本当にあったら怖い話 「いじめられっこ」

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本当にあったら怖い話 「いじめられっこ」


丫戊个堂主催の「本当にあったら怖い話凸」企画に参加したときのプロットです。



僕の中学の同級生の話です。

僕の中学の同級生に、
みんなから「ブス」とか「汚い」とか、嫌われていじめられてた女の子がいました。
その子の名前を仮に「サタさん」とします。

もう1人同級生で、すごく正義感の強い女の子がいました。
その子の名前を仮に「コクボさん」とします。

サタさんは学校内で無視される系のいじめを受けていました。
同じクラスだけじゃなく同学年全体で誰もサタさんには話しかけないし、
給食とかも1人で食べてるし、サタさんが触った物とかも汚物扱いでした。

ある時の学級会でコクボさんがサタさんに対してのイジメをぶちまけました。
サタさんへのいじめは殴ったり、物を盗ったりみたいなことを伴わなかったので
教師もいじめはないものとして放置していたんですが、
その学級会で「サタさんはみんなに無視されていじめられてます」
ってコクボさんが議題にしました。
それによって、そのことが白日の下に晒されたわけです。

それでそのときの学級会では
誰それがサタさんについて悪口を言ったとか、
誰それがサタさんの持ち物を汚い物として扱ったとか、
何人かがやり玉に挙げられましたが、実際はほぼ全員がサタさんへのイジメに荷担してたんです。

それまで、ほとんどの人は直接的にサタさんをいじめてなくても、
サタさんには誰も話しかけないし、サタさんが触った物に自分から触る人はいなかったんです。

そういう言わば全員が共犯な状態だったんで
学級会で何人かがサタさんいじめの首謀者としてやり玉にあがったんですが
結果的には、その人達が直接的にいじめなくなっただけで
その後、みんながサタさんに積極的に話しかけるようになったわけでもなく、
その学級会はそういうことがあることを晒しただけになってしまったんです。

イジメっていうより、サタさんは汚物として扱うみたいな暗黙のルールの1つになってたんですね。

コクボさんもサタさんに話しかけたり、サタさんの触った物に触ったりしなかったんですよ。
その学級会までは。

その学級会でコクボさんは「私はサタさんと友達なのにひどいことをした」って泣いちゃったんです。

それからはコクボさんはサタさんのことを卒業まで面倒見てあげてたというか、
ただ1人の友達として過ごしていました。

そのことによってコクボさんがみんなからいじめられるようなことはなかったんですが
サタさんへの暗黙のルールの内、特別な機会以外は話しかけないというルールはそれ以降も続いてたので、
結局コクボさんと遊ぶ人も自然と少なくなっていきました。

みんなからは「コクボさんとサタさんはセット」みたいな感じで、ふたりぼっちとして扱われてました。
卒業までずっとそんな感じでした。



そして僕らは中学を卒業し高校生になりました。
僕は2人の進路は知らなかったんだけど、後で聞いたところによると
コクボさんはちょっと家から遠いところにある地方の私立高校に進学したそうです。
サタさんは高校へは進学しなかったそうです。

そして高校2年の夏休みのことです。
朝起きてリビングに行ったところ、

おふくろが
「お前知ってる?コクボさん死んだよ」
「新聞にも載ってるよ」
って言ってきました。

僕は驚いて、新聞を見たんですが確かにコクボさんが載ってました。

新聞によるとコクボさんは40代の妻子ある男性と不倫して、
その不倫の末に自動車の中に排気ガスを入れて心中したそうです。
2人がつきあっていたことは周囲の誰も知りませんでした。

コクボさんはちょっと遠い学校に通っていたんですが、
群馬だとそういう遠い学校に通うのはだいたい自転車+電車通学です。
コクボさんも自転車で駅まで行って、そこから電車で学校の最寄り駅まで行くパターンでした。

