序曲
第1幕
ドルイド教の神聖な森 中央にはイルミンスルの樫の木 その下にはドルイド教の祭壇として石が置かれている 遠くには森の丘 夜である 遠くのたいまつの火が森から漏れ出てくる
第1場
厳粛な行進曲の響きとともにガリア人たちの一団が歩み出てくる そしてドルイド教徒たちの行列 最後にたくさんの司祭を伴ったオロヴェーゾ
【オロヴェーゾ】
あの丘へ行き おおドルイド教徒たちよ
天を見つめてくるのだ
もしもその銀色の面を
新月が現したならば!
そして初めてほほ笑んだならば
その処女の顔で
三回打ちならすのだ 神秘の
聖なるゴングを!
【ドルイド教徒たち】
あの神聖なヤドリギを
ノルマは打ち倒すでしょうか?
【オロヴェーゾ】
ああ ノルマはきっと為すであろう
【ドルイド教徒たち】
為すであろう 為すであろう
【オロヴェーゾ】
そうだ そうだ
【ドルイド教徒たち】
御身の予言のオーラを
恐ろしき神よ 彼女に告げたまえ!
感づかせたまえ おおイルミンスルさま 彼女に触発を
ローマ人への憎しみと怒りとともに
感付かせたまえ 打ち破ることを
われらにとって死である平和を そう!
【オロヴェーゾ】
そうだ 神は恐ろしく語られるであろう
この古い樫の木を通じて
解放して下さるであろう ガリア人を
敵の荒鷲どもから
そして神の盾の音は
雷の轟音のごとくに
シーザーの街で
恐ろしく鳴り響くのだ!
【オロヴェーゾとドルイド教徒たち】
月よ 急ぎ昇るのだ!
ノルマが祭壇に現れる!
おお月よ 急げ!
彼らは歩き去り 皆 森の中へ消えて行く 時々遠くに響き渡る声が聞こえてくる
第2場
それから片側にフラヴィオとポッリオーネがマントに身を包み注意深く出てくる
【ポッリオーネ】
声は消えた!
そして恐ろしい森への
道は開かれた
【フラヴィオ】
この森には死が潜んでいる
ノルマはそう言っていた
【ポッリオーネ】
お前が口にしたその名が
私の心を凍りつかせる
【フラヴィオ】
ああ 何とおっしゃる?
愛する人を!
あなたの子供たちの母を!
【ポッリオーネ】
私をお前には非難させないよ
私はもう そうは思っていないのだ
私の心からは消えてしまったのだ
最初の炎は
神がそれを消してしまった
私の安らぎの敵である神が
足元に私は見る 深淵が口を開けているのを
その中に私はこの身を投げ込むのだ
【フラヴィオ】
では別の女を愛していると?
【ポッリオーネ】
小声で話せ...
別の女 そうだ... アダルジーザだ ...
お前も彼女に会えるだろう...
花のように純真で 笑顔は
誠実さと愛にあふれる
この神殿の巫女なのだが
血なまぐさいあの神に仕える
彼女は見えるのだ
荒れた空の中にただひとつ輝く星のように
【フラヴィオ】
気の毒な友よ!それで愛しているのですか
彼女もあなたを?
【ポッリオーネ】
もちろんそう確信している
【フラヴィオ】
彼女の怒りを
あなたはノルマの怒りを恐れないのですか?
【ポッリオーネ】
恐ろしい、恐ろしいものを私に見せた
私を激しく後悔させようと...
夢だ...
【フラヴィオ】
ああ!お話しください
【ポッリオーネ】
思い出すだけで私は震える
ヴィーナスの祭壇を前に
アダルジーザはローマにいた
白い衣装に身を包み
彼女の髪に花を挿し
讃美歌の歌声に耳傾けて
お香の香りを嗅ぎながら
五感は浸っていたのだ
愛の喜びに
そのとき 私たちの間に恐ろしい
影が割り込んで来て
彼女をドルイドの大きなマントで包んだのだ
まるで煙をかき消すように
稲光が祭壇に落ち
ベールに日の光は包まれた
沈黙があたりに広がり
陰鬱な恐怖が
愛する乙女を消し去ってしまい
もはや私のそばには見つけられなかったのだ
遠くからうめき声が聞こえてきた
私の子供達の声に混じって
そして恐ろしい声が
寺院の中にこだましたのだ
ノルマはこうして復讐する
裏切った恋人に!
神聖な青銅の鐘が響く
【フラヴィオ】
聞こえますか?儀式のためにノルマが
ノルマが寺から移動してきます
【ドルイド教徒たち】
(遠くで)
月が昇ったぞ おおドルイドよ
さあ 異教徒どもを 追い払え
さあ 追い払え さあ 追い払え!
【フラヴィオ】
来ますよ...
【ポッリオーネ】
私を残してくれ
【フラヴィオ】
お聞きください!
【ポッリオーネ】
蛮人どもだ!
【フラヴィオ】
逃げましょう...
【ポッリオーネ】
返り討ちにしてやる!
【フラヴィオ】
さあ...逃げましょう...
見つかってしまう前に
【ポッリオーネ】
蛮人どもは陰謀を企てている
だが私は奴らを返り討ちにしてやる!
【フラヴィオ】
ああ!参りましょう 逃げましょう...
あなたひとりでは誰も打倒せない
【ドルイド教徒たち】
(遠くで)
さあ 異教徒どもを 追い払え
【ポッリオーネ】
私を守るのだ 手助けするのだ
奴らに勝るこの力が
それは愛する彼女への想いなのだ
それは私を燃え立たせる愛なのだ
私から奪い去った神の
あの清らかな乙女を奪い去った神の
邪悪な森を燃やし
穢れた祭壇を破壊するぞ
【フラヴィオ】
来ます 来ます...
見つかってしまう前に
さあ...逃げましょう...
【ドルイド教徒たち】
(次第に遠くなり)
月が昇ったぞ おおドルイドよ
さあ 異教徒どもを 追い払え
さあ 追い払え!
【ポッリオーネ】
蛮人どもは陰謀を企てている
だが私は奴らを返り討ちにしてやる!
ポッリオーネとフラヴィオは急いで去って行く
第3場
奥からドルイド教徒たち 巫女 戦士 吟遊詩人 哲人 生贄たち そして全員の中心にはオロヴェーゾ
【コーラス】
ノルマが来るぞ 冠を被って
聖なる謎のバーベナの冠を
その手には 三日月のような
黄金の鎌が輝きを振りまいている
彼女が来る そしてローマの星は
おののいてベールに覆われるのだ
イルミンスルは天の野原を駆けて行く
恐怖を予言する彗星となって
第4場
巫女たちの間にノルマが現れる 髪を解き 額にはクマツヅラの冠をつけ、黄金の鎌を手にしている
ドルイドの石の上に上がり 霊感を受けたかのようにあたりを見回す 全員が沈黙している。
【ノルマ】
扇動する声が 戦の声が
湧き起こり 注意を引く
神の祭壇の前で?
