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魔理沙3

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■魔理沙3


ガガガ・・ガッ

まりさ


いままで恥ずかしくていえなかったんだが




愛してるぜ

4スレ目 >>971

───────────────────────────────────────────────────────────

紅魔館の大図書館に、最近気になってる奴がいた。
本棚の本を手に取ろうとしたら、たまたま手と手が触れ合った。
「あ、ごめんなさい。よければ先に読んでください」
と言った笑顔に一目惚れしてしまった。

実はその少し前から研究に没頭して暗い世界に入り込んで暗い青春を送っていたけど、
そいつは明るくて、男女分け隔てなく話せるのでちょっとした人気者だった。
所詮、こんな暗い奴には高嶺の花というやつだ。

ところが、たまたま寝過ごしてで帰りが遅くなった日、帰ろうかと思って図書館を出ると
そいつがいた。入っていったときに目が合ってしまって、無視するのも何だな、と思って、
できるだけさりげなく
「よ、よう。遅いんだな」と言ってみた。
「うん。キミも遅いんだね」とやっぱり返事は明るい。
「まあ、読書に没頭してたらな」とこれもさりげなく言ってみたが、心臓はもう爆発寸前。
そうしたら、そいつが近寄ってきた。
「ねえ、最近元気が無いみたいだけど、何か悩み事でもあるの?」
「いや、そんなことは……」
「ボクじゃ力になれないかな?」
そう言って私の前に立つと、こっちをしっかりと見ながら
「初めて会ったときからキミのことが好きでした。この気持ち、受け取ってください」
そう言って私の唇に自分の唇を合わせてきた。
やわらかい……初めての感触に呆然としていると、急にその気持ちが怖くなって、
「でも、こんな普通過ぎる魔法使いなんて、いやだよな」と言うと、
「そんなことないよ。こんなに女の子らしいじゃん」と言って、優しく抱きしめられる。
ああ、心地良い。初めて女の子に生まれて良かったと
(省略されました。続きを読むには次回の最萌で魔理沙に清き一票を入れてください)

5スレ目 >>41

───────────────────────────────────────────────────────────

ミーンミンミンミンミンミンミンミンジジジジジジジジィィィィィィ!!!!!
「こいつらの大合唱なんとかしろよリグルゥゥゥゥゥ!!!!」


季節は夏。女の子が薄着になる最高の季節。
だが、今年は暑すぎだ!!冷房役のチルノを紅白に寝取られた(寝ている間に連れて行かれた)俺にとって、
残された冷房装置が団扇(七輪用)のみの俺にとって、この暑さは殺人的だ。 暑いぜ暑いぜ暑くて死ぬぜ!
「あちぃー……まだ麦茶あったかな?」
俺は冷蔵庫の中を調べた。ちなみにこの冷蔵庫、上段に氷を入れて使うという超旧式の冷蔵庫なのだ。
うーん、涼しい。冷蔵庫GJ!!……おっと、あまり開けっ放しにしてると氷が溶けてしまう。
氷が溶けてしまったら最後、冷蔵庫に入れてある生物が痛んで腐って生ゴミ製造機と化してしまう。
「お、あった……けど1杯分ってとこか。新しく作らないとな……」
麦茶を容器からコップに移す。この注ぐ音だけで癒される。
本当はキンキンに冷えた麦酒をグビッと行きたい所だが、どっちも麦飲料には変わりない。
んじゃ、早速一口。ぐびっ。
「~~ップハァッ!!!生きててよかった!!感動した!!」…ちとオーバーか。
そう思いながら次の一口に手を動かした時。

ガシャァーーン!!

窓が割れる音がして、

ドタドタ

誰かがこっちに来る音が聞こえ、

ガチャッ!(バタンッ!!)

台所のドアが開く音と同時に、現れたそいつは俺の手から麦茶を奪い、ドアが閉まると同時に飲み干した。

「って、おい!何してくれるんだ魔理沙!!」
突然現れた黒白は何事もなかったように
「何って、外が暑くて辛抱たまらなくて、避暑のためお前のうちに押し入り、ちょうどよく用意されていた麦茶を飲み干しただけだが?」
とほざいた。
「だけだが?じゃねぇーーーー!!人が飲んでるやつを横取りして、用意されたもクソもあるかぁっ!!
  あぁ最後の麦茶が……。そ、それに今のって間接キスだぞ……?」
それを聞いた不法侵入並びに器物損壊、及び麦茶強奪犯は
「ふむ、それは悪い事をした。ならばお詫びに……」
そう言うと魔理沙は近づいてきて、視界が魔理沙の顔でいっぱいになり、


口に何かやわらかいものが触れた。
……………………………………………………え。
「代金代わりだ。とっておけ。…間接では不満そうだったからな。……では明日もまた来るから用意しておいてくれ」
そう言うと魔理沙は顔を真っ赤にして、ばたばたと逃げるように帰っていった。

5スレ目>>342

───────────────────────────────────────────────────────────

「おーーーい、○○!」
 という怒鳴り声と共に、亜音速まで加速した魔理沙に跳ね飛ばされた。
 そしてそのまま魔理沙に馬乗りにされる。
「この音速バカ! 俺のこところ殺す気か!!」
「そんなのはどうでもいいんだよ。な、○○、私のこと好きか?」
「……はぁ?」
「だから、私のこと好きかって聞いてんだ」
「何だよ唐突に」
「私の、こと、好きか?」
「あのなぁ、そんなの今更だろ」
「私のこと……好きか?」
「……。好きだよ、好きだ。俺は魔理沙のことを誰よりも愛してる」
「/////」
「言わせといて照れるなよ」
「ああ、私も○○のこと好きだぜ」
「ちゃんと俺の目を見て言え」
「おっと、今日はパチュリーに本を返さなきゃいけないんだ。もう行くぜ」
「おい、お前本なんか返したことないだろ。しかも手ぶらだし」
「それじゃな」
 そう言うと箒に跨る魔理沙。
「こら、誤魔化すな。ちゃんと俺の目を見てだな……」
 再び強烈な加速で彼方へかっ飛んで行く魔理沙。
 全く人の話を聞いてない。
「そうそう、今晩の食事当番は○○だからな! 忘れるなよ!」
 最後にそんな怒鳴り声が木霊した。

5スレ目>>802

───────────────────────────────────────────────────────────

「おーーーい、○○!」
 という怒鳴り声と共に、亜音速まで加速した魔理沙に跳ね飛ばされた。
 そしてそのまま魔理沙に馬乗りにされる。
「この音速バカ! 俺のこところ殺す気か!!」
「ふふ、充電だ」
 そう言って俺にひしっ、と抱きついてくる魔理沙。
「何だよ唐突に」
「今日は珍しく霊夢に負けてしまってな」
「いつものことじゃん」
 抱きつく力が強まる。
「しかし、三本勝負だからな。あと二本連取するためには充電が必要なんだ」
 どうせ負けた瞬間にルールを勝手に三本勝負に変えたんだろう。
 呆れかえる霊夢の様が目に浮かぶ。
「充電って何のことだよ」
「私の魔法は何だったっけ?」
「……恋色の魔法か」
「/////」
「言わせといて照れるなよ」
「○○に会ってから、ようやくこの魔法の意味が分かったぜ」
「ちゃんと俺の目を見て言え」
「おっと、霊夢がそろそろ待ちくたびれてるな。もう行くぜ」
「どうせ行ったところで面倒臭がられるだけだろ。それよりさっきの……」
「それじゃな」
 そう言うと箒に跨る魔理沙。
「こら、誤魔化すな。ちゃんと俺の目を見てだな……」
 再び強烈な加速で彼方へかっ飛んで行く魔理沙。
 全く人の話を聞いてない。
「そうそう、今晩の食事は霊夢に作らせるからな! ちゃんと神社に来いよ!」
 最後にそんな怒鳴り声が木霊した。

