【 第5幕 】
御城の一室

アルケルとゴローと医師とが室の隅にいる。メリザンドは床に横たわっている。

医者
お亡くなりになるとしても、それはこの小さな傷のためでございません。小鳥だってこれしきの傷では死なないでございましょう。だから、お妃様をお殺しになったのはあなたではございません、殿下。それ故にお悶えになる必要はございません。けれどそれは、我々がお救い申さないというものではございません。

アルケル
そう、そう。この部屋にいると、心ならずも、私たちはあまりに黙っているようだ。悪い徴候だ。

あれはよく眠ってるじゃないか。静かに、静かに。
あれの魂が永久に冷めたくなって来たかのようだ。

ゴロー
私は訳もなく殺したのだ!
石をも泣かせるに十分ではないか!
彼等二人はただ幼い子供のように接吻し合ったのだ。
二人は兄と妹だったのだ。
それだのに私は、私はいきなり、
思わずやったのです。そうなんです。
自分でも気づかすにやっつけたのです。

医者
気をおつけ下さい。眼をおさましになるようですから。

メリザンド
窓を開けて下さい。窓を開けて下さい。

アルケル
この窓を開けて呉れというのか、メリザンド?

メリザンド
いえ、いえ、大きな窓です。私に見えるように。

アルケル
今夜は海の空気が冷えすぎてるじゃあるまいか。

医者
してお上げなさいませ。

メリザンド
ありがとう、もう日の入りですか?

アルケル
うむ、日は海に落ちているよ。もう暮れがただ。
加減はどうだね、メリザンド?

メリザンド
まあ、まあ。どうしてそんな事をお訊きになるでしょ?
私はちっとも快くなりません。それどころか、
何か知らあるものが分って来たような気がします。

アルケル
なんだって? どうも解らないが。

メリザンド
私自身でも、言ってる事がさっぱり解りませんの。
何を言ってるやら分りません。
自分でも言ってることが分りませんの。
もう言いたいことも言えませんの。

アルケル
さても、さても、
お前がそうして話すのを聞くのは喜ばしい。
この二三日というもの、お前は少しうわ言を言っていたからな。いつも何を言うのやら分らなかったからな。
けれど、もうそんな気はちっともないね。

メリザンド
私知りません。
お祖父様、この部屋にあなたがたった独り切りなんですか?

アルケル
いや、お前をなおして呉れた医者もここにいるよ。

メリザンド
ああ。

アルケル
それからまた、その他にも一人いるよ。

メリザンド
それはどなたですの?

アルケル
それはね、何も恐がることはないよ。少しもお前に害を加えようとしているんではない、きっと確かに。でもお前が恐がるなら、その男は行ってしまうから。彼は大変に悲しんでいるよ。

メリザンド
それはどなたですの?

アルケル
それはね、それはお前の良人だ、それはゴローだよ。

メリザンド
ゴローがいるんですか。
どうしてあのひとは私の側へ来て下さらないでしょう?

ゴロー
(床の方へ体を引き寄せて)
メリザンド、メリザンド。

メリザンド
ゴロー?
あなただという事が分らなかったのです。
夕日がまぶしく眼にさしているからです。
何故あなたは壁の方を見ていらっしゃるんです?
随分年が古けてお痩せになりましたね。
この前、お目にかかってから長い事になるでしょうか?

ゴロー
(アルケルと医師に)
どうか一寸の間この部屋を出ていて下さいませんか、
どうか。
戸を開けたままにしますから、
ほんの一寸の間だけ。
これに言いたい事があるんです。
それを言ってしまわないと私も死ねませんから。
ねえ?廊下の端まで行って下さい。
これだけは拒まないで下さい。私は惨めな奴です。
(アルケルと医師と去る)
メリザンド、私がお前を不憐に思うと同じように、お前も私を憐れんでくれるだろうか。メリザンド、私を許してくれるだろうか、メリザンド?

メリザンド
ええ、ええ、許しますよ。でも何を許すんでしょう?

ゴロー
私はこれほどの悪いことをお前にしたのだよ、メリザンド。
私には、したというその悪いことを話すことも出来ない。
けれど分る、今日になってはっきりとそれが分るのだ。
最初の日からこのかた。凡ての私のあやまちが、起こった事の凡てが、起ころうとする事の凡てが、私にそれが一寸でも言えさえしたら、そしたらお前も、私がどんなにはっきりと見てるかを知って呉れるだろうに。何も彼も見える、何も彼も見える。けれど、私はそれほどお前を愛したのだ。それほどにも愛したのだ。しかも今、誰かが死なんとしている。
それは、その死なんとしているのはこの私だ。
で、私は知りたい。お前に聞いて見たいのだ。
それを悪く取りはしないだろうね?
死なんとしている者には、真実が語られなければならない。
その男は真実を知らなければならないのだ。
そうでない以上は安らかに眠れないのだ。
ほんとに、お前は真実を話してくれないだろうか?

