[ルネ]
「ご苦労様でした、お二人とも」
[舞人]
「ふふん。これくらい、どーってこたないぜ」
[志乃]
「舞人ったら……」
心なしかつやつやした偉ぶる舞人を嗜める志乃。
二人は、ルネーニ王城にいた。
徒歩で3日かかった道のりも、馬車ならばたった1日半の行程。
ラフとぴよ母子に別れを告げ、昼過ぎには王城に帰っていた。
[ルネ]
「確かに、約束の品ですね」
アスキアの街の職人、シャア・キーンから預かった桐の箱の中身を確かめ、満足げに微笑むルネ。
[舞人]
「なぁルネ。気になってたんだけど、それいったいなんだ?」
舞人たちから見えない絶妙な加減で中身を確かめたため、舞人は我慢できずにたずねていた。
シャアから中身はお楽しみと言われていた分、余計に気になる。
[ルネ]
「ああ。これですか」
[志乃]
「舞人……そんな、不躾な……」
[ルネ]
「いえ、構いませんよ。どうせ数日中にはお披露目しますし、あなた方にはそれが少し早まるだけですから」
そういって微笑んだルネは、舞人たちに一歩歩み寄り、無駄に厳かに桐の箱の蓋に手を添えた。
[舞人]
「ワクワク」
[志乃]
「テカテカ」
[ルネ]
「それでは……」
ルネは若干もったいぶりながら、ゆっくりと箱の蓋を開けた。
「ご苦労様でした、お二人とも」
[舞人]
「ふふん。これくらい、どーってこたないぜ」
[志乃]
「舞人ったら……」
心なしかつやつやした偉ぶる舞人を嗜める志乃。
二人は、ルネーニ王城にいた。
徒歩で3日かかった道のりも、馬車ならばたった1日半の行程。
ラフとぴよ母子に別れを告げ、昼過ぎには王城に帰っていた。
[ルネ]
「確かに、約束の品ですね」
アスキアの街の職人、シャア・キーンから預かった桐の箱の中身を確かめ、満足げに微笑むルネ。
[舞人]
「なぁルネ。気になってたんだけど、それいったいなんだ?」
舞人たちから見えない絶妙な加減で中身を確かめたため、舞人は我慢できずにたずねていた。
シャアから中身はお楽しみと言われていた分、余計に気になる。
[ルネ]
「ああ。これですか」
[志乃]
「舞人……そんな、不躾な……」
[ルネ]
「いえ、構いませんよ。どうせ数日中にはお披露目しますし、あなた方にはそれが少し早まるだけですから」
そういって微笑んだルネは、舞人たちに一歩歩み寄り、無駄に厳かに桐の箱の蓋に手を添えた。
[舞人]
「ワクワク」
[志乃]
「テカテカ」
[ルネ]
「それでは……」
ルネは若干もったいぶりながら、ゆっくりと箱の蓋を開けた。
[舞人]
「おお……」
[志乃]
「王冠?」
箱の中には、いかにもなクッションが効いた赤い布が敷かれ、その中心に立派な王冠が鎮座していた。
ルネがいつもかぶっている王冠より、若干装飾が派手目な金の王冠。
だがそれでも下品に見えないあたり、匠の技といえる素晴らしいものだ。
[舞人]
「思わず指で弾いて、いいものだっていいたいな……」
本来、芸術の「げ」の字も理解しない舞人も、その素晴らしさを感じていた。
若干、感じ方がおかしい気もするが。
[志乃]
「ルネさんの新しい王冠ですか?」
[ルネ]
「いえ、違いますよ。さすがに、普段からこういったのは疲れてしまいますから」
ルネから箱を手渡される。
志乃がおっかなびっくり箱を手にすると、さすがに金だけあってずっしりと重い。
ここまで運ぶ間、中に入れてしまえば重量や質量を無視し、なおかつ外部からの衝撃などに影響されないという特性を持つ四次元サイフに入れてきたため、その重さを改めて実感した。
[舞人]
「じゃあ何なんだ? 飾りってわけでもなさそーだし」
[ルネ]
「これはですね、式典用の特注品です。毎年、彼に注文して創ってもらっているんです」