5スレ目>>803

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亜光速まで加速した魔理沙に突っ込まれた○○の目には、一瞬
重力レンズ効果で歪められた魔理沙の後ろの光景が映ったが
すぐに光速近くに達し、質量が無限に肥大した魔理沙が発する
巨大な潮汐力によって、ゴムのように引き伸ばされた。
痛みを感じる暇もなくばらばらに千切れ飛んだ○○の最後の思考は
おそらく小型ブラックホールの発生した幻想郷はただでは済むまい、
そのようなやけに客観的な、まるで人事のようなものだった。

5スレ目>>804

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そうか!焼き芋か!
私としたことが失念していたぜ!!
シンプルかつデリシャスな秋の味覚をッ!!!


「ということで焼き芋だぜ」
「……ああ、焼き芋だな」

 ――ほふほふ。
 そんな可愛らしい擬音が似合う表情で、黄金色の焼き芋を頬張る、
 これまた可愛らしい少女。
 波のある金糸の髪が、夜の秋風に靡き、月の光に煌いている。
 そして、それを敢えて覆い隠すように被せられた、リボンの付いた
 大きな鍔つき三角帽子。

「月が綺麗だが、寒空なんでな。持って来てて正解だったぜ」
「八卦炉の上に蒸し器載せるか普通」
「普通だぜ?――はむはむ」

 幻想郷の住人ならば、風の便りに聞いた姿だろう。
 曰く、『幻想郷に、黒白の魔法使い在り』と。

「魔理沙的には普通なんだろーが、俺には普通じゃない」
「何だ何だ湿気た面をして?折角の夜景を楽しもうぜ?」

 その彼女の隣には、これまた打って変わって、平凡そうな出で立ちの男。
 夜風に上着の襟を立て、寒さに震えながら焼き芋を啄ばみ、暖を取っていた。

 大の男がその有り様では、その前に座る小柄な彼女――霧雨 魔理沙なら、文句の一つも
 有ろうものである。

「そうか、なら幾つかツッコミがある」
「おお?何だ言ってみろ。私は今機嫌が良いからな」

 尤も。

「一つ。
 ――寒いの苦手なんじゃないのか?」
「厚着してきたし、芋もある。いざとなったら酒もあるぜ」
「そこで二つめ。


 ――今、高度どのくらいだよ?」
「あー、お前の持って来た『じぃぴぃえすつきけーたい』によると、最低でも一万メートル?
 振り切れてるから解らんが」
「基準器は霧雨邸だから……想像したく無ぇ」

 この高度で、この程度で済む事自体が、常軌を逸している訳だが。

「……三つ。それを差し引いても、俺とお前の温度差は何だ」
「障壁が断熱と暖房を兼任してるからな。前に座っている私の方が暖かい」
「オーケイおかげでもう一つ解った。
 前面のサイズが魔理沙規格だな?俺の顔の辺り、薄い」
「ははは、悪いな――はむ」

 二人は、魔理沙の携える箒に跨り、タンデムでの雲海飛行という、幻想郷では早々無い
 ロケーションでのフライトに望んでいた。

 箒はこの為の特注か、『本来の用途』からすれば用を成さないほど大型化され、タンデムの為の
 容量を得ていた。
 その下には、焼き芋用の炉が牽引され、湯気を棚引かせている。

「まあ、焼き芋でも食え。寒さを肌で感じながら食うのもオツだぞ」
「そう思うなら飛ぶの止めろ」
「えー?良いじゃないか、この夜空を流すのは最高なんだぜ?」

 そこで、魔理沙が彼の方を振り返ると。

「おおぅ、○○が燃え尽きてるぜ」

 後部に座る彼の顔に、真っ白な霜が降りていた。

「……ご理解頂けたんなら止めて欲しい」
「しゃーないな――っと」

 漸く箒の速度が緩み、○○の頬を打ち付ける冷気が和らぐ。
「それはこっちの台詞だッ。――っくし」
 霜を振り払うように頭を横に振り、くしゃみを虚空に投げ放つ。

「ん?大丈夫か?」
「大丈夫だな。生憎とな。
 ――伊達に1年、誰かさんに付き合ってませんな」
「っな」

 ――付き合っている。
 その一言を聞いた途端に、魔理沙の頬に朱が指す。

「ああ、そうか。これはそのお祝いか?」
 その表情に己の優位を見たか、ワザとらしく○○が手を打つ。
「……お前が来て、1年って意味でもあるし……むぐむぐ」
 朱の色が耳朶まで来た辺りで、魔理沙は帽子を目深に被り、口を焼き芋で埋めてしまった。

 幻想郷は、魔法の森。
 その中に迷い込み、森の獣の餌になる前に行き着いた、霧雨邸。
 その出会いから、丁度一年。

「ならお礼を言わないとな」
「……別に、普通だぜ――ぅわひゃッ?」

 俯いた魔理沙の頬を、冷たくなった○○の手が奇襲する。
 魔理沙の手から芋が取り落とされそうになり、

「そして頂き」
「あ!?」

 抜け目無く、伸ばされた○○の手に奪われた。

「ちょっ、それ、私のだzもが」
「ハイこっち向いてーホレホレ美味いかー?」

 そのまま抱き寄せるように、魔理沙を自分側に向かせる。
 そして驚きに開かれたその口に、焼き芋を捻じ込んで封じる。
 見事なまでの連続攻撃である。

「……んぐ。酷いぜ」
「HAHAHAHAHA.安心しろ、コレでチャラだ」
 ○○の腕の中で、漸く芋を租借し尽くした魔理沙が、紅潮した頬のまま彼を見上げる。
 半眼だが、生憎と涙目のそれは、彼女の可憐さを引き立てるのみで、威圧感など微塵も無かった。

「……チャラじゃないぜ」
 その表情のまま、拗ねて掠れたソプラノが、風の音に消えそうな音量で響く。
「ん?」
「例えば、お前と私の身長差は大きい」
「それがどうかしたの――わッ!?」

 突然、魔理沙が○○の首に縋り付く様に抱き付き、
 ○○の顔を無理矢理、自身の横まで持って来させた。

「……だから例えば、耳打ちもこんな姿勢ばかりだ」
「……まあ、確かに『お子ちゃま』の強調に見えちま」
「そ!!!・れ!!!・にッ!!!」
「ッ痛ーーー!?叫ぶなぁッ!?」

