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あねくろ@臨時まとめ
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あねくろ@臨時まとめ

魔族領からきた物体X

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だれでも歓迎! 編集
「わー……綺麗だねー」
「ああ。まさか、こっちの世界でも花火が見れるとはなー」
一通りお祭りを楽しんだあと。時間はすでに夜になっていた。
二人は公園のベンチでぐったりとしながら、夜空を彩る魔法の花火を見上げていた。
単純な炎の魔法では成しえない、美しい幻想の炎。
幻想的な空間と、少し落ち着いてきた和やかなムード。
「夏休みは結局、ふたりで花火っていうのは叶わなかったから、うれしいな」
「ん……そ、そうだな」
薄暗い公園、夜空を彩る花火の光に照らされた志乃の横顔。
心底うれしそうであり、このシチュエーションに陶酔している、魅力的な笑顔だった。
「志乃……」
「あ……。まいと……」
自然に伸ばした手が、志乃の頬に触れる。
意図に気づいた志乃が、テレながらもそっと目を伏せ、唇を差し出す。
ムード満点、いざ夏の公園、花火の下で青姦、というより夜姦でどんどこしょ!
そのはずだったのに。
「やれやれ……せっかくこんな絶好の公園というシチュエーションなのに、男同士で掘り合わないでどうするんだ」
「ぶはっ!? だ、だりだ!?」
突然、いずこからか掛けられた声に、舞人は大げさに驚いて周囲に視線をめぐらせた。
「誰だとはご挨拶だな……異世界の勇者さん」
「お、お前は……!?」
まったく気づかなかった。
視線の先――公園の一角にぽつんと建てられた公衆トイレの脇のベンチに、そいつは腰掛けていた。
青いツナギに身を包んだ体格のごつい男。
「ウホッ!! いい男!!」
「 や ら な い か 」
男、いやいい男はニヤリと笑うと、「力ある言葉」を発した。
「うはwwwそれはねーよwwwww」
しかし舞人は、引き気味にばっさりとその言葉を一刀両断にした。

パキィィィィン!!

次の瞬間、澄んだ音を立てて周囲に展開されつつあった魔力の集積場が砕け散った。
「ほう……さすが異世界の勇者だな。挨拶代わりにいただいちまおうと思ったのに、あっさりキャンセルしてやがる」
「な、なになに、あの人、今なんかしたのぉ!?」
あまりにも唐突な展開についていけなかった志乃が、おろおろしながら舞人の袖をつかむ。
「懐かしいな……少女Q、やはり勇者の力の前にはミレイアのルルシュも駄目だったか」
いい男の口から意外な名前が飛び出し、二人は大いに驚いた。
「み、ミレイア!? ……って、誰だっけ?」
「まいとったらぁ!! この世界を征服しようとしてる魔王じゃない!」
「あ、ああ。そうだっけ。魔王魔王っていってるから名前忘れちゃったぜ」
「それより、なんだろう。少女Qってどこかで……それにあの人もどこかで……」
志乃の脳裏にかすかに残る光景。
だが、肝心なところが思い出せない。
「まぁそんなことはどうでもいいさ。それより、もっと別のことに驚かないのかい」
さすがのいい男も、ここまで華麗にスルー気味にされるとは思っていなかったのだろう。
耐え切れず、自分のほうから話を進めることにした。
「そ、そうだよ! この人、魔王ミレイアの関係者じゃないの!?」
「た、確かにそれっぽい……耳も尖ってるし、きっと魔族ってやつだ」
「耳とがりなら、エルフとかハーフエルフもいるんだがな」
「いや、お前の尖り方はどうみても邪悪だ!」
根拠レスに、だが自信たっぷりに言い放つ舞人。
「……ま、違いはないんだがな」
やれやれ、と肩をすくめるいい男。
「改めて自己紹介しよう。魔王ミレイア四天王のひとり、アーヴェ・グッドマンだ」
いい男ことアーヴェは、ベンチに深く腰掛けたまま笑ってみせた。
「し、四天王……なんかすごそう」
「てか、そうだとしたらおかしいじゃないか! この国にはルネが結界を張ってあるはずだぞ!」
「そういえば、魔王ミレイアも手を焼くほどの結界、だっけ……」
「ああ、結界か。確かにちと難儀はしたがな……」
そういってアーヴェは、にやりと笑ってツナギのホックに手を掛けた。
「ちょwwwwおまwwww俺はノンケだっつーの」
だが、ジィ~~っとチャックを開けたアーヴェは、何もたくましい魔剣を取り出したわけではなかった。
「ま、結界を通るときにほれこの通り。ちょっと火傷しちまったがな」
確かに、アーヴェの胸板にはひどい火傷のあとが見て取れる。
「そ、それにしたって……なんで魔族がたったそんだけの火傷ですむんだよ!?」
繰り返すが、ミレイアですら手をこまねいてバカンスをおっぱじめてしまうほどの強力な結界なのである。
「俺がなぜこれだけの火傷で結界を通り抜けられたかというとだな……」
「お、おう……」
「ゴクリ……」
もったいぶったアーヴェの物言いに、思わず聞き入る舞人と志乃。
「それはな」
「……」×2
「ルーシィルートをプレイしてみろ。そうすりゃ、おのずとわかる」
「ええええーっ!?」
じっくりこんと聞き入っていた志乃は、思わず脱力してつんのめった。
「おお!? このルート以外に興味のない奴もルーシィルートをやらざるを得なくするとは! 敵ながらあっぱれな奴だ!?」
「はっはっは。お褒めに預かり光栄だよ、勇者マイト」
「わかんない! 二人が何をいってるのか、ぜんぜんわかんないよ!!」
快活に笑いあう二人に、顔面蒼白気味にぶんぶんと頭を振る志乃。
苦労の耐えない娘である。
「それで話を戻すが。その超不可思議的なパワーでルネーニに侵入してきて何の用だ!」
「うわいきなり話戻してるよぉ……」
「まさかこれから始まるはずだった俺と志乃のセクロスを覗きにきたわけではあるまい!?」
「わわっ、な、ななな、なに言い出すんだよぉ……!」
「バカな。男と女の交わりにはこれっぽっちも興味はないね。俺はホモ・セックス一筋だ」
「ふわぁぁぁぁ……ヘンタイさんだ、ヘンタイさんがいるよぉ……」
つくづく、本気で苦労の耐えない娘だね、君は。
「じゃあいったい……」
「なぁに、ちょいとした余興、サプライズパーティって奴でね」
「推理ゲームには付き合わんぞ」
「もっと楽しいことさ。今、ここでもやってる祭りみたいなもんでね。是非、特別ゲストを招待したいってことさ」
「祭り……だって?」
「それに、特別ゲストって……」
「まどろっこしいことは嫌いでね。一応命令なんで、一緒に来てもらうぜ」
そういった次の瞬間には、アーヴェの姿はベンチから消えていた。
「ハッ!!」
「いいからお前ら、表へ出ろや」
二人の背後に回りこんだアーヴェは、それぞれの肩にポンと手を置くと高速で呪文を唱えた。
「は、早い!」
「ランランルー」

その夜、何者かによって舞人と志乃が拉致されたという報告がルネのもとに報告されることになる。
調査の結果、転移魔法の残留魔力が検出されたものの、誰の仕業かはついに判明されることはなかった。


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