川浜透子

川浜 透子(かわはま とうこ、1994年6月2日 - )は、横浜アクアマリンズに所属したプロ野球選手(内野手)。


概要

所属 横浜アクアマリンズ
背番号 5
国籍 日本
出身 神奈川県川崎市
生年月日 1994年6月2日
身長 182cm
体重 78kg
投打 右投左打
血液型 A型
プロ入り 2012年ドラフト3位
PL YBF
球歴 御幸高等学校横浜アクアマリンズ(2013-2022)

経歴

プロ入り前

高校二年生時に県大会の奪三振記録を塗り替えたことから奪三振女王と呼ばれるようになり、三年生時には神奈川県大会にて姫ノ島美晴(現熊本シルフィード)率いる姫ノ島女子学院を完封した事もあり、奪三振女王という二つ名が飾りではない事を証明したものの、全国大会優勝を逃した。
ドラフトで横浜アクアマリンズに指名された直後のPGBファン感謝祭ではドラフト選抜チームの一人として登板し、二軍選抜を1回0自責点2奪三振に抑える事で期待に応えた。

横浜アクアマリンズ入団後

ルーキーイヤーである2013年シーズンが開幕してしばらくは、被弾するなど不調が目立っていたが中継ぎで結果を出し、6月23日には透野紗々恵とのバッテリーをついに公式戦で実現させて初先発初勝利を記録したものの、好不調の波が激しくノックアウトも経験するなど期待された投球のできない日々が続き、登板間隔の関係で二軍落ちを経験。
規定投球回到達者でワーストの防御率という結果は、高校時代奪三振女王と呼ばれた彼女にとっては屈辱的なものだったのは間違いなかった。しかし、打って変わって2014年シーズンは開幕から好投を見せる。
シーズン初登板となった4月16日の対熊本シルフィード戦で初完投を記録すると、5月18日の広島レッドリーブス戦では初完封を記録し、5月4日の対東京フレイズ戦での勝利も含め三連勝と昨季とは売って変わり、チームの先発ローテに欠かせないイニングイーターとして活躍し、2014年に初開催となったPGBのオールスターではファン投票でマーメイド・リーグ先発投手部門にて一位となる。
そしてシーズン完投数4で迎えた8月17日の対熊本シルフィード戦で完投数を5に増やし、広島レッドリーブス花井香織投手が持つPGBのシーズン完投記録4を更新した。
2014年シーズンは2013年とは違いシーズン通してローテを守りきったからか終盤戦は失速するも、あらゆる面で昨季よりも数字を向上させ、ローテの中心投手の一人として活躍した。
先発ローテーションの柱として期待されて迎えた2015年シーズンは、広島レッドリーブスとの首位攻防戦に多く先発するも、対広島戦での成績は1勝2敗と振るわず、チームの対広島の対戦成績こそよかったが首位の座を逃す。しかしながら、四球が少なく自滅しない安定感を見せる等、丁寧な投球を見せ投球の幅が広くなる等の成長も見られた。また、奪三振数、率こそ落としたがリーグ最多タイの奪三振を記録し、初の最多奪三振を獲得する等、高校時代の異名の一つ「奪三振女王」の名に恥じぬ結果を残した。
2016年には、昨季最多勝の法条径、競合ドラ1の甘楽氷柱、チームを長年支えたエース馬家壮らと通称「横浜先発四天王」を結成、チームとしては2013年以来のリーグ優勝及び2012年以来の日本一に向けての必勝態勢を敷く。
透子自身、シーズン前半戦は好調が続き、無敗の5連勝を記録しチームも首位をキープしていたが、後半に失速。勢いに乗る熊本との直接対決に先発し、透子の連勝が途切れるとともに首位の座を明け渡し、リーグ優勝を逃す結果に。個人としては最多勝も悔しいシーズンとなった。
2017年は札幌ホワイトエンジェルス,
名古屋CキャッツのPGB加入による戦力大量放出もあり、投球イニングを7回/1試合での中3試合を徹底し10試合先発。チーム最多67回1/3を投げて無与四球という規定投球回到達者におけるアンタッチャブルレコードを達成するなど、このシーズンも個人としては十分な実績だが、勝ち星には恵まれずルーキーイヤー以来の負け越し、自己ワーストの6敗をマーク。チームも最下位に沈み、チームの身売り報道などもあり不本意な1年となった。
そんな騒動の後に迎えた2018年シーズン。大型ドラ1ルーキー桜葉ジュンと大阪から加入した羽田色、昨季好調だった高垣渚らで先発ローテーションを組み、2016年を彷彿とさせる必勝態勢で臨むシーズンとなった。
桜葉、羽田や札幌の唐澤博美の好調ぶりに埋もれ、タイトル争いには加わる事はなかったものの、防御率2点台弱をキープしチームに貢献。4勝4敗と勝ち星は恵まれなかったが、チームは2013年以来のリーグ優勝を果たし、プレーオフも突破しチャンピオンシップに進出。
その第1試合に先発。相手チームは先発と4番に元チームメイトの甘楽、豊川らを揃えた名古屋Cキャッツ。この大舞台で8回終了時まで無被安打無与四死球というパーフェクトを継続するも、9回に被安打を許し、10回に後続が打たれ9回無失点で勝ち負けつかず。続く第2試合も横浜が連敗した事で、日本一を目の前で逸する事となった。
また、2018年シーズンを最後に投手としての引退を表明し、野手に転向。この時点で通算19勝21敗と通算20勝手前での引退には賛否があったが、これには「壊れても良いならできるが、多方面に迷惑がかかる。別の形でチームに貢献したい」と回答しており、投手復帰は「絶対にない」ともしている。

