「きみがぼくのマスターなの?」
バニーガールのような姿をした、上半身裸で白髪の男がボクに問いかけた。
突如彼が現れて黒い影を蹴散らしたかと思えば、ボクたちはいつのまにか見たこともない礼拝堂の中にいた。その状況に驚きつつも、彼に質問を返す。
「そういうキミは、もしかしなくてもサーヴァントだよね?」
彼はこくんと頷き、再びこちらを見る。
「じゃあ間違いない。初めまして、ボクがキミのマスター・・・ってことになるのかな、”超高校級の幸運”狛枝凪斗だよ。よろしくね」
サーヴァントは圧倒的な才能を持つ存在であり、くだらない才能しかないボクとは次元の違う、絶対的な希望だ。にもかかわらず、こうして相まみえるだけでなくマスターになれるとは。まだ聖杯戦争について正確に把握しているわけじゃないけど、それでもとんでもない幸運であるのは明らかだ。
「まあ、ボクなんかがキミのマスターだというのも、なんだか申し訳ない気はするけどね」
苦笑しつつ、彼に目を向ける。彼は相変わらずぼんやりした表情でこちらを見つめたままだ。
「で、良かったらキミが誰なのか、教えてくれないかな?」
ボクがそう言うと、彼はおもむろに口を開いた。
「”卯”の戦士。『異常に殺す』憂城」
彼——憂城クンは、口の端を歪めてニヤリと笑った。その無邪気だけどどこか壮絶な笑顔は、憂城クンが常識を超越した存在であること、そんな彼を生み出す聖杯なるものが確かに存在することをボクに直感させるのに十分なものだった。
憂城クンは高い足音を鳴り響かせて歩み寄ってくる。
「きみの願いはなに?」
呟いたあと目の前で立ち止まり、こちらに顔を寄せて囁く。
「僕の夢はね、世界中のみんなとお友達になることだよ。だから聖杯にお願いして、夢を叶えてもらうんだ~。いいでしょ? いいでしょ?」
憂城クンは、心底楽しそうに目を細めた。そしてボクはその願いを聞いて肩を震わせる。
「素晴らしいよ! 凡人とは比べ物にならないほどにスケールの大きい願いだ! それを聞いた後にボクのようなクズの願いを言うのは少し恥ずかしいな…」
そう言いつつ、ボクは喜々として想いを語る。
「キミはさ、”希望”って何だと思う?」
文字通り目と鼻の先にある彼の顔に向けてほほ笑む。
「ボクが思うに、”希望”というのは、前向きな意志と才能…それらによって生み出される絶対的な『良きもの』なんだ。そして聖杯戦争は、才能ある人たちが、どうしても叶えたい願いをかけて争い合う場…。つまり希望と希望がぶつかり合って、より強い希望が残っていくわけでしょ? そうして、最後まで残った"最も強い希望"を……ボクはこの目で見てみたい。できることなら、そこに至る手助けをしたい。そのためならボクの命なんていくらでも差し出すよ」
「だから、ボクの願いはこの聖杯戦争で希望と希望の科学反応を見届けること・・・。だから、聖杯にかける願いなんて無いんだよね。まあ強いて言えば、世界をもっと希望に溢れたものにすること、かな」
ボクは恍惚とした表情をしながらそう話を締めくくった。
「うんうん。何事も前向きが一番だよねぇ」
憂城クンは1歩後ろに下がり何度もうなずく。そして、すっと手を差し出した。
「じゃあさ、お友達になってよ。友情の証として握手しよう? 握手」
「喜んで! ははっ、キミのような素晴らしい人と友達になれるなんて光栄だなあ!」
ボクは当然差し伸べられた手を握ろうとして——コケた。
直後、頭上を大鉈が走る。驚いたボクはとっさに床を転がって距離を取る。
「あれあれあれ、おかしいなあ。なんで避けれたの?」
数メートル先で、憂城クンは大鉈を上下に振りながら、首を傾げている。
確かにあの一撃を意識して避けるなんて芸当、ボクなんかには絶対できない。ただ、今のは——
「“たまたま”だよ」
「ボクの才能忘れちゃった? まあくだらない才能ではあるけどさ、これでも”超高校級の幸運”なんだよ? だからさ、さっきの攻撃も避けたんじゃなくて、大鉈が振るわれたタイミングで”偶然”転んだだけなんだ」
「……攻撃したんじゃないよ? ただちょっと驚かせようとしただけだよ? 本当だよ? 信じて?」
憂城クンはさも心外だとでも言うように反論する。
「いや、それは流石に嘘でしょ」
ボクはわかりやすすぎる嘘に苦笑いする。
「キミの希望のためなら殺されるのは大歓迎さ。…けど、ボクの幸運は役に立つし、考え事も得意だから勝ち抜くためのプランも作ってあげられる。だから殺すなら、キミが聖杯に願いを叶えてもらってからの方が、より大きな希望に近づくんじゃないかな」