誰が思っているのか
この預言者のノルマに答を指示しようなどと
そしてローマの隠された運命を早めようなどと?
それはどうにもならぬ そう どうにもならぬこと
人の力では
【オロヴェーゾ】
ではどれほど虐げられたままでいなかれば
ならぬとお前は思うのだ?
すっかり汚されてしまったではないか
わが故郷の森も
そして先祖代々の寺院も
ローマの軍勢に?
もはやブレトン人はむなしく
剣を鞘に納めてはいられぬのだ
【男たち】
そうだ 今一度振るおうぞ!
【ノルマ】
そして敗れるのだ
敗北だ もしもお前たちが事をなせば
機の熟さぬうちに
まだわれらの復讐は
熟す時を迎えてはいない
われらの斧よりも
ローマの投げ槍の方がずっと強力なのだ
【オロヴェーゾと男たち】
では あなたに神は何と告げられたのだ?
話してくれ!どんな運命なのだ?
【ノルマ】
私は天の秘密の書より読みとるのだ
その死のページの内に
傲慢なローマの名が書かれているのを
いつか滅びることになると
だがそれはお前たちによってでなく
自らの悪徳によって滅ぶのだ
擦り減らせて死ぬのだ
その時を待つが良い 運命の時を
偉大なるお方によって成し遂げられる時を
しばし大人しくしておれ ...
神聖なヤドリギを私は刈り取ろう
彼女はヤドリギを摘み 巫女たちは籠にそれを集める ノルマは手を空に広げて進み出る 月は最大限に輝き出る 全員ひざまずく
清らかな女神よ 銀色に輝かせている
この聖なる古代の木々を
われらに御身のその美しきお顔を向けてください
曇りも 覆いもないお顔を!
【オロヴェーゾとコーラス】
清らかな女神よ 銀色に輝かせている
この聖なる古代の木々を
私たちは、あなたの素敵な顔をオンにするには、
曇りも 覆いもないお顔を!
【ノルマ】
鍛えたまえ おお女神よ
鍛えたまえ この燃えたつ心を
鍛えたまえ なおも大胆なるこの熱気を
振り撒きたまえ この地上に平和を
御身が天を治めておられるその平和で
【オロヴェーゾとコーラス】
女神よ 振り撒きたまえ この地上に
治めておられるその平和を
御身が天を治めて
【ノルマ】
儀式を終わります
この神聖な森より
異教徒どもを追い払いましょう
神が怒り 悲しみ
ローマ人の血を求めるときには
このドルイドの神殿から
私の声が雷鳴となって轟くであろう
【オロヴェーゾとコーラス】
雷鳴となれ
そして邪悪な者共は一人たりとも
この正義の虐殺より逃れることはできぬ
まず最初に われらの怒りは
総督を打ち倒すのだ
【ノルマ】
打ち倒すのだ!
私が罰してやろうぞ
(けれど私の心は彼を罰する方法を知りません)
(ああ 魅惑よ 私に戻って
初めての真実の愛の
そうしたら 世界中を敵にしても
私はあなたをお守りします
ああ 魅惑よ 私に戻って
あなたのやさしい眼差しの
そうすれば人生をあなたの胸の中に
そして祖国も天も得るのでしょう)
【オロヴェーゾとコーラス】
何と遅いのだ そう 何と遅いのだ
おお 復讐の日よ
神の怒りよ 早く来たれ
ローマを罰する怒りの!
【ノルマ】
(ああ もう一度戻って あの時のように
私があなたにこの心を捧げたときのように
あの時のように ああ 私のもとに!)
【オロヴェーゾとコーラス】
おおその日よ!
その日を 神よ早めたまえ
ローマを罰する日を!
全員退場
第5場
アダルジーザ登場
【アダルジーザ】
神聖な森には誰もいない
儀式は終わったのね
やっと一息つけるわ 誰にも見られずに
ここは...彼が私の前に現れたところ
初めて あの宿命のローマのお方が
そして私を裏切らせた
神殿を 神を...
それは最初で最後の筈だった!
空しい願望だわ!
抵抗できない力が、私をここに連れてくる
あの方の愛しいお顔が
この心の糧となり
そして あの愛しい声を
大気は私に繰り返し響かせて下さるのですもの
彼女はイルミンスルの石に駆け寄り 跪く
ああ!私をお守りください 神よ!
私は破滅です!
偉大なる神よ お慈悲を
私は破滅です!
第6場
ポッリオーネがフラヴィオと共にやってくる
【ポッリオーネ】
(フラヴィオに)
彼女がここに!行って私をひとりにしてくれ
忠告など聞くつもりはない!
フラヴィオ退場
【アダルジーザ】
(当惑して)
ああ、あなたがここに!
【ポッリオーネ】
どうしたのだ?
お前は泣いているのか?
【アダルジーザ】
お祈りをしておりました
ああ!ひとりにさせてください お祈りさせて!
【ポッリオーネ】
お前が祈る神は
無慈悲で残酷だ
お前の願いにも私の願いにも反している
わが最愛のひとよ!
愛の神に祈りを捧げなければ
【アダルジーザ】
愛の髪に!ああ!黙っていてください
私はもうあなたの言うことを聞きたくない!
【ポッリオーネ】
お前は私を避けるのか?
そして お前が逃げる場所に
私が追っていけないと?
【アダルジーザ】
神殿に参ります 聖なる祭壇と
私は身を捧げることを誓いました
【ポッリオーネ】
祭壇?
ではわれらの愛は?
【アダルジーザ】
私のことはお忘れください
【ポッリオーネ】
行くがいい 冷たい人よ 冷酷な神のもとへ
そして生贄に捧げよ 私の血を
すべての ああ すべての血が流れ切っても
私はお前を諦めることはできないのだ
だめだ それはできない!
神にお前は約束したかも知れぬ
だがお前の心は私にくれたのではないのか
ああ!お前には分からないだろう どれほど辛いことか
私がお前を諦めることは
【アダルジーザ】
でも同じくらい ああ あなたはご存じないのです
どれほど私の痛みが苦しいものかを!
この祭壇を汚してしまったのです
満ち足りて無垢であったのに
そうです 無垢であったのに
この思いは天へと昇って行き
私の神さまに天でお会いできたのに
今 誓いを裏切った私には
天も神様もベールに包まれて見えなくなってしまった!
