自室のソファに寝かせたエミリコを落ち着かせると、ケイトは静かに口を開いた。自らの従者へ、シャドー家に対する不信を口にする。初めて会った頃、シャドー家に仕える事に疑問を抱いた風でない彼女が信用できなかった。
しかし、それは本人の意思による物ではないとわかった。彼女は"珈琲"によって、忠誠を植え付けられ、自分と過ごすうちに本来の心を取り戻していったのだ。
「私(ケイト)は偉大なるおじい様に対抗したい」
シャドーにとっても、エミリコ達"生き人形"
達にとっても、館は牢獄なのだ。エミリコが顔の見えない人形から渡された光る石を持ってきて、聖杯戦争なる催しに招かれたのは見様によっては幸運と言えた。
達にとっても、館は牢獄なのだ。エミリコが顔の見えない人形から渡された光る石を持ってきて、聖杯戦争なる催しに招かれたのは見様によっては幸運と言えた。
「ケイト様、本当に聖杯戦争に参加するのですか?」
「不安なの?」
「はっ、あの…もしケイト様に万が一があったらと思うと心配で…」
「わかるわ。私(ケイト)も命をかけた戦いなんて経験ないもの」
「不安なの?」
「はっ、あの…もしケイト様に万が一があったらと思うと心配で…」
「わかるわ。私(ケイト)も命をかけた戦いなんて経験ないもの」
教会を出ると、日の暮れつつあるシティが2人を迎え入れた。自宅に向かう道すがら、共に招かれたエミリコにケイトは不安を打ち明ける。2人が一度に招かれた事に監督役の神父も面食らっていたようだったが、ケイトからすれば共に招かれて当たり前だ。
彼女を含むシャドー一族は顔がない。
顔、手足、それらが真っ黒でまるで影のよう。第三者には判別が難しいため、一族は"顔"の役割を果たす生き人形をそばに置いている。
顔、手足、それらが真っ黒でまるで影のよう。第三者には判別が難しいため、一族は"顔"の役割を果たす生き人形をそばに置いている。
割り当てられた自宅に帰り、ケイトは情報収集に励む。彼女のような顔のないNPCもシティには用意されており、彼らは『シルエット症候群』なる難病の患者で、普段は顔の役割を担うマスクを着けて生活しているらしい。ケイトの自室でも同様のものが見つかった。
さらにシティ内には獣のような者、羽根の生えた者など亜人種も住んでいる事が、家に向かう際に確認できた。さほど自分も目立たずに済むようだ。
「明後日から学校よ。用意を忘れないで」
「はい!学校ってどういうところなんでしょう?」
「はい!学校ってどういうところなんでしょう?」
ケイトとエミリコはこれから学校に通う事になる。教養を求められる身分ではなかった為、ついていくのが大変だろうとケイトは心配だったが、エミリコの方は勉強よりもケイトと離れる事の方が不安だった。
「私は平気よ、このマスクがあるから」
「わぁっ!顔がありますよ、ケイト様!このマスクがあれば、お顔が見えますよ!」
「そう?喜んでくれてよかったわ。それと、私達には姉妹のロールが与えられているのだから、聖杯戦争の間はケイト様ではなく、姉さんと呼ぶよう癖をつけておきなさい」
「わぁっ!顔がありますよ、ケイト様!このマスクがあれば、お顔が見えますよ!」
「そう?喜んでくれてよかったわ。それと、私達には姉妹のロールが与えられているのだから、聖杯戦争の間はケイト様ではなく、姉さんと呼ぶよう癖をつけておきなさい」
ケイトが注意すると、エミリコは嬉しさと畏れ多さに狼狽える。不安なのは苦笑するケイトも同じだ。サーヴァントが守れるのは片方だけ。招かれる前と同じように"顔"の役割を任せていた場合、日中は窮屈な思いをさせただろうが、エミリコを守る分には、そちらの方が都合が良かった。
(マスターは私だけど、エミリコが巻き込まれる可能性はある)
サーヴァントを思い出す。鋭い目尻の若い青年。知性を感じさせる広い額、後ろに流した頭髪は篝火のように立っている。かつて強い意思を映しただろう両の瞳は、今は狂気に濁っている。
バーサーカー、禊白斗は幼少期にヒーローに憧れつつも、学童時代にそんな物は存在しないと痛感。せめて誰かを救える存在になろうとした禊は、正義を実現する"壊人戦士"の力を手に入れた。
しかし、生前は失敗に終わった。
正義や平和を掲げた挙句、ついてきた人々を死なせてしまった。人間というのは"自分の平和"にしか興味がないのだと、敗北してようやく気づいた。
正義や平和を掲げた挙句、ついてきた人々を死なせてしまった。人間というのは"自分の平和"にしか興味がないのだと、敗北してようやく気づいた。
