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最終更新:2024年08月09日 04:26

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だれでも歓迎! 編集

目次

  • 目次
    • Part4
      • 2つ目(≫97~101:夏合宿~昼の部~)
      • 3つ目(≫112≫114≫121≫123:夏合宿~夜の部~)
    • Part4
      • その1(≫63~65)
      • その2(≫81)
      • その3(≫180)≫171、≫174より派生
    • Part6
      • その1(≫104)≫100、≫101、≫104より派生
      • その2(≫144)
    • Part7
      • (≫45)
    • Part8
      • (≫111)
    • Part9
      • (≫144~148)
    • Part10
      • その1(≫36~37)
      • その2(≫101~103)
      • その3(≫105~108)(***その2(≫101~103)の修正版)
    • Part11
      • その1(≫96~98)
      • その2(≫140~141)
    • Part14
      • その1(≫119)
      • その2(≫152)
    • Part15
      • その1(≫56~61)≫18より派生
      • その2(≫147、149~152)
    • Part16
      • その1 グランドライブ編1 (≫58~65)
      • その2 グランドライブ編2 (≫77~82)
      • その3(≫101)
      • その4 男装オグリとイチのデート (≫121~125)
      • その5 (≫149)
      • その6 グランドライブ編3 (≫169~175)
    • Part17
      • その1(≫75)
      • その2 (≫103~108)
      • その3 (≫123)
      • その4(≫143)≫137より派生
    • Part18
      • その1(≫75)≫124から派生
      • その2(≫165)
    • Part19
      • その1(≫41)
      • その2(≫55~56)≫45、47より派生→≫58から60、72へと派生
      • その3(≫77)
      • その4(≫103)≫106へと派生
      • その5(≫165)
    • Part20
      • その1(>>35~60)
      • その2(>>142、148)
      • その3(>>155(>>152より派生))
      • その4(>>157)

Part4

2つ目(≫97~101:夏合宿~昼の部~)


「なんでこんなことになったんだろう……」
 にっくき芦毛のライバルに抱きしめられた布団の中、己は小さく呟いた。
 正面からこちらの胸元に顔をうずめるように抱きついてきているコイツはがっちりと腕を回し、そのまま静かな寝息をたてている。
 かろうじて逃した右腕が自由になるだけの状態で抜け出すこともできず、ため息をつく。
「なんなのよ……」
 鼻から吸った空気に嗅ぎたくもないコイツの匂いが混ざる。
 どうしてこうなったのだろうと、自分は肩までかけた布団の中、これまでのことを振り返り始めた。


 トレセン名物夏合宿。デビューを終えた子は自分の実力を高め、秋から再開するレースを戦い抜くために。そうでない子は早くトレーナーやチームからスカウトされるだけの地力をつけるように。皆が目の色を変えてトレーニングに励む、二ヶ月近い強化合宿だ。
 自分も例にもれず今まで以上の成果を出すべく教官の指導を受けていたのだが、今年は少し様子が違っていた。
「……また、砂浜ボッコボコにしてる」
 スタミナとスピードを高めるための砂浜ランニング中、もう見慣れてしまった足跡を前にひとりごちる。
 裸足で走っているからだろう、五指の形まできれいに深く掘り下げられたいくつもの足跡。自分が目の敵にし、日々嫌がらせをしている転入生、オグリキャップのものだ。
 アイツの走り方は少し変わっている。
 常人離れした関節と身体の柔らかさ、そしてカサマツ時代に鍛えたという足首の強靭さからくる走り方は、このように砂浜やダートコースに深く蹄跡が刻み込まれてしまう。「アイドル」さまは足跡まで派手なことで、などと心中で嫌味をこぼしてみるも、それ以上にどこまで常識外の走り方をすればこのような足跡がつくのかと末恐ろしく感じてしまう。
 ……あたしがアイツに感心したなんて、殺されても言えないし、ムカつくから明日の弁当の献立に嫌いそうな野菜と酢の物を増やしてやるけど。


 そんなオグリ本人はといえば、この半マイルビーチの一番向こうまで早くも走っていってしまっているようで。折返しの灯台の下、わずかになびく芦毛が夏の陽光に光ってみえた。
「――ああ、もう!」
 足元の砂を強く蹴り、身体を前に押し出す。
 息を吐いて、吐いて、吸う。腕を振り、つま先で砂を搔き掘るように回転させる。
 ぐんと加速した身体を前傾に、己はもういち段階走りのギアを上げた。
「アイ、ツに! 負けるっ、わけには! いかないの、よッ!」
 本当なら自分はあと半周だけのこのランニングを終え、走っているオグリに「怪物さんも海では力がでませんかー? 砂に足を取られて、本来の走りが全然できてないじゃない!」などと皮肉の一つでも飛ばしてやるつもりだったのだ。
 それをアイツときたら、早々に筋トレを終えてランニングに合流してきて。
 ……ムカつく……!
 ポッと出が注目されるだけじゃなく、レースの勝ちも掻っ攫っていって。負けたくないという対抗心と、アイツへの怒りを足に込め、自分は長いラストスパートを掛け始めた。