【ポッリオーネ】
もっと澄んだ天と素晴らしい神さまを
私はお前に与えられる これから行くローマでは
【アダルジーザ】
(動揺して)
お立ちになるのですか?
【ポッリオーネ】
明日の夜明けに
【アダルジーザ】
お立ちに?では 私は?
【ポッリオーネ】
お前は私と一緒に来るがいい
お前たちのより 愛の神の儀式はもっと聖なるもの
愛の神に従い ああ 私に従うのだ!
【アダルジーザ】
(更に動揺して)
ああ!おっしゃらないで!ああ!おっしゃらないで!
【ポッリオーネ】
何度でも言う 何度でも言うぞ
お前が言うことを聞いてくれるまで
【アダルジーザ】
ああ!私を一人にしてください!
【ポッリオーネ】
ああ!頼む 頼むぞ 私の言うことを聞いてくれ!
【アダルジーザ】
ああ!できません!
私をお守りください おお正しき天よ!
【ポッリオーネ】
そんな風に私を捨てられるのか!
そんな風に私を捨てるのか!
アダルジーザ ! アダルジーザ !
(愛情を込めて)
ローマに来てくれ ああ おいで わが愛しの人よ
そこには愛と喜びと人生がある!
われらの魂は競い合って酔いしれるのだ
愛が招き寄せる幸せに!
お前の心の中の声が語るのを感じないのか
永遠の愛を約束しているのを?
ああ!その甘いささやきを信じて
お前の花婿の私をその胸に抱いておくれ!
【アダルジーザ】
(どうしましょう!彼がこんな風に話すのを聞くと
いつでも どこでも 神殿の中でさえも!
その目が そのお顔が
私には祭壇に刻みつけられているように見えるの
私の涙に打ち勝ち
私の悲しみを征服するの
天よ!私を甘い魔法から救い出してください
あるいはこの過ちをお許しください!)
【ポッリオーネ】
ああ!来てくれ!
【アダルジーザ】
ああ!お慈悲を!
【ポッリオーネ】
ああ!ああ!来てくれ 来てくれ 愛しい人よ!
【アダルジーザ】
ああ!なりません!
【ポッリオーネ】
冷たい人!お前は私を捨てられるのか?
【アダルジーザ】
ああ!お願いです 私を一人にして!
【ポッリオーネ】
そんな風に そんな風に私を忘れるのだな!
【アダルジーザ】
ああ!お願いです 私を一人にして!
【ポッリオーネ】
アダルジーザ!
【アダルジーザ】
ああ!私にあなたのお慈悲で増やさないで下さい
これ以上の悲しみを!
【ポッリオーネ】
アダルジーザ !私と別れたいのだな?
【アダルジーザ】
私が...ああ!...
ああ...できません...私はあなたについて行きますわ
【ポッリオーネ】
ここで 明日の同じ時間
お前は来てくれるのか?
【アダルジーザ】
お約束します
【ポッリオーネ】
誓ってくれ
【アダルジーザ】
私は誓います
【ポッリオーネ】
ああ!わが幸せよ!
覚えていてくれ...
【アダルジーザ】
ああ!私は忘れません
私の神に対しては裏切り者になるけれど
でも 私はあなたに忠実でありましょう!
【ポッリオーネ】
お前の愛が私を幸せにしてくれるのだから
お前の神と戦っても構わぬのだ!
退場する
第7場
ノルマの家 ノルマ クロティルドと二人の小さな子供
【ノルマ】
行って この子たち二人をかくまってちょうだい
いつもと違って
私は震えるのです この子たちを抱くのに
【クロティルド】
何という不思議な恐れがあなた様を苦しめるのでしょう
お子様たちを遠ざけようとなさるとは?
【ノルマ】
分からないの いろんな情愛が
引き裂くのです この心を
愛しながら 同時に この子たちが憎い!
見ていると苦しくなるけれど
もし見ないでいるとそれも苦しいの
今までなかったことよ
喜びを感じながら
同時に苦しいのは この子たちの母になってから
【クロティルド】
でもこの子たちの母なのでございましょう?
【ノルマ】
そうでなかったら良かったのに!
【クロティルド】
なんと酷い対立なのでしょうか!
【ノルマ】
誰も想像できないでしょうね クロティルド!
ローマに召喚されたみたいね ポッリオーネは
【クロティルド】
ではあなた様とご一緒にお発ちに?
【ノルマ】
彼は黙っています 自分の考えを
ああ!もし彼が逃亡しようとして
そして私をここに残したら!
彼は忘れることができるのかしら
この子供たちを?
【クロティルド】
そんなことをお信じになるのですか?
【ノルマ】
信じたくはないわ
それはあまりにも耐え難いことだから
あまりにも恐ろしいことよ そんな疑いを持つのは
誰か来るわ 行って この子たちを隠して
子供たちとクロティルデは出て行く ノルマは子供たちを抱く
第8場
アダルジーザ登場
【ノルマ】
アダルジーザ !
【アダルジーザ】
(遠くで)
(心よ しっかりしてね!)
【ノルマ】
お入りなさい 乙女よ お入りなさい
何を恐れているのです?
聞いていますよ 何か重大な秘密を私に
打ち明けたいのだとか
【アダルジーザ】
それは本当です
けれど お願いです 和らげてください
その清らかな厳しさを
あなたの目に輝いている!
私に勇気を与えてください
何もヴェールで包み隠すことなく
あなたにこの心が明かせるように!
彼女は跪く
【ノルマ】
(立ち上がって)
私を抱いて お話しなさい
何を悩んでいるのです?
【アダルジーザ】
(一瞬ためらった後に)
恋なのです 怒らないでください!
ずっと戦ってきたのです この想いを押さえようと
でもどんな私の力にも恋は打ち勝つのです
どんな後悔にも
ああ!あなた様はご存じないでしょう
どのようなことを私が誓ったのかを!
神殿から逃げ出し
私が尽くしてきた祭壇を裏切り
故郷を捨てると...
【ノルマ】
ああ!可哀そうな人!
あなたの人生の夜明けを
もうそんな風に乱されるとは?
でも どうして いつ
恋の炎はあなたの中に燃え上がったの?
【アダルジーザ】
一目見た時から ただ一度のため息からです
あの神聖な森の中で
祭壇の前で私が神に祈っていた時
震えてしまって...私の唇は
お祈りを止めてしまいました
そしてすっかり魅せられたのです
あのりりしいお姿に
別の天を私は見ているかのようでした
別の天を あの方の中に
【ノルマ】
(ああ!思い出すわ!
私も魅せられた
初めてあの方の顔を見た時は! )
【アダルジーザ】
あなた様は私のことをお聞き下さらないのですか?