 抗議の声にも構わず――但し穏やかに続ける。

「それに――こう抱きつかないと、伝わらないだろ」
「何が――あ」

 魔理沙が頬を摺り寄せる。
 首筋に互いの吐息を感じるような、密着の中で――

「――ああ、聞こえる」
「ああ、なんだ――○○も同じなんだな」

 お互いの鼓動を、耳に聞いていた。

「それなら、こうするのもアリか――っと」
「きゃ――」

 小さく可愛らしい悲鳴を無視して、今度は○○が魔理沙を抱き上げ、膝の上に乗せる。

「……落とすなよ?」
「落とさないって。――あ、早くなったな」
「――っ」

 そのまま、彼女の胸に頭を預けた。

「な、なあ……何で、こんなに積極的なんだ?」
「それはお前が企んだ通りだ。

 ――こんな所なら、寒がりのスキマも、翼に頼る鳥類も来ない、ってんだろ?」

「う゛」

 ――魔理沙が言葉に詰まる。
 だが、それに対し○○は、意地悪な笑みを浮かべ、

「――だが、小鬼はどーするつもりだったんだ」
 躊躇無く盲点を指摘する。
「う゛う゛っ」
「――そんな事もあろうかと、巫女に一任しておいたので感謝しろ。俺に」
「じゃあ、親友の方に感謝しておくぜ……」

 つまり逆に言えば、その友人には、ある程度のことがバレてしまったわけだが。
 その事実を意識し、魔理沙の顔の紅潮がより酷くなった。

「――いっつも、こんな構図だな」
「な、何が?」
「お前がいつも何か無茶やって、それに俺が巻き込まれて。

 ――そして二人で笑い合って」

「――そうだな」

 魔理沙の頬と眉尻が緩み、 潤んだ瞳が○○の顔を覗き込む。

「そして気付けば――果たしてどっちが、先に惚れたんだろ」
「俺が先にしておけ。それが女の特権だ」
「随分と狭いストライクゾーンだな。こんな包容力の無いお子ちゃまに」

「いんや――この方が、胸の音が良く聞こえる」
「ぇ――あ」

 そのまま、○○の腕が、魔理沙の薄い背に回される。
 優しく、だが離さぬ様にと。

「ま、今後に期待、で良いだろ。気にすんな」
「――うん」

 その頭を、魔理沙の細い腕が優しく抱き返す。

「――魔理沙」
「ん」
「――大好きだ」
「私も――愛してる」

 幻想郷の天蓋に写った、幻想の満月。
 その神秘の輝きだけが、二人を見ていた――。





「――でも○○」
「ん?」

 どれだけの間、抱擁を続けていたのか。
 不意に、魔理沙の視線が、泳ぎ始めた。

「その――もう少し、その、女性らしい身体の方が、その」
「――はぁーっ……」
「な、何だよその溜息ッ?そーだ悪いか?どうせ私は――」

 やれやれ、と○○が溜息を付き、魔理沙の表情が不安に染まる。
 
 それを――

「魔理沙」
「へ――ぁっ」

 ○○は逆に自分の胸に抱き寄せ――その唇を奪う。
 上から覆いかぶさるように、強気に、しかしあくまでも柔らかく。

「――ん」
「――っ?――ん――んっ――」

 始めは戸惑い、強張っていた魔理沙も、徐々に険が抜けてゆく。

 そのまま、数刻。

「――っぷぁ――は――」

 紅潮し、蕩けるような目で○○を見上げる魔理沙。
 頬を伝う余韻を拭き取る余裕さえなく、艶やかな息を吐いている。

「あのな、その頭のままで良いから聞いとけ。素面じゃ言えんし」
「ぁ――?」

「俺は常に、最新の魔理沙が良い」
「ん――○○ぅ――」

 ○○は僅かに堪える様に、身に力を入れながら、

「安心しろ――いつでも、確かめてやるから」

 魔理沙の耳元に、囁いた。

 そして――魔理沙の唇が、返答を紡いだ。
「――じゃあ、今、確かめて」
「ん」


「確かめたら――家で、手伝って?夜が明けるまで――ぁ」

































「……と、いう展開かしらね」
「「「ほほぉ、それでそれで?」」」
「後はもう、文字通り――」
「ゆゆゆ紫さんすすす萃香さん私もう我慢できまs(トスッ)――こ!」
「はい、天狗脱落」
「ぅわあ!何打ったの霊夢ー!?(ぺたり)熱ぁーーーーーーーッ!!?」
「この人でなし!?誘導尋問とは卑怯y(スコーン)あふぅ」

「……人の恋路を邪魔する奴は、巫女に討たれて地獄に落ちろ」
「そして閻魔に裁かれろ、です」
「ありがと、閻魔様」
「いえいえ、こちらこそ」


(完全版を見る場合は、映姫(魂滅の卒塔婆)&霊夢(エクスターミネーション)のタッグと、ひデブルールで勝負してください。)

5スレ目>>886(うpろだ0059)

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妄想を溜め込むのは精神衛生上よろしくない
初投稿の書き散らし、では御免



意識がはっきりしてきた瞬間、真っ先に俺は死を覚悟した。
左右にガラクタ。上を見ると天井に届かんばかりのガラクタ。視界いっぱいガラクタだらけ。俺はソファーの上に寝ていたらしいが、ヘタに動くとガラクタが降ってきそうで動くに動けない。

「づ、ぅ……」

視界がぐわんぐわん揺れて、気持ち悪い。
なんでゴミ屋敷の中に置き去られているのやら、ちっとも思い出せない。
脱出したいのもやまやまだがガラクタが崩れそうで動けないし、まだ頭も痛む。
仕方ないので、もう少しソファーの上で休んでおくことにした。

「お目覚めか?」

不意に誰かの声がした。
見れば天井とガラクタの間から蜂蜜色の髪の少女がこちらを見下ろしており、一瞬崩れやしないかと肝を冷やす。

「誰だ?」
「さっきまで人の家で大いびきだったというのに、随分なご挨拶だぜ」
「家? ここがお前さんの?」

どう考えても人の住める場所には思えないのだが。
彼女は顔を出していた隙間から、周りを気にも留めずソファーへと落ちてきた。

「あわわ、馬鹿、崩れるっ」
「この程度で崩れるもんか」

ふふん、と鼻で笑う。もっとも本当にここで暮らしているならそのぐらい分かるのかもしれないが、とても使えない知識だ。
しかしガラクタに囲まれた部屋の中、三人座るのがせいぜいというソファーの上で一人の少女と向かい合うと状況というのは傍から見てどうなのだろうか。意味もなく後ろめたい気持ちになるのは何故だろう。
少女は里の悪ガキを思い出させる笑みを浮かべていて、その表情と両膝を合わせた女の子らしい座り方がちぐはぐなはずなのに似合っていて不思議だ。

「さっき誰かと尋ねてきたが、私が誰なのか本当に分からないのか?」
「……出てこないな。顔に見覚えがないわけじゃないんだが」
「ひどい奴だな。まあこうして話すのは初めてだし、無理もないぜ」

少女は事も無げに笑っていたが、顔を見るとどういうわけか謝ってしまっていた。

「すまん」
「仕方ないから教えてやるとしよう。こいつを飲んでからな」
「丸薬、か? 妙に大きい気がするんだが」
「そんなところだ。水もここにある。さあ飲めすぐ飲めさあさあさあっ」
「分かった。分かったから押すな、騒ぐな、暴れるな」

ガラクタに潰されるのだけは嫌なので、素直にそれを飲むことにした。もしかしたら変な薬なのかもしれないが、この齢の少女が扱えるものなんて高が知れてる。
親指の先程ある丸薬を、水で無理やり喉の奥に流し込む。