 ●

「……ん、イチ! イチもランニングだったのか」
「……ぜ、は……はっ、はぁ…………」
 結局。
 半マイル先からアイツがゴールの海の家に帰ってくるのと、こちらがラストまで走り切るのは、ほぼ同時だった。
 二往復していたはずだからゆうに3,200mは走っているはずのオグリは頬に汗をかく程度なのに、こちらはがむしゃらなラストスパートで息も絶え絶えになっている。
 ……ムカつく……!
 膝に手をつき息を整えているこちらを見下されているようで腹が立つ。平然とした顔で見下ろしてくるオグリにも、この程度で死にそうになっている自分にも。
「……はーっ、は、ふぅ……。…………で、何、オグリ」
 ようやく息を整え体を起こし返事をすれば、ヤツは嬉しそうな顔で「ああ」と頷いた。
「今日、イチの部屋に行ってもいいだろうか。カサマツの皆から、『お友達で食べる用に』とお菓子が届いたんだ」
「はあ? それならあたしじゃなく――」
 いや。
 ここでこちらの部屋に引き込んで消灯時間ギリギリまで引き止めておけば、眠気でぼうっとしたオグリから嫌いな食べ物や苦手なものを聞き出せるかもしれない。
 そうすれば、なぜか夏合宿の間も続いている嫌がらせ弁当にもこれまで以上の効果が見込める。
「――いや、そうね。わかった。ありがたくいただくわ」
「っ! そうか、ありがとう。では夜にお邪魔させてもらう。同室の子たちには……」
「同室の子たちにも配れば許してくれるわよ。どうせアンタ基準で大量に送られてきてるんでしょ」
「そうだな、うん、そうしよう。ありがとうイチ」
「べ、別にッ!? くれるって言うからもらっておくだけよ! 勘違いしないで」
「いや。私にとっては、故郷の味をもらってくれるだけで嬉しいんだ」
「ぐ……」
 まただ。
 たまにコイツは、こうやって良心100%でクサくて返しにくいことを言ってくる。そのたびによくわからないけど心臓が跳ねて止まらなくなるから、いい加減にしてほしい。
「ま、まあいいわ、わかった。じゃあ9時以降ならいつでもいいわ」
「わかった。9時過ぎに行こう」


 じゃあそういうことで、と約束をしてその場は別れた。シャワーを浴びるため宿舎へと戻る途中振り向いてみれば、もうオグリは二本めのダッシュで奥の灯台の下までたどり着くところだった。
「……スタミナまで怪物ね……」
 つぶやく。
 自分はもう今日の分のメニューは終わった。あとは宿舎に戻って夕食までの時間で足のケアなどをするつもりだったが、
「……もう一本、だけ」
 アイツにあてられたわけでは決してない。断じて違う。違う、が。
 ……アイツより先に終わるのもシャクだから……!
 もうひと走りしようと、踵を返してビーチへと戻ることにした。

ページトップ

3つ目(≫112≫114≫121≫123:夏合宿~夜の部~)


「――お邪魔します。すまない、イチ。遅い時間に」
「べつに。いいわよ」
 果たして、オグリは約束通り21時を少し過ぎた頃にこちらの部屋の戸を叩いた。
 ドアを開けると入ってきたのは、一抱えはあろうかという大きなビニール袋。キャベツなら8つは入る大きさのそれを両手で抱え、オグリは畳の上に置いた。
「うっわオグリ先輩、すんごい量ですね……。あたしらの顔より大きいじゃないですか」
「ああ、色々送ってきてくれたみたいで、気づいたらここまで大きな包みになっていたそうなんだ」
 事前にオグリが来ることは同室の友人たちにも伝えてあったので、皆興味深そうに真ん中に置かれた座卓に集まってくる。
「わ、すごい! お土産用の箱がこんなにたくさん!」
「そっちのそれはしこらんといって、カサマツの銘菓なんだ。水飴とニッキの味で美味しいぞ」
「オグリさんオグリさん、こっちは? お魚みたいな形してますけど」
「そっちのは鮎鮨街道、これもカサマツの名物の鮎菓子だ」
「へえ……」
 次々と説明されるお菓子を皆で美味しい美味しいといただく。
 流石にここまで来て食べないのも失礼だと思い、鮎を模した焼き菓子の包を開いた。
「ん、チーズ……?」
 噛み締めた生地の奥からはチーズのような餡が出てきて、驚いて口元を抑える。
「そうなんだ」
 嬉しそうにこちらに振り向いたオグリはなぜかあたしの隣に座り、「これはもともと鮎のなれ寿司を運んでいたときのいわれから同じ発酵食品のチーズを……」などと説明してきた。それを聞きながら一匹を食べ終えると、途端に口をつぐみ、おずおずとこちらを伺ってくる。
「……なに、どうしたの」
「いや、その。美味しいか?」
「……美味しかった」
「そうか! ありがとう、これは私も大好きな和菓子なんだ!」
 喜色満面といった表情で自分も鮎の包装を開けるオグリの横顔を見つめる。
 まずい、と嘘を言うこともできたし、それで彼女に何らかの精神的なダメージを与えられるかもしれないとも思ったが。
 ……お菓子に罪はないから。
 うまいものをうまいといっただけ。あたしは絆されてない。
 小さく頷き、決心を固め直した。

