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歩む道は互いに険しく

最終更新:2024年01月16日 06:30

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歩む道は互いに険しく


会場の一角に1人少女…のアバターを使用した男の参加者が立つ。
彼の名は明星朱雀。ある情報を得た事によりVRCの世界へと足を踏み入れ、情報収集を行っていた矢先にこの殺し合いへと巻き込まれた青年。

(…感覚は現実のそれと同じ…VRCから現実に…「あの噂」に近い感じか?
…まあとりあえず、あの主催者は「ヤツ」と同じ、理不尽に命を奪う類だと考えていいかな……反吐が出るよ、そういうのは)

そんな彼は…先刻主催の手により見せしめとして殺された「ななし」の事を思い返し、怒りを抱く。理不尽に奪われる事による悲しみと怒りを、朱雀は身を持って知っているからだ。

ーーーー
かつて俺には家族が居た。大切な親友も居た。
厳格だったけど俺や妹の事を思ってくれていて、褒めるときは褒めてくれた父さん。おおらかでよく周りを見ていたけど怒ると怖かった母さん。活発でよくこっちを巻き込んで振り回して来たけど、慕ってもくれていた…ヒーローに憧れていた妹。そして…高校時代に出来た友達…無二の親友と言っても過言じゃなかった男、乱時。
みんな、俺にとってかけがえのない大切な人達で…日常の象徴だった。

───けれど、俺は全て喪った。
父さんと母さんは、俺が高校1年生の時に、妹と買い物に行った際、交通事故に巻き込まれて即死した。その時俺は乱時の家に遊びに行ってて不在だった。駆け付けた際に目に入った、父さんだったものと母さんだったものが納棺された棺に縋り付き泣く妹の姿は、今でも俺の脳裏に焼き付いている。…悲しみと怒りと、着いて行ってれば…そう後悔が積った。

そこから精神的なダメージを受けて壊れそうになってた妹を、気にかけてくれてた乱時と一緒に励まし、支えていて…立ち直りつつあった矢先だった。ある日、友達と一緒に出かけてくると言い残し外に出た妹が……その友達と共に首を吊った物言わぬ骸になって発見されたのは。
再び悲しみと怒り、それに後悔を積らせるも…俺は警察の調査により確定した、無理心中であるという結果に疑問を抱いた。妹だけなら、まだ不安定ではあった以上突発的に……自らの命を絶ってしまう事はあり得なくはないだろう。だが妹が友達を巻き込むだろうか?するにしても誰にも迷惑をかけず巻き込まずに…終わろうとするんじゃないのかと。
その疑問を抱いたのは乱時も同じだったらしく…塞ぎ込んでた俺を励まして、支えてくれていた傍らに色々と探っていたみたいで。……俺がそれを知ったのは、あいつが通り魔に刺殺される前日だった。明日話したい件があると言われて…「お前の妹と友達は、無理心中に見せかけて誰かに殺されたのかも知れない」と言われ、当日待ち合わせ場所に向かった時にはあいつはもうーー。

…もっと早く打ち明けて欲しかったとは思った。でも…それ以上に、あの日もっと早く来れていれば……そう思い俺は後悔に打ちひしがれた。その後、下手人は逃走中に転落死したと聞かされたが、どうして乱時が理不尽な形ね殺されなければ行けなかったのかを語らぬまま死に、闇に葬られてしまった事に…強い怒りと悲しみと…やり場のない復讐心を俺は抱いた。
現実には、妹が憧れたような理不尽に奪われる命を護ろうとするヒーローも、誰かの憎しみを代わりに晴らそうとする代行者もいない。いつだって肝心な時にその場にいない・間に合わない俺はヒーローの真似事すらできやしない。なら俺に残った手段は……一つだけだった。

その後、両親が遺してくれてた遺産のおかげでどうにか高校の卒業と、大学への進学は果たせた。授業を受けつつも自分でも探せる範囲の情報を探す…その辺りだったか、生前乱時の知り合いだったと名乗る、Vtuber兼フリーのウェブライターの男から接触があったのは。
男曰く、乱時とはVRCなるものを通じて知り合い、妹の件…だけでなく俺の両親の事故死ですら何者かによる口封じであり、犯人と思わしき人物がVRCプレイヤーの中にいる可能性が高いという見解を共有していたとの事。乱時とはリアルでも会う約束をしていたがそれは叶わぬ物となったという。
男は他にも、少し前に起こった犯人達が逮捕されていない輪姦事件についての調査や、「VRCに現実の人間が取り込まれる」などとの妙な噂についても調べていると言っていた。また…男は俺に「君が真実を知りたいと思っているのなら、協力しよう」と話を持ちかけてきた。
復讐心の方が比重としては上だったけども、真実を知りたいという思いもあるにはあったのと、自分1人で探せる範囲には限界があった以上、俺はその話を受け入れ、男に協力を…家族や乱時を殺した犯人の捜索を依頼する事に決めた。

