パロロワクロスマッチ!! 真・驚きの黒さVS魔女かがみん(代理戦争編) ◆jVERyrq1dU
おじさん、さっきまで山で恐ろしくて恐ろしくて仕方ないつかさを説得してたような気がするんだけど……
なんなんだろうここ……
なんなんだろうここ……
とりあえず周りを見回してみる。周りは真っ暗でよく分からない。
ピエモンの言葉をそのまま鵜呑みにするなら、また新しい殺し合いが始まったという事なんだろう。
何故なのか……何故また新しくやり直す必要があるのだろうか。
ピエモンの言葉をそのまま鵜呑みにするなら、また新しい殺し合いが始まったという事なんだろう。
何故なのか……何故また新しくやり直す必要があるのだろうか。
「圭ちゃん……これって生き返ったって言う事、なの……?」
十中八九、ピエモン達主催者の仕業だろう、と魅音は推測する。
方法は皆目見当がつかないが、もう一度殺し合いに参加させるために死んだ圭一達をわざわざ生き返らせたのだのかもしれない。
永遠に殺し合いを強制する。主催者は死後にまで干渉してくる。どこまでも残酷で許せない連中だ。
方法は皆目見当がつかないが、もう一度殺し合いに参加させるために死んだ圭一達をわざわざ生き返らせたのだのかもしれない。
永遠に殺し合いを強制する。主催者は死後にまで干渉してくる。どこまでも残酷で許せない連中だ。
名簿には見た事がない名前がいくつもある。これはどういう事なんだろう……
他にも様々な疑問が湧き出てくる。そのほとんどの疑問が、現状では解消する事が出来ない難題なので、無視するしかないのだが、
それでも考え込む事を中断させるのは不可能だった。
他にも様々な疑問が湧き出てくる。そのほとんどの疑問が、現状では解消する事が出来ない難題なので、無視するしかないのだが、
それでも考え込む事を中断させるのは不可能だった。
魅音は後になって後悔する。どうせ考えたところで何も分からない。
危険を減らすために支給品の確認を最優先で行う方が遥かに賢かった。
ああ──せめてもう少し周りに注意を払っていれば……!
危険を減らすために支給品の確認を最優先で行う方が遥かに賢かった。
ああ──せめてもう少し周りに注意を払っていれば……!
「──動くな」
背後からかけられた冷たい声、そして背中に押しつけられている何かに、魅音はびくりと体を震わせた。
今の状況についてぼーっと考え込むんじゃなかった。どうせ何もわからないのに……!
訳の分からない二度目の殺し合い開始によってパニクっていた頭が、後悔の念で序々にクールダウンしていく。
男に言われるまでもなく、魅音は両手を頭上に上げ、反抗の意思がない事を示す。
今の状況についてぼーっと考え込むんじゃなかった。どうせ何もわからないのに……!
訳の分からない二度目の殺し合い開始によってパニクっていた頭が、後悔の念で序々にクールダウンしていく。
男に言われるまでもなく、魅音は両手を頭上に上げ、反抗の意思がない事を示す。
「質問に答えろ。お前は殺し合いに乗っているのか?」
「……の、乗ってないよ」
少し声が裏返ってしまったが、即答する。
「……の、乗ってないよ」
少し声が裏返ってしまったが、即答する。
「……オーケィ。次の質問だ──柊かがみ──この女を知っているか?」
男はその名を、吐き捨てるかのように言った。声から男の怒り、そして恨みが伝わってくる。
魅音は彼女を知っている。いや、正確には彼女についての情報を知っている。
魅音は彼女を知っている。いや、正確には彼女についての情報を知っている。
「……ひ、人伝いに聞いた情報なら、知ってる。紫の髪をツインテールに結っていて、確か女子高生で……」
「……そうか」
男は嬉しいのか嬉しくないのか、いまいち判別がつかない声色で相槌を打つ。
魅音は必死に、彼女に関する情報を思い出していた。