「飲んだな?」
「ああ飲んだよ」
「口、開けてみせろ」

言われるがままに口を開ければ、念を入れるようにして少女が俺の口の中を上目遣いに覗き込む。
ここに来て、俺は嫌な予感を覚えた。

「何を飲ませた」

声をかけると少女はしてやったりという表情で俺を見る。その琥珀色の瞳は、さっきまでのものとはどこか違った。

「聞きたいのか? でも残念だな。もう遅いぜ」

言葉自体もそうだが言いながら笑ったのが何よりも気に入らなくて、勢いのまま俺は自分より二周りも小さな少女の肩を掴んでいた。

「いいから言え! 一体何を飲ませ――」

予想にもしてなかった衝撃と痛みで視界が揺れ、俺は後ろに倒れた。

腕を払われるぐらいは想定してたが、まさかいきなり拳が飛んでくるとは思ってもみなかった。

「放っておけば調子に乗りやがって。こりゃ躾が必要だ」

俺を殴り飛ばした少女は自分の拳に息を吹きかけてから俺の体に馬乗りとなる。少女の一撃が想像以上に強烈だったのか、情けないことに抵抗すらできなかった。
少女は綺麗な髪をかき上げて俺を見下ろす。
少女は強い目つきで組み敷いた俺を見下ろす。蜂蜜色の綺麗な髪がかき上げられ、彼女の瞳の奥に何らかの激しい情念の炎が宿っている。

「約束だから教えてやるが、私の名前は霧雨魔理沙」
「あ、ああ」

それで事の顛末がはっきりした。
里でも有名な質の悪い魔法使い、白黒の魔女。どうやら俺は狩りの途中で彼女に捕まってしまったらしい。

「俺、どうなるんだ」

口から漏れた言葉に、彼女は愉しげな笑みを作って答える。

「さっき丹を飲んだだろ。あれは私の特別製でね、お前はもうこの森の瘴気の中でしか生きられない」

気を失いかけた俺の頭にある女性の顔が思い浮かぶ。
気持ちを伝えたのが一昨日。あの人はそれに応えてくれた。狩りから帰ったら会いに行くと約束したのが昨日。あの人が待ってくれている里にはもう帰れない。
視界が黒く塗り潰され、闇の中に体が落ちていく。しかし黒一色の世界は鋭い衝撃とともに霧散した。

「今、何考えてたんだ?」

平手で頬を叩いた魔女は先程の様子と一転し、憎々しげに俺を見下ろしていた。
俺は何も答えずに魔女を睨み返すと、魔女はもう一度頬を叩いた。

「余計な事を考えるなよ。お前はこれからの事だけ考えればいい」

せめてもの抵抗とばかりに俺は黙り続けるが、正直に言うと虚脱、怒り、悲しみ等々で頭がごちゃ混ぜになっていて話す言葉も選べない、というのも半分あった。
魔女は何も答えない俺のことを拳や掌で何度も叩いた。大した痛みも感じなかったし、どうでもいいことだった。
しかし不意にその手が休まった時、目に映ったもので俺の頭の中はいっそう混乱した。
魔女の少女は拳を握ったまま、涙をぼろぼろと零していた。

「どうして私ばっかり睨むんだよ! あの女には笑ってみせるくせに!」

大きな罪悪感が心で芽吹く。むこうが勝手な事を口走ってるだけで、俺は何もしていない。それでも悪者と決めつけてしまうにはこの少女の泣き顔は純粋すぎたし、生来の優柔不断さが邪魔になった。
だから少女が顔を近づけてきても拒絶する事が、できなかった。

「お前は私が貰った、だから私のものだ。誰にも渡さない。絶対」

唇が離れても、少女は体の上から降りようとはしてくれない。
もう何がなんだかわからない。
俺は自分を襲った出来事に翻弄されるがまま、少女と体を重ねた。

6スレ目>>21-22

───────────────────────────────────────────────────────────


彼方を睨む。
目の焦点を絞り、留めるのは遥か前方の樫の木に羽根を休める雉。
獲物の位置は存外遠い。弓弦をさらに強く引き絞り、微調整。
狙いは一点。
そして木々のざわめきが消えた瞬間、指を離す。
己の絶対の自信を代弁するが如く強く鳴った弓弦。雉もその音に羽を動かすが、既に遅い。
自分の口元が緩むのを感じる。

「獲った」

放たれた矢は見事に雉の胴体を貫き……横から飛んできた星型の何かに雉もろとも破壊された。
何というか、開いた口が塞がらなかった。

「……何事だ。誰のいやがらせだ」
「何だかんだと聞かれたら答えてやるのが世の情け、ってな」
「あ?」

声は上のほうから聞こえた。しかも女の声だ。こんなところに普通の女がいるはずもない。気のせいでなければ妖怪の類しかない。俺は弓

を左手に握ったまま右手で腰の短刀を抜いて周囲を見回す。
……誰もいない。

「疲れが出たかな」

右手の甲で目を擦ると、次に見た視界の中、手を伸ばせば触れられる距離に白黒二色の人の姿があった。
まずい。どくん、と心臓の鳴る音が何故か耳に残る。
俺は逃げようとしたものの相手が一段上手。なにか箒のようなもので足を払われてしまい、腐葉土の上に尻餅をつかされた。そんな態勢の

まま、俺は命取りと知りながら相手の姿に目を見張る。
声も出なかった。

「命知らずだな。一人でノコノコ出歩いてくるなんて」

帽子の下に見え隠れするのは柔らかそうな蜂蜜色の髪。少女の琥珀色の瞳は強い輝きで俺を射抜き、口元から覗いた真っ赤な舌はその年頃

にそぐわない艶かしさで濡れている。
愚かにも俺は、この状況下で、襲撃者に心を奪われていた。

「悪い魔法使いに攫われたって、知らないぜ?」

心臓がどくりと大きく跳ね上がる。そして視界一杯に真っ白なものが広がって、








「それ、なに」

鼻先に突きつけられたハートの封の白い便箋を見ながら、俺はなんとか尋ねる。

「一ヶ月と、三日前。この森でお前を見かけた時からの気持ちだ、ぜ」

イマイチ状況が理解できずにただただ間抜け面を晒している俺と、顔をどんどん紅潮させながらも次々とまくし立てる少女。

「こ、こここの森には人形を操る悪い悪い魔女がいるんだ! 生きたまま目玉をくり抜かれるのは嫌だろ!? わ、私ならお前のことを守

ってやれるしずっと守ってやっててもいいと思ってる! どうだこの! 悶絶大サービスだぜ!」

自分以上にパニックになってる者を見ると自然と落ち着くというやつだろう、この少女を見ているうちにすっかり俺は冷静となってしまっ

た。
こちらを凝視するその目がうっすら潤んできて、苦笑いしてしまいつつも便箋を受け取る。
手を伸ばしたままの姿勢で動かない少女の体。ひらりひらりと表裏を確認するが、名前は書いてないようだ。

「ほ、本当に私でいいか?」

何度も目を瞬かせている少女に俺はいい、とだけ答える。

「嘘じゃないだろうな」
「本当だ」
「これが夢とかだったら、流石の私でも泣くぜ?」

埒が開かない。もう俺は思い切って自分の本音を告げることに決め、思い切って少女の体を懐に引っ張った。
小さくて華奢なまだまだ子供の体。彼女の背丈は、立ち膝の高さでちょうどよい高さにくる。細く輝きを放つ髪はくすぐったいが、どこか