メリザンド
ええ。

ゴロー
お前は、ペレアスを愛していたのか?

メリザンド
ええ、そうです。あの方を愛していました。
今何処にいらっしゃるでしょう?

ゴロー
私の言うことが解らないのか。
私の言うことが呑みこめないだろうか。
私の思うのでは、私の思うのでは、うむ、こうなんだよ。
お前はしてはならない恋を彼にしていたかどうか、それを訊いているのだ?したのか、罪を犯したのか。
言って呉れ。そうか、そうか。そうなのか?

メリザンド
いえ、いえ。私たちに罪とがはありません。
どうしてあなたはそんな事をお訊きになるんです?

ゴロー
メリザンド!
どうか本当のことを言ってお呉れ、後生だから!

メリザンド
なぜ私があなたに本当のことを申上げない訳がありましょう?

ゴロー
死ぬ間際にそんな嘘は言わないで呉れ!

メリザンド
誰が死ぬんですの?私がですか?

ゴロー
お前が、お前が!そして私も、私も、お前の後で!
だから私たちは真実のことを知らなければならない。
最後に真実を知らねばならないのだよ、ねえ?
何も彼も話して呉れ!全てを話してくれ!何も彼も許すから!

メリザンド
何故私は死ぬんでしょう?私知らなかった。

ゴロー
今それを知るんだ!
時が来たのだ!早く! 早く!真実を!真実を!

メリザンド
真実を、真実を。

ゴロー
何処へ? メリザンド!何処へ?これはただ事ではない!
メリザンド!何処へ行くのだ?
(戸ロにいるアルケルと医師とを見とめて)
さあ、さあ、這いって下さい。
何んだか分らない。もう間に合わない。
もう遠方へ行ったのだ。
とても分らないことだ!
私は盲人のように此処で死ぬんだ!

アルケル
どうしたのか? あれを殺すようなものだぞ。

ゴロー
既に殺してしまったのです。

アルケル
メリザンド。

メリザンド
お祖父様ですか。

アルケル
そうだよ、お前、どうして欲しいのだ?

メリザンド
本当に今冬なんですか?

アルケル
なぜお前はそんなことを訊くのか。

メリザンド
でも寒くて、木の葉がちっとも枝についていないんですもの。

アルケル
寒いのか?窓を閉めてほしくはないかね?

メリザンド
いえ、いえ、日が海に沈むまではいいです。
日が静かにゆるゆると落ちていますね。
でも、本当に冬になったんですか?

アルケル
お前冬を好かないのか?

メリザンド
おお、いやです。寒さが恐いんです。
私ひどい寒さが大変恐いんです。

アルケル
少しは気分がいいかね?

メリザンド
ええ、ええ。もうあのような不安はなんにも感じなくなりましたわ。

アルケル
お前は子供を見たくないかね?

メリザンド
どの子供です?

アルケル
お前の子供だよ。お前はお母さんなんだよ。

メリザンド
その子は何処にいるんです?

アルケル
此処だ。

メリザンド
変ですこと。
私子供を取ろうとしても手が上げられませんわ。

アルケル
それはお前、まだずっと弱っているからだ。
私が抱いて見せてやろう、ほら。

メリザンド
笑っていませんね、小さいこと。
この子も泣きかけていますわ、可哀そうに。

(部屋には、段々と、女中共が押込んで来る。彼等は黙々として壁沿いに列を作って待っている。)


ゴロー
(急に起ち上リ)
何事だ?この女どもは皆ここで何をしようというのだ?


医者
召使い共でございます。

アルケル
誰が呼んだのだ?

医者
私ではございませんでした。

ゴロー
何故お前たちは来たのだ?
誰も呼びもしないのに。
ここに何用があるのか?
けれど一体これは何事だ?返事しろ。

(下婢共は何も答えない。)

アルケル
そう大きな声で言うな。
あれが寝かけているから。眼をつぶったから。

ゴロー
寝るのではないかも?