「……そうか」
男は嬉しいのか嬉しくないのか、いまいち判別がつかない声色で相槌を打つ。
魅音は必死に、彼女に関する情報を思い出していた。
──柊かがみ。つかさの姉であり、遊戯の仲間だった女の子。
残念ながらもう死亡してしまい、つかさが狂ってしまう大本の原因となってしまった。
背後の男とかがみは、一体どういう間柄なんだろう……。
残念ながらもう死亡してしまい、つかさが狂ってしまう大本の原因となってしまった。
背後の男とかがみは、一体どういう間柄なんだろう……。
男の言葉を待ったが、いつまで経っても口を開こうとはしない。考え込んでいるのだろうか。
頭上に掲げている両腕にしびれが走り始めた頃、男は私の背中に押し当てた何かを離し、こちらを向けと命じてきた。
言われるまま、背後に立つ男へと顔を向ける。金属バットを大事そうに抱えている。
男の顔は、どこか疲れていた。殺し合いなのだから、当たり前といえば当たり前だけど……。
頭上に掲げている両腕にしびれが走り始めた頃、男は私の背中に押し当てた何かを離し、こちらを向けと命じてきた。
言われるまま、背後に立つ男へと顔を向ける。金属バットを大事そうに抱えている。
男の顔は、どこか疲れていた。殺し合いなのだから、当たり前といえば当たり前だけど……。
「名前は……あんたの名前は何だ?」
「園崎、魅音」
「そうか……園崎さん。落ち着いて聞いてくれ。俺は柊かがみ、あの悪魔の秘密を握っているんだ」
そう前置きし、彼は言葉を選ぶようにゆっくりと、話し始めた。
彼の言葉は、魅音にとってはあまりに衝撃的な話で──
「園崎、魅音」
「そうか……園崎さん。落ち着いて聞いてくれ。俺は柊かがみ、あの悪魔の秘密を握っているんだ」
そう前置きし、彼は言葉を選ぶようにゆっくりと、話し始めた。
彼の言葉は、魅音にとってはあまりに衝撃的な話で──
「柊かがみは、人の信頼を弄ぶ悪魔だ。前回の殺し合いで俺の仲間は、奴に殺されてしまった……
奴はおそらく、いや間違いなく、今回の殺し合いにも乗り気なはずだ!
以前のような惨劇を食い止めるためにも、俺に協力して欲しい!」
奴はおそらく、いや間違いなく、今回の殺し合いにも乗り気なはずだ!
以前のような惨劇を食い止めるためにも、俺に協力して欲しい!」
「…………」
なんというか、言葉が出ない。遊戯も狂う前のつかさも、柊かがみに関しては一貫して安全な仲間との事だった。
悪魔なんて、私の中の柊かがみ像とは最もかけ離れたイメージの単語だ。
信じられない。だけど、彼の言葉を一笑に伏す事が出来ないのも確かだ。
何故なら、例えどれだけ柊かがみに関する情報を持っていたとしても、私は彼女と一度も会った事がないのだから……。
なんというか、言葉が出ない。遊戯も狂う前のつかさも、柊かがみに関しては一貫して安全な仲間との事だった。
悪魔なんて、私の中の柊かがみ像とは最もかけ離れたイメージの単語だ。
信じられない。だけど、彼の言葉を一笑に伏す事が出来ないのも確かだ。
何故なら、例えどれだけ柊かがみに関する情報を持っていたとしても、私は彼女と一度も会った事がないのだから……。
「信じ……られない」
率直に思った事をそのまま述べる。
「無理もないさ。俺も出会った頃は奴に対して何の疑いも持っていなかった。
奴は恐ろしいまでに、演技力と対人スキルに優れている。俺は、奴に完全に騙され、あの女の傀儡と化している三人組にも会ったんだ!
知らず知らずのうちに俺達の輪の中に入り込み、決定的な隙を突いて集団を皆殺しにする。これが奴の常套手段だ!」
率直に思った事をそのまま述べる。
「無理もないさ。俺も出会った頃は奴に対して何の疑いも持っていなかった。
奴は恐ろしいまでに、演技力と対人スキルに優れている。俺は、奴に完全に騙され、あの女の傀儡と化している三人組にも会ったんだ!