気分の安らぐ匂いがした。

「実はついさっき、目の前に出てきたお前に一目惚れした」

しばし腕の中で固まっていた少女の体は、時間が経つとその言葉の意味が伝わったかのように動き出す。

「……なんだ。そういう事は早く言えよ! 本気でガチガチになってた私の立場にもなってみろ! でも、へへへ、なんだか叫びたい気分
になってきたぜ!」

「耳元で叫ぶのはやめてくれ」
「あー? ノリの悪い奴だなあ。じゃ、代わりと言っちゃ何だが」

それと気付いた時には既に唇が重ねられていた。他人のものを奪うような、素早く乱暴な口づけ。

「これでお前はもう私のものだな」

なんかちょっとだけ照れくさいぜ、と頬を赤くさせたままそっぽを向く少女。

「じゃあ、次は俺の番でいいか」
「……いいぜ」

予想通りに柔らかかった彼女の髪をそっとかき上げ、優しく、さっきよりも長めに唇を重ねた。
それも終わって体を放してやると、少女は背中を向けて手で目の辺りをごしごし擦っていた。

「泣いてなんかないぜ。私がこんな事で泣くはずないんだ」
「誰もそんな事聞いてない。お前さんの名前のほうがよほど知りたい」
「お、名乗り忘れてたとは失敬した。私は霧雨魔理沙、魔理沙だ」

振り返った顔はまだ少し目が赤かったが、その時浮かべていた魔理沙の表情はとても晴れやかで、綺麗だった。

「さあ、今から幻想郷一周旅行と洒落込むか! 早めのハネムーンだ!」

箒を掲げて心底嬉しそうに魔理沙が言うのだが、一つだけ俺の中で引っかかるものがあった。
ハネムーン。

「ちょっと待て」

慌てて受け取った便箋の封を切る。何か聞こえた気もしたが今は気にしないことにする。
やはりというか何というか、中に入っていたものは彼女の名前が記された婚姻届。
その年齢欄に目を向けた瞬間に頭を襲った衝撃は、人生の中で最大級の眩暈を与えてくれた。

「何してるんだ? 早く行こうぜ」
「いや、ちょっと……この紙は、もっとお互いの事を知り合って」
「あ、そうか。まずそれの提出に行かないとな! 忘れるところだったぜ」

里にはもう帰れないと感じた、嬉しくも辛いある日の出来事。

6スレ目>>39-40

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「よ、お邪魔するぜ」
「悪い、寝てた。こんな夜半にまたどうした」
「告白ごっこしようぜ。後日まともに顔を合わせられなくなるぐらいのをガツンと。さあさあ」
「いきなりでしかも俺からなの? 急に言われてもなあ……何か嫌な事でもあったのか」
「夢見が悪かったんだ」
「夢、ね。内容は聞いても?」
「世界中みんなに嫌われる夢だ。どこへ行っても理由も無く私だけ爪弾きにされて、刃物で何度も何度も刺されるんだ」
「キツいな……」
「それで最後には自分そっくりの偽物が出てきて受け入れられ、私は生きたまま土の中に埋められた」
「ありがとう、気の毒だったな。夢の中に俺は?」
「覚えてない。でも、いたと思う。現実そっくりだったからな」
「悪夢を悪夢だと見抜く方法ならないわけじゃないぞ」
「そんなのあるのか?」
「俺がお前の事を嫌う世界なんてありえない。それは全部幻だよ」

「キザだぜ」
「ありゃ、あんまり好みじゃない?」
「悪くはなかったけどな。それで、何で私はお前の懐にいるんだ」
「人間ってな、自分が母親の胎内にいた事をいつまでも覚えてるらしい。だから心臓の音を聞いてると落ち着くんだと」
「顔、赤いぜ?」
「お互い様だうるさい黙れ」
「……あー、なるほど。いいな、これ」
「だろ。人体の神秘ってやつだよな。こんな間抜け面が相手って事についちゃ申し訳ない」
「んな事ないぜ。またいつか頼んでいいか?」
「役得だからいくらでも」
「じゃあいっそ私の家に来いよ。昼間は汗水たらして私の為に働け。夜にはこうして私を抱け」

「エロちっくだな」
「恋の魔砲使いの名は伊達じゃないぜ。で、お前、心音どえらい事になってないか」
「そいつは言わないお約束……や、待て待て。こういうのはどうだ」
「おお?」
「お前の事が好きだっていう、何よりの証拠」

「言い直しはポイント低いぜ」
「まあ所詮は思いつきだしな。で、落ち着いたか?」
「むしろ眠くなった。帰るのも面倒だし、布団をよこせ」
「お前それ、うちに寝具が一セットしかないのを知っての狼藉か」
「一緒に寝るつもりだから問題ないぜ。もし変な事考えてみろ、消し炭にしてやる」
「俺が寝つけない予感バリバリなんですけど」

初めの宣言は忘れない。言い専、聞き専に回らない。告白に可否で返さない。
それが幻想郷告白ごっこの三原則・三つのノー。



「あ。そういや俺だけ二回言った」
「目ざとい奴だぜ。じゃあ…………お前の赤ん坊、産みたいいたい痛い痛い何するんだよぅ」
「こここここっち寄るんじゃねえこのマセガキ! 糠床に沈めるぞ!」

6スレ目>>51

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「印刷機、か? 年代物だな」

 面倒事を運んできたのはそんな何気ない一言だった。
「おー! 判るか? じゃ頼むな」

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 断っておくが、こんな昔の物をいじった経験なんて無い。
 以前に何かの本で見かけた資料が、目の前にあったそれとよく似ていたから判別できただけだった。
 だってのに俺は朝から工具を片手に、家に運び込まれたオンボロの修理なんかをやらされてる。
 工具の出所は勿論、香霖堂。
「機械いじりなんて、元の世界でもやってねえっつの……」
 分解され床一体を埋め尽くしたパーツ。
 自分なりに書き残した汚い設計図。
 オイルやインクの嫌な匂いを吸い込み、部屋に染みついたんだろうなとげんなりすること数回。
 どうしてこんな事をせにゃならんのかと思ってはみてもダンス・オブ・後、愚痴っていても夜は明ける。
 汚れて荒れた手にニッパを取って、また機械いじりに励む。
 古いだけあって複雑な構造じゃないのが不幸中の幸いだった。

 日もとっぷり暮れた頃、天狗との勝負に負け、修理を押しつけられたという全ての元凶が姿を見せた。
「おーす! そろそろ直ったかー?」
「毎度毎度、戸を蹴破らんばかりの勢いで入ってくんな」
「うげ、臭うぜこの部屋」
「帰れ」
 誰のせいだ。
 元凶こと霧雨魔理沙は興味深そうに部屋の中のパーツを見て回るが、その腕にまた何か抱えられているのが見えてうんざりする。
「まだ部品が何か残ってたのか?」
「ん? コレの事なら不正解だが、気になるか?」
「ならない。見たくもない」
 設計図をボロ紙云々と言って確認も取らずにはたき落とし、テーブルの上に持っていた風呂敷を乗せる。
「後で後悔するなよ……どうだ見ろ! この私が手塩にかけて作り上げた弁当様の登場だ!」
 楽しそうに何を言うかと思えばこいつは、人の気も知らずに。
「持って返ってくれるか。こんな手で食べ物になんか触りたくない」
「あー? 我が侭な奴だな」
「オイルの臭いで胸焼けして食欲が出ないんだ。悪い」
 先端のゴム部分を切り落として剥き出しの銅線部を捩って纏める。
 長年使っていたというだけあって随所の劣化がひどく、こういう部分を一つずつ直していくのは根気のいる作業だった。
「うげ、本当に汚い手だな。ちゃんと洗えよ」
 魔理沙が背中から作業を覗き込んでくる。
 軍手なんてのは不器用な俺が使っても、ただ能率を下げるだけの厄介者でしかない。
「明日の昼までには頼むぜ。ブン屋が催促に来てしまうしな」
 今の誰かさんと同じだ。
「分かってる。気が散るから後ろに立つな」
「そういうわけにはいかないぜ。私には作業を確認する義務というものがある」
 絶えず顔に貼り付けているにやにや笑いが、この時は妙に癪に障った。
「振った男をからかってそんなに楽しいか」
「魔理沙さんが素敵なのは今に始まった事じゃないんだが、まだそんな事気にしてたのか?」
 何も言葉は返せなかった。

