"あの子を――――レオを守ってあげてね。"
それが、ユリウスにおける唯一の生きる意義だった。
ユリウス・ベルキスク・ハーウェイ。
彼はハーウェイ家のデザインベビーとして生を受けた。
彼はハーウェイ家のデザインベビーとして生を受けた。
――だが、彼は"失敗作"であった。
胎児の状態で期待されていた全ての能力値は低かった。
老化速度は、常人の二倍。推定個体寿命は、最長で25年しかなかった。
胎児の状態で期待されていた全ての能力値は低かった。
老化速度は、常人の二倍。推定個体寿命は、最長で25年しかなかった。
"無駄"。
長くは生きられないユリウスを、利益を生む余地がない個体と、廃棄された。
それでも、なお彼は生き延び、やがて対テロ部隊の隊長として生存価値を認められるようになっていた。
長くは生きられないユリウスを、利益を生む余地がない個体と、廃棄された。
それでも、なお彼は生き延び、やがて対テロ部隊の隊長として生存価値を認められるようになっていた。
その中か、ユリウスにとって、いつの話だったかは覚えていない。
出来の悪い映画のようで、現実感がないとすら感じ、笑い話だと切り捨てていた。
出来の悪い映画のようで、現実感がないとすら感じ、笑い話だと切り捨てていた。
レオの母、アリシアとの約束。
自分を唯一「失敗作」ではなく、個人として認めてくれた愛すべき人。
自分を唯一「失敗作」ではなく、個人として認めてくれた愛すべき人。
後継を盤石にするため、彼女はレオの父から"命令を受けた人間"の手によって暗殺された。
その彼女が、殺しにきた相手に対し、微笑みを浮かべながら交わした、たったひとつの"約束"。
忠実に守る言葉となり、叶えるべき遺志となり、いつしか彼の心の支えとなっていた。
その彼女が、殺しにきた相手に対し、微笑みを浮かべながら交わした、たったひとつの"約束"。
忠実に守る言葉となり、叶えるべき遺志となり、いつしか彼の心の支えとなっていた。
レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ。
西欧財閥の現筆頭。ユリウスにとっては、肉親の情もない異母兄弟。
"王にさせること"が、「ハーウェイ家の一員」として果たすべき義務であり、彼の仕事であった。
西欧財閥の現筆頭。ユリウスにとっては、肉親の情もない異母兄弟。
"王にさせること"が、「ハーウェイ家の一員」として果たすべき義務であり、彼の仕事であった。
ただ、王の勝利がどのような形であれ、ユリウスに関心がない。
ユリウスはレオの忠臣などではない。義務を遂行する仕事人である。
イレギュラーな天の聖杯に移ろうとも、レオが望む以上、思うことはない。
ユリウスはレオの忠臣などではない。義務を遂行する仕事人である。
イレギュラーな天の聖杯に移ろうとも、レオが望む以上、思うことはない。
自分は勝利の礎となるのみ。
どの戦争であったとしても、――"ただ殺すのみ"、なのだ。
どの戦争であったとしても、――"ただ殺すのみ"、なのだ。
そして、それは召喚させたサーヴァントとも通じていた。
"――――また汚れ仕事か……まあいい。いつものことさ"
顔を隠すほどの赤頭巾を被り、鋼鉄の胴鎧を纏ったアサシン。
近代兵器を主武器に、高速の機動力を以て、合理的に仕留めていく。
無駄口を叩かず、冷徹に義務を遂行し、一切の情や願いを持ち合わせない男。
近代兵器を主武器に、高速の機動力を以て、合理的に仕留めていく。
無駄口を叩かず、冷徹に義務を遂行し、一切の情や願いを持ち合わせない男。
ユリウスにとって、彼はこれ以上にない仕事人であった。
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"――――あの子達をよろしくね。"
そんな幻聴に導かれるがまま、ユリウスという男と契約線を接続させられた。
彼は、抑止力の代行者。
人類の"存続するべき"と願う集合無意識が生み出した防衛装置の使者。
自らが望んだ運命の果て、抑止の輪へと召し上げられた、「顔の無い正義」の一人。
人類の"存続するべき"と願う集合無意識が生み出した防衛装置の使者。
自らが望んだ運命の果て、抑止の輪へと召し上げられた、「顔の無い正義」の一人。
個体名は、"エミヤ"。
人間だった頃の名は、"衛宮切嗣"という男であった。
人間だった頃の名は、"衛宮切嗣"という男であった。
(……迷惑な話だ。)
だが、この聖杯戦争に抑止力の意向はない。
なんとも傍迷惑で、なんとも身勝手な幻聴の主の仕業。
相手は何者で、何のために動かしたのかわからないまま、一方的に投げてくる。
なんとも傍迷惑で、なんとも身勝手な幻聴の主の仕業。
相手は何者で、何のために動かしたのかわからないまま、一方的に投げてくる。
そして、"あの子達"とは一体誰のことを指すのか、見当もつかなかった。
(筋違いじゃないか。僕に頼むのは。)
まず、自分に頼むのは「筋違い」とすら思う。
正義の味方として、世界を救うため、小を見捨ててきた。