[舞人]
「式典?」
[志乃]
「なにか、祭事でもあるんですか?」
[ルネ]
「うふふ……いいところに気づきましたね」
心なしか機嫌のよさそうなルネ。
[舞人]
「いや、気づくも何も自分で何かあるんですって匂わせまくってるだろ……」
舞人の突っ込みもどこ吹く風か、ルネは上機嫌で志乃の疑問に答えた。
「おお……」
[志乃]
「王冠?」
箱の中には、いかにもなクッションが効いた赤い布が敷かれ、その中心に立派な王冠が鎮座していた。
ルネがいつもかぶっている王冠より、若干装飾が派手目な金の王冠。
だがそれでも下品に見えないあたり、匠の技といえる素晴らしいものだ。
[舞人]
「思わず指で弾いて、いいものだっていいたいな……」
本来、芸術の「げ」の字も理解しない舞人も、その素晴らしさを感じていた。
若干、感じ方がおかしい気もするが。
[志乃]
「ルネさんの新しい王冠ですか?」
[ルネ]
「いえ、違いますよ。さすがに、普段からこういったのは疲れてしまいますから」
ルネから箱を手渡される。
志乃がおっかなびっくり箱を手にすると、さすがに金だけあってずっしりと重い。
ここまで運ぶ間、中に入れてしまえば重量や質量を無視し、なおかつ外部からの衝撃などに影響されないという特性を持つ四次元サイフに入れてきたため、その重さを改めて実感した。
[舞人]
「じゃあ何なんだ? 飾りってわけでもなさそーだし」
[ルネ]
「これはですね、式典用の特注品です。毎年、彼に注文して創ってもらっているんです」
[舞人]
「式典?」
[志乃]
「なにか、祭事でもあるんですか?」
[ルネ]
「うふふ……いいところに気づきましたね」
心なしか機嫌のよさそうなルネ。
[舞人]
「いや、気づくも何も自分で何かあるんですって匂わせまくってるだろ……」
舞人の突っ込みもどこ吹く風か、ルネは上機嫌で志乃の疑問に答えた。
[ルネ]
「実は、年に一度のルネ祭りがあるんです」
[舞人]
「……(゜д゜)」
「実は、年に一度のルネ祭りがあるんです」
[舞人]
「……(゜д゜)」
[ルネ]
「こっち見ないでくださいよ」
などといいながらも、ルネは上機嫌でニコニコと笑っている。
[舞人]
「すまん、もう一度いってくれんか?」
[ルネ]
「ですから、ルネ祭りがあるんですよ」
[舞人]
「……な、なんだその強い自己顕示欲が見え隠れというかモロ見えな恥ずかしい祭りは?」
[ルネ]
「失礼ですね、勇者様。国民のみんなが親しみを込めてそう呼んでくれているんですよ?」
[舞人]
「親しみ……?」
[ルネ]
「ええ。当初はルネーニ建国祭なんて、堅苦しい名前でしたからね。ルネ祭りに改名して以来、規模も集客率も大陸随一です」
心なしか自慢げに胸を張るルネ。
[志乃]
「楽しそうなお祭りですね」
舞人とは正反対に、ルネに同調するように微笑む志乃。
[ルネ]
[ルネ]
「お二人もぜひ楽しんでいってください。いろいろな催しものもありますから」
[志乃]
「はい、是非に」
そういって微笑みあう二人の少女。
[舞人]
「……ていうか突っ込まないのな、志乃は」
一人で突っ込み疲れた舞人は、やれやれとため息をついた。
だが、祭りは祭りで楽しみであることは、あいにく全否定できないのであった。
「こっち見ないでくださいよ」
などといいながらも、ルネは上機嫌でニコニコと笑っている。
[舞人]
「すまん、もう一度いってくれんか?」
[ルネ]
「ですから、ルネ祭りがあるんですよ」
[舞人]
「……な、なんだその強い自己顕示欲が見え隠れというかモロ見えな恥ずかしい祭りは?」
[ルネ]
「失礼ですね、勇者様。国民のみんなが親しみを込めてそう呼んでくれているんですよ?」