「…それもそうだね。お友達になってからじゃあ、扱いづらそうだし。じゃあ、殺すのは後にするよ」
しばらく沈黙した後、そう言って大鉈を背中の尻尾にしまう。
良かった。殺されてもいいというのは本当だけど、できれば聖杯戦争で希望の輝きを目に焼き付けてからがいい。
「話し合いは終わったか?」
背後から声が聞こえる。この世界にきた直後に聞こえた、壮年の男性の声だ。
「さあ、始めよう。ボクたちの、希望に溢れた聖杯戦争を」
ボクは期待に胸を躍らせながら、憂城クンに呼びかけた。
バニーガールのような姿をした、上半身裸で白髪の男がボクに問いかけた。
突如彼が現れて黒い影を蹴散らしたかと思えば、ボクたちはいつのまにか見たこともない礼拝堂の中にいた。その状況に驚きつつも、彼に質問を返す。
「そういうキミは、もしかしなくてもサーヴァントだよね?」
彼はこくんと頷き、再びこちらを見る。
「じゃあ間違いない。初めまして、ボクがキミのマスター・・・ってことになるのかな、”超高校級の幸運”狛枝凪斗だよ。よろしくね」
サーヴァントは圧倒的な才能を持つ存在であり、くだらない才能しかないボクとは次元の違う、絶対的な希望だ。にもかかわらず、こうして相まみえるだけでなくマスターになれるとは。まだ聖杯戦争について正確に把握しているわけじゃないけど、それでもとんでもない幸運であるのは明らかだ。
「まあ、ボクなんかがキミのマスターだというのも、なんだか申し訳ない気はするけどね」
苦笑しつつ、彼に目を向ける。彼は相変わらずぼんやりした表情でこちらを見つめたままだ。
「で、良かったらキミが誰なのか、教えてくれないかな?」
ボクがそう言うと、彼はおもむろに口を開いた。
「”卯”の戦士。『異常に殺す』憂城」
彼——憂城クンは、口の端を歪めてニヤリと笑った。その無邪気だけどどこか壮絶な笑顔は、憂城クンが常識を超越した存在であること、そんな彼を生み出す聖杯なるものが確かに存在することをボクに直感させるのに十分なものだった。
憂城クンは高い足音を鳴り響かせて歩み寄ってくる。
「きみの願いはなに?」
呟いたあと目の前で立ち止まり、こちらに顔を寄せて囁く。
「僕の夢はね、世界中のみんなとお友達になることだよ。だから聖杯にお願いして、夢を叶えてもらうんだ~。いいでしょ? いいでしょ?」
憂城クンは、心底楽しそうに目を細めた。そしてボクはその願いを聞いて肩を震わせる。
「素晴らしいよ! 凡人とは比べ物にならないほどにスケールの大きい願いだ! それを聞いた後にボクのようなクズの願いを言うのは少し恥ずかしいな…」
そう言いつつ、ボクは喜々として想いを語る。
「キミはさ、”希望”って何だと思う?」
文字通り目と鼻の先にある彼の顔に向けてほほ笑む。
「ボクが思うに、”希望”というのは、前向きな意志と才能…それらによって生み出される絶対的な『良きもの』なんだ。そして聖杯戦争は、才能ある人たちが、どうしても叶えたい願いをかけて争い合う場…。つまり希望と希望がぶつかり合って、より強い希望が残っていくわけでしょ? そうして、最後まで残った"最も強い希望"を……ボクはこの目で見てみたい。できることなら、そこに至る手助けをしたい。そのためならボクの命なんていくらでも差し出すよ」
「だから、ボクの願いはこの聖杯戦争で希望と希望の科学反応を見届けること・・・。だから、聖杯にかける願いなんて無いんだよね。まあ強いて言えば、世界をもっと希望に溢れたものにすること、かな」
ボクは恍惚とした表情をしながらそう話を締めくくった。
「うんうん。何事も前向きが一番だよねぇ」
憂城クンは1歩後ろに下がり何度もうなずく。そして、すっと手を差し出した。
「じゃあさ、お友達になってよ。友情の証として握手しよう? 握手」
「喜んで! ははっ、キミのような素晴らしい人と友達になれるなんて光栄だなあ!」
ボクは当然差し伸べられた手を握ろうとして——コケた。
直後、頭上を大鉈が走る。驚いたボクはとっさに床を転がって距離を取る。
「あれあれあれ、おかしいなあ。なんで避けれたの?」
数メートル先で、憂城クンは大鉈を上下に振りながら、首を傾げている。
確かにあの一撃を意識して避けるなんて芸当、ボクなんかには絶対できない。ただ、今のは——
「“たまたま”だよ」
「ボクの才能忘れちゃった? まあくだらない才能ではあるけどさ、これでも”超高校級の幸運”なんだよ? だからさ、さっきの攻撃も避けたんじゃなくて、大鉈が振るわれたタイミングで”偶然”転んだだけなんだ」
「……攻撃したんじゃないよ? ただちょっと驚かせようとしただけだよ? 本当だよ? 信じて?」