知らず知らずのうちに俺達の輪の中に入り込み、決定的な隙を突いて集団を皆殺しにする。これが奴の常套手段だ!」
男は興奮して捲し立ててきた。当の私は何が何だか分からない。
頭が混乱している。私のかがみ像とこの人の言うかがみ像とのギャップが大きすぎて、受け入れようにも……
頭が混乱している。私のかがみ像とこの人の言うかがみ像とのギャップが大きすぎて、受け入れようにも……
「園崎さん」
男が私の手を握り、決意を持った声で言う。
「俺に──協力してくれ!」
「そんな事急に言われても分からないよ!」
男が私の手を握り、決意を持った声で言う。
「俺に──協力してくれ!」
「そんな事急に言われても分からないよ!」
手を振り払う。柊かがみは……仲間なはずだ。遊戯君がそう言っていたから……。
こんな怪しい人と遊戯君のどちらを信じるかといえば勿論遊戯君に決まっている。
だがこれからはかがみを警戒した方がいいのは確かだろう。何と言っても私は、彼女とは一度も会った事がない。
こんな怪しい人と遊戯君のどちらを信じるかといえば勿論遊戯君に決まっている。
だがこれからはかがみを警戒した方がいいのは確かだろう。何と言っても私は、彼女とは一度も会った事がない。
男はそのまま諦めるかと思っていた。だけど、私の予想に反してその男は──
「な、何してんの!」
「頼む! 信じてくれ!」
「頼む! 信じてくれ!」
油断なく構えていた金属バットを捨て、デイパックを捨て、彼は土下座していた。
私は慌てて彼に土下座を止めさせようとする。しかし彼は頭を上げようとはしない。
鼻をすすり、涙を滲ませながら、私に訴えてくる。
私は慌てて彼に土下座を止めさせようとする。しかし彼は頭を上げようとはしない。
鼻をすすり、涙を滲ませながら、私に訴えてくる。
「俺の話は、全部本当なんだ……仲間を殺されてしまって、漸く出会った三人組も、すでにかがみに洗脳されていた……
俺は、俺は精一杯やっている……すでに水族館に電話し、留守電にかがみが悪魔だというメッセージを残しまくった……
それでも足りないと思い、今放送局に向かっている途中だ……だが、どれだけやっても不安で仕方ない……!
俺は今まで奴を倒すために試行錯誤してきたが、奴を脅かす事さえできた事がないんだ……!
この無力感があんたに分かるか……?」
服の袖で涙と鼻水を拭う。
「あいつは化け物だ……対して俺は素人に毛が生えた程度の中学生だ……
頼む……頼むよ園崎魅音……目を覚まして、俺に協力してくれ……悪魔に制裁を加えてやるんだ……殺されたあいつの分まで」
俺は、俺は精一杯やっている……すでに水族館に電話し、留守電にかがみが悪魔だというメッセージを残しまくった……
それでも足りないと思い、今放送局に向かっている途中だ……だが、どれだけやっても不安で仕方ない……!
俺は今まで奴を倒すために試行錯誤してきたが、奴を脅かす事さえできた事がないんだ……!
この無力感があんたに分かるか……?」
服の袖で涙と鼻水を拭う。
「あいつは化け物だ……対して俺は素人に毛が生えた程度の中学生だ……
頼む……頼むよ園崎魅音……目を覚まして、俺に協力してくれ……悪魔に制裁を加えてやるんだ……殺されたあいつの分まで」
掠れた声で訴えかける正直言って私は怖くなってきた。この人にこんな事までさせる柊かがみなる人物は、いったいどんな人なのか。
まさか、遊戯もかがみに騙されていたんじゃないかという考えまで浮かんでくる。
男の言うかがみはあまりに超人的だ。同じ志を持つチームの中に難なく入り込み、
隙を突いて皆殺し、それを繰り返しているらしい。恐ろしいにも程がある。
