作成中です・・・
作品
真昼の月
183 名前:真昼の月[] 投稿日:02/11/02 02:35 ID:ytO5dqG5
晴れ亘った空の片隅に
月が
架かっていた
白く透ける横顔
けれど
儚くとも確かに
月は
光っていた
星が全て消えても
青には染まらずに
唯
白く
光っていた
【コメント】
【得点】 0点
ごくありふれた夜のワンシーン
184 名前:ごくありふれた夜のワンシーン 1[] 投稿日:02/11/02 03:15 ID:EfEWvvTp
冬の夜。
冷え切った空気。
ひっそりと静まり返った奥深い森の中。
頼りになるのは月明かり。
そう。
月明かりは大きな助けとなる。
だが1番肝心なのは、オレの鼻と耳。
これがなけりゃ話にもならない。
獲物を察知する、ご自慢のセンサーだ。
ああ、それにしても腹減った。
実はオレ、今日の夕飯はとろくさいネズミを1匹喰っただけだった。
それが災いしたのか、夜になってねぐらに入っても、なかなか寝付けなかった。
そうでもなけりゃ、わざわざこんな寒い中這い出してきたりはしない。
深夜の冬の森は、オレにだってこたえる。
だからさっさと獲物をひっ捕まえて空腹を満たしたい。
おっ。
今日は運がいいぞ。
早速、オレの鼻が獲物を捉えた。
この臭いは十中八九、うさぎだ。
大好物というわけじゃないが、結構美味でおいしい。
決して嫌いじゃない。
よし、やってやる!
そう意気込み、獲物であるうさぎに悟られないようにしながら、臭いの発生源へと向かう。
185 名前:ごくありふれた夜のワンシーン 2[] 投稿日:02/11/02 03:16 ID:EfEWvvTp
今夜は森が明るい。
月のおかげだ。
やつもオレに味方してくれているらしい。
なんともありがたいことではないか。
まさにお月さまだ。
見つけた!
勢い良く伸びた木の根元で、何かを貪るように喰ってる。
やつも腹をすかしていたのか。
ふふ。
幸運の女神はオレにほくそ笑んだ!
悪いが、お前を頂くぜ!
一気に間合いを詰め、そいつの喉笛を噛み切りにかかる。
よほど腹が減っているのか、オレの動きなど微塵も気取る様子がない。
予想通り!
しめた!
もらったぜ!
アタック!
186 名前:ごくありふれた夜のワンシーン ラスト[] 投稿日:02/11/02 03:17 ID:EfEWvvTp
やつはいとも簡単にオレの牙の餌食となった。
きゅうと声をひとつ上げてすぐに絶命した。
オレはこいつの肉をひたすら喰った。
紅い鮮血がオレの白い毛を多少汚したが、そんなのに構うことはない。
満腹だ。
文句なしだ。
「ウゥーーー。」
月に向かって遠吠えをする。
ずっと明るく地上を照らしてくれていた、その感謝の意もこめて。
そうやってひとしきり吠えたあと、自分の胴体を見やった。
さっきの獲物をしとめた際についた血が、なんだか気味悪げに浮かび上がっている。
まっ、いっか。
こんなものは昼の暖かいときに、川にでも入って洗えば済む。
オレはそう自分に言い聞かせ、四本の足で地面を蹴り、ねぐらへと戻る。
月光に勝るとも劣らない、この白い毛並みをたなびかせて。
はは。
オレは仲間によく言われるんだよ、あんたに似てるって。
【コメント】
【得点】 0点
月の籠
187 名前:月の籠 其の1[] 投稿日:02/11/02 04:04 ID:5eVUk0YB
こわい、こわい、かいじゅうが
おつきさまをたべてしまいます
おつきさまがいたい、いたい、とないています
暗い闇が月を包む
闇が、月を侵食していく
体中から滴り落ちた血が、月の姿を隠していく
黒い、黒い、黒い野獣が、月を襲う
体中からだらだらと、流れ出した血が月光を遮る
闇を追い払うために
叫ぶ、音を鳴らす、鳴らす
儀式が始まる
生け贄の少女を月へ
明の明星、宵の明星の赤と黒で少女の身を染め、
高い、高い、高いやぐらのてっぺんに、くくりつけて矢で射抜く
溢れ出た、血液は月への神聖な捧げ物
月への輸血
少しでも高く、少しでも高く
魂が月へ届くように
籠に乗せた死体を燃やす
月の籠にのって死者は星の頂点へ
空高く、高くのぼる
188 名前:月の籠 其の2[] 投稿日:02/11/02 04:08 ID:5eVUk0YB
月が黒い闇に覆われた時、太陽は虹色に輝き、色あせるであろう。
南の星は北極星をたずね、あらゆる星が最期の偉大なダンスを踊りだし、
流星は地上へと降りそそぎ大地をまんべんなく覆う、すべての生命は星となって宇宙へと帰還する。
おつきさまがたべられないように、
きょうもだれかが
つきのかごにのってたびにでるんだ
天体の月よ、見上げる空の果て
金糸の光の籠に包まれて
矢が孤を描く
【コメント】
【得点】 0点
月爆発
190 名前:月爆発[] 投稿日:02/11/02 15:45 ID:4Vl4H5NK
やっぱり月には爆弾を仕掛けるべきだよねぇ?