そこから俺は、連絡を取り合う為というのも踏まえて機材を購入し、適当にアバターを作成したうえで自分でもVRC内で情報を収集し始めた…が、成果は芳しくなく、男ともある日から突然連絡が取れなくなり浮上した形跡も無しと、途方に暮れたくなった。
それでも俺は……犯人を探し出し、復讐を遂げるという唯一残された目的を果たす為情報収集を続けていた。その最中、開発中だったワールドが近々リリースされると知り情報収集の一環として参加することを決め…この殺し合いに巻き込まれて今に至る。

ーーーー
(優勝すれば今のアバターを肉体にして帰還できて、願いも一つ叶う…か。馬鹿馬鹿しい)

朱雀からすると、情報収集用に適当に作った今のアバターには思い入れも何もなく、また叶えたい願いも…復讐を遂げる事以外には無かった。失った家族や親友を取り戻すという発想は、彼の頭には浮かばない。失った大切な者を取り戻す事ができれば…などとあり得ない夢想をしても…虚しさしかなく、時間の無駄でしかなかったが故。

(仮に優勝する事で、甦らせる事を願ったとしても…皆殺しにした時点で皆喜びなんかしないのはわかるよ、間違いなく。
…だがこの場にヤツが巻き込まれてないのなら、復讐の為にも皆殺しにしてでも現実へ帰らなきゃいけないが…今決めるのは早急だな。とりあえずこのデイバッグに何が入ってるのかを見てからでも遅くはない……)
「…これは……!!」

そう思いながらバッグの中身を探った朱雀だったが、中に入ってた紙切れ…に書かれた文字に目の色を変える。
それには…「お前の家族3人と、親友を理不尽に奪った人物は参加者の中にいる」とそう書かれていた。

「…どういうつもりだ…本当、なのか…だとしたら何でこんな物を……??」
(考えられるのは、この殺し合いの運営側が何らかの意図…例えば復讐相手が運営に居て、それを誤魔化すためのブラフとして書いた物とか…もしくは俺が復讐に動く様を見たいとか、か……?)

困惑を見せつつ、暫し考え込んでいた朱雀だが、やがて決意を固める。

「…何のつもりかはともかく、優勝して帰るよりはまだ…これを信じて探し出した方が良さそうだな」
(今は乗ってやる、だけどブラフだった時のことも考えて、運営への接触手段も探すべき…か)

そう指針を定め、バッグの中身を確認し終えた朱雀は……自らの創造武具を出現させる。

「…思ってたよりも、大きい剣だな…鍛えてなきゃ片手で持つのは無理だったかも知れない」

そう言いつつ片手で創造武具…焔剣ヘリオスを持ち軽く振る朱雀だったが…遠くに少女の姿らしき物を見つける。

(ネームプレート…はこの距離からじゃ見えないな。参加者かどうかはわからないけど、とりあえず近付いて…ーー!?)

思考しつつ、警戒の意も込めて焔剣を持ったまま近付いて行く朱雀だった…が、相手の姿が突如消えた。そして次の瞬間に、いつの間にか赤眼の少女が、まるで空間転移でもしたかのように朱雀の目前に現れ……バッグから取り出したのだろう、手に握ったレーザーブレードを振りかざして来た!

ーーーー
振り下ろされたブレードに対し、朱雀は咄嗟に焔剣でそれを受け止める。
受け止めそのまま振り払おうとした途端、少女は後ろに下がった。

「…お前は、乗っているって事でいいのか…!?」

朱雀は問いかけてみるも、少女は答えぬままにまた姿を消し…背後から現れブレードを振る。対しまた朱雀は受け止めて対応をする。

(…これは、乗ってると考えた方がいいか…まさかこの女が…いや仮にヤツなら、少し短絡的すぎる!とにかく今は無力化なりして、情報を聞き出せるか試すべきだ…!)

