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作品
無題
107 名前:名前はいらない[] 投稿日:02/10/29 17:01 ID:FyYlTLA7
おいらの爪に似てるって
ご主人様が言ってたよ
集会場に行くまでの距離
いつも見守ってくれてたんだね
空なんか見ないから気付かなかった
でもどうしておいらの爪に似てるって
ご主人様は言ったんだろう?
君はまぁるくて輝いていて
ちっとも似てやしないのに
本当、ちっとも似てないじゃん
笑っちゃうだろ?
ひんやりしたいつものアスファルト
君が照らしてくれるから
何だか暖かい気がしてきたよ
もうすぐいつもの集会場
あいつら気付いてたかなぁ
君がいつもそこにいる事
君といつも歩いてる事
知らなかったら教えてやろう
ついでにご主人様の話もしよう
きっと今日の集会は楽しくなるぞ
【コメント】
【得点】 0点
無題
108 名前:名前はいらない[] 投稿日:02/10/29 17:04 ID:FyYlTLA7
早足でテクテク歩く
初めてのキスの帰り道
思い出しながら
にやけたりしながら
ふと見上げる
今日の月はとてもキレイ
【コメント】
【得点】 0点
猫と月光
109 名前:猫と月光1[sage] 投稿日:02/10/29 17:17 ID:EpvTxROu
ライブハウスを出た
耳がキーンとしてて
それはとてもなつかしかったけれども今のボクにはふさわしくない様子、またそのもの。
あの娘はまだライブハウスの中にいた
「先に出てる」と言ったら、一瞬だけ振りかえってうなずいて
次の瞬間にはもう
踊ってた。
薄暗いライブハウスの中で、
皆がぶつかり合い攻めぎ合いしてるその中に
あの娘は消えた
仕方ない、あの娘がずっと楽しみにしてたライブだもの
途中で出てきちゃったりしちゃって、嗚呼ボクは昔からそうだ
場をシラけさせる才能に恵まれている。
110 名前:猫と月光2[sage] 投稿日:02/10/29 17:18 ID:EpvTxROu
それでもボクはいつでも大抵、我慢して生きてきたつもりだ
なるべく人を傷つけぬよう、
なるべく誤解して相手を受け取らぬよう。
嗚呼、地球は丸いんだよって、
昔、死んだおばあちゃんが俺に教えてくれたっけ
なら、どこまで歩いてもどこへも行けないのかしら?
この酔っ払いたちのゲロにまみれた裏通りを抜けて
いつか明るい表通りへ出たとしても
その道はまた、嗚呼、先生!
どこまでも続くあの線路は、一体どこまで続いているんですか?
チッ、しけてる
何もかも、俺も、あの娘も、自販機も、夜も。
111 名前:猫と月光3[sage] 投稿日:02/10/29 17:20 ID:EpvTxROu
今夜ライブハウスから出てきたあの娘をいきなり殴り飛ばして
「別れよう」って言ったってきっと何も変わらない
誰かが叫ぶ「愛が全てだ」
ああ、愛もある。愛はある
そうさ、ボクは愛を知っている
アレはいい、気持ちいい
アレの為にならボクは全てを投げ出してこの身を捧げたって
構わないって思ってるんだ
だけど愛は状態だ、アレは行為じゃない
だからボクは退屈する。
だからボクは退屈する。
112 名前:猫と月光 完[sage] 投稿日:02/10/29 17:21 ID:EpvTxROu
100円馬券も買えないままに最終のレースは終わり
そう、ボクは結局何物にも賭けることの出来ないまま
家に帰り、チキンラーメンに湯を注ぎながら
夜明けを憎む。
見知らぬ公園のベンチに座る
ノラ猫がミャー近づいてきてと鳴いてオレの脚に頭をこすりつけている
満月だ
ノラ猫の脇を抱えあげ、高い高いしてみる
毛先が月光に照らされて綺麗だ
抵抗を知らぬノラ猫がミャーと鳴く
オレも何となくミャーと言ってみる。
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月が見る
114 名前:月が見る[sage] 投稿日:02/10/29 22:20 ID:3z4l0eaF
太陽 食べられた 赤い輪っか ピッタリ
ああ そうそう こいつが見たかったんだ
おれには青い炎が見える めらめらと
光の中に影がおさまって
ひとときのシンメトリが見たかったんだ
おれたちは一直線に並んだんだ
おれが まわって まわりを まわって そのまま まわって ぜんぶが まわって
点Oはおれの中に 点Oはおまえの中に 点Oはやつのなかに 点Oはブラックホール
あらがおうと もじもじして 圧倒的なブルーの魅力にかなわない
隕石になりたいなんて夢も どっかにいっちまえ!
おれが 引っぱり おまえが 引っぱり やつが 引っぱり ぜんぶが 引っぱり
点Cはおれの中に 点Bはおまえの中に 点Aはやつのなかに 点Oはブラックホール
はなれようと じりじりして 錆びかけの歯車はゆるんでいく
糸が切れたとき おれは自由を手にするのか?