でもまあ、私はもっと恐ろしい人を知ってるんだけどね……。
まさか、遊戯もかがみに騙されていたんじゃないかという考えまで浮かんでくる。
男の言うかがみはあまりに超人的だ。同じ志を持つチームの中に難なく入り込み、
隙を突いて皆殺し、それを繰り返しているらしい。恐ろしいにも程がある。
でもまあ、私はもっと恐ろしい人を知ってるんだけどね……。
「分かった、分かったから顔を上げてよ。そこまで言われたら私もさすがに柊かがみが怖くなってきちゃったよ」
ははは、と笑いながら、男の前で頭を掻いてみせる魅音。
「さあ、協力するから頭を上げてよ。お兄さん名前なんて言うのー?」
「三村……三村信史だ……。園崎さん、信用してくれて有難う。心から、礼を言う」
ははは、と笑いながら、男の前で頭を掻いてみせる魅音。
「さあ、協力するから頭を上げてよ。お兄さん名前なんて言うのー?」
「三村……三村信史だ……。園崎さん、信用してくれて有難う。心から、礼を言う」
そう言うとまた深々と頭を下げる。魅音はそれを見て慌てっぱなしだ。
かくして、三村は漸くかがみ打倒への仲間に出会う事が出来た。
園崎魅音、そして三村信史。二人の正義が柊かがみという絶対的悪を滅ぼす時は────そう遠くない未来なのかもしれない。
かくして、三村は漸くかがみ打倒への仲間に出会う事が出来た。
園崎魅音、そして三村信史。二人の正義が柊かがみという絶対的悪を滅ぼす時は────そう遠くない未来なのかもしれない。
勿論、そう上手くいくはずがない。いくわけがなかったのである。
ここは一つ、先人の名言を引用させて貰う事にしよう。これがバトルロワイアルというものだ。
情報の錯綜による誤解は、バトルロワイアルにおける一つの華である。
ここは一つ、先人の名言を引用させて貰う事にしよう。これがバトルロワイアルというものだ。
情報の錯綜による誤解は、バトルロワイアルにおける一つの華である。
「本当にすまない園崎さん。俺は絶対にかがみを止める。この手で殺して、惨劇を防いでやる!」
立ち上がり、服についた埃を払いながら、決意の言葉を述べる三村。
魅音はその言葉を聞いて────顔面蒼白となった。
立ち上がり、服についた埃を払いながら、決意の言葉を述べる三村。
魅音はその言葉を聞いて────顔面蒼白となった。
「こ、殺すの?柊かがみを?」
三村はやれやれと言った風に魅音に言葉を返す。
「殺すしか、ない。勿論殺人が悪という事は分かってる。だが絶対に消さなければならない悪がいる事もまた事実だ。
園崎さんは一度も会った事がないから分からないかもしれない。あいつには、かがみには一切の情を与えてはならないんだ。
殺す事でしか解決しない。説得なんてそんなもの、あの悪魔には通用しない。奴は人の信頼を利用して生き延びているんだからな」
「そ、そういうわけじゃないよ!かがみが悪い奴って言う事は十分伝わった!
でも、殺すのだけは……」
三村はやれやれと言った風に魅音に言葉を返す。
「殺すしか、ない。勿論殺人が悪という事は分かってる。だが絶対に消さなければならない悪がいる事もまた事実だ。
園崎さんは一度も会った事がないから分からないかもしれない。あいつには、かがみには一切の情を与えてはならないんだ。
殺す事でしか解決しない。説得なんてそんなもの、あの悪魔には通用しない。奴は人の信頼を利用して生き延びているんだからな」
「そ、そういうわけじゃないよ!かがみが悪い奴って言う事は十分伝わった!
でも、殺すのだけは……」
甘い事言うなよ、三村は吐き捨てるように言う。
「お前が迷ってる間に何人の人が奴の所為で死ぬ事になると思う!?