 ●

「でも良かったねイチちゃん、オグリ先輩が部屋に来てくれて!」
「は?」
 一通り菓子を食べ終えた頃。同室の友人の一人が変なことを言いだした。
「オグリ先輩、聞いてくださいよ。イチちゃんったら部屋で私達にオグリ先輩の話ばっかりするんですよ~」
「そう、なのか?」
「そうそう! 今日はちょっと元気がなさそうだったーとか、足が痛いみたいだからーとか、ピーマンは嫌いじゃないらしいとか、口を開けば先輩のことばっかり!」
「ちょ、違……」
「どんだけ好きなんだよ―、って話ですけどね! 最近じゃあうちらは皆、応援ムードなんです」
「そうなのか……。それはその、少し、照れるな」
「ばっ、違うから!」
 立ち上がり、抗議の声を上げる。
 オグリの話ばっかりしているのは、どれだけコイツが調子に乗っているかということを広めるためで、つまりはいつもの嫌がらせの延長だ。
 ミーハーなファンもどきと一緒にされるのは心外極まりない。
「……違うのか?」
「~~~~~ッ!」
 立ち上がったこちらを下からオグリが見つめてくる。
 その捨てられた子犬のような目に、続けようとした言葉が喉で詰まった。
「……知らない。勝手に想像すれば」
 言い返すことも馬鹿らしく座り直し、横にいるオグリにきっぱりと告げる。
「勘違いしないでよね! 四六時中アンタのこと考えてなんてないんだから!」
「ああ、わかってる」
 涼しげに頷かれるのは、それはそれで腹が立つものだと気づいた。


 そのまま他愛もない話を続けて、気付けば予定していた通り消灯時間も目前に迫っていた。
 とりあえず机の上を片付けて、寮長の見回り対策に布団を敷いていく。
「……やばっ、見回り来たよ!」
「うそ!? まだオグリ先輩いるのに!?」
「~~っああもう! こっち入って隠れて!」
「あ、ああ」
 焦る皆と一緒にそれぞれの布団に入り、電気を消す。おろおろしているオグリの手を引いて、布団に頭が隠れるように引っ張り込んだ。
「……すまないイチ、私まで君の布団に……」
「ああもう、いいから! そのままだとはみ出る、あたしに抱きついてなさい!」
「わかった」
 こちらの胴に両腕を回し、胸元に顔をうずめるようにしてオグリは布団の中で抱きついてきた。
 ……意外と柔らかい身体してるのね……。
 暗闇の中、抱きつく感触だけが伝わる。呼吸で上下するオグリの頭を胸元に右手で押し付けながら、2つ隣の部屋を寮長が見回りしている音を伺う。
 物音が隣の部屋に来、こちらの部屋の扉が開き、スリッパ履きのヒシアマゾンさんとフジキセキさんが「……寝てるな」「寝てるね」と小声で確認する。やがて扉が閉まり去っていき、己はやっと行ったかと息を吐いた。
 気付けば電気を消して布団に潜り込んでから20分近くが経っており、皆もじっとしているうちに眠ってしまったらしい。
 今ならオグリも自室に帰れるだろうと布団をめくり、その手が固まった。
「……ちょっと、うそでしょ」
「すぅ……すぅ……」
 布団に押し込まれ隠れていたオグリは、このライバルは。
 よりにもよってあたしの布団で、あたしに抱きついて胸を枕にしながら。
 すっかり夢の世界へと旅立ってしまっていた。


「なんなのよ……」
 静かに寝息を立てている顔を覗き込む。
 風呂上がりらしいシャンプーの匂いが布団の中で濃くなり、体温の熱気とともにのぼってきた。その匂いに、変に頭がくらくらとしてしまう。
 同性同士なのにどきっとするほど整った顔と、それに似つかわないあどけない寝顔。
 しっかりと抱きつかれてしまっているから、抜け出すこともできない。
「……ああ、もう……」
 息を吐く。
 唯一動く右手でしっとりとした前髪を撫でると、うすく微笑んだ寝顔に変わった。
 ……あたしも眠くなってきたから。起こしてから部屋に返してーとかやってると寝るのが遅くなるから。
 だから、断じてこれはコイツのためなんかじゃないのだ。
 右手でオグリの頭を抱えながら目を閉じる。
「……おやすみ、オグリ。……あたしの胸を枕にするんだから、いい夢見ないと承知しないから……」
 自分の心臓だけがやけにうるさくて、眠気なんて微塵も来る気配がなかった。

Part4

その1(≫63~65)


≫63 二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 15:34:30

レスアンカーワン。あいつは変わっちまった。
オグリキャップに憎しみを抱いて、数々の嫌がらせをしていた彼女は、もういない。

彼女が最近、新人ながら専属トレーナーも決まり、めきめきとその実力を上げてきているらしい…という噂を聞き、彼女のトレーニングを見に行ってみることにした。
私と同じく、オグリキャップを面白く思っていないウマ娘は少なくない。そして、レスアンカーワンは、その筆頭だ。以前に話した時は、嫌がらせの弁当のメニューを考えるのに苦労しているようなことを言っていた。
ぽっと出のオグリキャップなんかに、でかい顔はさせない。いつか走りでねじ伏せてやる。私はそう思っているが、それはそれとしてレスアンカーワンの気持ちもわかるつもりでいたから、彼女を止めるような真似はしなかった。気が済むまでやればいい。そう思っていた。