【ノルマ】
続けなさい 聞いていますから
【アダルジーザ】
ひとり ひそかに神殿で
私はあの方をよくお待ちしました
そして日に日に熱く
この情熱の炎は燃え上がったのです
【ノルマ】
(私も燃えていたわ 同じように)
【アダルジーザ】
来て こうおっしゃいました 許してくれ
私がお前の足元にひれ伏すのを と
【ノルマ】
(ああ 思い出すわ!)
【アダルジーザ】
その吐息を私にも吸わせておくれ
【ノルマ】
(私も誘惑されたわ!)
【アダルジーザ】
お前の甘いため息を
お前の波打つ美しいその巻き髪に
させておくれ させておくれ くちづけを と
【ノルマ】
(ああ やさしい言葉!
そんな風にあの方も語りかけながら
私の心を開いて行ったのだわ)
【アダルジーザ】
まるでハープの甘い調べのようでした
私にはあの方の言葉は
あの方の目の中に 私は
最も美しい太陽を見たのです
【ノルマ】
(魅惑のされ方は私と同じだわ! )
【アダルジーザ】
私は訳が分からなくなりました そして今も!
【ノルマ】
ああ!涙をお拭きなさい!
【アダルジーザ】
私にはあなた様のお許しが必要なのです!
【ノルマ】
同情いたしましょう!
【アダルジーザ】
ああ!私を支え お導きください!
【ノルマ】
ああ!涙をお拭きなさい!
【アダルジーザ】
私を慰めてください さもなくばお叱りください
私自身から私をお救いください
お救いください 私自身の心から!
【ノルマ】
ああ!涙をお拭きなさい!
あなたはまだ永遠に結ばれてはいないのです
永遠に結ばれては 神の祭壇に
【アダルジーザ】
ああ!お繰り返しください おお天よ
お繰り返しください その救いの言葉を!
【ノルマ】
ああ!そう しっかりなさい 私を抱いて
あなたを赦し 憐れんであげましょう
あなたの誓いから解き放ってあげましょう
あなたの束縛は私が断ち切りましょう
あなたの愛する方と結ばれて
あなたは幸せに暮らすのです
【アダルジーザ】
お繰り返しください おお天よ
私にお繰り返しください その救いの言葉を!
あなた様のおかげで あなた様のおかげで静まりました
長く続いた私の苦しみも
あなた様は私に命を取り戻して下さいました
もしもこの愛が罪でないのなら
【ノルマ】
でも教えて その愛する若い方とは
私たちの中の誰なのですか?
【アダルジーザ】
ガリアの生まれではありません
ローマが故郷なのです
【ノルマ】
ローマ?では彼は?続けなさい...
第9場
【アダルジーザ】
あそこに見えるお方です
【ノルマ】
彼よ!ポッリオーネだわ!
【アダルジーザ】
どうしてお怒りに!
【ノルマ】
彼を 彼を愛していると言いましたね?
私は良く分かっているでしょう?
【アダルジーザ】
あ!はい
【ポッリオーネ】
(アダルジーザに向かって)
哀れな娘め!何をしたのだ?
【アダルジーザ】
(困惑して)
私が?
【ノルマ】
(ポッリオーネに)
あなたは震えているわね!誰のため?
一体誰のためにあなたは震えているの?
一瞬の沈黙 ポッリオーネは困惑している アダルジーザは震えている ノルマは怒りに震える
ああ、震えるのではない 邪悪な者め
ああ、彼女のために震えないで!
この娘は罪を犯してはいない
悪党はあなた!
あなた自身のために震えなさい 悪漢
あなたの子供たちのために
私のために震えなさい 悪漢!
【アダルジーザ】
(震えながら)
私は何を聞くのでしょう?ああ!どうかお話しください!
黙っておられますね?下がるのですね!ああ!
彼女は両手で顔を覆う ノルマは彼女の腕をつかみ むりやりにポッリオーネを注視するように仕向ける
【ノルマ】
ああ!あなたは被害者なのよ
粗野で醜い詐欺の!
この男と知りあう前に
死んだ方がまだ幸せだったでしょう!
永遠の涙の泉を
彼はあなたにも湧かせてしまった
私の心を欺いたように
この邪悪な男はあなたの心を裏切ったの!
【ポッリオーネ】
ノルマ!その非難を
今私に向けないでくれ!
ああ!この苦しむ乙女に
一息つく間を与えてやってくれ!
【アダルジーザ】
ああ 何と恐ろしい秘密でしょう!
私の心は尋ねることで震え
真実を聞いて震えます!
私はすべてを知りました おおお気の毒に
すべて私の不幸は
果てしないものになるでしょう
もし彼が私を騙したのであれば!
【ポッリオーネ】
包んでおくれ この純真な魂を
包んでおくれ われらの罪をも ヴェールで!
【ノルマ】
悪党め まだそんなことを?
【ポッリオーネ】
天だけが判断なさるのだ
誰が一番罪深いのかを!
【ノルマ】
不実な男め!
【ポッリオーネ】
(逃げようとして)
もう十分だ
【ノルマ】
止まれ!
【ポッリオーネ】
(アダルジーザを掴んで)
行こう
【アダルジーザ】
(彼から離れて)
私は放って お行きください!
あなたは不実な花婿なのですから!
【ポッリオーネ】
私がかつてどうだったかなど忘れなさい
【アダルジーザ】
私は放って お行きください!
【ポッリオーネ】
(情熱を込めて)
私はお前の恋人なのだよ!
【アダルジーザ】
行って 裏切り者!
【ポッリオーネ】
これは私の運命なのだ お前を愛するのは
運命なのだ この女を捨てるのも!
【ノルマ】
(怒りを抑えて)
そうなの!分かりました
運命に従い お行きなさい!
(アダルジーザへ)
彼に従うのよ
【アダルジーザ】
(嘆願して)
ああ!だめです 決して ああ したくありません
ああ 死んだ方がましです!
【ノルマ】
(ポッリオーネを見据えて怒りを爆発させ)
お行きなさい さあ 私を捨てて 卑怯者
子供を忘れ 約束も 名誉も捨てて!
私の怒りに呪われるがいいわ
楽しむことなどできないわ 邪まな恋など!
【アダルジーザとポッリオーネ】
ああ!
【ポッリオーネ】
怒るがいい そして永遠の怒りが
私を苦しめることになろうとも!
【ノルマ】
波に乗り 風に乗ってあなたを
私の燃え立つ怒りは追いかけるのです!
私の復讐は夜も昼も
あなたの周りに付きまとうのです!
【ポッリオーネ】
(絶望して)
怒るがいい そして永遠の怒りが
私を苦しめることになろうとも!
私を支配するこの愛は
お前よりも 私よりも気高いのだ!
【アダルジーザ】
(嘆願して)
ああ!私は与えるつもりはなかったのです
あなたの心にこのような痛みを!
