茜色の淡い光に照らされた、黄昏時の図書室。
僕は人の気配を感じて、自身の所有するホテルで連続殺人を行なっていたアメリカ人の事実と作り話について記された本から目を離し、視線を気配の方へと向けた。
僕は人の気配を感じて、自身の所有するホテルで連続殺人を行なっていたアメリカ人の事実と作り話について記された本から目を離し、視線を気配の方へと向けた。
「何を読んでいるんだい?」
僕は無言で質問者に本の表紙を見せる。興味深そうに表紙を見て、「今度読むか」と呟く彼に、僕はNPCでも性格はオリジナルとそれほど変わらないんだなと、改めてそう思った。
彼は僕の親友ということになっているのだが、オリジナルの彼と僕はクラスメイトではあったが、それほど親しい間では無かった。
そんな彼が僕の親友という設定なのは、おかしな事でも何でも無い。彼は確かに、僕と良く似ていて、僕と秘密を共有しているのだから。
彼は僕の親友ということになっているのだが、オリジナルの彼と僕はクラスメイトではあったが、それほど親しい間では無かった。
そんな彼が僕の親友という設定なのは、おかしな事でも何でも無い。彼は確かに、僕と良く似ていて、僕と秘密を共有しているのだから。
「丁度読み終わったところだから」
そう言って本を渡すと、彼は礼を言って受け取った。
本を渡した後、二言三言言葉を交わし、僕は図書室を後にする。サーヴァントなりマスターなりに会えれば良いと、そう思いながら校舎を出る。
本を渡した後、二言三言言葉を交わし、僕は図書室を後にする。サーヴァントなりマスターなりに会えれば良いと、そう思いながら校舎を出る。
鞄に入れて持ち歩いているナイフが乾く音が聴こえた気がした。
予め調べておいた場所へと行く為に駅へと歩き出した僕は、姿の見えない『誰か』の声を聞いた。
【マスター】
頭に直接響く声。鼓膜を震わせる事なく、それでいて肉声よりもはっきりと聞こえる声。
【何でしょうか?】
【初めて出逢った時に聞いておくべきだったが…君は何を聖杯に願うのだ?こうして毎日の様にサーヴァントを求める以上、是非とも叶えたい願いがあるのだろう?
【貴方と同じ事を願いますよ。歴史上の謎である“ジャック・ザ・リッパーの正体“。僕にも非常に関心が有ります】
【ふむ。私の正体を知りたい、か。】
【ええ、純粋に興味本位ですが】
声に依らない会話を続けながら、僕は駅へと歩いていく。目指す場所はストランド街有る廃工場。つい数日前に肝試しに侵入した中学生グループが、女子大生の惨殺死体を発見した場所だ。
死体の状態はかなり酷いものだったらしく、第一発見者の中学生達や、現場に赴いた警官達、身元確認の為に呼び出された遺族といった、死体を見た人達全てが、精神を病み通院しているという。
僕はさっき話した彼のことを思い出していた。もし彼がオリジナルそのままなら犯人はおそらく彼なのだろう。
だが、彼はマスターでは無い事は明白だ。何故ならば─────。
死体の状態はかなり酷いものだったらしく、第一発見者の中学生達や、現場に赴いた警官達、身元確認の為に呼び出された遺族といった、死体を見た人達全てが、精神を病み通院しているという。
僕はさっき話した彼のことを思い出していた。もし彼がオリジナルそのままなら犯人はおそらく彼なのだろう。
だが、彼はマスターでは無い事は明白だ。何故ならば─────。
【何処へ向かっているのだね】
僕の思考は再度の声に中断された。
僕が正直に惨殺死体の発見された廃工場に向かうというと、声の主はとても驚いた様だった。
僕が正直に惨殺死体の発見された廃工場に向かうというと、声の主はとても驚いた様だった。
【やはり、他のマスターなりサーヴァントなりがやったと思うのかね】
それは思わないでも無い…が、僕の目的は全く異なる。僕が廃工場に向かうのは只の─────。
一時間後。僕『達』は目的地の廃工場に居た。僕は廃工場の中を探索し、凄惨な殺人が行われた場所を見つけ出した。
元々は休憩室だったのだろう。複数のベンチが並び、換気扇の真下に灰皿が置かれた部屋。その中央辺りに赤黒い染みが有った。