[舞人]
「親しみ……?」
[ルネ]
「ええ。当初はルネーニ建国祭なんて、堅苦しい名前でしたからね。ルネ祭りに改名して以来、規模も集客率も大陸随一です」
心なしか自慢げに胸を張るルネ。
[志乃]
「楽しそうなお祭りですね」
舞人とは正反対に、ルネに同調するように微笑む志乃。
[ルネ]
[ルネ]
「お二人もぜひ楽しんでいってください。いろいろな催しものもありますから」
[志乃]
「はい、是非に」
そういって微笑みあう二人の少女。
[舞人]
「……ていうか突っ込まないのな、志乃は」
一人で突っ込み疲れた舞人は、やれやれとため息をついた。
だが、祭りは祭りで楽しみであることは、あいにく全否定できないのであった。
………
……
…
……
…
[ルネ]
「勇者様」
[舞人]
「お? どした、ルネ」
昼過ぎ。
城の厨房を借りて志乃が昼食を作っている間、暇をもてあました舞人にルネは話しかけてきた。
いつも思うが、昼飯時とはいえ王としての職務のほうは大丈夫なのだろうか。
[ルネ]
「大したことではないのですが、勇者様が旅に出ている間、志乃さんと何かありました?」
[舞人]
「はぁ? 何か……って、そりゃまぁ、いろいろとナニかはしてきたけど。それがどーした?」
今更隠し立てしない舞人。
[ルネ]
「ええ……その、お二人の魔力の増加率が、旅に出る以前よりも格段にあがっていたものですから」
[舞人]
「なにぃ!? それは大したことじゃなくないだろ……なんだ、やっぱり戦闘を経験したことでレベルアップ的なことが起こったのか?」
舞人たちがモンスターと戦った肝心な場面はなぜだか記憶に薄いが、自信満々といった具合にルネに詰め寄る舞人。
[ルネ]
「いえ……戦闘で磨かれたというには、上昇率が高すぎるんですよ。ですので、何か特別なことがあったのかと思いまして」
[舞人]
「高いって……どれくらい?」
[ルネ]
「そうですね。一先ずこれまでの上昇値ですが、あと1万と2千倍と教えた日から旅に出る前日までに、1万と1千5百倍ほどになりました」
[舞人]
「ほうほう。1週間で5百倍ほどか……てことは、その調子だとすぐではないがそう果てしなく長いってこともなさそうだな」
思った以上の結果に、志乃との相性を再確認し、そして上昇率の高さも勇者としての素質かと内心で胸を張る舞人。
「勇者様」
[舞人]
「お? どした、ルネ」
昼過ぎ。
城の厨房を借りて志乃が昼食を作っている間、暇をもてあました舞人にルネは話しかけてきた。
いつも思うが、昼飯時とはいえ王としての職務のほうは大丈夫なのだろうか。
[ルネ]
「大したことではないのですが、勇者様が旅に出ている間、志乃さんと何かありました?」
[舞人]
「はぁ? 何か……って、そりゃまぁ、いろいろとナニかはしてきたけど。それがどーした?」
今更隠し立てしない舞人。
[ルネ]
「ええ……その、お二人の魔力の増加率が、旅に出る以前よりも格段にあがっていたものですから」
[舞人]
「なにぃ!? それは大したことじゃなくないだろ……なんだ、やっぱり戦闘を経験したことでレベルアップ的なことが起こったのか?」
舞人たちがモンスターと戦った肝心な場面はなぜだか記憶に薄いが、自信満々といった具合にルネに詰め寄る舞人。
[ルネ]
「いえ……戦闘で磨かれたというには、上昇率が高すぎるんですよ。ですので、何か特別なことがあったのかと思いまして」
[舞人]
「高いって……どれくらい?」
[ルネ]
「そうですね。一先ずこれまでの上昇値ですが、あと1万と2千倍と教えた日から旅に出る前日までに、1万と1千5百倍ほどになりました」
[舞人]
「ほうほう。1週間で5百倍ほどか……てことは、その調子だとすぐではないがそう果てしなく長いってこともなさそうだな」