【ポッリオーネ】
神ですらこのような苦しみは生み出されはしないだろう
私が苦しんでいるよりも もっとつらい苦しみは!
呪われたのだ 私はあの日に
運命がお前を私に与えた日に
私は呪われたのだ お前のために!
【アダルジーザ】
ああ!私は与えるつもりはなかったのです
あなたの心にこのような痛みを!
【ノルマ】
お行きなさい!
【アダルジーザ】
ああ 海や山が立ちはだかりますように
永遠に私と裏切り者との間に!
【ノルマ】
卑怯者!
【アダルジーザ】
ああ!私は与えるつもりはなかったのです
あなたの心にこのような痛みを!
【ポッリオーネ】
怒るがいい!
【ノルマ】
波に乗り 風に乗ってあなたを
私の燃え立つ怒りは追いかけるのです!
【ポッリオーネ】
神ですらこのような苦しみは生み出されはしないだろう
私が苦しんでいるよりも もっとつらい苦しみは!
【アダルジーザ】
私はこの叫びを抑えつけましょう
この苦しみを飲み込みましょう
死んでしまいましょう そうすれば戻ってくるでしょう
このむごい男もお子さんたちとあなたのもとへ!
【ノルマ】
私の怒りに呪われるがいいわ
楽しむことなどできないわ 邪まな恋など!
【ポッリオーネ】
神ですらこのような苦しみは生み出されはしないだろう
私が苦しんでいるよりも もっとつらい苦しみは!
神殿の神聖な鐘が鳴る ノルマが儀式に呼ばれたのだ
【コーラス】
(舞台裏から)
ノルマよ ノルマ 祭壇へ来たれ!
激しい雷鳴の中
イルミンスルの声が大きくなっているぞ
ノルマよ 聖なる祭壇へ!
【ノルマ】
ああ!死の音だわ!
ああ 立ち去りなさい あなたのことを死は待ち構えているわ!
【アダルジーザ】
ああ!死の音が あなたを捕らえている
ああ お行きください あなたのことを死が待ち構えています!
ああ お逃げください!
【ポッリオーネ】
ああ!何と言う音だ!
だが死など気にはせぬ その前に
私は倒してやるぞ お前たちの神をこの足元に
ノルマはポッリオーネの腕を撥ねつけ 外に出て行くよう促す ポッリオーネは怒って去っていく
Sinfonia
ATTO PRIMO
Foresta sacra de' Druidi. In mezzo la quercia d'Irminsul, al piè della quale vedesi la pietra druidica che serve d'altare. Colli in distanza sparsi di selve. È notte; lontani fuochi trapelano dai boschi.
SCENA I
Al suono di marcia religiosa diffilano le schiere de' Galli, indi la processione de' Druidi. Per ultimo Oroveso coi maggiori Sacerdoti.
OROVESO
Ite sul colle, o Druidi,
Ite a spar ne' cieli
Quando il suo disco argenteo
La nuova Luna sveli!
Ed il primier sorriso
Del virginal suo viso
Tre volte annunzi il mistico
Bronzo sacerdotal!
DRUIDI
Il sacro vischio a mietere
Norma verrà?
OROVESO
Sì, Norma, sì verrà.
DRUIDI
Verrà, verrà.
OROVESO
Sì, sì.
DRUIDI
Dell'aura tua profetica,
Terribil Dio, l'informa!
Sensi, o Irminsul, le inspira
D'odio ai Romani e d'ira,
Sensi che questa infrangano
Pace per noi mortal, sì!
OROVESO
Sì. Parlerà terribile
Da queste quercie antiche,
Sgombre farà le Gallie
Dall'aquile nemiche,
E del suo scudo il suono,
Pari al fragor del tuono,
Nella città dei Cesari
Tremendo echeggerà!
OROVESO E DRUIDI
Luna, t'affretta sorgere!
Norma all'altar verrà!
O Luna, t'affretta!
Si allontanano tutti e si perdono nella foresta; di quando in quando si odono le loro voci risuonare in lontananza.
SCENA II
Escono quindi da un lato Flavio e Polline guardinghi e ravvolti nelle loro toghe.
POLLIONE
Svanir le voci!
E dell'orrenda selva
Libero è il varco.
FLAVIO
In quella selva è morte
Norma tel disse.
POLLIONE
Profferisti un nome
Che il cor m'agghiaccia.
FLAVIO
Oh, che di' tu?
L'amante!
La madre de' tuoi figli!
POLLIONE
A me non puoi far tu rampogna,
Ch'io mertar non senta.
Ma nel mio core è spenta
La prima fiamma,
E un Dio la spense,
Un Dio nemico al mio riposo
Ai piè mi veggo l'abisso aperto,
E in lui m'avvento io stesso.
FLAVIO
Altra ameristi tu?
POLLIONE
Parla sommesso …
Un'altra, sì … Adalgisa …
Tu la vedrai …
Fior d'innocenza e riso,
Di candore e d'amor.
Ministra al tempio
Di questo Dio di sangue,
Ella v'appare
Come raggio di stella in ciel turbato.
FLAVIO
Misero amico! E amato
Sei tu del pari?
POLLIONE
Io n'ho fidanza.
FLAVIO
E l'ira
Non temi tu di Norma?
POLLIONE
Atroce, orrenda me la presenta
Il mio rimorso estremo …
Un sogno …
FLAVIO
Ah! Narra.
POLLIONE
In rammentarlo io tremo.
Meco all'altar di Venere
Era Adalgisa in Roma,
Cinta di bende candide,
Sparsa di fior la chioma;
Udia d'Imene i cantici,
Vedea fumar gl'incensi,
Eran rapiti i sensi
Di voluttade e amore.
Quando fra noi terribile
Viene a locarsi un'ombra
L'ampio mantel druidico
Come un vapor l'ingombra;
Cade sull'ara il folgore,
D'un vel si copre il giorno,
Muto si spande intorno
Un sepolcrale orror.
Più l'adorata vergine
Io non mi trovo accanto;
N'odo da lunge un gemito
Misto de' figli al pianto …
Ed una voce orribile
Echeggia in fondo al tempio
Norma così fa scempio
D'amante traditor!
Squilla il sacro bronzo.
FLAVIO
Odi? I suoi riti a compiere Norma,
Norma dal tempio move.
DRUIDI
lontani
Sorta è la Luna, o Druidi.
Ite, profani, altrove,
Ite altrove, ite altrove!
FLAVIO
Vieni …
POLLIONE
Mi lascia.
FLAVIO
Ah, m'ascolta!
POLLIONE
Barbari!
FLAVIO
Fuggiam …
POLLIONE
Io vi proverrò!