憂城クンはさも心外だとでも言うように反論する。
「いや、それは流石に嘘でしょ」
ボクはわかりやすすぎる嘘に苦笑いする。
「キミの希望のためなら殺されるのは大歓迎さ。…けど、ボクの幸運は役に立つし、考え事も得意だから勝ち抜くためのプランも作ってあげられる。だから殺すなら、キミが聖杯に願いを叶えてもらってからの方が、より大きな希望に近づくんじゃないかな」
「…それもそうだね。お友達になってからじゃあ、扱いづらそうだし。じゃあ、殺すのは後にするよ」
しばらく沈黙した後、そう言って大鉈を背中の尻尾にしまう。
良かった。殺されてもいいというのは本当だけど、できれば聖杯戦争で希望の輝きを目に焼き付けてからがいい。
「話し合いは終わったか?」
背後から声が聞こえる。この世界にきた直後に聞こえた、壮年の男性の声だ。
「さあ、始めよう。ボクたちの、希望に溢れた聖杯戦争を」
ボクは期待に胸を躍らせながら、憂城クンに呼びかけた。
【サーヴァント】
【CLASS】
アサシン
アサシン
【真名】
憂城
憂城
【出典】
十二大戦
十二大戦
【性別】
男
男
【ステータス】
筋力C 耐久D 敏捷B 魔力B 幸運B 宝具EX
【属性】
混沌・悪
混沌・悪
【クラス別能力】
気配遮断:D
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
気配遮断:D
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
【保有スキル】
戦闘続行:B
死体となった自分を能力により活動させた逸話が昇華されて獲得したスキル。
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。
戦闘続行:B
死体となった自分を能力により活動させた逸話が昇華されて獲得したスキル。
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。
人間観察:D
人々を観察し、理解する技術。
人々を観察し、理解する技術。
心眼(真):D
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。
【宝具】
死体作り(ネクロマンチスト)
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:2 最大捕捉:3人
死体を使役できる。使役できる死体は、自分が直接殺すか、既に使役している死体が殺したものに限られる。死体はバラバラになっても活動できる。体のリミッターが外れるため、筋力のパラメーターが一段階上がる(一般人の死体ならD相当)。
マスターの死体を操る場合、死んだ直後に能力を使えば令呪及びサーヴァントとの契約関係は維持され、死体を通じて間接的に令呪を行使できる。使役状態の維持には一定の魔力が必要。
対象の生前の記憶・技術・スキル・魔力・宝具などは死体になってからも有効であり、十全に用いることができる。ただし意思や知能はほとんどない。死体は焼かれると使役状態が解除されるほか、凍結によって動きを封じることができる。使役者は、使役される死体と五感を共有できる。
常時発動型であり、真名解放は不要。
死体作り(ネクロマンチスト)
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:2 最大捕捉:3人
死体を使役できる。使役できる死体は、自分が直接殺すか、既に使役している死体が殺したものに限られる。死体はバラバラになっても活動できる。体のリミッターが外れるため、筋力のパラメーターが一段階上がる(一般人の死体ならD相当)。
マスターの死体を操る場合、死んだ直後に能力を使えば令呪及びサーヴァントとの契約関係は維持され、死体を通じて間接的に令呪を行使できる。使役状態の維持には一定の魔力が必要。
対象の生前の記憶・技術・スキル・魔力・宝具などは死体になってからも有効であり、十全に用いることができる。ただし意思や知能はほとんどない。死体は焼かれると使役状態が解除されるほか、凍結によって動きを封じることができる。使役者は、使役される死体と五感を共有できる。
常時発動型であり、真名解放は不要。
【weapon】
『三月兎』『白兎』
『三月兎』『白兎』
【人物背景】
第12回十二大戦に参加した「卯」の戦士。巧みな戦術で参加者を次々と殺害した。
殺した相手と本人に曰く「お友達」になれる(使役できる)能力『死体作り(ネクロマンチスト)』の使い手。