染みはかなり大きくて、周囲のベンチの脚は元より、壁際に有る灰皿の置かれた台にまで伸びていた。
室内を見回すと、部屋の天井や壁にも同じ染みが付いている。警官達は散らばった死体を拾い集めるのに苦労した─────。という話に納得がいく光景だった。
僕は真っ直ぐ染みの中心部と思しき場所に歩いて行ってそこに立つ。
命の失われた場所に立ち、感触を靴底に感じる……。
此処で一体何が行われたのか、犯人は何を思って其処まで執念深く解体を行ったのか─────。
そんな事を考えていると、また声が聞こえた。
元々は休憩室だったのだろう。複数のベンチが並び、換気扇の真下に灰皿が置かれた部屋。その中央辺りに赤黒い染みが有った。
染みはかなり大きくて、周囲のベンチの脚は元より、壁際に有る灰皿の置かれた台にまで伸びていた。
室内を見回すと、部屋の天井や壁にも同じ染みが付いている。警官達は散らばった死体を拾い集めるのに苦労した─────。という話に納得がいく光景だった。
僕は真っ直ぐ染みの中心部と思しき場所に歩いて行ってそこに立つ。
命の失われた場所に立ち、感触を靴底に感じる……。
此処で一体何が行われたのか、犯人は何を思って其処まで執念深く解体を行ったのか─────。
そんな事を考えていると、また声が聞こえた。
【魔力の気配は感じない。といっても私はキャスターでは無いから、数日前のことでは断言は出来ないが】
【そうですか。】
疑問に思った事を聞いてみる。
【さっき図書室で会った彼。マスターですか】
【いや、サーヴァントの気配は感じられなかった。彼がどうかしたのかね?】
そうだろうと思う。何故なら彼は─────。
【いえ、彼は僕の居た世界のクラスメート『だった』んですよ。此処で起きた殺人事件の様な事をやっているので、もしかしたらと思っただけです】
【ほう、そんな事が有ったのかね。ひょっとして、君が真相を暴いて捕まえたというのかね】
【いいえ、僕が殺して死体は埋めました。数年は見つかる事はないでしょう】
彼の邪悪な魂は僕の鞄に忍ばせてあるナイフへと吸い込まれ、ナイフは乾きを癒した─────また、乾く音が聞こえてきたけれど。
【………………実に平然としたものだ。君にとっては殺人も日々の営みと変わらないのか?】
思いもよらない質問に僕は言葉に詰まった。
【どうなんでしょうね。殺人者なら何人か知っていますが、皆平然としたものでしたよ】
今のところ殺人をしようとは思わない、けれど、もし此処に森野夜がマスターとして来ていたら─────。
【…………………君は─────】
黙ってしまった彼を他所に、僕はまだ見ぬサーヴァントやマスターに想いを巡らせる。
彼等は一体どうして戦おうとするのか?人を殺してまで叶えたい願いがあるのか。
知ってどうこうするつもりも言うつもりもない。只、知りたかった。
彼等は一体どうして戦おうとするのか?人を殺してまで叶えたい願いがあるのか。
知ってどうこうするつもりも言うつもりもない。只、知りたかった。
【それじゃあ観光も終わりましたし帰りますか。良い喫茶店が有るんですよ】
そして彼等にはもう一つ、教えてもらいたい事がある。僕が殺した『彼』や、これから行く喫茶店のオーナーが創り上げた『作品』は、伝説の殺人鬼の『作品』と比べてどうなのか?是非とも教えて欲しい。
【CLASS】
バーサーカー
バーサーカー
【真名】
ジャック・ザ・リッパー
ジャック・ザ・リッパー
【性別】
ー
ー
【出典】
Fate/strange Fake
Fate/strange Fake
【属性】
中立・悪
中立・悪
【ステータス】
筋力: ー耐久: ー敏捷: ー魔力:ー幸運: ー 宝具:B
筋力: ー耐久: ー敏捷: ー魔力:ー幸運: ー 宝具:B
【クラス別スキル】
狂化(ー)
バーサーカーのクラススキルだが、基本属性が狂気の為に反転が起こり封印されている。……しかしその封印は非常に危ういものである。
バーサーカーのクラススキルだが、基本属性が狂気の為に反転が起こり封印されている。……しかしその封印は非常に危ういものである。
【固有スキル】
千貌:A