FLAVIO
Vieni … Fuggiam …
Scoprire alcun ti può.
POLLIONE
Traman congiure i barbari,
Ma io li preverrò!
FLAVIO
Ah! Vieni, fuggiam …
Sorprendere alcun ti può.
DRUIDI
lontani
Ite, profani, altrove.
POLLIONE
Me protegge, me difende
Un poter maggior di loro
È il pensier di lei che adoro,
È l'amor che m'infiammò.
Di quel Dio che a me contende
Quella virgine celeste,
Arderò le rie foreste,
L'empio altare abbatterò.
FLAVIO
Vieni, vieni …
Scoprire alcun ti può …
Vieni … Fuggiam …
DRUIDI
sempre lontani
Sorta è la Luna, o Druidi.
Ite, profani, altrove,
Ite altrove.
POLLIONE
Traman conguire i barbari,
Ma io li preverrò!
Pollione e Flavio partono rapidamente.
SCENA III
Druidi dal fondo, Sacerdotesse, Guerrieri, Bardi, Eubagi, Sacrificatori, e in mezzo a tutti, Oroveso.
CORO
Norma viene: le cinge la chioma
La verbena ai misteri sacrata;
In sua man come luna falcata
L'aurea falce diffonde splendor.
Ella viene, e la stella di Roma
Sbigottita si copre d'un velo;
Irminsul corre i campi del cielo
Qual cometa fioriera d'orror.
SCENA IV
Entra Norma in mezzo alle sue ministre. Ha sciolto i capegli, la fronte circondata di una corona di verbena, ed armata la mano d'una falce d'oro. Si colloca sulla pietra druidica, e volge gli occhi d'intorno come ispirata. Tutti fanno silenzio.
NORMA
Sediziose voci, voci di guerra
Avvi chi alzarsi attenta
Presso all'ara del Dio?
V'ha chi presume
Dettar responsi alla veggente Norma,
E di Roma affrettar il fato arcano?
Ei non dipende, no, non dipende
Da potere umano.
OROVESO
E fino a quando oppressi
Ne vorrai tu?
Contaminate assai
Non fur le patrie selve
E i templi aviti
Dall'aquile latine?
Omai di Brenno oziosa
Non può starsi la spada.
UOMINI
Si brandisca una volta!
NORMA
E infranta cada.
Infranta, sì, se alcun di voi snudarla
Anzi tempo pretende.
Ancor non sono della nostra vendetta
I dì maturi.
Delle sicambre scuri
Sono i pili romani ancor più forti.
OROVESO E UOMINI
E che t'annunzia il Dio?
Parla! Quai sorti?
NORMA
Io ne' volumi arcani leggo del cielo,
In pagine di morte
Della superba Roma è scritto il nome.
Ella un giorno morrà,
Ma non per voi.
Morrà pei vizi suoi,
Qual consunta morrà.
L'ora aspettate, l'ora fatal
Che compia il gran decreto.
Pace v'intimo …
E il sacro vischio io mieto.
Falca il vischio; le Sacerdotesse lo raccolgono in canestri di vimini; Norma si avanza e stende le braccia al cielo; la luna splende in tutta la sua luce; tutti si prostrano.
Casta Diva, che inargenti
Queste sacre antiche piante,
Al noi volgi il bel sembiante,
Senza nube e senza vel!
OROVESO E CORO
Casta Diva, che inargenti
Queste sacre antiche piante,
Al noi volgi il bel sembiante,
Senza nube e senza vel!
NORMA
Tempra, o Diva,
Tempra tu de' cori ardenti,
Tempra ancora lo zelo audace.
Spargi in terra quella pace
Che regnar tu fai nel ciel.
OROVESO E COR
Diva, spargi in terra
Quella pace che regnar
Tu fai nel ciel.
NORMA
Fine al rito.
E il sacro bosco
Sia disgombro dai profani.
Quando il Nume irato e fosco
Chiegga il sangue dei Romani,
Dal druidico delubro
La mia voce tuonerà.
OROVESO E CORO
Tuoni,
E un sol del popolo empio
Non isfugga al giusto scempio;
E primier da noi percosso
Il Proconsole cadrà.
NORMA
Cadrà!
Punirlo io posso.
(Ma punirlo il cor non sa.)
(Ah! bello a me ritorna
Del fido amor primiero,
E contro il mondo intiero
Difesa a te sarò.
Ah! bello a me ritorna
Del raggio tuo sereno
E vita nel tuo seno
E patria e cielo avrò.)
OROVESO E CORO
Sei lento, sì, sei lento,
O giorno di vendetta,
Ma irato il Dio t'affretta
Che il Tebro condannò!
NORMA
(Ah! riedi ancora qual eri allora,
Quando il cor ti diedi allora,
Qual eri allor, ah, riedi a me!)
OROVESO E CORO
O giorno!
O giorno, il Dio t'affretta
Che il Tebro condannò!
Tutti escono.
SCENA V
Entra Adalgisa
ADALGISA
Sgombra è la sacra selva,
Compiuto il rito.
Sospirar non vista alfin poss'io,
Qui … dove a me s'offerse
La prima volta quel fatal Romano,
Che mi rende rubella
Al tempio, al Dio …
Fosse l'ultima almen!
Vano desio!
Irresistibil forza qui mi trascina,
E di quel caro aspetto
Il cor si pasce,
E di sua cara voce
L'aura che spira mi ripete il suono.
Corre a prostrarsi sulla pietra d'Irminsul.
Deh! Proteggimi, o Dio!
Perduta io son!
Gran Dio, abbi pietà,
Perduta io son!
SCENA VI
Pollione entra con Flavio.
POLLIONE
a Flavio
Eccola! Va, mi lascia,
Ragion non odo!
Flavio parte.
ADALGISA
sbigottita
Oh, tu qui!
POLLIONE
Che veggo?
Piangevi tu?
ADALGISA
Pregava.
Ah! T'allontana, pregar mi lascia!
POLLIONE
Un Dio tu preghi
Atroce, crudele,
Avverso al tuo desire e al mio.
O mia diletta!
Il Dio che invocar devi è Amore.
ADALGISA
Amor! Deh! Taci,
Ch'io più non t'oda!
POLLIONE
E vuoi fuggirmi?
E dove fuggir vuoi tu
Ch'io non ti segua?
ADALGISA
Al tempio, ai sacri altari
Che sposar giurai.
POLLIONE
Gli altari?
E il nostro amor?
ADALGISA
Io l'obbliai.
POLLIONE
Va, crudele, al Dio spietato
Offri in dono il sangue mio.
Tutto, ah, tutto ei sia versato,
Ma lasciarti non poss'io,
No, nol posso!