コクボさんが朝、自転車で駅に向かっていたら、
道を聞いてきたおじさんがいて
そのおじさんの相手をしてたらコクボさんは電車に乗り遅れちゃって
コクボさんはマジメだから駅で途方にくれてたらしいです。
そしたら、そのおじさんがコクボさんを車で学校まで送ってくれたそうです。
それが、その40代の妻子ある男性と知り合った切っ掛けらしいです。
そのおじさんがコクボさんと心中した相手です。


コクボさんとは中学の同級生で近所だし、葬式に行きました。
葬式に行ったら当時のクラスメイトがいっぱい来ていて
そのおじさんと知り合った切っ掛けの話を聞いたりとか
「コクボさんみたいなまっすぐな人が不倫なんて考えられないよね」
みたいなこと言ってる子とか
「すごいマジメな子だから、適当にできなくて心中までいっちゃったんだね」
みたいに言ってる子もいました。

その葬式にはサタさんも来てたんですが
サタさんには中学の時、コクボさんしか友達いませんし
「サタさんも唯一の友達だったコクボさんがこんな死に方しちゃってショックだろうね」
みたいな話はみんなしてたんですが
サタさんは高校にも進学してないから高校からの知り合いも誰もいなくて
やっぱり誰もサタさんには話しかけませんでした。

サタさんも1人で葬式に来て、1人でお焼香して、そのまま1人でしょんぼり帰って行きました。



ここでまた話は飛びます。

その後、僕は地元の大学に進学しまして
その頃のアルバイト先の先輩に
「かわいい子がいる」
って言われて飲み屋につれてってもらいました。

その先輩の言う「かわいい子」は僕の中学の同級生でした。
その子のことは仮に「ナカムラさん」とします。

ナカムラさんは中学の時、不良グループに属していました。
不良グループのリーダーとつきあってたんです。
僕とは全くコミュニティが違うから、ナカムラさんとは中学から一切話したことはありませんでした。
ナカムラさんはかわいいんですが、ちょっかいだして不良に絡まれるのはイヤでした。

でもその時は、もうその不良とは別れていて
かわいいですし、飲み屋の女の子だから一生懸命口説きましてデートの約束とりつけて、デートに行ったんです。

そのデートのときに聞いた話なんですけど。


サタさんは中学を卒業した後、すぐに歳をごまかして夜の街で働いてたらしいんです。

中学ではブスとか汚いとかいじめられていましたが
若い女の子が夜の街に出ればそれなりにモテるじゃないですか。

サタさんは人生で初めてちやほやされて、認められて嬉しかったんだと思います。
お店に来てた人でタチの悪いヤクザとつきあいはじめたそうです。


ナカムラさんには中学の頃の不良の彼氏がいて、その人も中学してすぐにヤクザになったんです。
サタさんがつきあってたヤクザとナカムラさんの彼氏は同じ事務所で知り合いだったんです。
だからナカムラさんもそのあたりの事情に大分詳しくて、サタさんとコクボさんについて僕が知らないことをいろいろと知っていました。



ナカムラさんからはそのとき
「誰にも言わない、詮索しない、と約束して」
と念を押され、2つの秘密の話を聞きました。



1つはサタさんの気持ちです。

サタさんは、コクボさんのことを友達だと思ってたどころか、ずっと恨んでたそうです。
「あいつのせいで私は恥をかかされて人生がめちゃくちゃになった」
「マジメぶって余計なことをしやがって」
「いつか身の程を思い知らせてやる」
って言っていたと聞きました。



もう1つはコクボさんが心中した相手のことです。

コクボさんが心中した相手のおじさんとサタさんは知り合いでした。

おじさんはサタさんの彼氏のヤクザから多額のお金を借りていて
その金額はおじさんが内臓を売ったり、
自殺して保険を使っても払いきれるかどうかみたいな金額だったそうです。

サタさんの彼氏は、おじさんの家庭に対し追い込みをかけると脅迫をしていて
奥さんや子供に迷惑をかけたくないおじさんは、ヤクザの言いなりで何でもする状態だったそうです。



ナカムラさんからは、その2つの秘密の話がどういう意味か、
それによってどういうことがあったのかは教えてもらえませんでした。






これで僕の話は終わりです。次に話をしてくれるのは誰だ。


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