医者
いや、いや、ごらんなさい。まだ息をしていらっしゃいますから。

アルケル
眼は涙で一杯になっている。
今、泣くのはあれの魂なんだ。
なぜ腕をひろげるんだらう?何かほしいのかしら?

医者
お子さんの方へやっていらっしゃるのです。きっと。
母としての藻掻きで。

ゴロー
それで?それで?言って呉れなきゃいけない、
話して呉れなきゃ!話して呉れ!

医者
多分。

ゴロー
直ぐに?おお!おお!言わなきゃならない。
メリザンド!メリザンド!
置いて下さい!あれと二人切りにして下さい!

アルケル
いやいや、そんなに近寄ってはいけない。あれを苦しめるな。
もう何も話すな。
お前には魂がどんなものだか分らないのだ。

ゴロー
私のあやまちではありません、私のあやまちではありません。

アルケル
しッ、しッ。
低声で話さなければいけないよ。
我々はもうあれを苦めてはならない。
人間の魂は非常に黙り勝ちだ。
人間の魂は好んで寂寥の中にこっそりと逃げて行くのだ。
それほどびくびくと苦しみをうけるのだ。
けれど悲しみは、ゴローよ。
けれど、人が知る限りの悲しみは、ああ、ああ。
(そこで、全ての下婢が急に部屋の端に跪く。)

(アルケル振り向いて)
何事だ?

医者
(寝床に行って、体に触って見ながら)
その通りでございます。

アルケル
私には何も見えなかったが。きっとか?

医者
はい、はい。

アルケル
私には何も聞えなかった。
ほんとに急だ、ほんとに急なことだ。
あれは一言も言い残さずに逝ってしまった。
(ゴロー啜り泣き)
ここに居るなよ。ゴロー。
あれには今沈黙が必要なんだ
さあ、さあ。
恐ろしいことだが、しかしお前の罪ではない。
それは小さい優しいもの、ほんとに静かなほんとに臆病な、ほんとに黙りこいものであった。
それは哀れな小さい神秘に充ちたもので、全世界のようであった。
あれはまるで自分の子供の大きな姉かなんぞのように、あそこに寝そべっている。
さあ、子供はここに、この部屋においてはいけない。
この子はあれの代りに生きなければならないのだ。
哀れな小さき者の番が来た。
CINQUIÈME ACTE
Une chambre dans le château

On découvre Arkel, Golaud et le médecin dans un coin de la chambre. Mélisande est étendue lit.

MÉDECIN
Ce n'est pas de cette petite blessure quel peut mourir; un oiseau n'en serait pas mort.
Ce n'est donc pas vous qui l'avez tuée,
mon bon seigneur, ne vous désolez pas ainsi.
Et puis, il n'est pas dit que nous ne la sauverons pas.


ARKEL
Non, non; il me semble que nous nous taisons trop malgré nous dans sa chambre, ce n'est pas un bon signe.
Regardez comme elle dort…lentement, lentement.
On dirait que son âme a froid pour toujours.

GOLAUD
J'ai tué sans raison!
Est-ce que ce n'est pas à faire pleurer les pierres!
Ils s'étaient embrassés comme des petits enfants..,
ils étaient frère et soeur.
Et moi, moi, tout de suite!
Je l'ai fait malgré moi, voyez-vous ..
Je l'ai fait malgré moi.

MÉDECIN
Attention; je crois qu'elle s'éveille.

MÉLISANDE
Ouvrez la fenêtre, ouvrez la fenêtre…

ARKEL
Veux-tu que j'ouvre celle-ci, Mélisande?

MÉLISANDE
Non, non, la grande fenêtre…c'est pour voir…

ARKEL
Est-ce que l'air de la mer n'est pas trop froid ce soir?

MÉDECIN
Faites, faites.

MÉLISANDE
Merci. Est-ce le soleil qui se couche?

ARKEL
Oui; c'est le soleil qui se couche sur la mer; il est tard.
Comment te trouves-tu, Mélisande?

MÉLISANDE
Bien, bien. Pourquoi demandez-vous cela?
Je n'ai jamais été mieux portante.
Il me semble cependant que je sais quelque chose.

ARKEL
Que dis-tu? Je ne te comprends pas.

MÉLISANDE
Je ne comprends pas non plus tout ce que je dis, voyez-vous.
Je ne sais pas ce que je dis. Je ne sais pas ce que je sais. Je ne dis plus ce que je veux.

ARKEL
Mais si, mais si!
Je suis tout heureux de t'entendre parler ainsi;
tu as eu un peu de délire ces jours-ci,
et l'on ne te comprenait plus.
Mais maintenant, tout cela est bien loin.