今!たった今にも奴の所為で誰かが死んでいるかもしれないんだ!それを──」
「うるさいッ!!!」
魅音が豹変し、三村に向かって叫び返す。園崎家当主の迫力に気押されたのか、三村は怯む。
今!たった今にも奴の所為で誰かが死んでいるかもしれないんだ!それを──」
「うるさいッ!!!」
魅音が豹変し、三村に向かって叫び返す。園崎家当主の迫力に気押されたのか、三村は怯む。
「私だって、理解出来るよ。殺す事でしか、解決できない事もある。柊かがみはそんなレベルの巨悪なんだよね?」
三村はその問に頷く。
「だけど殺すのは絶対に駄目だからね……!柊かがみは、私達の手で捕えて、悪事をしないかどうか見張る事にする。
反論は、許さないよ」
断固とした様子の魅音が、三村を睨みつける。
三村はその問に頷く。
「だけど殺すのは絶対に駄目だからね……!柊かがみは、私達の手で捕えて、悪事をしないかどうか見張る事にする。
反論は、許さないよ」
断固とした様子の魅音が、三村を睨みつける。
「理解……理解出来ない。捕えてどうするっていうんだよ」
「柊かがみを殺せば、もっと恐ろしい事になるんだよ。貴方が話すかがみより、ずっとずっと恐ろしい存在が──」
「柊かがみを殺せば、もっと恐ろしい事になるんだよ。貴方が話すかがみより、ずっとずっと恐ろしい存在が──」
────降臨しちゃうってわけ、魅音は両目に力を込めながら、言う。
ただならぬ魅音の様子に、三村はごくりと生唾を飲み込み、尋ねる。
ただならぬ魅音の様子に、三村はごくりと生唾を飲み込み、尋ねる。
「どんな化け物が……生まれるって言うんだ……」
「化け物ってわけじゃないけど……柊つかさ、かがみの実の妹である彼女が、狂ってしまう。
そして狂ってしまったつかさは、誰よりも恐ろしい」
つかさ、確か自分達の殺し合いにもそんな奴が参加していたような気がする。
かがみが死ぬ事によって、【つかさ】という、さらなる怪物が生まれてしまう……そんなふざけた話があるか。
三村は自問自答する。
「化け物ってわけじゃないけど……柊つかさ、かがみの実の妹である彼女が、狂ってしまう。
そして狂ってしまったつかさは、誰よりも恐ろしい」
つかさ、確か自分達の殺し合いにもそんな奴が参加していたような気がする。
かがみが死ぬ事によって、【つかさ】という、さらなる怪物が生まれてしまう……そんなふざけた話があるか。
三村は自問自答する。
「私はあんたを信用してあげたから、今度はおじさんを信用する番だよ。
豹変した柊つかさは誰よりも、かがみよりも恐ろしいよ。私は実際に、笑いながらこちらに向かって拳銃を撃ってくるつかさを見た。
つかさは全部で何人殺したのか知らないけど、私の仲間は……殺された。二人も、知らない内にね」
魅音が顔を反らして、悲しげに言い放つ。
豹変した柊つかさは誰よりも、かがみよりも恐ろしいよ。私は実際に、笑いながらこちらに向かって拳銃を撃ってくるつかさを見た。
つかさは全部で何人殺したのか知らないけど、私の仲間は……殺された。二人も、知らない内にね」
魅音が顔を反らして、悲しげに言い放つ。
なんてこった……! 三村はこれ以上なく絶望した。
袋小路だ。かがみを殺さなければあの魔女によって犠牲は増え続ける。
魅音によると、かがみを殺してしまえば、新たに生まれ出でる怪物つかさによって、事態は悪化する。
三村は項垂れ、地面に膝をつく。なんて奴らだ。姉妹揃って化け物染みてやがる。
袋小路だ。かがみを殺さなければあの魔女によって犠牲は増え続ける。
魅音によると、かがみを殺してしまえば、新たに生まれ出でる怪物つかさによって、事態は悪化する。
三村は項垂れ、地面に膝をつく。なんて奴らだ。姉妹揃って化け物染みてやがる。
実を言うと、絶望しているのは三村だけではない。
魅音もまた、絶望の程度は三村に比べてずっとずっと軽いが同じような心境。
もしかがみが本当に三村の言うような人物なら、どうする事も出来ない。
かがみを完全に止める手段は殺す以外にないのだが、悪魔を殺す行為自体が状況を更に悪化させるという袋小路。
魅音もまた、絶望の程度は三村に比べてずっとずっと軽いが同じような心境。
もしかがみが本当に三村の言うような人物なら、どうする事も出来ない。
かがみを完全に止める手段は殺す以外にないのだが、悪魔を殺す行為自体が状況を更に悪化させるという袋小路。
「なんてこった……園崎の話が本当なら、どうやってあの怪物姉妹を犠牲なしで倒せばいいんだよ……」
『本当なら』三村のこの言葉に魅音はかちんとくる。
「私の話なら本当だよ!おじさんは武藤遊戯っていう子と一緒に、豹変したつかさに襲われたんだ!
それに怪物姉妹なんて言わないで!優しかったつかさがあんなになってしまうなんて、私が一番驚いたよ!」
『本当なら』三村のこの言葉に魅音はかちんとくる。
「私の話なら本当だよ!おじさんは武藤遊戯っていう子と一緒に、豹変したつかさに襲われたんだ!