切り裂きジャックの正体であるとされた職種の人間、物質などに己を変じさせる事ができ、その対象が持つスキルをEランクまで弱体化した状態で行使できる。
切り裂きジャックの正体であるとされた職種の人間、物質などに己を変じさせる事ができ、その対象が持つスキルをEランクまで弱体化した状態で行使できる。
霧夜の散歩者:B
他のクラスで限界した場合に付随する『霧夜の殺人』が変化したもの。夜間に限り同ランクの気配遮断の効力を得る。
他のクラスで限界した場合に付随する『霧夜の殺人』が変化したもの。夜間に限り同ランクの気配遮断の効力を得る。
【宝具】
悪霧は倫敦の暁と共に滅び逝きて(フロム・ヘル)
ランク:A+~E- 種別:対人宝具 レンジ:1 ~20 最大捕捉:ー
「切り裂きジャックの正体は地獄から来た悪魔だった」という説に基づき、その姿を悪魔に変じさせるが、真性悪魔ではなく幻想種としての仮初の存在にすぎない。
この場でジャックが地上に顕現させた地獄に深い霧に未知の青黒い植物や人面の蝙蝠と小鬼達の姿をした炎が出現するが、これは『悪魔という絶対悪による人々の堕落』であり、すべての悲劇と悪意を『どうか悪魔のせいであってくれ』と想像の産物に押し付けるようという、歪んだ願いが生み出したモノである。
その為、周囲の人々が持つ潜在的な恐怖と不安を基盤として、半径5kmの人口密度の高さによって威力が変動し、無人の荒野では大型の猛獣程度の強さにしかならないが、都市部では武闘派サーヴァントに匹敵する強さを持つ。
「切り裂きジャックの正体は地獄から来た悪魔だった」という説に基づき、その姿を悪魔に変じさせるが、真性悪魔ではなく幻想種としての仮初の存在にすぎない。
この場でジャックが地上に顕現させた地獄に深い霧に未知の青黒い植物や人面の蝙蝠と小鬼達の姿をした炎が出現するが、これは『悪魔という絶対悪による人々の堕落』であり、すべての悲劇と悪意を『どうか悪魔のせいであってくれ』と想像の産物に押し付けるようという、歪んだ願いが生み出したモノである。
その為、周囲の人々が持つ潜在的な恐怖と不安を基盤として、半径5kmの人口密度の高さによって威力が変動し、無人の荒野では大型の猛獣程度の強さにしかならないが、都市部では武闘派サーヴァントに匹敵する強さを持つ。
其は惨劇の終焉に値せず(ナチュラルボーンキラーズ)
ランク:B
種別:対軍宝具
レンジ:-
最大捕捉:-
ランク:B
種別:対軍宝具
レンジ:-
最大捕捉:-
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:ー 最大捕捉:ー
「切り裂きジャックは一人ではなく、集団だった」という説に基づいた宝具。
マスターの魔力量によって、多数の分身を造ることが出来る。分身はどれもが本体であるとも言え、最後に残った一体が自動的に本体になる。おまけにどれだけ殺されても魔力が消費されるだけで実際のダメージは皆無。『千貌』と併用し、全く同じ人間の分身を多数存在させることも可能。
なお、最大数はマスターの魔力量によって依存し、強力な存在に変じるとその分だけ分身の数は減少する。また、『悪霧は倫敦の暁と共に滅び逝きて』と併用できる。
『Fake』におけるマスターであるフラットと組み合わせた場合、最大512人まで分身、『悪霧は倫敦の暁と共に滅び逝きて』と併用した場合でも軽く200体を超える。
が、今回の聖杯戦争ではマスターが一般人な為に、最大で5人。『悪霧は倫敦の暁と共に滅び逝きて』と併用した場合では1体が限界。
「切り裂きジャックは一人ではなく、集団だった」という説に基づいた宝具。
マスターの魔力量によって、多数の分身を造ることが出来る。分身はどれもが本体であるとも言え、最後に残った一体が自動的に本体になる。おまけにどれだけ殺されても魔力が消費されるだけで実際のダメージは皆無。『千貌』と併用し、全く同じ人間の分身を多数存在させることも可能。
なお、最大数はマスターの魔力量によって依存し、強力な存在に変じるとその分だけ分身の数は減少する。また、『悪霧は倫敦の暁と共に滅び逝きて』と併用できる。