MÉLISANDE
Je ne sais pas.
Etes-vous seul dans la chambre, grand-père?

ARKEL
Non, il y a encore le médecin qui t'a guérie.

MÉLISANDE
Ah!

ARKEL
Et puis il y a encore quelqu'un…

MÉLISANDE
Qui est-ce?

ARKEL
C'est… il ne faut pas t'effrayer.
Il ne te veut pas le moindre mal, sois-en sûre…
Si tu as peur, il s'en ira… Il est très malheureux.

MÉLISANDE
Qui est-ce?

ARKEL
C'est… Cest ton mari. C'est Golaud.

MÉLISANDE
Golaud est ici?
Pourquoi ne vient-il pas près de moi?

GOLAUD
se traînant vers le lit
Mélisande… Mélisande…

MÉLISANDE
Est-ce vous, Golaud?
Je ne vous reconnaissais presque plus.
C'est que j'ai le soleil du soir dans les yeux.
Pourquoi regardez-vous les murs?
Vous avez maigri et vieilli.
Y a-t-il longtemps que nous nous sommes vus?

GOLAUD
à Arkel et au médecin
Voulez-vous vous éloigner un instant, mes pauvres amis?
Je laisserai la porte grande ouverte - un instant seulement.
Je voudrais lui dire quelque chose;
sans cela je ne pourrai pas mourir.
Voulez-vous? Vous pouvez revenir tout de suite.
Ne me refusez pas cela…je suis un malheureux.
Sortent Arkel et le médecin.
Mélisande, as-tu pitié de moi comme j'ai pitié de toi?
Mélisande, me pardonnes-tu, Mélisande?


MÉLISANDE
Oui, oui, je te pardonne… Que faut-il pardonner?

GOLAUD
Je t'ai fait tant de mal, Mélisande.
Je ne puis pas te dire le mal que je t'ai fait.
Mais je le vois, je le vois si clairement aujourd'hui ..
depuis le premier jour. Et tout est de ma faute,
tout ce qui est arrivé, tout ce qui va arriver.
Si je pouvais le dire, tu verrais comme je le vois.
Je vois tout, je vois tout!
Mais je t'aimais tant! Je t'aimais tant!
Mais maintenant quelqu'un va mourir…
C'est moi qui vais mourir…
Et je voudrais savoir, je voudrais te demander…
Tu ne m'en voudras pas?
II faut dire la vérité à quelqu'un qui va mourir.
Il faut qu'il sache la vérité,
sans cela il ne pourrait pas dormir…
Me jures-tu de dire la verité?

MÉLISANDE
Oui.

GOLAUD
As-tu aimé Pelléas?

MÉLISANDE
Mais oui, je l'ai aimé.
Ou est-il?

GOLAUD
Tu ne comprends pas?
Tu ne veux pas me comprendre?
Il me semble.., il me semble… Eh bien, voici.
Je te demande si tu l'as aimé d'un amour défendu?
As-tu… avez-vous été coupables?
Dis, dis, oui, oui, oui.

MÉLISANDE
Non, non, nous n'avons pas été coupables,
pourquoi demandez-vous cela?

GOLAUD
Mélisande!
Dis-moi la vérité pour l'amour de Dieu!

MÉLISANDE
Pourquoi n'ai-je pas dit la vérité?

GOLAUD
Ne mens plus ainsi, au moment de mourir!

MÉLISANDE
Qui est-ce qui va mourir? Est-ce moi?

GOLAUD
Toi, toi et moi, moi aussi, après toi!
Et il nous faut la vérité.
Il nous faut enfin la vérité, entends-tu?
Dis-moi tout! Dis-moi tout! Je te pardonne tout!

MÉLISANDE
Pourquoi vais-je mourir? Je ne le savais pas.

GOLAUD
Tu le sais maintenant…
Il est temps! Vite! Vite! La vérité! La vérité!

MÉLISANDE
La vérité…la vérité…

GOLAUD
Où es-tu, Mélisande? Où es-tu? Ce n'est pas naturel!
Mélisande! Où es-tu?
apercevant Arkel et le médecin à la porte de chambre
Oui, oui, vous pouvez rentrer.
Je ne sais rien, c'est inutile..,
elle est déjà trop loin de nous…
Je ne saurai jamais!
Je vais mourir ici comme un aveugle!

ARKEL
Qu'avez-vous fait? Vous allez la tuer.

GOLAUD
Je l'ai déjà tuée.