今度は朱雀側から、少女に向けて焔剣を振るう…も、それが少女の身体に直に触れる手前でまたもや相手は姿を消し…朱雀が周りを見渡すと上空から自分目掛けてブレードが降ってくる。それを焔剣で受け流そうとした途端…時間差で上空から現れた少女がブレードをまた握り、一瞬鍔迫り合いになるも少女側から後ろへ下がり退く形となった。

(あのブレード自身が創造武具か?いや…当人のスキルか?どちらもあり得そうだが…!)


そのまま一進一退の攻防が続く。基本防御に徹しつつ、時たま攻めに回るも避けられる朱雀に対し…少女は果敢に、がむしゃらに攻めるも有効打を全く与えれておらず、スキルの連続使用と、鍔迫り合いになる度刀身を覆う形になっている焔の熱もあり消耗しつつあった。

やがて…まだまだ余裕そうな様子の朱雀からまた距離を取った少女は、急にレーザーブレードをからんと地面に落とした後…両手を挙げた。

「…降参、するわ」
「…いきなり襲っておいて勝手な事言うんだな…どういうつもりだ?」
「……ごめんなさい!いきなりこんな事に巻き込まれてパニックになって、それで……あなたが、凄い形相しながらその剣持ちながら、近づいて来たから…殺されるんじゃ…それなら殺される前にと……」
「…で、殺せそうにないから諦めたって事か?」
「……うん。…あなたを襲う気はないわ」

そう申し訳なさげにする少女に対して朱雀は…躊躇なく剣を向ける。

「…信じて、…くれないって事なの?」
「そういう訳じゃない、ただ別件で聞きたい事がある…イナバ辻、さん」

相手のネームプレートを見つつ、朱雀は剣を向けたまま問う。

「……明星玄武、明星由美、 明星神楽耶、瑠守乱時」
「…え?いきなりどういう……」
「今挙げた名前に聞き覚えはあるか?」
「……ううん、ないよ」

突然言い出した朱雀に困惑を見せながらも、首を横に振り素直に答える少女…イナバ。
一方返答を聞いた朱雀であったが…ここではまだ退かず更に問い詰めてみる事とする。

「…本当にそうか?心当たりも…ないのか?」
向けた剣をイナバへ近付けつつなおも問う…も、

「…そもそも先に攻撃しちゃったのは私だから…信用できないって思われても仕方ないけど…本当よ。何も…知らない」

そう、イナバは申し訳なさでいっぱいといった表情を浮かべていた。
それを見た朱雀は…向けていた剣を手放す。

「そうか。……すまない」
「いいのよ、私の方こそ…力になれなくて申し訳ないわ。
…ええっと、朱雀…くん、でいい?とりあえず、情報交換とかどう?」
「…構わない、わかった」

申し訳ない気持ちになりつつも、とりあえず2人は情報を交換する事にした。
といっても、自分達以外は互いに遭遇した他参加者は居らず、必然的に殺し合いに巻き込まれる前の話となった。

「…そうなんだ…君は、ご両親と妹ちゃんと、親友の仇を取るために…」
「その為に、VRC内でも色々調べてたんだけどな…まさかこんな都市伝説みたいな事態に巻き込まれるとは」
「現実の人間が、VRCの中に取り込まれちゃうってやつ…よね?それ…。
…あれ?そういえばさっき朱雀くんが言った家族の名前的に…ひょっとして本名入れちゃったの!?ユーザーネームに…」
「…自分じゃいい案が浮かばなかったんだ」
「えぇ……それこそ君の言ってた協力を持ちかけてくれた人に頼めばよかったのに…リアルバレしたらどうするのよ…」
「…相手を見つけ出して復讐さえ遂げれれば、どうなってもいい」

呆れるイナバに対し、そう端的に言い放つ朱雀。

「まあ、それはそれとして…この殺し合いの運営には怒ってるけどな。理不尽に命を奪う連中には反吐が出る」
「……それは、私も……同じよ」
「…あんたも、なのか…」

思う所がありそうに、重苦しい表情を浮かべながらそう言うイナバに、朱雀は彼女が自分と同じ理不尽に大切な人を奪われた側の人間だと悟りつつ…深くは触れなかった。

ーーーー
その後、情報交換を終えた2人は…別れて行動する事となる。

「…1人になって大丈夫なのか?あんたのさっきの様子からして不安しかないんだが…」
「…それは、そうよね……でも、大丈夫よ。君のおかげでなんとか、取り返しがつかなくなる前に止まれたから」
「…そう言うならまあ…俺に止める権利はないけども。
…ただ、一つだけ…他の参加者に出会う事があったら、さっき俺が言った名前を知らないか…出来ればでいいから尋ねてみて欲しい」
「それぐらいなら、全然大丈夫よ」
「…そうか、ありがとう」
「いいのよ、それぐらい…元はと言えば私が悪いんだから……それにしても、復讐者にしては優しいんだね、君は…でも、今回の私みたいに…話せばわかる相手ばかりとは思わない方がいい。
朱雀くんの復讐相手と関わりがなくても…殺し合いに乗る・乗った危険な参加者はきっといるから…それは忘れちゃダメだよ」
「……わかっている」
「そっか…じゃあまたね、朱雀くん」