プレースタイル

投球

高校時代は大きく豪快なワインドアップ・スリークォーターから高いレベルのストレート、スライダーを武器としており、ルーキーイヤーも期待が大きかった。しかし、2013年は大きくスライドするが故にコントロールが難しく甘く入ったスライダーを狙われる傾向にあった。
2014年シーズンはチェンジアップやツーシームも効果的に使った場面が多く、WHIPを大幅に改善した。
また、2015年シーズンでは制球力に磨きがかかり、制球力を大きく表すとされる指標K/BBの値は優秀とされる3.50を大きく上回る6.22をマークし、実働6年の通算でも5.03を記録する等、コントロールを武器としていると言えるレベルにまでなったと言える。

守備

大きく豪快な投球モーションの弊害から守備の姿勢への移行が遅れ、打球反応に難がある。しかしながら、プロ入り前は野手として公式戦に出場した事もあり、その際にはフィールディングも高評価であった。
2014年シーズンからは松原玲奈コンディショニングコーチの指導もあってか、豪快ながら大きすぎない投球モーションへと移行、致命的な弱点とされていたクイックモーションも同様に改善された。
2019年シーズンからは学生時代ぶりの内野手に復帰。シーズンオフに多摩川河川敷で守備の練習をしている姿が目撃されている。

打撃

PGBにおいて投手は打席に立たない指名打者制度が採用されているため、今後打撃を披露する事はないが高校時代は弱小校ながらも四番を任されるなど、打撃にも定評があったものの、右打ちを苦手とするなど細かいバットコントロールは本職には敵わないとの評価も多い。

人物

大のベイスターズファンで、ベイスターズの応援は趣味であり義務と語る。2012年のドラフト前に行われた希望球団についてのインタビューで「ベイッ」という迷言を残している(ベイスターズ、と言いかけたようだ)。
川崎市出身だが、頑なに横浜市民だと言い張る定番の持ちネタを持つ。割と素で言い放っているとは、相棒の透野紗々恵の談。また、クールで自信家というイメージを与えやすい受け答えが多い彼女だが、チームメイトからの証言で意外とマイナス思考である事が明かされている。
チームメイトの豊川結華選手とは2013年の練習時に致命的な対立があり、2014年春キャンプでは豊川率いるチームの一員として登板するも打者一人と対戦した後に口論となり、降板するという事件も起こしている。
好敵手は誰か、という問いには姫ノ島美晴選手の名前を挙げる事が多いが、高校時代に始めて好敵手だと認識した相手は越ケ谷美咲であると2014年オールスター前の取材で答えている。