ARKEL
Mélisande…

MÉLISANDE
Est-ce vous, grand-père?

ARKEL
Oui, ma fille… Que veux-tu que je fasse?

MÉLISANDE
Est-il vrai que l'hiver commence?

ARKEL
Pourquoi demandes-tu cela?

MÉLISANDE
C'est qu'il fait froid et qu'il n'y a plus de feuilles…

ARKEL
Tu as froid? Veux-tu qu'on ferme les fenêtres?

MÉLISANDE
Non…jusqu'à ce que le soleil soit au fond de la mer.
Il descend lentement:
alors c'est l'hiver qui commence?

ARKEL
Tu n'aimes pas l'hiver?

MÉLISANDE
Oh, non! J'ai peur du froid.
J'ai si peur des grands froids

ARKEL
Te sens-tu mieux?

MÉLISANDE
Oui, oui, je n'ai plus toutes ces inquiétudes.


ARKEL
Veux-tu voir ton enfant?

MÉLISANDE
Quel enfant?

ARKEL
Ton enfant. Ta petite fille.

MÉLISANDE
Où est-elle?

ARKEL
Ici.

MÉLISANDE
C'est étrange…
je ne peux pas lever les bras pour la prendre.

ARKEL
C'est que tu es encore très faible.
Je la tiendrai moi-même; regarde.

MÉLISANDE
Elle ne rit pas. Elle est petite.
Elle va pleurer aussi. J'ai pitié d'elle.

La chambre est envahie peu à peu par les servantes du château, qui se rangent en silence le long des murs et attendent.

GOLAUD
se levant brusquement
Qu'y a-t-il? Qu'est-ce que toutes ces femmes viennent faire ici?

MÉDECIN
Ce sont les servantes.

ARKEL
Qui est-ce qui les a appelées?

MÉDECIN
Ce n'est pas moi.

GOLAUD
Que venez-vous faire ici?
Personne ne vous a demandées.
Que venez-vous faire ici?
Mais quest-ce que c'est donc? Répondez!

Les servantes ne répondent pas.

ARKEL
Ne parlez pas trop fort.
Elle va dormir; elle a fermé les yeux.

GOLAUD
Ce n'est pas?…

MÉDECIN
Non, non; voyez; elle respire.


ARKEL
Ses yeux sont pleins de larmes.
Maintenant c'est son âme qui pleure.
Pourquoi étend-elle ainsi les bras? Que veut-elle?

MÉDECIN
C'est vers l'enfant sans doute.
C'est la lutte de la mère contre -

GOLAUD
En ce moment? En ce moment?
Il faut le dire, dites! dites…

MÉDECIN
Peut-être.

GOLAUD
Tout de suite? Oh! Oh! Il faut que je lui dise…
Mélisande! Mélisande!
Laissez-moi seul! Laissez-moi seul avec elle!

ARKEL
Non, non, n'approchez pas… Ne la troublez pas.
Ne lui parlez plus…
Vous ne savez pas ce que c'est que l'âme…

GOLAUD
Ce n'est pas ma faute, ce n'est pas ma faute!

ARKEL
Attention… attention.
Il faut parler à voix basse maintenant.
Il ne faut plus l'inquiéter.
L'âme humaine est très silencieuse.
L'âme humaine aime à s'en aller seule.
Elle souffre si timidement.
Mais la tristesse, Golaud,
mais la tristesse de tout ce que l'on voit. Oh! Oh!
En ce moment, toutes les servantes tombent subitement â genoux au fond de la chambre.
Arkel se retourne.
Qu'y a-t-il?

MÉDECIN
s'approchant du lit et tâtant le corpss
Elles ont raison…

ARKEL
Je n'ai rien vu. Etes-vous sûr?

MÉDECIN
Oui, oui.

ARKEL
Je n'ai rien entendu.
Si vite, si vite.
Elle s'en va sans rien dire.
Golaud sanglote
Ne restez pas ici, Golaud.
Il lui faut le silence, maintenant.
Venez, venez.
C'est terrible, mais ce n'est pas votre faute.
C'était un petit être si tranquille, si timide et si silencieux.
C'était un pauvre petit être mystérieux comme tout le monde.
Elle est là comme si elle était la grande soeur de son enfant. Venez.
Il ne faut pas que l'enfant reste ici dans cette chambre.
Il faut qu'il vive, maintenant, à sa place.
C'est au tour de la pauvre petite.

(libretto: Maurice Maeterlinck)
最終更新:2020年09月18日 18:52