朱雀からの頼みを了承しつつも、心配げにする彼に対しイナバは、忠告めいた事を告げて去って行った。

「…次に再会した時はもう冷たい肉塊になってた…なんて事にならないのを祈らせて貰うぞ、イナバ」
(…まあ、流石にそんな事になれば目覚めが悪いからな。
……それにしても、そんな怖い顔してたのか…?俺……)

ーーーー
子どもの頃からわたしは、ヒーローになりたいと憧れ、そういう番組を見たりしつつも普通の生活を…大好きなパパとママと送っていた。
普通だけど、かけがえのない日常が…このままずっと、ずーっと…続いていくと思ってた。
…なんの根拠もなく、そう思ってたんだ…15歳の時の誕生日に……目の前でパパとママが轢き逃げされるまでは。

パパとママが車に轢かれて…そのまま壁との間に挟み込まれた。あっという間だった。即死だった。パパもママも…潰れたトマトみたいになって……それがパパとママだった肉塊だって……頭ではわかっても…受け入れられなくて、だから……それに、誰も助けようとしてくれなかったから…だから助けようとして……生のお肉と、鉄の…血の匂いに当てられて…わたしは吐いた。
吐いて……服がパパとママの血塗れになっちゃいながら、泣き喚いてたのは覚えてる。それ以外の事は…殆ど記憶にない。
ただ…どうしてわたしが、こんな目に遭わなきゃいけないんだろうって…怒りと絶望を感じたのと、もう…自分の誕生日を祝うことは二度とないんだろうって思ったのは……確かに覚えてる。

その後わたしは、パパとママが遺してくれてたなけなしの遺産を使いつつも、バイトすることでどうにか暮らしていけていた。
ただ、そんな日々も長くは続いてくれなかった。高3の時、バイト中に突然わたしの意識は途切れて……気付くと病院にいて、そのままお医者さんからわたしが遺伝性のがん…それもステージ4の末期だということを告げられた。

その時のわたしのこころには…なんでこんな目に遭わなきゃいけないのって怒りと、悲しみ……それ以上に、わたし自身の人生への絶望が満ちていた。
ヒーローはあの時、パパとママを助けてくれなかった、わたしを助けても救ってもくれなかった…しょせんは虚構でしかないんだ…そう悟った時…わたしの中から、生きるための気力が失われた。

それからは通院治療を受けながら、辛さに耐え、我慢して日常を送ろうとしてたけど……生きながら死んでるみたいな状態で、いずれ必ず…それも近いうちに来るであろう死に怯えて、無気力になってたんだ…あの人に出会うまでは。
多分あの時出会わなかったら、耐えきれずにどこかでわたしは自殺してたと思う。

「どうやっても死ぬのなら、我慢なんてしないで、せめてそれまで楽しく生きて楽しみましょう?他人の事なんて考えずに…。
…今のあなた…とても辛そうで、見てられないもの」

そうあの人…VRC内では「輝月」と名乗ってる…に言われた言葉のおかげで、わたしはどうにか生きる気力を取り戻す事ができたんだ。
わたしは覚悟を決めた。死から逃れられないならせめて…最期まで楽しみ尽くさなきゃって…その為ならわたしは───。

その後わたしは、身体が動いてくれるうちに楽しめるだけ楽しもうといろんなところに行ったりした。
そんな中出会ったのが宮倉伸史くん…VRCでは「勇者リチャード」なんて名乗ってる、高校生で生徒会長をやってる子だった。
ある時、家に帰る途中複数人の男達に襲われそうになった所を、伸史くんに助けられたのが出会いだった…ような、気がする……危うくレイプされかけるところだったせいか、記憶が微妙に曖昧だけど…助けてもらって、そこから知り合ったのは確かだったと思う、多分。

そこから伸史くんとは家が近かったのもあって、たまにリアルで会うようになった。といっても少し話したりと…普通に年下の友人って関係だったけど。
病状の進行もあって出歩けなくなってからも、彼は見舞いに来てくれたり、わたしにVRCを薦めてくれたりもしたっけ…。