だが、しかし。

…なんだあれは。まるでオグリキャップじゃないか、あの走法は。
そして何より驚いたのは、それを指摘したトレーナーに、彼女が満更でもないような反応を示したことだった。
自分が嫌っているオグリキャップに似ていると言われて、なぜ嬉しそうな顔をする?
私には理解できなかった。あれほどオグリキャップを憎んでいたレスアンカーワンとは思えなかった。

何が彼女を変えた?

……という妄想が浮かんだので投下

≫64 二次元好きの匿名さん22/01/18(火) 17:11:36

「腑抜けたな、レスアンカーワン」
「…なによ」
「お前は変わっちまった。オグリキャップ憎しのお前はどこにいっちまったんだ?」
「わたしは何も変わってない」
「今日の朝練の弁当のおかずはなんだ?おいしく食べてもらって嬉しいか?」
「〜〜!そんなこと言わないで!」
「嫌がらせ弁当は効果ないみたいだな。やっぱり靴を隠すか、ああ隠すより画鋲かな。さすがに鈍感なオグリキャップも気づくだろうからな嫌がらせに」
「…やめて」
「ん?ならお前がやるか?お前がやらないなら、代わりに私が」「やめてよっ!!!」

……やっぱりだ。
レスアンカーワン。こいつは変わっちまった。
オグリキャップを憎んでいた彼女は、もういない。
目をみればわかる。こいつは、オグリキャップに絆されちまった。
「…冗談だよ。私のやり方じゃないからな。お前みたいな嫌がらせは」
「……!」
何かを言いかけて、口をつぐむレスアンカーワン。
そうだ、彼女に私の嫌味を責める権利はない。彼女がオグリキャップに嫌がらせをしてきたことは事実なのだから。

「私は私のやり方でオグリキャップを潰す。レスアンカーワン、お前は指を咥えて見てるがいい」
「…汚ないやり方をするの?」
「さあな。私はお前みたいな嫌がらせは得意じゃない」
「……」
「だが…レースでは何があるかわからないからな。思わぬ事故とかがあるかも」
そう言って薄く笑って見せる。本気ではない、安い挑発だ。だがオグリキャップに脳を焼かれたレスアンカーワンを食いつかせるには、それで十分だった。
「……やらせない」
「ん?何を」「あんたなんかに、オグリはやらせない!」
被せるように叫ぶレスアンカーワン。
「オグリは…あの子は…!」
“あの子は” か。思わずため息が出てしまう。
「もういい、オグリキャップは私一人で潰す。だが忘れるなよ、レスアンカーワン」
その時、私の目には何が浮かんでいただろうか。彼女に対する幻滅か、憎しみか、或いは哀れみか。

「お前が今までやってきたことは」

動きを止めるレスアンカーワン。

「決して消えないんだからな」

彼女が何かを言う前に、私は踵を返してその場を去った。
角を曲がる前、微かに彼女の声が聞こえた。

「そんなこと…そんなこと、わかってるよ…」

その2(≫81)


≫81 二次元好きの匿名さん22/01/19(水) 20:58:01

タマモ「さぁ始まりました第一回『オグリキャップ対レスアンカーワン夫婦喧嘩記念』。実況は私タマモクロス、解説は足は速いが鮮度は落ちぬ事でお馴染みスーパークリークでお送りします。よろしゅうな」
クリーク「よろしくおねがいします」
タマモ「早速ですが怒りっぽいイチを差し置いてオグリが先制を仕掛ける波乱の展開になっておりますが、このレースをどう読みますか」
クリーク「今回はオグリちゃんの言い分が正しいと思うのでこのまま押し切るでしょうね」
タマモ「う〜む取り付く島もないママの切り捨て。スーパーコンピュータ富嶽もオグリキャップの勝利を導き出してる模様」
イナリ「イチはオグリに押されると弱いからな〜残当」
イチ「あんたら好き勝手言いすぎよ!何さ、あたしだってレースじゃなきゃオグリにだってね」
オグリ「イチ…お願いだから安静にしてくれ…もし万が一があったら私は…」クゥーン
イチ「……あーもう!わかったからそんな情けない顔しない!耳も垂らすな!犬か!」
タマモ「はいレース終了です。イチに賭けた人はご愁傷さまです」

その3(≫180)≫171、≫174より派生


≫171 二次元好きの匿名さん22/01/25(火) 19:37:57

このオグリには有馬やらファイナルズで勝った時に観客席最前列にいたイチに向かって「君のおかげで勝てた!」とか言い放ってイチをイチ躍有名人にしてほしいんだ
前々から噂されていたオグリを支える親友ということで知名度爆上がりして取材されたり何故かぱかプチも作られたりして本人はまんざらでもなくなってほしいんだ
でも途中から彼女本人じゃなくて「オグリの親友」という肩書きしか見られてないと感じ始めて曇ってほしいんだ
嘘なんだ 曇ってほしくはないんだ