思った以上の結果に、志乃との相性を再確認し、そして上昇率の高さも勇者としての素質かと内心で胸を張る舞人。
[ルネ]
「ただひとつ申し上げますと、旅に出る前の2日間の成長率は前日の30パーセント程しかありません」
[舞人]
「え……つまりどういうこと?」
ぽかーんとしたマヌケ面の舞人。
どうやら理解できていないようだ。
[ルネ]
「わかりやすくいえば、最初にお二人が始めて肌を重ねたときから数日間は順調に上昇し続けていましたが、旅に出る直前くらいで一気に上昇率が落ち込んでいるのです」
[舞人]
「つまり新商品として入荷したアイテムが初日だけバカ売れして、調子に乗って追加発注したら3日目には売れなくなって大量の在庫を抱えたみたいなもんか?」
[ルネ]
「……その例えは若干違うような気もしますが、言わんとしている事はその通りです」
[舞人]
「それはなにゆえ?」
[ルネ]
「そこは相性によって上昇率が変わるように、理由は各人によってまちまちでしょうけど……」
[舞人]
「まさか、俺と志乃の相性が?」
[ルネ]
「お二人を見ている限りでは、そんなこともないように見えますよ。それに、そうだとしたら旅の期間中の急激な上昇率が説明できません」
ルネはいったん言葉を切って、
[ルネ]
「……勇者様が別の女性とナニかをしていなければ、ですが」
[舞人]
「す、するわきゃねーだろ!?」
[ルネ]
「冗談ですよ。もしそうだとしたら、志乃さんの魔力も同じように急激に上昇してる説明がつきませんから」
[舞人]
「お前なぁ……」
[ルネ]
「おちゃぴぃですよ。それに、日に日に上昇率は落ちているとはいえ、1週間で軽く5百倍になっている事実が相性のよさを物語っていますから」
[舞人]
「……おちゃっぴぃってこれまた微妙な死語を」
もしかしたら、フォスタリアでは今大流行なのかもしれない、などと頭の隅で微かに思う舞人。
[舞人]
「で、相性がいいのは良いことだとして、この旅路3日間でどれくらいまで魔力上がったんだ?」
[ルネ]
「目標まであと1万倍といったところでしょうか」
「ただひとつ申し上げますと、旅に出る前の2日間の成長率は前日の30パーセント程しかありません」
[舞人]
「え……つまりどういうこと?」
ぽかーんとしたマヌケ面の舞人。
どうやら理解できていないようだ。
[ルネ]
「わかりやすくいえば、最初にお二人が始めて肌を重ねたときから数日間は順調に上昇し続けていましたが、旅に出る直前くらいで一気に上昇率が落ち込んでいるのです」
[舞人]
「つまり新商品として入荷したアイテムが初日だけバカ売れして、調子に乗って追加発注したら3日目には売れなくなって大量の在庫を抱えたみたいなもんか?」
[ルネ]
「……その例えは若干違うような気もしますが、言わんとしている事はその通りです」
[舞人]
「それはなにゆえ?」
[ルネ]
「そこは相性によって上昇率が変わるように、理由は各人によってまちまちでしょうけど……」
[舞人]
「まさか、俺と志乃の相性が?」
[ルネ]
「お二人を見ている限りでは、そんなこともないように見えますよ。それに、そうだとしたら旅の期間中の急激な上昇率が説明できません」
ルネはいったん言葉を切って、
[ルネ]
「……勇者様が別の女性とナニかをしていなければ、ですが」
[舞人]
「す、するわきゃねーだろ!?」
[ルネ]
「冗談ですよ。もしそうだとしたら、志乃さんの魔力も同じように急激に上昇してる説明がつきませんから」
[舞人]
「お前なぁ……」
[ルネ]
「おちゃぴぃですよ。それに、日に日に上昇率は落ちているとはいえ、1週間で軽く5百倍になっている事実が相性のよさを物語っていますから」