 この幻想郷という世界に迷い込んできた時、初めに遭遇したのがこいつだった。
 口では悪態をつきながらも面倒見のよい少女に、右も左も分からなかった当時の俺がどれだけ助けられたかは分からないし、今でも感謝してる。
 だから告白に踏み切った時は、振られても文句を言うつもりなんてなかった。

『悪いな、私は自分で好きになった相手を捕まえる予定なんだ。他人様にどう言われたところで気持ちは動かないぜ』

 じゃあ仕方ない、なんて簡単に諦められれば誰も苦労しない。
 それ以降、彼女に近づくのはよそうと思い家を尋ねることもせず、たまの宴会などにも顔を出すのをやめた。
 だが対する魔理沙はというと、前にも増して俺を訪ねてくるようになった。
 生殺しなどと言えば大袈裟だし、子供すぎると笑われるかもしれないが、それだけ苦痛にしか感じられない日々が続いていた。

「つ、っ!?」
 余計な事を考えてたせいだろう、接合用の熱されたはんだの欠片が手に落ちた。
「どうした! 大丈夫か?」
「何でもない! 座ってろ!」
 自分の予想以上に大きな声が出て、魔理沙の表情が無機質なものに変わっていく。
「悪い」
「少しは休めよ」
 箒を掴み、魔理沙は部屋を出ていった。

 頭から抜けていた手の痛みで我に返り、桶の水に突っ込んで冷やす。
 波間に浮かんだ自分の顔は汚れと疲れで酷い有様だった。
 洗ってみても、汚れはなかなか落ちてくれない。
 部屋に散らばってる機械も、テーブルの上で寂しげに佇む二人分の弁当箱も、まるで全てが俺を責めているように感じられた。
「ああ、どうせ俺が何もかも悪いんだよ!」
 嫌われれば楽になるはずなのに、どうして余計に苦しむ必要があるんだよ。

 綺麗になった手が元通りになるのに、三十分もいらなかった。

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 再び元の形に組み上がった印刷機が見違えてしまう程の出来に映るのは贔屓目なんだろうか。
「あとは電源が入れば完璧、終了だ」
 コンセントにあたる部分をよくわからない箱に繋ぐ。
 曰く、電気の存在しない幻想郷での代替品。
 奇妙な事柄など外にいくらでも転がってる世界なので詳しい話は聞かなかったがともあれ、緊張しつつスイッチを押す。
 カチリ。
 カチリ。カチリ。カチカチ。
 最悪な日は何をやっても最悪に終わる。
「いや、組み立てに失敗しただけって可能性もある」
 自分を励ましながら、物音一つ立てやしなかった機械を再びバラバラにして、目を擦りつつ自作の設計図と睨めっこ。
 ……何か見落とした部分はないだろうか。
 ……設計図自体の間違いは考えたくない。
 ……あれ、なんか俺の名前が書いて……?

 物音。
「だだだだいじょうぶですねてません!」
「何やってんだお前」
 声の方を見れば、ドアノブに手をかけたままの魔理沙が呆れ顔。
「いや、びっくりした。そろそろ仮眠でも取るべきかね」
 思わず苦笑すると、対する魔理沙はどこかいつもより暖かい雰囲気の笑みを見せた。
「やっと少し、笑ったな」

 その言葉で意識が鮮明となる。
 本格的に疲れが出たのか、以前の感覚で反応してしまったらしい。
「帰ったんじゃなかったのか」
「うんにゃ、夜の散歩に行ってきただけだぜ」
 愛用の帽子をテーブルに置き、ソファーをずりずり動かしてこちらを向けてから、魔理沙は足を曲げてそこへ横になる。
「帰って寝ようにもサボられちゃたまらないからな」
「勝手にしてくれ」
 言っても無駄なので、構わずに落ちていた殴り書きだらけの設計図を拾う。
 部品を間違えてないか、余る部品はないかと何度も上書きを繰り返す作業は予想以上に神経を使った。
 思い返せば明確に故障と見受けられる箇所などあっただろうか、 専門家でもない俺には対処不能な原因が隠れているのかもしれない。
 ……直せないとやはり、困るんだろうな。

「すぴー」
 あんのクソガキ寝てやがる。
 となると困った、日付もとっくに変わってる事だし今から帰れとは言えない。
 となるとソファーではなく奥の部屋のベッドを使わせるしかないのだが、となると二部屋しかない家に俺の寝床は残されてない。
「……俺はジョバンニじゃねえっつの」
 完徹決定。
「魔理沙。寝るんなら向こう行け」
「ぐおー」
「おい」
「すぴー」
 起きる気配なし。
 膝を抱えるようにして丸まって眠る姿はネコのようだ。
 こうして見れば華奢な体格といい、ふわりとした髪といい、なかなか見られないぐらいに可愛らしい女の子。
 性格はともかくこんな顔してるのが相手じゃフラれて当然だわな。
 俗に言われるあばたもえくぼではない、と思う。
 ……寝てるなら、ちょっとぐらいいいか。手が汚れて使えないわけだし。

 ひょい。
 ぱさ、ずるり。

「あーもうミスった、って」
 足で放ってやった俺の大事な一張羅はソファーの背もたれに引っかかってしまったが、魔理沙の腕が自分の体に包み直す。
「ちょっと喫驚したぜ」
「ウソ寝かこいつ」
「不逞な輩に嫁入り前の体を狙わては大変だしな。しかし器用な事するぜ、お前」
「やかましい。向こうに行って寝ろ」
「まあ聞け。一つ質問をしたい」
「何だよ」
 さっさと移動してもらいたかったので適当に話を促す。

「今でも私の事を好きだと思ってるか」


 質問の内容を聞くと自分の顔の筋肉が強張るのを感じた。
「性格の悪い奴。今でも好きではある。だから、どうした」
「いやぁ照れるぜ」
「………」
「冗談だ、そう変質者じみた顔をするな」
 こいつの冗談は空気を読まないから非常に腹が立つ。
「お前は一度フラれたぐらいで諦めるのか?」
「……回りくどい。要点だけ言ったらどうだ」
「ふん、じゃあリクエストにお答えしてやるぜ」

 魔理沙は寝転がったまま体を動かすと、
「目の前でいい女が寝てる。お前の惚れてる女だ。これはチャンスだと思わないか?」
 上目遣いに俺を見上げ、いつもとは違う種類の笑みを作った。

 今の自分は明らかに冷静でいられてない。
「自分が何言ってるのか分かってるか」
「今は私よりお前だ。押してダメならさらに押せ、中には開くドアだってあるかもしれないぜ?」
 言葉はいつもと変わりない。
 だというのに、今の魔理沙からははっきりと“女”を感じている。
 心臓の音が、部屋中に響いてるんじゃないかというぐらい、うるさい。
 挑発するような視線とと口調のまま、魔理沙はブラウスの一番上のボタンを、外した。