それに怪物姉妹なんて言わないで!優しかったつかさがあんなになってしまうなんて、私が一番驚いたよ!」
三村は考える。
本当に真実なのかどうか……嘘であってくれた方が嬉しい。
それにしても妹までそんな怪物染みた力を持っているなんて……いや、待てよ……
かがみではなく、つかさを先に殺してしまえば……いや、駄目だ。
悪いのはかがみなんだ。つかさだってきっと奴に洗脳させられているんだろう。
それに、園崎の話だって真実とは言い切れない。
本当に真実なのかどうか……嘘であってくれた方が嬉しい。
それにしても妹までそんな怪物染みた力を持っているなんて……いや、待てよ……
かがみではなく、つかさを先に殺してしまえば……いや、駄目だ。
悪いのはかがみなんだ。つかさだってきっと奴に洗脳させられているんだろう。
それに、園崎の話だって真実とは言い切れない。
ただの少女があのかがみよりも恐ろしい化け物なんて話、はいそうですかと信じ込むほど俺のおつむは怠けていないぜ。
「三村さん。かがみを探しに行こうよ。会ってみたら私も確信できる気がするよ。
かがみが悪い奴かどうか」
「……ッ!? だから、だから悪い奴だって言ってるだろう!? 殺すしかないんだ!」
かがみが悪い奴かどうか」
「……ッ!? だから、だから悪い奴だって言ってるだろう!? 殺すしかないんだ!」
魅音の表情が一変する。昔話に出てくる鬼を連想させる顔つきで、三村を睨んだ。
「殺すのは絶対に許さない……!!あんたはつかさがどれだけ豹変するか全然理解できていない。
豹変したつかさに比べれば、あんたの言うかがみなんて……」
豹変したつかさに比べれば、あんたの言うかがみなんて……」
この一言に三村はとうとうかちんとくる。あの強くて気のいいジョセフはかがみに容赦なく殺された。
どれだけかがみの噂を流布しても全く広まらなかった。漸く出会った三人組はかがみに洗脳されていた。
これ以上恐ろしい奴なんているわけがない。かがみに比べれば、園崎の言うつかさなんて可愛いものだ。
どれだけかがみの噂を流布しても全く広まらなかった。漸く出会った三人組はかがみに洗脳されていた。
これ以上恐ろしい奴なんているわけがない。かがみに比べれば、園崎の言うつかさなんて可愛いものだ。
「いいんだな園崎、お前は何もわかっちゃいねえ!俺はお前に、かがみは悪魔だと警告してやった。
それなのにお前はつかさの方が恐ろしいと言ってかがみから逃げるんだな」
「分かってないのはあんたの方だよ。つかさが豹変してしまえば、沢山の人が死んでしまう。
かがみを殺したあんたは絶対に逃げられない。私の警告を無視して、かがみを殺すって言うの!?」
それなのにお前はつかさの方が恐ろしいと言ってかがみから逃げるんだな」
「分かってないのはあんたの方だよ。つかさが豹変してしまえば、沢山の人が死んでしまう。
かがみを殺したあんたは絶対に逃げられない。私の警告を無視して、かがみを殺すって言うの!?」
今にも殴り合いを始めそうなほど、怒りあった両者が睨みあう。
三村は全プライドを賭けて魅音を睨む。魅音は鬼の表情を浮かべ、三村を睨む。
やがて、三村が口を開いた。
三村は全プライドを賭けて魅音を睨む。魅音は鬼の表情を浮かべ、三村を睨む。
やがて、三村が口を開いた。
「俺はかがみを殺す。その後、お前の言うとおりつかさが豹変したら、つかさも殺してやる。
多少の犠牲は覚悟の上だ。どうもそうしなければ、あの極悪姉妹を止める事は出来無さそうだしな」
「……最後の忠告だよ。かがみを死なせたら、次に来るのはつかさによるさらなる殺戮だよ。
かがみは殺すのではなく、捕らえた方がいい。それでも殺すって言うなら────」
「…………ぬかせよ。捕えるだけじゃああの悪魔は止まらないんだ」
多少の犠牲は覚悟の上だ。どうもそうしなければ、あの極悪姉妹を止める事は出来無さそうだしな」
「……最後の忠告だよ。かがみを死なせたら、次に来るのはつかさによるさらなる殺戮だよ。
かがみは殺すのではなく、捕らえた方がいい。それでも殺すって言うなら────」
「…………ぬかせよ。捕えるだけじゃああの悪魔は止まらないんだ」
そう言うと三村は地面に放置しておいた金属バットを拾い、魅音に殴りにかかる。
咄嗟の出来事に、魅音は回避できない。しかし寸前の所で、右手で防御する事に成功する。