聖杯に招かれた瞬間、彼の心は奮い立った。この救い難い世界から悪意を無くす。望みを持って現世に向かう瞬間、急速に蝕まれていく己の思考から宛てがわれたクラスを悟る。まとまった思考が消え、最後に残ったものは"誰よりも強く在る"という欲求だけであった。
【サーヴァント】
【CLASS】
バーサーカー
【CLASS】
バーサーカー
【真名】
禊白斗
禊白斗
【出典】
ジャガーン
ジャガーン
【性別】
男
男
【ステータス】
筋力A 耐久A 敏捷B 魔力B 幸運B 宝具B(ミソギデオン)
筋力A 耐久A 敏捷B 魔力B 幸運B 宝具B(ミソギデオン)
【属性】
秩序・狂
秩序・狂
【クラス別能力】
狂化:B
全パラメーターを1ランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。
狂化:B
全パラメーターを1ランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。
【保有スキル】
扇動:C
大衆・市民を導く言葉と身振りの習得。
特に個人に対して使用した場合には、ある種の精神攻撃として働く。ただし狂化によって効果が発揮されていない。
扇動:C
大衆・市民を導く言葉と身振りの習得。
特に個人に対して使用した場合には、ある種の精神攻撃として働く。ただし狂化によって効果が発揮されていない。
英雄願望:B
誰よりも強く在る、という存在意義。
精神防壁として機能するが、欲望を爆発させる壊人の性質上、狂化スキルを抑えることはできない。
誰よりも強く在る、という存在意義。
精神防壁として機能するが、欲望を爆発させる壊人の性質上、狂化スキルを抑えることはできない。
壊人戦士:B
キチガエルを宿したことで、抑圧された欲望を引き出された壊人。その中でもオタマジャクシ
を宿した者。低ランクの再生を内包する特殊スキル。
キチガエルを宿したことで、抑圧された欲望を引き出された壊人。その中でもオタマジャクシ
を宿した者。低ランクの再生を内包する特殊スキル。
軍隊軍鶏シャモハチ:C
行動を共にする相棒。
禊の霊基と同化しており、契約による供給、魂喰い、令呪などによる魔力の回復効率をランク分上昇させる。ただし、供給が滞った場合、寄生したキチガエルの侵食率が上昇していく。
行動を共にする相棒。
禊の霊基と同化しており、契約による供給、魂喰い、令呪などによる魔力の回復効率をランク分上昇させる。ただし、供給が滞った場合、寄生したキチガエルの侵食率が上昇していく。
【宝具】
『正義の壊人戦士(ミソギデオン)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:− 最大捕捉:1人(自身)
全身機械仕掛け、鋼鉄の筋肉を露出させた人型の異形に変身する。展開した時点でステータスが専用のものに変化。外見に違わぬ頑強さとパワーを備え、タービンやアーム、歯車などを形成して戦闘を行う。狂化スキルにより、機能の大部分が封印されている。
『正義の壊人戦士(ミソギデオン)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:− 最大捕捉:1人(自身)
全身機械仕掛け、鋼鉄の筋肉を露出させた人型の異形に変身する。展開した時点でステータスが専用のものに変化。外見に違わぬ頑強さとパワーを備え、タービンやアーム、歯車などを形成して戦闘を行う。狂化スキルにより、機能の大部分が封印されている。
『世界を救えなかった男(バーサーカー・ミソギデオン)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜20 最大捕捉:40人
霊核が破損した際、一度だけ完全な壊人として復活する。宿したキチガエルに完全に侵食された場合も自動的に展開される。
全身を無数のコードで覆った十数mの巨人と化し、竜や巨人など幻想種の域に達する筋力と耐久力、口腔から射出するエネルギー弾を武器にする。全身のコードを伸ばし、周囲の人間から肉を吸って魔力を回復しながら、目につくものを全て破壊していく。
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1〜20 最大捕捉:40人
霊核が破損した際、一度だけ完全な壊人として復活する。宿したキチガエルに完全に侵食された場合も自動的に展開される。