「馬鹿。自分がどういう状況にいるのかまだ理解できてないのかよ、甲斐性なし」

 魔理沙が好きだという気持ちは嘘じゃない、本気だ。
 それなら何を迷う必要があるんだ?
 考えるまでもない事じゃないか。



「齢を考えてからモノ言えエロガキ。窓から放り投げるぞ」
 そういう気持ちも否定しないが、流されて体を重ねるのとはきっと違う。
「なんだ腰抜け。女の扱い方が分からないならここでお勉強していけよ」
「本当に女らしくない奴だな。オイル臭い部屋の中、こんな手で撫で回されるのが趣味なのか? ムードって言葉の意味辞書で調べてこい。
 ああ、それと」
「あ?」
「言葉をそのままお返ししとく。『他人様にどう言われたところで気持ちは動かないぜ』」
 ベッドで寝て来い、と最後に言い残し、俺は機械のパーツが並べられた床に戻るべく、ソファーに背中を向けた。
 ヤバい、顔が熱持ってる。
 とか思ってたらボルトを踏んづけた。
「いだっ! 痛ぇじゃねえかこの野郎!」
 とても痛かったが、そんな事よりとんでもなくなにか、さっき恥ずかしい行動を取った気がしてならない、うひぃ。
「まだ続けるのか?」
「終わらせたら寝る」
「私から言い出した事だが、別に一昼夜やり続けてもらわなくても結構だぜ?」
「そんなの俺の勝手だ」
「今さらかもしれないが、無理なら無理で文句も言わない」
「やかましい、寝てれ」
 うあ、なんか偉そうな上に語尾が変になった死にてぇ。

「仕方ない、そろそろ私も手伝おうか」
「んぁ?」
 変な声が出た、というかどうして今ごろ。
「度々失礼な奴だな。私は手先だって器用だし、道具の扱いなら一流だぜ」
「でも電気回路なんて分からないだろ」
「一から十まで全て分からない事尽くしの筈がないだろ。例えば足元に転がってるこれなんかは銅の」
 ブツン。


 なにか今、絶対に聞きたくなかった音が


「……じ、事故だぜ。私はその場に運悪く居合わせてしまっただけだ」
「あぁ?」
 っていうかちょっと待て、そんな馬鹿な話があるか。
「す、すまん。でもまずい事もなにも、まだ私は何もしてないんだぜ?」
「魔理沙、お前アレか。そのワイヤーじみた代物を素手で引きちぎったつもりなのか」
「んあ?」
 よくよく考えれてみれば、人の小指ほどもある銅線が人間の小娘ごときに引きちぎれてはたまらない。
 元々限界一歩手前だったんだろう。
「ちょっと見せてくれ」
 これがどこの部品なのかと、調べてみればなんと主電源との直結部。
 そりゃ電源も入らんわな……。
「ウフフフフフフ、もっと早く気付いてたらなぁ」
「げ、不気味な笑い方するな」
 何かが壊れる理由なんて些細なものなのかもしれないが、気が付かない俺は馬鹿。
 もういろんな意味でギリギリらしかった。

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 修理はあの後、すぐに中断した。
 朝にでも新しい銅線を買ってきて繋げば恐らく解決する。
 冷え切った弁当を摘みながらの問答の末、ソファーで寝ると言って聞かない魔理沙を放置してベッドで毛布に包まっていた。
 疲れがたまっているはずなのに、寝つけない。
「何やってんだろうな」
 今日一日でぼろぼろに擦り切れてしまった、臭いの取れない手。
 どうしてガラクタなんかに必死こいてるんだか、自分でもよく判らない。
「何、期待してんだろうな。頭悪い」

「お邪魔するぜ」
 扉が突然開き、入ってきたのは手足の生やした謎の布団妖怪。
「いや、いろいろと言いたい事はあるが、何しに来た」
「言われた通り、あそこは狭くて眠りづらかった。筋をおかしくするぜ」
「だから言ったろ。すぐ退くからここ使えぶしっ」
 話の途中だったというのに抱えた布団で殴打された。綿が寄るからやめてほしい。
「しかし幸運なのはこのベッドが広かった事だ。二人寝るスペースは充分にあるな」
「あるにはある。でも問題もあぶしっ」
「就寝前に説教はノーサンキューだぜ。そもそも私みたいなガキにゃ手を出さないんだろ?」
「卑怯な言い方だ。というかどうしてそうすんなり入ってこれる」
「意識してないからだな。おお、てことはお前は私を意識してることになるか」
「自惚れるのも大概にしとけ」
「そんな離れた位置で何言ってんだ。布団も充分届いてないじゃないか。ほれ、取って喰いやしないからこっち来いよ」
 俺は確かに腰抜けでした。

 隣から聞こえる静かな呼吸。
 喉の奥にコルク栓でも詰まってるんじゃないかってぐらい呼吸がしにくい。
 駄目だ、どうにか気を紛らわさないと。
「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄、舎利子、色不異空空不異色色即是空空即是色」
「いきなり般若心経を読むな。三蔵法師かお前は」
 こうでもしないと落ち着かないんだよ。
「まったく、いやぁしかし参るぜ。お前、本当に私の事好きなんだな」
「ああ?」
「どうとも思ってないのにそこまで緊張する奴はいないぜ」
「どうでもいいだろ、悪かったな」
「悪くはないさ。お前は見境なしって感じじゃないから、私としても悪い気はしない」
 ちょっとくすぐったいけどな、と首を竦めてみせる魔理沙。
 そして、それに自分が見惚れているのに気付く。
 やはり向こうの部屋で寝たほうが、
「逃げるなよ」

 上の布団をどかそうとした右腕をそのまま掴まれた。
「厠だ」
「嘘だな……もしかして、さっきのもビビって格好つけてただけか?」
「あそこでハイ僕嬉しいですと飛びつくような奴は最悪だ」
「まあな、こっちだってそんな奴なら願い下げだったぜ。さっきもほれ、この通り」
 魔理沙がブラウスのボタンを上から二つほど外し、中に手を入れる。
 そうして顔を出したのが必殺のミニ八卦炉。
「重ね重ね、俺をからかうのがそこまで楽しいか」
 自分が遊ばれていた事を知らされ、苛つく。
「楽しいねえ。だってそうだろ?
 自分の好かれてる相手なら多少の悪ふざけも許してくれるし、見返りも無しに無茶な事を頼んでも案外、手を貸してくれたりする」
「うるさい」
 人の気も考えずに。
「感謝もしてる」
 どうでもいいから寝てろよ。
「初めから嫌ってたわけじゃないが。今日だけでも結構、見直してるんだぜ」
「やめろ」
 そんな事を聞かされたって、俺はどうすりゃいいんだよ。


 戻った静寂。
 部屋を支配する重い闇。
 そして、握られたままの腕。


「なあ」
「何だ」
「もう一回、告白してみる気はないか?」
「答えが分かりきってるのにか」
「仕方ないぜ」
「バンザイしろってか。随分簡単にステキな事を言ってくれるな」
「一回も二回も変わらない気はするんだが、やっぱり嫌なもんか」
 嫌も嫌だし、何より救いがなさすぎる。
 つくづく自分は頭が悪いと思った。

