対訳
訳者より
- 使徒言行録2章1-2節の聖霊降臨の事件に関するモテットです。状況としてはイエス・キリストが十字架刑になったあとの残党狩りを恐れて弟子たちがこれからどうしようと話し合っていたら神の霊が激しく降って来たという話です。
- complerenturは英語のcompleteから分かるように満了などと訳すべき言葉です。五旬祭は地方や時代によって1日〜7日間ほど祝われて来ました。該当する聖書箇所にアレルヤという台詞はありません。つまりアレルヤは合いの手みたいなものです。spiritusは「霊」とも「風」とも訳せますが、ここでは「霊」と訳すのが適切と考えました。根拠として、「激しい霊」は旧約聖書ではサウルやサムソンに降っていて、ウルガタ訳聖書でspiritusという言葉を使っています。「激しい風」は列王記上19章に出て来ますが、ウルガタ訳聖書ではventusという言葉を使っています。前半の文章で激しい霊のようだったのは「音」なのか「音が生じた様子」なのか曖昧で、後半の文章でそれは「音が降ってきた様子」であることが説明されています。そのあたりも訳し分けておきました。
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最終更新:2025年06月01日 08:48