[舞人]
「……おちゃっぴぃってこれまた微妙な死語を」
もしかしたら、フォスタリアでは今大流行なのかもしれない、などと頭の隅で微かに思う舞人。
[舞人]
「で、相性がいいのは良いことだとして、この旅路3日間でどれくらいまで魔力上がったんだ?」
[ルネ]
「目標まであと1万倍といったところでしょうか」
「おお!? てことは……この3日で軽く3週間分くらい成長したってことか」
[ルネ]
「今の勇者様なら、以前のようにツンデインを使っても気絶することはないでしょう。それどころか、常識を超えた乱発さえ可能です」
[舞人]
「てことは、思いのほか魔王退治も不可能じゃない領域に近づいてきてるのか……」
[ルネ]
「ええ。魔法だけでは魔王に対峙するには力不足でしょうが、魔王が従える四天王には勝てるかもしれませんね」
少なくとも雑魚モンスターには負けることは万が一にもないでしょう、とルネは続けた。
[ルネ]
「実戦で磨き上げればさらに上位のツンデインも使えるようになるのも近いかもしれません」
そろそろ話の流れが危うくなってきたことくらい、鈍感な舞人にも気づけた。
[舞人]
「ちょっと待て! でも俺は魔王なんか……」
[ルネ]
「わかっています。例えばのお話ですよ。それに、勇者様の魔力は上限を超えてプールされている状態ですから」
[舞人]
「あ? どゆこと?」
[ルネ]
「志乃さんとの行為で魔力自体はこれ以上ないほどに増幅されていますが、勇者様の魔力の上限自体は大して成長していないんです」
[舞人]
「上限。つまり最大MPだな」
[ルネ]
「具体的に表現すれば、コップの表面張力みたいなものですね。勇者様の場合、その表面張力で維持されている水の量が尋常じゃない状態なわけですが」
コップの要領を遥かに越える水が表面張力で保たれているという具合で、常識的にありえないような状態のようだ。
[ルネ]
「なので、下手に魔法を使うと水が――魔力が一気に開放されて、なくなってしまう危険性があります」
[舞人]
「……つまり、うかつに魔法を使うとせっかく増幅した分がなくなると」
[ルネ]
「わかっていただけたようで何よりです」
[舞人]
「小出しには出来ないんだな……」
[ルネ]
「それをするには、勇者様の魔法の実力が少々……ゲートを開く分には問題はないのですけれどね」
確かに、開いて固定するために魔力を供給する分にはそれでも問題はないが、攻撃に使うとなれば別問題。
その一発で仕留められなければ、コップに残ったわずかな水だけで敵を退治しなければならない。
[ルネ]
「それで本題ですが」
[舞人]
「あ、ああ。そうだったな……しかし旅の間にしたことといえば……」
真っ暗な中、怖いからという理由から排尿にお付き合いしたり。
野外でセクロスしたり。
公園で膝枕耳かきしてもらったり。
馬車の中でご奉仕してもらったかと思ったら、幼女に志乃がフィストファックされたり。
「……ず、ずいぶん濃厚な旅路だったようで」
頼まれてもいないのに詳細な性行為をぶっちゃけられ、さすがに赤面するルネ。
「今の勇者様なら、以前のようにツンデインを使っても気絶することはないでしょう。それどころか、常識を超えた乱発さえ可能です」
[舞人]
「てことは、思いのほか魔王退治も不可能じゃない領域に近づいてきてるのか……」
[ルネ]
「ええ。魔法だけでは魔王に対峙するには力不足でしょうが、魔王が従える四天王には勝てるかもしれませんね」
少なくとも雑魚モンスターには負けることは万が一にもないでしょう、とルネは続けた。
[ルネ]
「実戦で磨き上げればさらに上位のツンデインも使えるようになるのも近いかもしれません」