『Fake』におけるマスターであるフラットと組み合わせた場合、最大512人まで分身、『悪霧は倫敦の暁と共に滅び逝きて』と併用した場合でも軽く200体を超える。
が、今回の聖杯戦争ではマスターが一般人な為に、最大で5人。『悪霧は倫敦の暁と共に滅び逝きて』と併用した場合では1体が限界。
【Weapon】
千貌により変化
千貌により変化
【解説】
ジャック・ザ・リッパー。ヴィクトリア朝に生きた連続猟奇殺人鬼。
だがこの英霊は、ジャック・ザ・リッパー本人ではなく、ただ恐怖の象徴として、本当の顔も名前も知られぬままに人々から想像され、数多の物語に記された無数の『ジャック・ザ・リッパーの伝説』から形作られたのである。
ジャック・ザ・リッパーとして疑われた者全てであると同時にその「誰でもない」英霊に名前はなく、しかして確かにこの世界に存在した。
ホワイトチャペルと呼ばれる倫敦の一角にある、五人の娼婦を惨殺した者こそが、「切り裂きジャック」であると。
バーサーカーとして召喚されたジャック・ザ・リッパーは、マイナス同士の掛け合わせによって一周回って「精神に破綻を来たしていない、理知的な人格」となっている。
ジャック・ザ・リッパー。ヴィクトリア朝に生きた連続猟奇殺人鬼。
だがこの英霊は、ジャック・ザ・リッパー本人ではなく、ただ恐怖の象徴として、本当の顔も名前も知られぬままに人々から想像され、数多の物語に記された無数の『ジャック・ザ・リッパーの伝説』から形作られたのである。
ジャック・ザ・リッパーとして疑われた者全てであると同時にその「誰でもない」英霊に名前はなく、しかして確かにこの世界に存在した。
ホワイトチャペルと呼ばれる倫敦の一角にある、五人の娼婦を惨殺した者こそが、「切り裂きジャック」であると。
バーサーカーとして召喚されたジャック・ザ・リッパーは、マイナス同士の掛け合わせによって一周回って「精神に破綻を来たしていない、理知的な人格」となっている。
【マスター】
神山樹@GOTH
神山樹@GOTH
【出典】
GOTH
GOTH
【能力・技能】
推理小説の探偵役に該当する為、洞察力と推理力が高い。クラスに自然に溶け込む演技力も相当のもの。pだが、これは意識して行なっているわけではない
推理小説の探偵役に該当する為、洞察力と推理力が高い。クラスに自然に溶け込む演技力も相当のもの。pだが、これは意識して行なっているわけではない
【weapon】
ある連続殺人事件の犯人から譲り受けたナイフ
ある連続殺人事件の犯人から譲り受けたナイフ
【ロール】
高校生
高校生
【人物背景】
勉強は出来ないが周囲を明るくする雰囲気を持った。人懐っこい子犬の様と評される事もある男子高校生。
実態は人の暗黒面に強く惹きつけられる性質を持ち、周囲で起きる事件の犯人を突き止めても、警察に通報する事なくそのままにしている。これは事件にかかわる動機が『好奇心』による為。もしくは執着している森野夜を他人に殺させない為。
演じているときは『俺』。素の時は『僕』と第一人称が変わる。
作中で事件を解決した後に自殺幇助で1人生き埋めにし、別の事件では犯人とナイフで殺し合って殺害している。
勉強は出来ないが周囲を明るくする雰囲気を持った。人懐っこい子犬の様と評される事もある男子高校生。
実態は人の暗黒面に強く惹きつけられる性質を持ち、周囲で起きる事件の犯人を突き止めても、警察に通報する事なくそのままにしている。これは事件にかかわる動機が『好奇心』による為。もしくは執着している森野夜を他人に殺させない為。
演じているときは『俺』。素の時は『僕』と第一人称が変わる。
作中で事件を解決した後に自殺幇助で1人生き埋めにし、別の事件では犯人とナイフで殺し合って殺害している。
趣味は観光だが、世間一般のものとは違い、人が死んだ場所に立ち、感触を靴底に感じる事。
【聖杯にかける願い】
バーサーカーの正体を知りたい。無論興味でしかないが。
バーサーカーの正体を知りたい。無論興味でしかないが。
【方針】
取り敢えず他のマスターやサーヴァントに何故戦うのかを聞きたい。
取り敢えず他のマスターやサーヴァントに何故戦うのかを聞きたい。