それはそれとしてイチのぱかプチをモデルになった本人にゲーセンで取ってもらって喜ぶオグリは見たいし枕元に置いててほしいんだ

≫174 二次元好きの匿名さん22/01/26(水) 12:47:19

親友の引退レースが発端で名が売れたら曇る余裕はあんまりなさそうなんだ。どちらかというと「私もG1で勝ってみたかったなあ」くらいの爽やか曇り(?)がちょうどよさそう

イチちゃんがイチちゃんのぱかプチを取ると喜ぶのに、イチちゃんがオグリのぱかプチを取って笑うと「イチ、私のほうが……」ってムッとするオグリですか!???!?!!?!?!??!?!エッ!???!???!

ヤバ 死

≫180 二次元好きの匿名さん22/01/26(水) 20:35:24

イナリ「さぁ始まりました『第2回オグリキャップ対レスアンカーワン夫婦喧嘩記念』、実況は火事と喧嘩は江戸の華で御馴染みイナリワン、解説は喧嘩の時はまず目と鼻と歯を狙う事で御馴染みタマモクロスでお送りします」

タマモ「そこまでやらんわ、脛は蹴るかもしらんが」

イナリ「早速ですが今回のレースはどう見ますか」

タマモ「ぬいぐるみに嫉妬するなんて子供じゃあるまいし、今回はイチに分があるとちゃうか」

イチ「大体あんた自分の分身に嫉妬するなんておかしいわよ!これがあんたの子供だったら子供に嫉妬するダメ親じゃない!」

イナリ「おっと斬新な切り口で攻めてきたぞ」

オグリ「確かにそれは駄目だな…私が悪かった」

イナリ「おおっとイチ念願のオグリ打倒なるか!」

オグリ「……よく見るとイチと親子のようだな。きっとイチは良い親になる」

イチ「ファ!!!??!!。?ー。?ー?」

イナリ「あちゃーここでまさかの差し返し、イチ墓穴を掘ったか」

タマモ「イチに賭けたと思われるナカヤマが笑い転げてるのを見届けた所でお別れやで。また次回」


Part6

その1(≫104)≫100、≫101、≫104より派生


≫100 二次元好きの匿名さん22/02/06(日) 22:07:45

あの、オグリが間違えてイチちゃんのことお母さんって呼んじゃう展開ありませんか?

≫101 二次元好きの匿名さん22/02/07(月) 04:41:17

そ、それ聞いたクリークが「私がいながらオグリちゃん!」とむくれる展開もありませんか?

≫104 二次元好きの匿名さん22/02/07(月) 12:36:07

「お母さん…あっ」

「はぁ?なに寝ぼけたk(いや、待てよ私。オグリは人前で他人をお母さん呼びなんて赤っ恥を晒したのよ?これは全力で追い打ちをかけるべきよ!相手の弱みにつけこむ、それが勝負の鉄則よ!)」

「イチ…?」

「あらあら〜オグリちゃんどうしたのでちゅか〜?ママが恋しくなっちゃったのかな〜?」

「えっ?えっ?」

「ほ〜らイイコイイコしてあげまちゅよオグリちゃん♪(ホーッホッホッ!見たか私の渾身の赤ちゃん言葉!正直恥ずかしいけどあんたを道連れに出来るなら耐えられるわ!さぁ恥ずかしさで涙目になってる所を見せなさい!!)」

「イチ…まさかクリークと同じ趣味を持っていたのか?前々から仲が良いと思っていたがそういう事なのか…?」

「えっ」

「そんな…イチちゃんがでちゅねされる側ではなくする側だったなんて…オグリちゃんがイチちゃんの物に…」

「ちょっと待って下さい、不可思議な言葉を立て続けにぶつけないで下さい」


「アホやな〜!クリークの母性に日夜晒されてるオグリがそんな事で赤面するわけないやろ!勝負を仕掛けるタイミング間違えとるで!」

「それより大変だタマモ!クリークがイチにあてられて様子がおかしくなってる!」

「みんな下がれ早く!クリークの母性が爆発する!」

「ほわあぁあああああ!(byイチ)」

その2(≫144)