ただアバターの作成や名前とかは、VRCを薦められたと話したら色々教えてくれた輝月さんからの影響だった。
あの人曰く
「この娘モチーフのアバターにするのはどうかしら?雰囲気がなんとなくそれっぽいもの。髪染めてカラーコンタクト入れたら…リアルでもそれっぽくなりそうよ」
って…
「でもこのキャラ、原作絵…でしたっけ、それだと胸が…」
「いいのよ気にしなくて、巨乳で描いてる人の方が多いんだから」
「あっ…はい」
なんて事もあったっけ…。

それからは、VRC内で色んなワールドを見たり、伸史くんと話したり輝月さんに連れられたり…色々あったなあ。
輝月さんは時たま動画…大体ネットミームやMADとかのそれ…を送って来たりもしてきたけど、わたしが退屈しないようにって配慮…な気がするのはわかってても、ちょっと好奇心旺盛が過ぎないかとわたしでも思って心配になる。
…動画絡みだと、間違えて伸史くんに、輝月さんから薦められた動画のURLを送りつけてしまったこともあった……あの時はめちゃくちゃに焦ったけど、彼が許してくれたのは幸運だった。

とにかく、VRCを満喫してる中わたしは…新しいワールドの事を聞きつけ、参加すると決めた…けど、殺し合いに巻き込まれる直前まで、折悪くがんによる激しい痛みに襲われてた、なんでこんな時に限ってと泣きたくなってたところで……この殺し合いに巻き込まれたんだ。
見せしめとして理不尽に命が奪われたことには、とても怒りが沸いた…でもわたしの意識はそれよりも、アバターのこの身体になってから…先程まで襲われていた激痛から解放されていることへと移っていた。

優勝すれば、願いが叶う上にアバターの身体で現実に戻れる……どうやっても、死ぬ運命からは逃げれないって諦めてた。
でも…もしこのアバターの身体で現実へ戻れるなら……新しく、やり直せるのかな。もっと…自分のことだけ考えて楽しく生きれるのなら…なら……わたしは、生きる。生き抜いて…優勝する。もうそれしか道は…無いんだ!

そう決めたわたしはバッグの中身を見て…某特撮ヒーローの武器そっくりなレーザーブレードがあることを把握したところ…女の子のアバター…みたいなのが見えた。
そのアバターは片手におっきな剣…ずっと焔が燃えてるそれを持ちながら、凄い形相でわたしの方に向かおうとしていて……覚悟を決めていたけどそれはそれとしてパニックになったわたしはやられる前にやるの精神で…奇襲しようとした。

…リアルであんなだったせいで、身体の動かし方に戸惑ったのもあって…押し切れずに降伏するしか無かったけどね。わたしながら情けないとは思うけど…このまま戦ってもわたしが負けてただろうから…朱雀くんが優しい人で助かったよ。
…さっき朱雀くんにはああ言ったけど…わたしの目的は変わらない。
たとえ殺し合いに反抗して、運営を打破できても……わたしが余命幾ばくもないって現実は変わらないんだから。
でも優勝すれば…このアバターの姿で戻れて、生きれなかった筈の明日も明後日も、その次の日以降も…生きていける。
…朱雀くんに思うところはあるけれど、ごめん…わたしには他に選択肢がないんだ。
…でもまあ、とりあえず…彼の頼みはちゃんとやろうと思う。
…優勝するとなれば、輝月さんやリチャード…伸史くんを…恩人も殺さなきゃいけなくなる。…朱雀くん共々、殺すなら出来るだけ後回しにしたいな……そもそも、朱雀くんにあれだけ苦戦した以上…積極的に優勝を狙いに行くよりも、運営を打倒する側になって動いてから土壇場で…って方を狙った方が、良いかもしれない…悩ましいけど、とりあえず誰かに会えないと意味無いわね、こういう疑問は…。

願いが叶う…本当ならパパとママを……ううん、パパもママも、喜ばないよね…生き返らされても…だから、願いはわたし自身のために使うよ。

それにしても、朱雀くんのあの時の顔…怖かった……人懐っこそうな女の子のアバターだったせいか、余計怖さを感じたんだけれども……朱雀くん当人が言ったように、適当に作った産物で意図はしてないんだろう。意図して作ったのなら…リアルネームを付けるなんて不用心な行動をしないはずだから。