そろそろ話の流れが危うくなってきたことくらい、鈍感な舞人にも気づけた。
[舞人]
「ちょっと待て! でも俺は魔王なんか……」
[ルネ]
「わかっています。例えばのお話ですよ。それに、勇者様の魔力は上限を超えてプールされている状態ですから」
[舞人]
「あ? どゆこと?」
[ルネ]
「志乃さんとの行為で魔力自体はこれ以上ないほどに増幅されていますが、勇者様の魔力の上限自体は大して成長していないんです」
[舞人]
「上限。つまり最大MPだな」
[ルネ]
「具体的に表現すれば、コップの表面張力みたいなものですね。勇者様の場合、その表面張力で維持されている水の量が尋常じゃない状態なわけですが」
コップの要領を遥かに越える水が表面張力で保たれているという具合で、常識的にありえないような状態のようだ。
[ルネ]
「なので、下手に魔法を使うと水が――魔力が一気に開放されて、なくなってしまう危険性があります」
[舞人]
「……つまり、うかつに魔法を使うとせっかく増幅した分がなくなると」
[ルネ]
「わかっていただけたようで何よりです」
[舞人]
「小出しには出来ないんだな……」
[ルネ]
「それをするには、勇者様の魔法の実力が少々……ゲートを開く分には問題はないのですけれどね」
確かに、開いて固定するために魔力を供給する分にはそれでも問題はないが、攻撃に使うとなれば別問題。
その一発で仕留められなければ、コップに残ったわずかな水だけで敵を退治しなければならない。
[ルネ]
「それで本題ですが」
[舞人]
「あ、ああ。そうだったな……しかし旅の間にしたことといえば……」
真っ暗な中、怖いからという理由から排尿にお付き合いしたり。
野外でセクロスしたり。
公園で膝枕耳かきしてもらったり。
馬車の中でご奉仕してもらったかと思ったら、幼女に志乃がフィストファックされたり。
「……ず、ずいぶん濃厚な旅路だったようで」
頼まれてもいないのに詳細な性行為をぶっちゃけられ、さすがに赤面するルネ。
[ルネ]
「ですが、可能性のひとつが見えてきました」
「おお、さすがルネだな。して、その可能性とは?」
[ルネ]
「……おそらく、普通の性行為に対する慣れと、それからの脱却、そして強い羞恥が原因でしょう」
「つまりあれか、俺は志乃に飽きたって……こと?」
[ルネ]
「違います。飽きたのではなく、慣れたのです」
こほんと咳払いし、ルネは続ける。
[ルネ]
「恐らく志乃さんは強い羞恥を感じることでより魔力を増幅させる体質なのでしょう」
「ははぁ」
[ルネ]
「初めてのとき、強い緊張と共に羞恥があったのでしょう。それが回数を重ねるごとに羞恥が薄れ、純粋な愛情と快楽へと変わっていき――」
[舞人]
「羞恥を感じるより別の感情を抱けるようになったことで、魔力の上昇がガタ落ちしたのか?」
[ルネ]
「そういうことだと思われます。そして、この旅路での経験は志乃さんの羞恥心を煽るのに値する出来事が多くあったように見受けられます」
その結果、再び急激な上昇率を見せたのだというのが、ルネの導き出した結論だった。
[ルネ]
「つまり」
[舞人]
「恥ずかしいことをすればするほど、魔力はズンドコ溜まっていく!!」
[ルネ]
「……さすがに、そういうことの理解は早いですね」
[舞人]
「うひょー。こいつはwktkがとまらないぜwwww」
[ルネ]
「……あのー。一応、相性には本質もありますが、心と体の相性というものも肝心ですから」
テンションMAX状態の舞人に、控えめに口を挟むルネ。
[ルネ]
「嫌われたら元も子もないこと、忘れないでくださいよ」
[舞人]
「あんなこといいなっ、できたらいいなっ♪」