≫144 二次元好きの匿名さん22/02/10(木) 23:04:04

「イチ、緊張しているのか?」
「あ、当たり前でしょ!初めての挨拶なんだから失礼のないようにしないとだし…」
「大丈夫、お母さんはすごく優しいんだ。きっとイチのことも気に入ってくれるよ。」
「うぅ…だといいんだけど…。ねぇ、アタシの服変じゃないかな…?」
「家を出る前も言ったけど今日のイチはいつもよりキレイだぞ。あっ、もちろんイチはいつもキレイだが…。」
「そういう事じゃないわよバカ!でもありがと、おかげで少し落ち着いた。」
「イチ、着いたぞ。ここが私の家だ。」
「ここがオグリの実家…。」
「じゃあ入るぞ。お母さん、ただいま。」
「わっ、待って!まだ心の準備が…!」
「おかえりなさい、早かったわね。あら?その子は…」
「は、はじめまして!レスアンカーワンと申しますっ!あの、オグリキャップさんとは学園を卒業してからお付き合いさせていただいてる仲でして…。」
「あなたがイチちゃんね!話しは聞いてるわ、さぁ入って入って!」
「お、お邪魔します…。あの、これつまらないものですが…。」
「ふふっ、いいのよ、そんなに畏まらなくても。まったく、アンタには勿体ないくらい良い子じゃない。」
「そうなんだ。イチはすごく優しくて料理も上手で私のサポートもしてくれてすごく助かってる。本当に私には勿体ないくらい素敵なお嫁さんだ。この間なんかも…」
「ちょっ!?ちょっとオグリ!わかったから、それ以上は恥ずかしいから…!」
「あらあら、惚気てくれちゃってまぁ…。さて、ふたりとも長旅で疲れたしお腹も空いたでしょ。何か作って来るから少し休んでなさいな。」
「本当か!?久しぶりのお母さんの料理楽しみだ…!」
「あっ、お義母様!私も手伝います!」
「ふふっありがとう。それじゃあ…。」

Part7

(≫45)


≫45 二次元好きの匿名さん22/02/17(木) 00:24:21

「アンタってホントよく食べるよね。」
「?ああ!イチが作ってくれる料理はどれも美味しいからな!いくらでも食べられるぞ!」
「はいはい。それにしても作り甲斐のある食べっぷりだこと…。」
(うーん、オグリの食べてる様子ってなんか既視感があるんだよねー。なんだろう…。
ああ、うちで飼ってるわんこに似てるんだ…。
うんうん、あればあるだけ食べちゃうところとかそっくり…。
そういえば、しばらく帰ってないからそろそろ会いたいなぁ…。
頭撫でてる時なんかは耳を倒して撫でられやすいようにしてたっけ…。
そうそう、こんな風に…って)
「あれ?」
「ん?もういいのか、イチ。」

(え、なんでアタシオグリの頭に手を置いてるの?もしかして物思いにふけてる時に無意識で撫でちゃってた!?
ど、どうしよう…。なんて誤魔化せば…。)
「イチは撫でるのが上手なんだな…。最初はびっくりしたけど、すごく気持ちよかった。」
「え、えーっと…。」
「クリークもたまにこうして頭を撫でてくる時があるんだが、もしかして寝癖でもついていたか?」
「そ、そう!寝癖!寝癖がついてたの!まったく!身だしなみには気をつけなさいよね!」
「そうだったのか…。一応朝練の前に鏡で確認はしたんだが…。とにかくありがとう、イチ。助かったよ。」
「ど、どういたしまして…。」
「イチ、ひとつお願いがあるのだが聞いてくれないか?」
「な、なによ。改まっちゃって…。」
「その…、寝癖がついていない時でもさっきみたいに頭を撫でてほしいんだ…。」
「えっ!?」
「クリークに撫でられる時とはまた違って、イチに撫でられるとすごく安心してなんだか心がポカポカした気持ちになるんだ。だから、また撫でてほしい。ダメだろうか…?」
(くっ!その耳をペタンと倒して上目遣いで見つめてくるのは反則でしょ…!なんでこういうところもそっくりなのよ!あーもう!)
「わ、わかったわよ!やってやるわよ!でも、人前では絶っ対にやらないから!」
「本当か!ありがとう、イチ!じゃあさっそく…」
「…オグリ、アタシの話聞いてた?」
「?この時間なら登校する子も少ないし、今は私とイチのふたりきりで人前ではないと思うのだが…?」
「やんないわよバカ!」

Part8

(≫111)


≫111 二次元好きの匿名さん22/03/20(日) 23:18:53

タマ「イチのお母さんか…どんな人なんやろ、緊張するな…」

モニー「タマ先輩も緊張とかするんですね」

タマ「レースとはまたタイプがちゃうからな、どんな人か知っとるかモニー?」

モニー「ノリが軽くてちょっと変なことする人だってよく言ってます、それ言ってるときのイチの顔満更でもなかったのでいい人だとは思いますよ」

タマ「まぁイチのお母さんやし悪い人ではないやろうけど」

モニー「そういえば、イチを産んだときから見た目全然変わってないらしいですよ」

タマ「ホンマかそれ、凄いな…イチのお母さんやしスラッとした綺麗な人なんやろなぁ」

モニー「そうでしょうねぇ」

イチママ「どうも〜イチちゃんのお友達さん!」

タマモニ「あ、どう」


タマモニ「!!!!???」

Part9

(≫144~148)


≫144 二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 23:25:18

【中央生専用掲示板】
レスアンカーワンとか言うオグリギャルwwwww

1:一般ウマ娘
デキてるよね?

2:一般ウマ娘
距離感クッッソ近いよな

3:一般ウマ娘
一緒にお弁当食べてるの何回見たことか

4:一般ウマ娘
距離感近い友達ってだけじゃないの?