何回まわったんだ?
いったい いつなんだ? 計算はおまえにまかせた
おれは 回転に身をゆだねる ふたたび 待ちこがれながら
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盆上
115 名前:盆上[] 投稿日:02/10/30 04:50 ID:0MXp9DLe
水面に浮かぶ月を柄杓で打ち割る
2発3発と繰り返し叩く
光の混ざった液体は躍動し舞い飛び、頬をつたう
手を止め息を落ち着かせ私は
これで明日も良い人でいられると
そうでなくてはいけないと
自分に言い聞かせる
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【得点】 0点
今宵の月のように
116 名前:今宵の月のように[] 投稿日:02/10/30 10:03 ID:9qq+DKjO
帰り道 白い吐息を弾ませて今日の日を顧みる
前から後ろからざわめく風 宵の明星に手が届きそうな
もう一度手をあげると 自由の橋が遠くで横たわり
目を閉じるともぬけの空 満月の夜に耳を欹てて
世界中の音を集めて 旅立ちのよろこびを 大音量で
理想の波で洗い流された世界よ 昨日の夢はとうに死んだ
ためらいがちに目を逸らす うかばない太陽を抱いて
言葉1つで月が転がる 不安になるならねむってごらん
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ツキテラスヤミノミコト
118 名前:ツキテラスヤミノミコト[] 投稿日:02/10/30 12:04 ID:qdUnbiZU
うそとまことの差というのは
紙一重のタイミングの差と
思惑と誤解の交差点のどこかにあるものだと
知った夜。
幸せそうなあいつらをねたみながら。
おもいっきり笑ってやった。
たまに見せたあいつの笑顔。
どこかうらやましくて、本当の愛の意味を考えさせられた。
いつのまにか偽りで満ちていた自分の心に、
雨戸をかけるかのようにその意味を探し続けていた。
結局、見つけられたのは、精神安定剤を片手にした
さえない詩と自由を唄い続ける貧相な男の姿。
それでも自由という果実は僕を無限色に染め、
すこしだけ僕を謙虚なやつに変えた。
傷つかない成人なんて、この世の中に一人としていようか?
誰一人責めることなく、誰一人損なうことなく。
理解なんてできやしないだろう。お互いに人間なのだから。
それでもね。遠く晴れ渡る月夜を見たとき、
あのときの笑い話はいまもまだ、心の中に生き続けている。
少しだけ後悔しながら、
いまはよかったって思っている。あの時、あせらないであの場所を
離れたことを。
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夜想回帰
120 名前:夜想回帰[] 投稿日:02/10/30 16:40 ID:chIoibso
気配が後退する壁のないドーム、
滑らかなカーヴの一部を見せることではるかな巨きさを思いしらせる天井は、
ある一定の高さを越えたことで私たちに閉塞恐怖の訴えを起こすことを
とっくに忘れさせている。
だから本当のところ、斜視の詩人が言うように、
あの無数の星明りが黒紙の幕に虫ピンで刺した穴から零れる
バックサイドの光の一部なのだと考える人なんてあんまりいない。
はたして閉鎖系の内幕で、展開される筋道の原理が唯一定型であるのか、
或はそれ自体幻惑のひとつに過ぎないのか、
だが議論はそれを予言したアタナシウス派の精霊によって
予め創造された圧倒的質量の魔法によって無力化されて、
図書のインク滲の羅列に只、姿を残すばかりになる。
直角と平行で造られた建築の防備に囲まれて、
私たちの右目が放つ投網は温風の様に対流し、
個人夢想のベクトルと親身に決別しては言葉を探す。
そして私たちはアルミサッシの長方形に切り取られた
無象の世界に片目を手向け、
円い陶器皿に盛られた夕餉に手を伸ばす。
その日のデザートは球状に練られた団子だった。
それが一段ずつ正方形に並べられて、
一辺をひとつづつ少なくして上へ積まれている。
四つの球に支えられた頂上にはお月さまひとつ。
上空に通じてぽっかりと大きな穴をひとつ空けている。
こうして私たちは年一度、天井の向こうを思い出す。
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月と骨琴
131 名前:月と骨琴[sage] 投稿日:02/10/30 20:57 ID:QX/e5ZH3
小川に女の子の死体が流れ着いていて
それを見つけたのは僕だけだったので
誰にも告げずに放っておいたところ
日に日に皮膚が崩れていって
やがて骨だけになったのだが
僕は長い骨と短い骨をより分けて
木槌で何回か叩いて音程を整え楽器を造り
それを骨琴と称することにした
僕が骨琴を演奏するたび
死んだ女の子が泣いてるように思えたけれど
その音楽は森の子供に好評で
僕は夜な夜な大きな切り株の上で骨琴を奏で
それはポプラの天蓋を通して差し込んでくる月明かりと
かなりうまいこと絡み
風景と音楽がよりよく調和することで
何の役にも立たないまま死んだ女の子も
骨琴になれてよかったと思ったりした
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【得点】 0点
最終更新:2006年11月05日 10:31