Sol promessa al Dio tu fosti,
Ma il tuo core a me si diede.
Ah! Non sai quel che mi costi
Perch'io mai rinunzi a te.
ADALGISA
E tu pure, ah, tu non sai
Quanto costi a me dolente!
All'altare che oltraggiai
Lieta andava ed innocente,
Sì, sì, v'andava innocente.
Il pensiero al cielo ergea
E il mio Dio vedeva in ciel!
Or per me spergiura e rea
Cielo e Dio ricopre un vel!
POLLIONE
Ciel più puro e Dei migliori
T'offro in Roma, ov'io mi reco.
ADALGISA
colpita
Parti forse?
POLLIONE
Ai nuovi albori.
ADALGISA
Parti? Ed io?
POLLIONE
Tu vieni meco.
De' tuoi riti è Amor più santo,
A lui cedi, ah, cedi a me!
ADALGISA
più commossa
Ah! Non dirlo! Ah! Non dirlo!
POLLIONE
Il dirò tanto, il dirò tanto
Che ascoltato io sia da te.
ADALGISA
Deh! Mi lascia!
POLLIONE
Ah! Deh cedi, deh cedi a me!
ADALGISA
Ah! Non posso!
Mi proteggi, o giusto ciel!
POLLIONE
Abbandonarmi così potresti!
Abbandonarmi così!
Adalgisa! Adalgisa!
con tenerezza
Vieni in Roma, ah, vieni, o cara,
Dov'è amore e gioia e vita!
Inebbriam nostr'alme a gara
Del contento a cui ne invita!
Voce in cor parla non senti,
Che promette eterno ben?
Ah! Dà fede a' dolci accenti,
Sposo tuo mi stringi al sen!
ADALGISA
(Ciel! Così parlar l'ascolto
Sempre, ovunque, al tempio istesso!
Con quegli occhi, con quel volto,
Fin sull'ara il veggo impresso.
Ei trionfa del mio pianto,
Del mio duol vittoria ottien.
Ciel! Mi togli al dolce incanto,
O l'error perdona almen!)
POLLIONE
Ah! Vieni!
ADALGISA
Deh! Pietà!
POLLIONE
Ah! Deh! Vieni, ah, vieni, o cara!
ADALGISA
Ah! Mai!
POLLIONE
Crudel! E puoi lasciarmi?
ADALGISA
Ah! Per pietà, mi lascia!
POLLIONE
Così, così scordarmi!
ADALGISA
Ah! Per pietà, mi lascia!
POLLIONE
Adalgisa!
ADALGISA
Ah! Mi risparmi tua pietà
Maggior cordoglio!
POLLIONE
Adalgsa! E vuoi lasciarmi?
ADALGISA
Io … Ah! …
Ah … Non posso … Seguirti voglio …
POLLIONE
Qui, domani all'ora istessa,
Verrai tu?
ADALGISA
Ne fo promessa.
POLLIONE
Giura.
ADALGISA
Giuro.
POLLIONE
Oh! Mio contento!
Ti rammenta …
ADALGISA
Ah! Mi rammento.
Al mio Dio sarò spergiura,
Ma fedel a te sarò!
POLLIONE
L'amor tuo mi rassicura,
E il tuo Dio sfidar saprò!
Partono.
SCENA VII
Abitazione di Norma. Norma, Clotilde e due piccoli fanciulli.
NORMA
Vanne, e li cela entrambi.
Oltre l'usato
Io tremo d'abbracciarli.
CLOTILDE
E qual ti turba strano timor,
Che i figli tuoi rigetti?
NORMA
Non so. Diversi affetti
Strazian quest'alma.
Amo in un punto ed odio i figli miei!
Soffro in vederli,
E soffro s'io non li veggo.
Non provato mai
Sento un diletto
Ed un dolore insieme d'esser lor madre.
CLOTILDE
E madre sei?
NORMA
Nol fossi!
CLOTILDE
Qual rio contrasto!
NORMA
Immaginar non puossi, o mia Clotilde!
Richiamato al Tebro è Pollione.
CLOTILDE
E teco ei parte?
NORMA
Ei tace il suo pensiero.
Oh! S'ei fuggir tentasse,
E qui lasciarmi?
Se obbliar potesse
Questi suoi figli?
CLOTILDE
E il credi tu?
NORMA
Non l'oso.
È troppo tormentoso,
Troppo orrendo è un tal dubbio.
Alcun s'avanza. Va. Li cela.
Clotilde parte coi fanciulli. Norma li abbraccia.
SCENA VIII
Entra Adalgisa.
NORMA
Adalgisa!
ADALGISA
da lontano
(Alma, costanza!)
NORMA
T'inoltra, o giovinetta, t'inoltra.
E perchè tremi?
Udii che grave a me segreto
Palesar tu voglia.
ADALGISA
È ver.
Ma, deh, ti spoglia
Della celeste austerità
Che splende negli occhi tuoi!
Dammi coraggio,
Ond'io senza alcun velo
Ti palesi il core!
Si prostra.
NORMA
la solleva
M'abbraccia, e parla.
Che t'afflige?
ADALGISA
dopo un momento di estazione
Amore. Non t'irritar!
Lunga stagion pugnai per soffocarlo.
Ogni mia forza ei vinse,
Ogni rimorso.
Ah! Tu non sai, pur dianzi
Qual giuramento io fea!
Fuggir dal tempio,
Tradir l'altare a cui son io legata,
Abbandonar la patria …
NORMA
Ahi! Sventurata!
Del tuo primier mattino
Già turbato è il sereno?
E come, e quando
Nacque tal fiamma in te?
ADALGISA
Da un solo sguardo, da un sol sospiro,
Nella sacra selva,
A piè dell'ara ov'io pregava il Dio.
Tremai … Sul labbro mio
Si arrestò la preghiera.
E, tutta assorta
In quel leggiadro aspetto,
Un altro cielo mirar credetti,
Un altro cielo in lui.
NORMA
(Oh! Rimembranza!
Io fui così rapita
Al sol mirarlo in volto!)
ADALGISA
Ma non m'ascolti tu?
NORMA
Segui. T'ascolto.
ADALGISA
Sola, furtiva, al tempio
Io l'aspettai sovente,
Ed ogni dì più fervida
Crebbe la fiamma ardente.
NORMA
(Io stessa arsì così.)
ADALGISA
Vieni, ei dicea, concedi
Ch'io mi ti prostri ai piedi.
NORMA
(Oh, rimembranza!)
ADALGISA
Lascia che l'aura io spiri
NORMA
(Io fui così sedotta!)
ADALGISA
Dei dolci tuoi sospiri,
Del tuo bel crin le anella
Dammi, dammi poter baciar.
NORMA
(Oh, cari accenti!