儚いカオして ずっとそこにある
世紀を越えて 僕らより長生き
ご先祖さまが おさるになったって
きっと同じ月を 見てるんだろう
それが儚い美しさだっていうの?
どうせ大口開けてごはんも食べるし
トイレででっかいうんこだってする
そしていつまでも美容整形の人生に
すがりついてる女みたいなくせに
美人薄命 かくあれかし!
191 名前:月爆発[] 投稿日:02/11/02 15:46 ID:4Vl4H5NK
さあ終末は僕ら自身の手で
行きます 押します
儚いカオに ついにとどめをさします
3 2 1 ひゃほー!
クレーターというクレーターから爆炎を吐き出して
月爆発!
メテオ中心核爆発!
たまや!
どう、みんな?
これが本当の儚い美しさってやつでしょ?
しまった!
太陽がふたつになってしまった!
暑い! 熱いよ! 焼け死ぬよ!
僕らも儚く さようなら
町は崩れて 廃虚となった
すべては儚く 美しかった
【コメント】
【得点】 0点
穴の中
198 名前:穴の中[sage] 投稿日:02/11/02 22:18 ID:mxa+oZgS
真夜中に気付く
黒いゴミ袋の王国
いつか焼却場へ捨てられてしまう
頭上に一つだけあいた
黄色い光を漏らす穴に
一番長いはしごを掛けて
急いで外へ脱出しなくては
【コメント】
【得点】 0点
ジュウゴヤ
201 名前:ジュウゴヤ(1)[sage] 投稿日:02/11/02 23:53 ID:kZambJOL
鍔付きのヘルメットは、夜空が見えないから好きだ
スクーターしか乗らないのは、足を使わなくていいから
ビルの高さまでの視界の街を、いつも通りに駆け抜けて家に帰る
今夜は13番目、かなり真円に近づいている筈
父は今日もまた居間で、何やら書き物をしている
僕は25インチTVモニターの中で、月を飼う
餌は月の模様の入った、蛾だけ
ピンセットでつまんで、モニター内に入れてやると
蛾は自然と、月に吸い寄せられ
ふたつは震えて、ひとつになる
13番目の月は、まだちょっと頭がおかしい
コンピューター・プログラムに、身体を乗せて
今日の仕事も、あと残すは15%
窓の外に、早い闇が降りる前に
黒い街を抜けて帰り着き、人心地
今日の月は、14番目
次の日に絶頂を迎える、一番しあわせな
TVモニターの中で、月は
とても不安そうに、震えている
明日で正常になるのが、怖いのかい?
父は居間で、何やら書き物をしている
202 名前:ジュウゴヤ(2)[sage] 投稿日:02/11/02 23:57 ID:kZambJOL
一ヶ月が嫌いだ、そんな区切りは
地球のまわりを、不吉な岩が一周するだけの
僕にとっては他人事、世界の外の出来事
そんな時間が、「また何もなかった」と僕を苦しめる
コンピューター・プログラムに、身体を乗せて
仕事をするが、気持ちまでが乗らない
今日は15日目、完成の月だから
窓の外、家につづいている道路にばかり目が行く
父が書いているものが、遺書だと知った時は
おかしな気持ちがしたものだ
まだ人生3分の2を過ぎたばかりの父が
毎日、居間で遺書を書いている
今日、帰ったら
月は、はじめに何と喋るだろうか?