詳細情報

年度別投手成績

年度 所属 規定 試合 S H 完投 完封 先発 QS 完了 防御率 投球回 打者 被安 被本 奪三 与四 与死 敬遠 失点 自責 WHIP
2013 横浜 11 1 5 0 1 0 0 8 3 0 5.56 55 264 74 5 56 26 4 0 37 34 1.82
2014 横浜 8 4 3 0 0 5 1 8 6 0 2.69 67 262 50 4 69 18 2 0 20 20 1.04
2015 横浜 8 3 2 0 0 2 1 8 6 0 2.87 62 2/3 255 60 7 56 9 1 0 20 20 1.10
2016 横浜 7 6 1 0 0 3 0 7 5 0 2.73 56 218 40 4 42 7 1 0 18 17 0.84
2017 横浜 10 1 6 0 0 0 0 10 8 0 2.41 67 1/3 271 73 5 64 0 0 0 19 18 1.08
2018 横浜 9 4 4 0 0 0 0 9 7 0 1.77 56 219 45 3 56 8 0 0 12 11 0.95
通算:6年 53 19 21 0 1 10 2 50 35 0 2.97 364 1489 342 28 343 68 8 0 126 120 1.13

年度別野手成績

年度 所属 規定 試合 打率 打席 打数 安打 塁打 単打 二塁 三塁 本塁 打点 凡打 四球 死球 敬遠 犠打 犠飛 三振 併殺 失策 盗塁 盗失 出率 長率 OPS
2019 横浜 × 39 .291 111 103 30 44 20 8 0 2 8 58 5 2 0 0 1 10 5 1 1 1 .333 .427 .761
2020 横浜 × 37 .252 123 107 27 43 19 4 0 4 17 60 12 0 0 2 2 15 5 1 0 1 .322 .402 .724
2021 横浜 39 .313 153 134 42 53 36 3 1 2 18 68 19 0 0 0 0 21 3 0 0 0 .399 .396 .794
2022 横浜 40 .307 186 166 51 55 48 2 1 0 14 93 16 4 0 0 0 19 3 0 1 0 .382 .331 .713
通算:4年 155 .294 573 510 150 195 123 17 2 8 57 279 52 6 0 2 3 65 16 2 2 2 .364 .382 .747

表彰

  • 最多奪三振(2015)
  • 最多勝利(2016)

記録

初記録

節目の記録

背番号

  • 21(2013-18)
  • 5(2019-2022)

登場曲

  • 羅針盤 /Asian Kung-Fu Generation (2017-2018)
  • 夢見台 /いきものがかり(2019-)

能力推移

年度 速球 球威 変化 制球 体力 守備 ピン 対左 打強/特1 クイ/特2 総合
2013 17/A - 15/B 15/B 15/B 7/E 3 3 3 1 785/C
2014 18/A 14/C 17/A 17/A 17/A 11/D 4 4 4 3 153/S
2015 19/S 12/C 17/A 19/S 17/A 11/D 4 4 4 3 160/S
2016 19/S 13/C 18/A 19/S 17/A 9/D 4 4 4 3 165/S
2017 20/S 12/C 19/S 19/S 15/B 10/D 3 4 4 3 165/S
2018 20/S 12/C 19/S 19/S 14/C 10/D 3 3 奪三振 打強○ 165/S

年度 パワ ミー 選球 走力 送球 守備 特1 特2 特3 特4 捕手 一塁 二塁 三塁 遊撃 左翼 中堅 右翼 総合
2019 12/C 16/B 20/S 15/B 14/C 19/S 守備職人 - - - 18 19 153/S
2020 15/B 16/B 19/S 15/B 15/B 19/S 守備職人 アーチ - - 15 14 19 14 165/S
2021 12/C 19/S 16/B 15/B 15/B 19/S AH 守備職人 - - 17 19 16 165/S
2022 12/C 19/S 15/B 12/C 15/B 18/A AH 守備職人 - - 15 18 13 149/A

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最終更新:2023年01月19日 23:56