そんな自分に、"個人を救ってほしい"など、見当違いも甚だしい。
正義の味方として、世界を救うため、小を見捨ててきた。
そんな自分に、"個人を救ってほしい"など、見当違いも甚だしい。
(関係はない。――――僕にやれることは、掃除ぐらいなものさ。)
彼は、サーヴァントの義務だけを果たすのみ。
マスターの事情なんて知ったことでなく、聞きたいとも思っていない。
戦いの行方に対しても、マスターに対しても、救ってほしい誰かにも、何の関心もない。
マスターの事情なんて知ったことでなく、聞きたいとも思っていない。
戦いの行方に対しても、マスターに対しても、救ってほしい誰かにも、何の関心もない。
そして彼は、銃弾を装填した。
【クラス】
アサシン
アサシン
【真名】
エミヤ〔アサシン〕
エミヤ〔アサシン〕
【出典】
Fate/Grand Order
Fate/Grand Order
【性別】
男
男
【ステータス】
筋力D 耐久C 敏捷A+ 魔力C 幸運EX(E) 宝具
筋力D 耐久C 敏捷A+ 魔力C 幸運EX(E) 宝具
【属性】
混沌・悪
混沌・悪
【クラス別能力】
気配遮断:A+
自身の気配を消す能力。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。
気配遮断:A+
自身の気配を消す能力。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。
単独行動:A
単身での行動に生前から慣れていた彼に与えられたスキル。
マスターからの魔力供給がなくとも、最大で一週間程度の現界が可能となる。
単身での行動に生前から慣れていた彼に与えられたスキル。
マスターからの魔力供給がなくとも、最大で一週間程度の現界が可能となる。
【保有スキル】
魔術:B
魔術を習得している。翻って、魔術を知るが故に魔術師を殺す術に長けている。
本スキルのランクは、キャスターとの戦闘時に各種判定のボーナスとして働く。
魔術:B
魔術を習得している。翻って、魔術を知るが故に魔術師を殺す術に長けている。
本スキルのランクは、キャスターとの戦闘時に各種判定のボーナスとして働く。
スケープゴート:C
戦場を生き抜く狡猾なテクニックの集合。生贄、身代りとしての意味を持つ。
戦場を生き抜く狡猾なテクニックの集合。生贄、身代りとしての意味を持つ。
聖杯の寵愛:A++
何処かの時代の聖杯に、彼は深く愛されている。その愛は世界最高の呪いにも等しい。
本スキルの存在によって、彼の幸運ランクは跳ね上げられている。
特定の条件なくしては突破できない敵サーヴァントの能力さえ突破可能。
ただしこの幸運は、他者の幸福を無慈悲に奪う。
本来ならば、聖杯から囁きかけられる「声」は彼の耳に届かないものだが、聖杯との縁を持つ上級NPCなどの存在からか、影響力も上昇し、稀に耳にしてしまう。
何処かの時代の聖杯に、彼は深く愛されている。その愛は世界最高の呪いにも等しい。
本スキルの存在によって、彼の幸運ランクは跳ね上げられている。
特定の条件なくしては突破できない敵サーヴァントの能力さえ突破可能。
ただしこの幸運は、他者の幸福を無慈悲に奪う。
本来ならば、聖杯から囁きかけられる「声」は彼の耳に届かないものだが、聖杯との縁を持つ上級NPCなどの存在からか、影響力も上昇し、稀に耳にしてしまう。
【宝具】
『時のある間に薔薇を摘め(クロノス・ローズ)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:1人
自身の時間流を操作する能力。
生前の彼が有していた能力「固有時制御(タイムアルター)」を基礎としている。
時間流の加速によって高速攻撃や移動を行い、減速によってバイオリズムを停滞させて隠行を行うのが「固有時制御」の運用方法である。
『時のある間に薔薇を摘め(クロノス・ローズ)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:1人
自身の時間流を操作する能力。
生前の彼が有していた能力「固有時制御(タイムアルター)」を基礎としている。
時間流の加速によって高速攻撃や移動を行い、減速によってバイオリズムを停滞させて隠行を行うのが「固有時制御」の運用方法である。
宝具として昇華されたこの力により、彼は対人戦において無敵とも呼べる超連続攻撃を可能とする。
また宝具化された影響なのか、世界のバックアップを受けているのかは不明だが、解除時に世界の修正力を受けるデメリットがなくなっている。
また宝具化された影響なのか、世界のバックアップを受けているのかは不明だが、解除時に世界の修正力を受けるデメリットがなくなっている。
『神秘轢断(ファンタズム・パニッシュメント)』
ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ:0~2 最大捕捉:1人