明日からは、どんどん大きくなって
喋る言葉も多くなって行くのだろうな
優しい笑顔を、見せてほしい
かわいい言葉を、聞かせてほしい
203 名前:ジュウゴヤ(3)[sage] 投稿日:02/11/02 23:58 ID:kZambJOL
退社時刻になって、急に雨が強く降り出して
スクーターは会社に置いて、バスに乗る
バス停から家まで、10分も足を使わなくてはならないが
仕方ないと諦め、コンビニで黒い傘を買った
小止みになりはじめた雨の中を、うつむいて駆ける
やけに世界が生臭い、やけに気配が赤黒い
水溜まりに何か、赤い塊が映ったような気がして
必死に、遅い足を急がせた
血に濡れた眼球のような塊に、上から
見下ろされているような気がして、遅い足を急がせた
【コメント】
【得点】 0点
紅の月
205 名前: 紅の月[] 投稿日:02/11/03 01:06 ID:nwMWQzt6
熱いしぶきがほとばしる
あいつが容赦なく近付いてくる
紅の色した大きな月が
あたしの命に語りかけ
諭しかけ 丸め込む
ああ いつも逃げられないでいる
【コメント】
【得点】 0点
無色ベルモット
206 名前:無色ベルモット[] 投稿日:02/11/03 01:18 ID:2FwstQ8J
夢なのか現実なのか
確かめもせずにそれをただ見ていた
記憶をたどるふりを繰り返すことと
単位を破滅で希釈すること
(玄関のブザーが覚醒)
四十雀よりも小さな月とそれにレモンを搾る拳と
退屈に喰われた様子でコーヒーを永々とかき混ぜるロバ
不景気が目にしみて思わず竿を落とした自販機に
よってたかって朗読を聞かせたがる哺乳類気取りの廃虫
(場面変わって茶碗の底で)
パパが暗闇でズブリと殺られたら
僕らパパから遺品を貰える
マスカット葡萄や模造の手裏剣
天体望遠鏡やいつかそれに写った記憶や
207 名前:無色ベルモット 2[] 投稿日:02/11/03 01:19 ID:2FwstQ8J
(そして前奏に続いてその道のプロ的な支配が)
かっかっ どーん 萎れる音がこんなだなんて
萎れる花 空き地の闇 僕の鼓動と
かっかっ どーん 喜びが痛い、そう言いたいだけなんだろう
河馬の耳に 空砲の音 この日をどれほど待ちわびたことか
(月の真正面に立つて・・)
言葉はすべて球面へと帰属してゆく色彩であり
無音の闇では国境線の決まりは溶け
平和を祈る嘘の僕は
7分の1といわれる微弱な引力にさえ逆らえずにいる
この世界へ何もかもをこめて
剥がされた消えゆく記憶を祈りに変えて
(ふと鏡を覗いて)
何も写らないと決めつけたのは
夢なのか現実なのか
潮がその方形へと満ちる
足下を守るものは朝
【コメント】
【得点】 0点
月下の夜想曲(×3)
208 名前:月下の夜想曲(×3)[] 投稿日:02/11/03 01:27 ID:LwyksRvP
新月を眺めていた ふと月の雫を口に含み 同じ言葉を月に託す
階下には踊る影 昔見た下弦の月はふたりのベッド 地下室に人形
この屋敷には 蒼い薔薇の雨が降り注いでいる いつものように
白夜にはオルゴールを 夜の深みに堕ちそうにざわめく夜風にも
夢想曲を聴かせて また想い出が空へと還り ふたりの想像を超え
歪曲された記憶の中 選曲されたふたりのハーモニーが曲線を描く
【コメント】
【得点】 0点
Give my heart the moon
209 名前:Give my heart the moon[] 投稿日:02/11/03 02:03 ID:XGGm3wrK
月のきれいなあの川辺で
私はあなたの傍にいながら
いろいろなことを話しましたね
夢中で喋る私の顔を
小さな月は照らしました
あなたは私に頷きかけるのを
小さな月はそっと見ていました
あんなに楽しいことがあった後に
一人であの月を見上げていました
それはきっと哀しい眼差しであったでしょう
月の輝きの満たす夜は
静かに奏でる哀しい旋律
私の心に月の光を
私の心に月の光を
【コメント】
【得点】 0点
最終更新:2006年11月05日 10:35