全身を無数のコードで覆った十数mの巨人と化し、竜や巨人など幻想種の域に達する筋力と耐久力、口腔から射出するエネルギー弾を武器にする。全身のコードを伸ばし、周囲の人間から肉を吸って魔力を回復しながら、目につくものを全て破壊していく。
【weapon】
『正義の壊人戦士(ミソギデオン)』
『正義の壊人戦士(ミソギデオン)』
【人物背景】
寄生生物キチガエルの宿主となり、秘めた欲望が具現化した壊人が現れた舞羽市に存在した壊人戦士の一人。
寄生生物キチガエルの宿主となり、秘めた欲望が具現化した壊人が現れた舞羽市に存在した壊人戦士の一人。
舞羽大学国際学部の大学生3年。自分以外の壊人戦士の存在を知ると、テレビ出演によって、己の正体をカミングアウト。警察ですら歯が立たない壊人と戦う組織『トリプルH』を立ち上げる。
正義感が強い反面、壊人退治を生放送のショーとして流し、所属ヒーローをCMタレントやアイドルとして売り出して彼らの収入を確保するなど狡猾な一面も持つ。
正義感が強い反面、壊人退治を生放送のショーとして流し、所属ヒーローをCMタレントやアイドルとして売り出して彼らの収入を確保するなど狡猾な一面も持つ。
舞羽市民を対象としたキチガエル宿主の検査・隔離を盛り込んだ法案が持ち上がると、国会前での反対デモを扇動。彼ら嘲笑した壊人戦士"松屋町散春"によって、集まっていた支持者達が壊人化すると禊は散春に戦いを挑むが敗れてしまう。磔にされていたところを救出されるも自害。死にきれず完全な壊人となって、絶命するまでの間に多数の犠牲者を出した。
【サーヴァントとしての願い】
正義は負けてはならない。
正義は負けてはならない。
【方針】
優勝狙い
優勝狙い
【マスター】
ケイト・シャドー
ケイト・シャドー
【出典】
シャドーハウス
シャドーハウス
【性別】
女
女
【能力・技能】
シャドー一族という貴族のように暮らす人々の1人。肌が黒く、顔の作り、表情が一切判別できない。ネガティブな感情の時、すすを体から出す。これはケイトの意思でコントロールすることが出来、念力のような現象を起こすことが可能。
シャドー一族という貴族のように暮らす人々の1人。肌が黒く、顔の作り、表情が一切判別できない。ネガティブな感情の時、すすを体から出す。これはケイトの意思でコントロールすることが出来、念力のような現象を起こすことが可能。
【weapon】
『エミリコ』
ケイトに仕える"生き人形"
彼女の身の回りの世話のほか、判別の難しいシャドー一族の顔の役割を果たす。お花畑と呼ばれる程能天気だが、前向きで困っている人を見過ごせず、型に嵌らない行動で時に周囲を動かしていく。
今回の聖杯戦争においてはケイトの妹として、シャドー姓が与えられている。
『エミリコ』
ケイトに仕える"生き人形"
彼女の身の回りの世話のほか、判別の難しいシャドー一族の顔の役割を果たす。お花畑と呼ばれる程能天気だが、前向きで困っている人を見過ごせず、型に嵌らない行動で時に周囲を動かしていく。
今回の聖杯戦争においてはケイトの妹として、シャドー姓が与えられている。
『マスク』
社会生活を営むためのマスク。表情をつける効果があり、シティから支給されている。
社会生活を営むためのマスク。表情をつける効果があり、シティから支給されている。
【人物背景】
シャドー一族の少女。
一族に不信感を持っており、生き人形の正体を知っている彼女は、自分とは違う個我を得ることを願って、お付きに自身の名とは似ないエミリコと名付けた。過ごす時間が長くなるにつれ距離は縮まっていき、成人の儀にあたるお披露目でエミリコが再び忠誠を植え付けられると、機転によって正気を取り戻してエミリコに反乱の意思を打ち明けた。
シャドー一族の少女。
一族に不信感を持っており、生き人形の正体を知っている彼女は、自分とは違う個我を得ることを願って、お付きに自身の名とは似ないエミリコと名付けた。過ごす時間が長くなるにつれ距離は縮まっていき、成人の儀にあたるお披露目でエミリコが再び忠誠を植え付けられると、機転によって正気を取り戻してエミリコに反乱の意思を打ち明けた。
【マスターとしての願い】
偉大なるおじい様の打倒。
偉大なるおじい様の打倒。
【方針】
優勝狙い。
優勝狙い。
【ロール】
シルエット症候群患者の少女。
シルエット症候群患者の少女。
【把握媒体】
鯖はコミックスの3巻から5巻まで。
鱒はコミックスかアニメ。
鯖はコミックスの3巻から5巻まで。
鱒はコミックスかアニメ。