!

ALLE
in äusserster Entrüstung
Abscheulich Weib! Ha, welch Verbrechen
hast du in frechem Hohn bekannt!

ORTRUD
Erfahrt, wie sich die Götter rächen,
von deren Huld ihr euch gewandt!

Sie bleibt in wilder Verzückung hoch aufgerichtet stehen. Lohengrin, bereits am Ufer angelangt, hat Ortrud genau vernommen und sinkt jetzt zu einem stummen Gebet feierlich auf die Knie. Aller Blicke richten sich mit gespannter Erwartung auf ihn hin. - Die weisse Grals-Taube schwebt über dem Nachen herab. Lohengrin erblickt sie; mit einem dankbaren Blicke springt er auf und löst dem Schwan die Kette, worauf dieser sogleich untertaucht. An seiner Stelle hebt Lohengrin einen schönen Knaben in glänzendem Silbergewande - Gottfried - aus dem Flusse an das Ufer

LOHENGRIN
Seht da den Herzog von Brabant!
Zum Führer sei er euch ernannt!
Ortrud sinkt bei Gottfrieds Anblick mit einem Schrei zusammen. Lohengrin springt schnell in den Kahn, den die Taube an der Kette gefasst hat und sogleich fortzieht. Elsa blickt mit letzter freudiger Verklärung auf Gottfried, welcher nach vorn schreitet und sich vor dem König verneigt: alle betrachten ihn mit seligem Erstaunen, die Brabanter senken sich huldigend vor ihm auf die Knie. Dann eilt Gottfried in Elsas Arme; diese, nach einer kurzen freudigen Entrückung, wendet hastig den Blick nach dem Ufer, wo sie Lohengrin nicht mehr erblickt

ELSA
Mein Gatte! Mein Gatte!

In der Ferne wird Lohengrin wieder sichtbar. Er steht mit gesenktem Haupte, traurig auf seinen Schild gelehnt, im Nachen; bei diesem Anblick bricht alles in einen lauten Wehruf aus. Elsa gleitet langsam entseelt in Gottfrieds Armen zu Boden. Während Lohengrin immer ferner gesehen wird, sinkt langsam der Vorhang
最終更新:2025年08月09日 05:46