突飛な言動をするが、コミュニケーションは取れる。
失井と妬良の即席タッグと交戦し「生きている人間同士が信頼を結べる」という憂城にとってあり得ない光景を見たこともあり、殺される寸前に自殺を選び、自身の能力の対象下に自身を置くことで死体となった後も脱落することなく十二大戦を継続する。
自殺直後の段階で失井によって細切れにされるも、砂粒を操作して筋線維や小腸、歯といった人体のパーツを使って無茶苦茶な設計を無理矢理体を修復した上で、奇襲のために砂粒をその内部に潜ませた。
かくして奇襲は成功し、失井を押さえつけることに成功するが無茶な計画のために崩壊した体を修復している隙に寝住が回収した必爺の「醜怪送り」によって消滅した。
第12回十二大戦に参加した「卯」の戦士。巧みな戦術で参加者を次々と殺害した。
殺した相手と本人に曰く「お友達」になれる(使役できる)能力『死体作り(ネクロマンチスト)』の使い手。
突飛な言動をするが、コミュニケーションは取れる。
失井と妬良の即席タッグと交戦し「生きている人間同士が信頼を結べる」という憂城にとってあり得ない光景を見たこともあり、殺される寸前に自殺を選び、自身の能力の対象下に自身を置くことで死体となった後も脱落することなく十二大戦を継続する。
自殺直後の段階で失井によって細切れにされるも、砂粒を操作して筋線維や小腸、歯といった人体のパーツを使って無茶苦茶な設計を無理矢理体を修復した上で、奇襲のために砂粒をその内部に潜ませた。
かくして奇襲は成功し、失井を押さえつけることに成功するが無茶な計画のために崩壊した体を修復している隙に寝住が回収した必爺の「醜怪送り」によって消滅した。
【サーヴァントとしての願い】
世界中の人とお友達になること。
世界中の人とお友達になること。
【方針】
聖杯を手に入れるためならば手段を選ばない。
聖杯を手に入れるためならば手段を選ばない。
【マスター】
狛枝凪斗
狛枝凪斗
【出典】
スーパーダンガンロンパ2
スーパーダンガンロンパ2
【性別】
男性
男性
【能力・技能】
“超高校級の幸運”
確率が大きく絡む事柄において良くも悪くも狙った目か最良の目を確実に引き当てる。
ただし、前段階として何らかの不幸に見舞われるという難儀な制約がある。
“超高校級の幸運”
確率が大きく絡む事柄において良くも悪くも狙った目か最良の目を確実に引き当てる。
ただし、前段階として何らかの不幸に見舞われるという難儀な制約がある。
【weapon】
無し
無し
【人物背景】
南国でのコロシアイに巻き込まれた人物。
推理力が高く、学級裁判においても重要な発言をすることの多いポジション。
常に仲間が持つ希望の力、そして自分の肩書である「超高校級の幸運」という才能を信じている。特に前者への信頼は盲信に近いほど強い。
仲間が殺人をするよう誘導するなど、希望という目的のためなら手段は選ばない。
自身の幸運をゴミのような才能と嘲っている。
自分を含めたクラスメイトたちが超高校級の絶望だったと知り、絶望を根絶やしにするためにトリックを用いて自殺し、超高校級の絶望の全滅を狙った。
南国でのコロシアイに巻き込まれた人物。
推理力が高く、学級裁判においても重要な発言をすることの多いポジション。
常に仲間が持つ希望の力、そして自分の肩書である「超高校級の幸運」という才能を信じている。特に前者への信頼は盲信に近いほど強い。
仲間が殺人をするよう誘導するなど、希望という目的のためなら手段は選ばない。
自身の幸運をゴミのような才能と嘲っている。
自分を含めたクラスメイトたちが超高校級の絶望だったと知り、絶望を根絶やしにするためにトリックを用いて自殺し、超高校級の絶望の全滅を狙った。
【マスターとしての願い】
聖杯戦争における希望と希望のぶつかり合い及び、結果として残る最も強い希望を見ること。
希望のために尽力すること。
聖杯にかける望みは特に無いが、強いて言えば希望に溢れた世界にしたい。
聖杯戦争における希望と希望のぶつかり合い及び、結果として残る最も強い希望を見ること。
希望のために尽力すること。
聖杯にかける望みは特に無いが、強いて言えば希望に溢れた世界にしたい。
【方針】
希望と希望のぶつかり合い(殺し合い)を促進する。
絶望は希望の踏み台として利用。
才能ある者の望みを最大限尊重する。
希望と希望のぶつかり合い(殺し合い)を促進する。
絶望は希望の踏み台として利用。
才能ある者の望みを最大限尊重する。
【ロール】
高校生
高校生
【把握媒体】
ゲーム
ゲーム