しかしその忠告が舞人の耳に届いているかは、甚だ疑問であった。
「ですが、可能性のひとつが見えてきました」
「おお、さすがルネだな。して、その可能性とは?」
[ルネ]
「……おそらく、普通の性行為に対する慣れと、それからの脱却、そして強い羞恥が原因でしょう」
「つまりあれか、俺は志乃に飽きたって……こと?」
[ルネ]
「違います。飽きたのではなく、慣れたのです」
こほんと咳払いし、ルネは続ける。
[ルネ]
「恐らく志乃さんは強い羞恥を感じることでより魔力を増幅させる体質なのでしょう」
「ははぁ」
[ルネ]
「初めてのとき、強い緊張と共に羞恥があったのでしょう。それが回数を重ねるごとに羞恥が薄れ、純粋な愛情と快楽へと変わっていき――」
[舞人]
「羞恥を感じるより別の感情を抱けるようになったことで、魔力の上昇がガタ落ちしたのか?」
[ルネ]
「そういうことだと思われます。そして、この旅路での経験は志乃さんの羞恥心を煽るのに値する出来事が多くあったように見受けられます」
その結果、再び急激な上昇率を見せたのだというのが、ルネの導き出した結論だった。
[ルネ]
「つまり」
[舞人]
「恥ずかしいことをすればするほど、魔力はズンドコ溜まっていく!!」
[ルネ]
「……さすがに、そういうことの理解は早いですね」
[舞人]
「うひょー。こいつはwktkがとまらないぜwwww」
[ルネ]
「……あのー。一応、相性には本質もありますが、心と体の相性というものも肝心ですから」
テンションMAX状態の舞人に、控えめに口を挟むルネ。
[ルネ]
「嫌われたら元も子もないこと、忘れないでくださいよ」
[舞人]
「あんなこといいなっ、できたらいいなっ♪」
しかしその忠告が舞人の耳に届いているかは、甚だ疑問であった。
……
…
…
[舞人]
「そうそう、ところでルネ」
[ルネ]
「はい、なんですか勇者様?」
[舞人]
「依頼の品が王冠だってのはわかったが、あのシャアに渡してた封書は何なんだ? 代価なのはなんとなくわかるが……」
[ルネ]
「ああ、あれですか。ご察しの通り、代価ですよ」
そういってルネはにっこりと意味ありげに微笑み、それ以上答える気がないのか「おほほほほ」などと笑いながら場をフェードアウトしていく。
[舞人]
「うーん……この世界の通過は銀貨とか金貨とか金塊。札束って大きさでもなかったし、小切手の概念があるのか?」
しばらくうんうんと思案していた舞人だったが、
[舞人]
「ま、どーでもいっか……」
やがてあきらめ、それ以上考えるのをやめた。
「そうそう、ところでルネ」
[ルネ]
「はい、なんですか勇者様?」
[舞人]
「依頼の品が王冠だってのはわかったが、あのシャアに渡してた封書は何なんだ? 代価なのはなんとなくわかるが……」
[ルネ]
「ああ、あれですか。ご察しの通り、代価ですよ」
そういってルネはにっこりと意味ありげに微笑み、それ以上答える気がないのか「おほほほほ」などと笑いながら場をフェードアウトしていく。
[舞人]
「うーん……この世界の通過は銀貨とか金貨とか金塊。札束って大きさでもなかったし、小切手の概念があるのか?」
しばらくうんうんと思案していた舞人だったが、
[舞人]
「ま、どーでもいっか……」
やがてあきらめ、それ以上考えるのをやめた。
(暗転)
同時刻、アスキアの街。
キーン工房の主、シャア・キーンはルネーニ王家の封蝋が施されたそれを厳かに開封していた。
[シャア]
「ふふ……見せてもらおうか、魔術王の実力を」
ランプが照らし出すだけの暗い部屋で、シャアは中に収められた数枚の紙を取り出した。
[シャア]
「おお……これは十字勲章物だな……」