ーーーー
……わかってるくせに。
しってるのにまた、みなかったことにして、記憶をふうじて、忘れたふりして…まだ目をそらしつづけるんだね…あなた(わたし)は。

ーーーー
イナバ辻、彼女の本名は───兎ノ崎雫。
自らの運命を呪い擦り切れた末、流されるままに『女子高生集団輪姦殺人事件』に協力者として抱き込まれた少女。
リチャード…宮倉伸史が善人でない事には彼女は気付いていたが、どうせ死ぬのなら最期まで楽しむと既に決めていた事、それを突きつければ自分はこの場で死ぬより惨い事になっただろうと悟り恐怖を抱いた事、自分には何も出来ないと諦め切っていた事、そして……被害者達に抱いた深い罪悪感も理由とし、彼女は忘れたふりをして、それらの記憶を心の奥底に封じ込めた。
…両親が目前で突然惨死を遂げた際、「自分だけ生き残ってしまった」「死ぬべきだったのはパパとママじゃなくわたしのほうだったのに」と抱いた罪悪感を押し込め、見なかった事としたのと同じように。

誰かの手により封じた記憶と想いが暴かれるのか、或いは自身でそれらに向き合う時が来るのか…それとも、そうなる前に命を落とすのか。いずれにせよ…彼女に待つのは苦難の道のりであろう。

【A-7/一日目/深夜】
【イナバ辻】
[状態]:健康、一部記憶と想いを忘れたフリ中
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2、レーザーブレード
[装備]: なし
[思考・状況]
基本:優勝する、生きるためにはそれしかない
1:とりあえず朱雀くん以外の他の参加者に会いたい。
2:朱雀くんの頼みはとりあえず出来るだけ実行しようかなと思う。
3:積極的優勝狙いよりもステルスした方がいいのかも。
4:輝月さんや伸史くん(勇者リチャード)は…殺さなきゃいけないけど、朱雀くん同様出来るだけ後回しにしたい。
5:ヒーロー?…しょせんは虚構よ。
[備考]
※明星朱雀とある程度情報交換しました。

支給品紹介
レーザーブレード
Tokusatu Saisekijyoというワールドにある某○面ラ○ダーが使用する光の杖…っぽい形をしている手持ち型のレーザーブレード。
威力はそれなり以上にはある。


ーーーー
…彼女の、イナバの事は…俺個人の気持ちとしては信じたいと思う。
でも、乗ってる可能性も…ありえそうだとも思った。
だから俺は……彼女を泳がせる形とした。
これで俺の悪評が彼女によりばら撒かれたりしていれば…その時はこの焔で焼くのみ。標的の特定に繋がるならそれでよし。
この選択で犠牲が出る可能性もあるけれど……あくまで俺が果たすべきは標的への復讐な以上、仕方のない事だろう。そうなったら責任は負うつもりだ…無論、復讐を果たしてからになるけれど。

それはそうと、さっきの戦いからして彼女は…どうも身体の動かし方に慣れてないように感じられた。それのおかげでどうにか攻撃に対応できたけど…彼女が慣れた上で、もう一度戦う事になったら…危ういかも知れないな。

ーーーー
「復讐を果たすか、或いは死ぬか…どちらにせよ、この剣の焔が消えた時が俺の終わりなんだろうな」
自らの焔剣を見つめながら、朱雀はそう呟き移動しようと考える。
───復讐を終えた先に、彼に…明星朱雀に残る物は何も無い。

【B-7/一日目/深夜】
【明星朱雀】
[状態]:健康
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2、文字の書かれた紙切れ
[装備]: 焔剣ヘリオス@創造武具
[思考・状況]
基本:敵を探し出し復讐を果たす
1:イナバ以外の他の参加者に会いたいところだ。
2:…彼女に思う所はあるが、今は泳がす段階だろう。
3:主催には怒っている…が、場合によっては接触手段も考えるべきか。
4:この世界には、ヒーローも復讐の代行者もいない。だから俺が…俺自身の手で、復讐を遂げなければいけない。
5:復讐さえ果たせれば、俺の命なんてどうだっていい。
[備考]
※イナバ辻とある程度情報交換しました。
※紙切れの記載内容がブラフな可能性も考慮はしています。


前話 次話
015:問題児と問題児 投下順 017:ツキアカリのミチシルベ
013:なかよし!〇!なかよし! 時系列順 017:ツキアカリのミチシルベ

前話 登場人物 次話
GAME START イナバ辻 知らぬが仏
GAME START 明星朱雀 シンパシー


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