金属バットが唸りを上げ、魅音の右手に当たり、彼女は悲鳴を上げる。
咄嗟の出来事に、魅音は回避できない。しかし寸前の所で、右手で防御する事に成功する。
金属バットが唸りを上げ、魅音の右手に当たり、彼女は悲鳴を上げる。
「ぐぅっ!!」
「じゃあな園崎……かがみは本当に悪魔だ。それだけは、信じてくれ」
「じゃあな園崎……かがみは本当に悪魔だ。それだけは、信じてくれ」
三村は痛がる魅音の横を通り抜け、闇へと消えて行った。
彼の目的は変わらない。放送局に行く事──
彼の目的は変わらない。放送局に行く事──
▼ ▼ ▼
【難題:柊かがみは死ぬべきなのか?】
答えは勿論イエスだ。園崎の言う事が仮に真実だったとしても、かがみを生かしておけば犠牲者が際限なく増えてしまう。
殺した後に目覚める怪物つかさなんて魔女に比べれば大したことないさ。かがみを殺す事に成功したのなら、つかさだって殺せるはずだ。
園崎は怯え過ぎなんだ。まあ、あの恐ろしいかがみを目の当たりにしてないから仕方ないかもしれないがな……
殺した後に目覚める怪物つかさなんて魔女に比べれば大したことないさ。かがみを殺す事に成功したのなら、つかさだって殺せるはずだ。
園崎は怯え過ぎなんだ。まあ、あの恐ろしいかがみを目の当たりにしてないから仕方ないかもしれないがな……
それにしても……クソ……折角仲間が出来たと思ったのに……園崎……畜生……!
──柊かがみめ!絶対に殺してやる!その後つかさが暴れるようなら、お前も俺が責任を持って殺してやる……!
実際、魅音が参加していた殺し合いでつかさが豹変したのは、姉を失った喪失感からである。
つかさ自身に悪意があり、怪物と化したわけではない。
それを知った上でつかさを悪人扱いし殺意を抱くのは、常識的な道徳を知り正常な判断が出来る者ならまずあり得ない事だ。
三村が(もし実際に豹変し、怪物と化したらという条件付きではあるが)つかさにすら容赦ないのは、全てはかがみへの憎しみのため。
恐ろしい悪魔を野放しにするなんて、彼には出来ない。一刻も早く殺してやりたい、もはや多少の犠牲は仕方ない。
三村はそればかり考える。
つかさ自身に悪意があり、怪物と化したわけではない。
それを知った上でつかさを悪人扱いし殺意を抱くのは、常識的な道徳を知り正常な判断が出来る者ならまずあり得ない事だ。
三村が(もし実際に豹変し、怪物と化したらという条件付きではあるが)つかさにすら容赦ないのは、全てはかがみへの憎しみのため。
恐ろしい悪魔を野放しにするなんて、彼には出来ない。一刻も早く殺してやりたい、もはや多少の犠牲は仕方ない。
三村はそればかり考える。
クールな正義の味方、三村信史が怪物姉妹を打ち破る瞬間は、はたして来るのだろうか。
【E-4 / 一日目 黎明】
【三村信史@漫画ロワ】
【状態】肉体的には健康、KOOL
【装備】金属バット@ニコロワ
【持物】支給品一式、支給品×0~2
【方針/目的】
[基本方針]
柊かがみの犠牲者を出さない。
1、柊かがみの危険性を広く伝える
2、放送局に向かい、留守番電話を使うより効率よく情報の伝達を図る。
3、つかさを警戒。かがみの死後、つかさが豹変したなら、責任を持って殺す。
4、つかさなんかよりかがみの方が恐ろしいだろjk
※漫画ロワ185話「誰がために」の直後からです
※柊かがみが、自分と同じ殺し合い(漫画ロワ)から来ていると思い込んでいます。
※C-7『水族館』にある電話に、かがみは危険人物といった主旨の留守番電話メッセージが残されました。
【三村信史@漫画ロワ】
【状態】肉体的には健康、KOOL
【装備】金属バット@ニコロワ
【持物】支給品一式、支給品×0~2
【方針/目的】
[基本方針]
柊かがみの犠牲者を出さない。
1、柊かがみの危険性を広く伝える
2、放送局に向かい、留守番電話を使うより効率よく情報の伝達を図る。
3、つかさを警戒。かがみの死後、つかさが豹変したなら、責任を持って殺す。
4、つかさなんかよりかがみの方が恐ろしいだろjk
※漫画ロワ185話「誰がために」の直後からです
※柊かがみが、自分と同じ殺し合い(漫画ロワ)から来ていると思い込んでいます。
※C-7『水族館』にある電話に、かがみは危険人物といった主旨の留守番電話メッセージが残されました。
【難題:柊かがみは死ぬべきなのか?】
答えはノゥ!圧倒的にノゥ!!