5:一般ウマ娘
ベンチで二人肩寄せ合って寝てたのも見たぞ

6:一般ウマ娘
→4
でもあのお弁当毎日イチちゃん先輩が作ってるみたいだよ

7:一般ウマ娘
→6
中身見たことあるけど凄かったよ冷凍食品ポイッと入れてとかそんなんじゃなくてそこそこ時間かかりそうなやつだった

8:一般ウマ娘
マジ…?

9:一般ウマ娘
→7
愛妻弁当…?

10:一般ウマ娘
俗に言う通い妻

11:一般ウマ娘
バレンタインのとき本命よって言ってオグパイにチョコ渡してるの見たぞ

12:一般ウマ娘
それ結構話題になってたけどどんな感じだったん?

13:一般ウマ娘
オグパイに生徒達が群がってたら颯爽とイチちゃん先輩が現れてチョコを渡したオグパイが義理チョコというやつかありがとうと言ったら本命よと言い放った黄色い歓声があがった保健室に一人担ぎ込まれた

14:一般ウマ娘
マジかよ…ホントにデキてそうだな…

15:一般ウマ娘
ずいぶん差したなイチちゃん…
─────────
87:一般ウマ娘
今すぐテレビ点けて!凄いことになってる!?

88:一般ウマ娘
今外にいるから貼って

89:一般ウマ娘

90:一般ウマ娘
エッッッ!!!??(困惑)

91:一般ウマ娘
ファァァーーーーwwwwWWW!!!??

92:一般ウマ娘
デキてる(確信)

93:一般ウマ娘
デキてる(確定申告)

94:一般ウマ娘
これでデキてなかったら逆に怖いわ
─────────
192:一般ウマ娘
ねぇ…オグリが「今日は気持ちよくしてくれ」って言いながらイチちゃんと同じ部屋に入っていったんだけど…

193:一般ウマ娘
!!!??

194:一般ウマ娘
こいつらうまぴょいしたんだ!

195:一般ウマ娘
…え?マジで…そういう…?

196:一般ウマ娘
オグリが「痛い!イチやめて!」って叫んでるんだけど…

197:一般ウマ娘
オグリ先輩が…猫ちゃん…?

198:一般ウマ娘
オグリ「吾輩は猫である」

199:一般ウマ娘
イメ損

200:一般ウマ娘
夏目漱石の方がイメ損されてないか…?

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Part10


その1(≫36~37)


≫36 二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 22:10:37

【中央生専用掲示板】

イチちゃんのママさんさぁ…

1:一般ウマ娘
デカすぎなんだわ

2:一般ウマ娘
ボン・キュッ・ボンなんだわ

3:一般ウマ娘
なんだったら゛追加してもいいんだわ

4:一般ウマ娘
ゆっさ♡ゆっさ♡

5:一般ウマ娘
おちちたわわなんだわ

6:一般ウマ娘
レースしてるときもライブしてるときもばるんばるんしてるんだわ

7:一般ウマ娘
君の愛馬が!ユサユサ

8:一般ウマ娘
男゛の゛人゛が゛可゛哀゛想゛だ゛よ゛ぉ゛立゛て゛な゛い゛よ゛ぉ゛!゛!゛!゛!゛

9:一般ウマ娘
勃ってるのにな

10:一般ウマ娘
あれで旦那と高校生の子供もいるんだぜ

11:一般ウマ娘
旦那さんはOKしてるの?あんな露出ヤバい勝負服着てるの

12:一般ウマ娘
最初は断固反対だったけど必死の説得で許可貰ったらしいよイチちゃん先輩も許可だしたらしい

13:一般ウマ娘
ほぇ~なんでアンカーワンさんはOKしたの…?

14:レスアンカーワン
二人に押されてOKしちゃったのよ「露出度だったら他の子達の方が凄くない?」って言われて…

15:一般ウマ娘
あ、先輩…トレーニングお疲れさまです

16:一般ウマ娘
言われてみれば私の勝負服も露出度で言えばイチママと同じぐらいでお父さんにめちゃくちゃ心配されてたわ

17:レスアンカーワン
悔しかった…だって乳かっぴらいてる人たちに比べたらしっかり隠れてるだけマシなのホントだもの……

18:一般ウマ娘
ママと同じ学校通ってるだけでもキツいのに、あんな格好で走って踊って私にだけチュウされたらアタシだったら死んでまうわ

19:レスアンカーワン
それだけじゃないのよ…お母さん休み時間のたび私のクラス来るのよ…食堂で一人飯してたら確実に相席してくるのよ…しかもお母さんと比べられたりもするのよ「お母さんに比べれると物足りない」って……

20:一般ウマ娘
その人、顔から下見て言ってそう(偏見)

21:レスアンカーワン
よく分かったわね

22:一般ウマ娘
お悔やみ申し上げます

23:レスアンカーワン
死んでへんわ

その2(≫101~103)