自身の起源である「切断」「結合」の二重属性の力が具現・カタチにしたもの。 その力が込められているナイフ。
生前使用していた礼装魔弾「起源弾」と同様、魔術回路ないし魔術刻印、或いははそれに似たモノを体内に有する相手に対して致命的なダメージを与える
ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ:0~2 最大捕捉:1人
自身の起源である「切断」「結合」の二重属性の力が具現・カタチにしたもの。 その力が込められているナイフ。
生前使用していた礼装魔弾「起源弾」と同様、魔術回路ないし魔術刻印、或いははそれに似たモノを体内に有する相手に対して致命的なダメージを与える
【weapon】
「補助兵器」
キャレコM950やトンプソン・コンテンダー、閃光弾といったものを用いる。
「補助兵器」
キャレコM950やトンプソン・コンテンダー、閃光弾といったものを用いる。
【人物背景】
抑止力の代行者となった衛宮切嗣。
正史と異なり、「アインツベルン」が部外者を必要とする戦略を行使しなかったことで、出会うはずだった妻と出会わなかった。
故に妻との離別もなく、離別による挫折もなかったため、最後まで「正義の味方」を辞められず、死後も安息と救いを求めることもなく、自ら抑止力の一部となった。
抑止力の代行者となった衛宮切嗣。
正史と異なり、「アインツベルン」が部外者を必要とする戦略を行使しなかったことで、出会うはずだった妻と出会わなかった。
故に妻との離別もなく、離別による挫折もなかったため、最後まで「正義の味方」を辞められず、死後も安息と救いを求めることもなく、自ら抑止力の一部となった。
異なる世界で何の面識もないため、彼にとって、衛宮切嗣を知る者の多くは"他人"の関係。
ただ、何故かはわからない複雑な感情が湧き上がってしまう。
ただ、何故かはわからない複雑な感情が湧き上がってしまう。
なお、正しい人類史には存在せず、彼が召喚されたのはあらゆる次元が交差する「天の聖杯」の影響。
【サーヴァントとしての願い】
特になし。ただサーヴァントとして義務を遂行するのみ。
特になし。ただサーヴァントとして義務を遂行するのみ。
【方針】
情報収集、暗殺、破壊工作と裏方に徹する。
目的のために手段は選ばないが、あくまで義務の範疇。
情報収集、暗殺、破壊工作と裏方に徹する。
目的のために手段は選ばないが、あくまで義務の範疇。
【把握媒体】
「Fate/Grand Order」など。
「Fate/Grand Order」など。
【マスター】
ユリウス・ベルキスク・ハーヴェイ
ユリウス・ベルキスク・ハーヴェイ
【出典】
Fate/EXTRA
Fate/EXTRA
【性別】
男
男
【能力・技能】
ハーウェイの暗殺者として優れた経験と技量を持つ。
隠密行動に長けており、生半可な監視なら容易に掻い潜れる。
ハーウェイの暗殺者として優れた経験と技量を持つ。
隠密行動に長けており、生半可な監視なら容易に掻い潜れる。
【weapon】
封印や回復といった補助用のコードキャストを所有。
銃器やナイフといった暗殺用の道具を所持している。
封印や回復といった補助用のコードキャストを所有。
銃器やナイフといった暗殺用の道具を所持している。
【人物背景】
西欧財閥直轄の組織に所属する殺し屋。
西欧財閥の筆頭であるレオナルド・ビスタリオ・ハーウェイとは異母兄弟に当たるが、互いに肉親の情はない。
西欧財閥直轄の組織に所属する殺し屋。
西欧財閥の筆頭であるレオナルド・ビスタリオ・ハーウェイとは異母兄弟に当たるが、互いに肉親の情はない。
デザインベビーの失敗作として生を受けた経緯があり、「利益を生まない」として廃棄されてきた。
生き延びたいという執念で、対テロ部隊の隊長にまで登り詰め、ハーウェイに敵対する勢力達の掃討・鎮圧する暗殺者として知れ渡る存在となっていった。
生き延びたいという執念で、対テロ部隊の隊長にまで登り詰め、ハーウェイに敵対する勢力達の掃討・鎮圧する暗殺者として知れ渡る存在となっていった。
生存価値もなく、「レオを勝利させる」という義務感のためだけに生きているため、人間性を捨てた冷徹非情な人物として映る。
しかし、根は完全に人間性を捨ててはおらず、友として信頼した者には情も厚い。
しかし、根は完全に人間性を捨ててはおらず、友として信頼した者には情も厚い。
【マスターとしての願い】
レオの勝利。それ以外は求めていない。
レオの勝利。それ以外は求めていない。
【方針】
レオ陣営とは同盟を組んでおり、意向・補助に従事する。
傍ら、レオの勝利にとって弊害となり得るマスター達を排除していく。
レオ陣営とは同盟を組んでおり、意向・補助に従事する。
傍ら、レオの勝利にとって弊害となり得るマスター達を排除していく。
【ロール】
D-4地区黒いビルの大企業に属するエージェント。
D-4地区黒いビルの大企業に属するエージェント。
【把握媒体】
「Fate/EXTRA」など。
「Fate/EXTRA」など。