折角誠心誠意、豹変したつかさの恐ろしさを伝えたのに、三村さんは何にも分かってくれなかった。
悪魔だとか魔女とかいうが、豹変したつかさよりも恐ろしい存在なんて、正直言ってありえない。
他ならぬ私と、遊戯君には分かる。だってほんの数時間前、笑いながら追いかけてくるつかさから逃げまくりだったもん。
悪魔だとか魔女とかいうが、豹変したつかさよりも恐ろしい存在なんて、正直言ってありえない。
他ならぬ私と、遊戯君には分かる。だってほんの数時間前、笑いながら追いかけてくるつかさから逃げまくりだったもん。
豹変したつかさは恐ろしく、そして悲しげだった。かがみが死んでしまうとそんな存在を許してしまう事になる。
それだけは絶対にダメ!例えかがみがどれだけ極悪であっても、私はつかさを悲しませるような真似なんてしたくないよ!
……それに、かがみが死んだら私もつかさに殺されるかもしれないしね……ああもう明日は我が身だよほんと……!
それだけは絶対にダメ!例えかがみがどれだけ極悪であっても、私はつかさを悲しませるような真似なんてしたくないよ!
……それに、かがみが死んだら私もつかさに殺されるかもしれないしね……ああもう明日は我が身だよほんと……!
「ったく! いったいなーもう!」
私は殴られた右腕を擦りながら、三村さんの後を追う。
姿はもう闇の中に消えてしまってるが、行先は覚えている。
確か放送局だ。そう言っていた。絶対にかがみを殺させるわけにはいかない。
殺して一番後悔するのは三村さん……きっとあんたなんだよ?
姿はもう闇の中に消えてしまってるが、行先は覚えている。
確か放送局だ。そう言っていた。絶対にかがみを殺させるわけにはいかない。
殺して一番後悔するのは三村さん……きっとあんたなんだよ?
……ああ、思い出すだけで背筋が凍る思いだよ。豹変したつかさよりもかがみの方が怖いとかあり得ないあり得ない。
【E-4/ 一日目 黎明】
【園崎魅音@ニコロワ】
【状態】右腕打撲
【装備】
【持物】支給品一式、支給品×0~2
【方針/目的】
[基本方針]
つかさの闇化を防ぐため、三村からかがみを守る
1、三村を追うため、放送局を目指す
2、三村の話を信じ、かがみを警戒(だけど半信半疑)
3、知り合いに会いたい
4、かがみなんかより闇つかさの方が恐ろしいだろjk
※死亡直前から参戦
【園崎魅音@ニコロワ】
【状態】右腕打撲
【装備】
【持物】支給品一式、支給品×0~2
【方針/目的】
[基本方針]
つかさの闇化を防ぐため、三村からかがみを守る
1、三村を追うため、放送局を目指す
2、三村の話を信じ、かがみを警戒(だけど半信半疑)
3、知り合いに会いたい
4、かがみなんかより闇つかさの方が恐ろしいだろjk
※死亡直前から参戦
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