対訳
訳者より
- シェーンベルクの声楽作品はできるだけ取り上げたいと宣言した手前、このあまり顧みられることの多くないシェーンベルク表現主義時代のモノオペラも翻訳にチャレンジしてみました。テキストをご覧頂ければ分かりますように、膨大な量のト書きの中に短い登場人物(実質的に男性一人)の短い台詞をところどころ挟んだ、冒頭と最後の謎の6人ずつの男女のアンサンブル(オペラ「モーゼとアロン」の冒頭の森の茂みに出て来るアンサンブルを思わせます)を除くと歌っている部分はほんの2~30行ほど。歌われている部分だけ訳すんであればそんなに苦にならない分量です。ところが全部で歌われる部分の5倍くらいはあろうかというト書き、登場人物たち(黙役がけっこう居ます)の細かな動作や舞台装置の細かな設定、更には照明の色彩にまでこだわりにこだわった長大なものがすべての場面に。投げ出してしまいたい気分を抑えてなんとか最後まで行き着きました。
- これだけ指定が細かいと演出も舞台装置も大変だからでしょうか。ほとんど取り上げられることもない幻のオペラとなっている感もあります。YouTubeでも舞台が映像となっているものはなく(ハイライトはありましたが)まだこのオペラの全体像は掴めていませんが、台本・音楽だけでなく、美術にも造詣が深く自ら絵筆も取っていたシェーンベルクが舞台美術にもこだわったある意味彼の才能てんこ盛りのこの作品、生きているうちには一度、作者の意図を完璧に再現したパフォーマンスに触れてみたいものです。
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最終更新:2024年12月13日 14:39