「うまくは言えないけど、な」
 ここまで結果が見えていて、それでも分の悪すぎる賭けに踏み切ってしてしまうんだから。

「お前が笑ってるのを見ると嬉しくて、それだけで幸せに感じられたんだ」
 ありえる筈のない“もしも”。
 そんな物に期待してしまうんだから、女々しいというのか執念深いというのか、ね。

「俺も一緒に笑い合っていたい。魔理沙、もしよければ付き合って欲しい」

 二度目の告白。
 この息の詰まる静寂も、前と何ら変わりがない。
「前より長かったな」
 魔理沙はいつもの通り。
 やはり前と同じ笑みを浮かべていた。

「すまん」

 二度目の玉砕。
 一人の女に二度フラれる男ってのは現実問題、なかなかいないと思う。
「キツいな」
「笑っていられるのは余裕がある証拠だぜ?」
 なら、良かった。
 こんな取り繕ったような見栄でも、役に立ってくれてるらしい。

「私も、お前を好きになれてれば良かったな」
 やめろよ、聞きたくない。
 顔を合わせていられなくなるだろ。
「両想いならきっと幸せになれただろうな。そんな気がする」

 寝返りをうつ。
 もう、駄目だった。

「馬鹿、言うな。余計な事を言うな。何で黙っててくれない?」
「え」
「きっぱり終わらせてくれなきゃ辛すぎる。これからどんな顔をお前に見せたらいいんだよ」
「お前はいい奴だぜ、本当にそう思ってる」
「嫌な奴じゃなきゃ直しようがないじゃないか。いくら足掻いても、もう好きになってもらえないって事じゃないのか。
 俺みたいなの虐めて楽しいかよ。女と違うんだ、男が泣くのは見苦しいだけじゃないか。残酷な事ばかり言いやがって」
「違うぜ、違うんだ。私は」
「やめてくれ、もう」
 信じられないくらいに震えた声での、最低の日の、最低な締めくくり。

「自分がみじめすぎて立ち直れなくなりそうなんだ。魔理沙、頼むよ、お願いだから」
 震える体を掻き抱き、目をぎゅっと閉じ、口から漏れそうになる邪魔な声を噛み殺して、恥も外聞もなく俺は赦しを求めた。


「前の事なんか忘れろって、悪いのは私なんだぜって事を伝えたかった。ずっと苦しそうな顔してたからさ」
 耳元で声が聞こえる理由も考えられない。
 背中や体に回されたものから感じるほのかなぬくもりが心地よく、何よりも辛かった。
「お前みたいなのに惚れられるんだから、私はやっぱりいい女なんだろうな」
 本当に、話を聞かない奴。
「お前よりいい奴を見つけられなかったら、指差して笑ってくれ」
 これ以上みっともないところ見せたくなかったってのに、俺は、声を出して泣いた。



「おう。おはよう……寝惚けてんのか? 幻想郷の人間は朝の挨拶も満足にできないらしい」
 朝。奥の部屋から似合わない及び腰で魔理沙が顔を見せた。
「……大丈夫なのか?」
 ひどい顔なんだろう。
 昨夜の出来事の上に結局一睡もできなかった事もあって、二つの意味で尋ねられているように聞こえる。
 俺は努めて明るく、一度目の告白以前の調子で声を返した。
「正直ブッ倒れてもおかしくなさそうだが平気だ。昔は二徹、三徹とやってたからなあ。
 むしろ家族でもない男に平気でよだれ跡つきの顔を晒すお前の将来のほうが不安……あ?
 お前まさか人様の布団によだれ落としたわけじゃなかろうな。不潔な奴め、ほら。拭け」
「ぷ、わ!? 冷たっ!」
「牛乳拭いた濡れ雑巾よかマシだろ。肌にゃいいらしいけどな」
 流石の魔理沙も、今回ばかりは俺の言わんとしてる事を汲み取ってくれたのだろう。
 顔拭きでごしごしやり、上げた顔に浮かぶ表情はいつもの快活なそれだった。
「顔に関しては今のお前に言われたかないぜ」
「そんなにヤバいか?」
「すっぴんのスキマ妖怪とならいい勝負だ」
「喩えはよく分からんが良しとしよう。朝飯はとっくに出来てるし、
 食べたらちょっと香霖堂まで買い物に行って来てくれな。アレ仕上げるから」

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 昼頃の霧雨邸前にて。

「うわぁーっ!? ででででたぁーーーっ!!」

 何がだ。ていうか写真はやめれ。撮るな。
「遅かったじゃないか。こっちはとうに支度を済ませてたんだが」
「妖怪に助力を仰ぎ約束を力づくで反古にしようだなんて見損ないました! でもペンは剣より強し! 私には文々。新聞があります!」
「誰が妖怪なのかね鳥頭。人を見た目だけで判断するんじゃない」

「ああなんだ、外の。貴方がどうしてここに?」
「俺も修理に協力したからな。最終確認を終えた矢先だし」
 返事が返ってくるまでにかなり間があったが、面倒なので触れずに台車を前に押し出す。
「え。じゃあ、まさか直ったんですか?」
 問題なく動くようになった印刷機を見せる瞬間はちょっと鼻が高かった、相手が天狗だけに。
「直せって言い出したのはお前じゃないか」
「は、はい。その通りですが、瓢箪から駒が出てしまいました」
「私の辞書に不可能の文字はないぜ。今回のハナ差も、すぐに熨斗つけてお返ししてみせるさ」
「いいでしょう。次の勝負の折には他の機械も点検してもらいましょうか」
「ふん、小鬼に笑われるなよ?」
 魔理沙とのやり取りを終えた鴉天狗、射命丸文がこっちを向く。
「しかしその顔は何事ですか。今夜がヤマだ、という感じですけど」
「ああ、ちょっとアレだ。フラれて寝てない」
 いそいそと手帖を取り出す射命丸。嬉しそうな顔しやがって憎たらしい。
「そうでしたか、失恋とはお気の毒に。お相手はどこにお住まいの?」
「聞き回ってみればすぐに分かる。この程度も調べられずに何が新聞記者か、ってな」
「それもそうですね、では早速。これにて失礼します」
 一礼の後、あっという間に射命丸は印刷機もろとも消え去ってしまったのが何故か名残惜しかった。まあとにかく勘の悪い奴。

「余計な事、言わないほうがよかったんじゃないのか」
 会話を黙って聞いていた魔理沙が口を開く。
「知ってる。でも一番知られたくない相手の前であれだけ醜態晒せばどうでもよくなる。お相手不明の失恋話でも、話の種くらいにゃなるだろ」
「馬鹿だなお前」
「知ってる」
 鼻で笑い、軽く背中を叩いてやる。
「お前がそんな顔してどうすんだよ。笑え笑え、いい女」
「馬鹿な、私の顔はいつだって他人を幸せにする笑顔に満ち満ちてるぜ」
「よだれつきだけどな」
「そこで知ってる、だろ? まったく気の利かない奴だ」
 っと、眩暈がした。
 そろそろ冗談抜きで倒れるかもしれん。
「んじゃ帰るわ。ありがとな性悪女」
「それはこっちの台詞だぜ化け物面。これからも茶菓子の用意を忘れるなよ」
「知ってる。そっちこそ、次は負けんなよ」
「知ってるぜ」

 間抜けな男の失恋話、これにて閉幕。


・私はネジの頭をバカにする天才です。機械まるでダメ。その辺の間違いや疑問についてはご容赦お願いします。

6スレ目>>59(うpろだ0067)

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