シャアはその紙を食い入るように見つめ、恍惚とした表情で呟いた。
そこに記されていたもの、いや写っていたものはルネの姿絵だった。
いや、姿絵よりももっと鮮明で、写実的なそれは、この世界では非常に貴重な写真であった。
写真は一部の高レベルの魔術師が扱う、複写魔法パラッチによって作り出される。
この写真は、ルネ自らが作り出したものらしかった。
[シャア]
「ハァハァ……ルネ様萌えー」
イケ面が一点、ちょっとイっちゃったヤバ目の表情になって写真にほお擦りするシャア。
こう見えてこの男、大のルネマニアらしい。
ルネ本人は、てっきり比類なき大魔術師である自分を神のように崇拝し、尊敬してくれているものだとばかり思っているが――
[シャア]
「やはりこの年代がもっともいい……何年、何百年……永遠の15歳!」
『まじゅつおールネ15歳でーっす☆ ぷりりんはるるんぽわぽわり~ん☆』
完全にトリップしたシャアの脳内で、杖を片手に元気に跳ね回って呪文を唱えるルネ。
[シャア]
「うっ、たまらん!」
かちゃかちゃ……ジーッ……
キーン工房の主、シャア・キーンはルネーニ王家の封蝋が施されたそれを厳かに開封していた。
[シャア]
「ふふ……見せてもらおうか、魔術王の実力を」
ランプが照らし出すだけの暗い部屋で、シャアは中に収められた数枚の紙を取り出した。
[シャア]
「おお……これは十字勲章物だな……」
シャアはその紙を食い入るように見つめ、恍惚とした表情で呟いた。
そこに記されていたもの、いや写っていたものはルネの姿絵だった。
いや、姿絵よりももっと鮮明で、写実的なそれは、この世界では非常に貴重な写真であった。
写真は一部の高レベルの魔術師が扱う、複写魔法パラッチによって作り出される。
この写真は、ルネ自らが作り出したものらしかった。
[シャア]
「ハァハァ……ルネ様萌えー」
イケ面が一点、ちょっとイっちゃったヤバ目の表情になって写真にほお擦りするシャア。
こう見えてこの男、大のルネマニアらしい。
ルネ本人は、てっきり比類なき大魔術師である自分を神のように崇拝し、尊敬してくれているものだとばかり思っているが――
[シャア]
「やはりこの年代がもっともいい……何年、何百年……永遠の15歳!」
『まじゅつおールネ15歳でーっす☆ ぷりりんはるるんぽわぽわり~ん☆』
完全にトリップしたシャアの脳内で、杖を片手に元気に跳ね回って呪文を唱えるルネ。
[シャア]
「うっ、たまらん!」
かちゃかちゃ……ジーッ……
(*たいへんご迷惑をおかけいたします。しばらくメイさんのサービスショットでお楽しみください)
[シャア]
「ふぅ……。認めたくないものだな……若さゆえの、過ちというものを」
一仕事終え、額ににじんだ汗を拭って渋くキメるシャア。
まさか特性王冠の代価へ提供した数枚の写真が、このような使われ方をしていようとは……
史上最強の魔術師ではあっても神ならぬルネには、わかるはずもないのであった。
[ルネ]
「うふふ……今年の王冠も素晴らしい出来ですね♪ 数枚の写真だけでこのようなものを作っていただけるなんて、シャア・キーンってなんて素敵な人なんでしょう」
知らぬが仏。
「ふぅ……。認めたくないものだな……若さゆえの、過ちというものを」
一仕事終え、額ににじんだ汗を拭って渋くキメるシャア。
まさか特性王冠の代価へ提供した数枚の写真が、このような使われ方をしていようとは……
史上最強の魔術師ではあっても神ならぬルネには、わかるはずもないのであった。
[ルネ]
「うふふ……今年の王冠も素晴らしい出来ですね♪ 数枚の写真だけでこのようなものを作っていただけるなんて、シャア・キーンってなんて素敵な人なんでしょう」
知らぬが仏。