Così li profferia,
Così trovava del mio cor la via!)
ADALGISA
Dolci qual arpa armonica
M'eran le sue parole,
Negli occhi suoi sorridere
Vedea più bello un sole.
NORMA
(L'incanto suo fu il mio!)
ADALGISA
Io fui perduta e il sono!
NORMA
Ah! Tergi il pianto!
ADALGISA
D'uopo ho del tuo perdono!
NORMA
Avrò pietade!
ADALGISA
Deh! Tu mi reggi e guida!
NORMA
Ah! Tergi il pianto!
ADALGISA
Me rassicura, o sgrida,
Salvami da me stessa,
Salvami, salvami dal mio cor!
NORMA
Ah! Tergi il pianto!
Te non lega eterno nodo,
Eterno nodo all'ara.
ADALGISA
Ah! Ripeti, o ciel,
Ripeti si lusinghieri accenti!
NORMA
Ah! Sì, fa core e abbracciami.
Perdono e ti compiango.
Dai voti tuoi ti libero,
I tuoi legami io frango.
Al caro oggetto unita
Vivrai felice ancor.
ADALGISA
Ripeti, o ciel,
Ripetimi si lusinghieri accenti!
Per te, per te, s'acquetano
I lunghi miei tormenti.
Tu rendi a me la vita,
Se non è colpa amor.
NORMA
Ma di': l'amato giovane
Quale fra noi si noma?
ADALGISA
Culla non ebbe in Gallia:
Roma gli è patria.
NORMA
Roma? Ed è? Prosegui …
SCENA IX
ADALGISA
Il mira.
NORMA
Ei! Pollion!
ADALGISA
Qual ira!
NORMA
Costui, costui dicesti?
Ben io compresi?
ADALGISA
Ah! Sì.
POLLIONE
inoltrandosi ad Adalgisa
Misera te! Che festi?
ADALGISA
smarrita
Io?
NORMA
a Pollione
Tremi tu? E per chi?
E per chi tu tremi?
Alcuni momenti di silenzio. Pollione è confuso, Adalgisa tremante e Norma fremente.
Oh, non tremare, o perfido,
Ah, non tremar per lei!
Essa non è colpevole,
Il malfattor tu sei!
Trema per te, fellon,
Pei figli tuoi,
Trema per me, fellon!
ADALGISA
tremante
Che ascolto? Ah! Deh parla!
Taci? T'arrestri! Ohimè!
Si copre il volto colle mani; Norma l'afferra per un braccio, e la costringe a mirar Pollione.
NORMA
Oh! Di qual sei tu vittima
Crudo e funesto inganno!
Pria che costui conoscere
T'era il morir men danno!
Fonte d'eterne lagrime
Egli a te pur dischiuse
Come il mio cor deluse,
L'empio il tuo core tradì!
POLLIONE
Norma! De' tuoi rimproveri
Segno non farmi adesso!
Deh! A quest afflitta vergine
Sia respirar concesso!
ADALGISA
Oh, qual mistero orrible!
Trema il mio cor di chiedere,
Trema d'udire il vero!
Tutta comprendo, o misera,
Tutta la mia sventura,
Essa non ha misura,
S'ei m'ingannò così!
POLLIONE
Copra a quell'alma ingenua,
Copra nostr'onte un velo!
NORMA
Empio e tant'osi?
POLLIONE
Giudichi solo il cielo
Quali più di noi fallì!
NORMA
Perfido!
POLLIONE
per allontanarsi
Or basti.
NORMA
Fermati!
POLLIONE
afferra Adalgisa
Vieni.
ADALGISA
dividendosi da lui
Mi lascia, scostati!
Sposo sei tu infedele!
POLLIONE
Qual io mi fossi obblio.
ADALGISA
Mi lascia, scostati!
POLLIONE
con tutto il fuoco
L'amante tuo son io!
ADALGISA
Va, traditor!
POLLIONE
È mio destino amarti,
Destino costei lasciar!
NORMA
rerimendo il furore
Ebben! lo compi,
Lo compi e parti!
ad Adalgisa
Seguilo.
ADALGISA
supplichevole
Ah! No, giammai, ah, no.
Ah, pria spirar!
NORMA
fissa Pollione sino che prorompe
Vanne, sì, mi lascia, indegno,
Figli obblia, promesse, onore!
Maledetto dal mio sdegno
Non godrai d'un empio amore!
ADALGISA E POLLIONE
Ah!
POLLIONE
Fremi pure, e angoscia eterna
Pur m'imprechi il tuo furore!
NORMA
Te sull'onde e te sui venti
Seguiranno mie furie ardenti!
Mia vendetta e notte e giorno
Ruggirà intorno a te!
POLLIONE
disperatamente
Fremi pure, e angoscia eterna
Pur m'imprechi il tuo furore!
Quest'amor che mi governa
È di te, di me maggiore!
ADALGISA
supplichevole
Ah! Non fia ch'io costi
Al tuo core si rio dolore!
POLLIONE
Dio non v'ha che mali inventi
De' miei mali, ah, più cocenti!
Maledetto io fui quel giorno
Che il destin m'offerse a te.
Maledetto io fui per te!
ADALGISA
Ah! Non fia ch'io costi
Al tuo core si rio dolore!
NORMA
Parti!
ADALGISA
Ah, sian frapposti e mari e monti
Fra me sempre e il traditore!
NORMA
Indegno!
ADALGISA
Ah! Non fia ch'io costi
Al tuo core si rio dolore!
POLLIONE
Fremi pure!
NORMA
Te sull'onde e te sui venti
Seguiranno mie furie ardenti!
POLLIONE
Dio non v'ha che mali inventi
De' miei mali, ah, più cocenti!
ADALGISA
Soffocar saprò i lamenti,
Divorare i miei tormenti;
Morirò perchè ritorno
Faccia il crudo ai figli, a te!
NORMA
Maledetto dal mio sdegno
Non godrai d'un empio amore!
POLLIONE
Dio non v'ha che mali inventi
De' miei mali, ah, più cocenti!
Squillano i sacri bronzi del tempio. Norma è chiamata ai riti.
CORO
di dentro
Norma, Norma all'ara!
In tuon feroce
D'Irminsul tuonò la voce,
Norma al sacro altar!
NORMA
Ah! Suon di morte!
Ah, va, per te qui pronta ell'è!
ADALGISA
Ah! Suon di morte s'intima a te,
Va, per te qui pronta ell'è,
Ah, fuggi!
POLLIONE
Ah! Qual suon!
Sì, la sprezzo, sì, ma prima
Mi cadrà il tuo Nume al piè!
Norma respinge d'un braccio Pollione, e gli accenna di uscire. Pollione si allontana furente.