≫101 二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 01:06:48

「ごちそうさまでした」
ご飯大盛り・コロッケ3つ・味噌汁一杯・漬け物少量、至って普通である…しかし普段は文字通り山盛りの量で食べないと満足しない彼女ことオグリキャップ関して言えば、この量で満腹というのは異常事態である
「あの…無理な減量は体に良くないですよ…?」
「クリーク…無理なんてしていない、本当にこれで満腹なんだ」
「何かあったんですか?」
心配そうな顔をし見つめてくる
「調子が悪いなら無理せず休まれた方が…悩みがあるなら聞きますよ…」
皆に迷惑をかけたくなかったから自分だけで何とかしようと思っていたのに心配をかけてしまっては意味がない私は意を決し話すことにした
「胸がドキドキするんだ…」
「あら…。」
「顔が熱くなって…」
「あらあらあら…。」
「夜も眠れなくなって…」
「あらあらあらあら…。」
「イチのことばかり考えてしまうんだ…」
「あらあらあらあらあらあら、あらあらあらあらあらあら!!」
「どうしたんだ!?大丈夫か!?落ち着くんだ!!!」
「すいません、いきなりきたので」
普段はこうじゃないんですよ…と申し訳無さそうに小声で付け加え汗を拭いながらクリークは何か思いついた顔をした
「それをイチちゃんに相談してみてはどうでしょうか?本人に聞いてみるのが一番だと思いますよ!」
そう言うクリークは手を左頬に添えながら顔を傾け何故か嬉しそうな顔していた
「わかった聞いてみる」
クリークの様子に困惑しながら答えた
「応援してます!!!」
応援?
───────────
「ねぇ、どうしたの」
たまには食堂で二人で食べないかと呼び出したはいいものの、中々切り出せず、不審がられてしまった
「え!?な、なにがだ!?」
「様子が変なんだけど」
「な、なんでもないぞ!!?」
声が裏返った、我ながらわかり易すぎる
「絶対ウソじゃん…わざわざ私を呼び出して…悩みでもあるの?話してみなさいよ」
いつ切り出そうかと機会を伺っていたら、あちらから聞いてくれた、彼女にまで心配をかけてしまったことに罪悪感をおぼえる
「実は…あるヒトのこと考えたら胸がドキドキするんだ…」
食事中の生徒達が皆が一瞬手を止めこちらを見た、すぐに食事を再開したが先ほどとは違い、話し声はせず食器の音だけが鳴っていた、皆こちらを意識し耳をたて、私が次に発する言葉を今か今かと待っていた、よく見ればクリークもいた「頑張って!」言わんばかりの顔でこっちを見てくる
もう言ってしまったからには引き返せない
「だ、だからイチに…あ、あど、あどばいすぅ…というか…なんというか…相談したくて…」
「…へぇ」
イチは悲しそうな嬉しそうな不機嫌とも言えそうな表情をしていた
「その相手は誰なの」
「え!?えっと…すまない…言えないんだ…」
何故か言いたくなかった恥ずかしかった
「わたし?」
先ほどまでカチャカチャと鳴っていた音の一切が消え静まりかえる、そんな時間が数秒…体感にして数十秒…今だ状況を把握できていない周囲をよそに彼女は畳みかける
「私が好きなの?」
復旧しかけた脳に追撃をくらい脳がショートした、ここが90年代の漫画なら頭が爆発してチリチリになっていただろう
「騒がしくなってきたから、そろそろ帰るわ、また明日ね」
そう言い放ち足早に食堂を出た
残されたのは今だ放心状態の芦毛ウマ娘とすっかり食べることを忘れ黄色い声をあげている生徒達だけだった
イチと私で分散していた視線が全て私にそそがれる
背中にチクチクと刺さる視線を感じながら顔を伏せ逃げるように食堂を後にした
───────────
自室に戻りベットに倒れ込む
手を顔に添える、あまりの熱さに驚いて顔から手を離した、私がタコならすでに茹で上がってることだろう、正直レース終わりでもこんなに顔が熱くなったことはない
『わたし?』
『私が好きなの?』
あの言葉を思いだすたび顔が熱くなる
「明日からどんな顔して会えばいいんだぁ…いちのばかぁ…」

おわり

その3(≫105~108)(***その2(≫101~103)の修正版)


≫105 二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 01:43:51

「ごちそうさまでした」
ご飯並と・味噌汁一杯・漬け物少量、かなり少ない量のご飯…しかもアスリートである彼女が、この量で満腹というのは異常事態である
「あの…無理な減量は体に良くないですよ…?」
「クリークさん…無理はしていないんです…本当にこれで十分なんです…」
「何かあったんですか?」
心配そうな顔をし見つめてくる
「調子が悪いなら無理せず休まれた方が…悩みがあるなら聞きますよ…」
皆に迷惑をかけたくなかったから自分だけで何とかしようと思っていたのに心配をかけてしまっては意味がない私は意を決し話すことにした
「オグリのこと考えたら胸がドキドキするんです…」
「あら…。それって…」
コクリと頷き相槌をうつ
「あらあらあらあらあらあら、あらあらあらあらあらあら!!」
「お、落ち着いて下さい…恥ずかしいです…」
「すいません、いきなりきたので」
普段はこうじゃないんですよ…と申し訳無さそうに小声で付け加え汗を拭いながらクリークさんは何か思いついた顔をした
「それは言った方が言った方がいいですよ、アスリートとしてご飯を食べれないのは大問題ですし…それに…大事なことですから…言って解決するなら、それが一番ですよ…」
そう言うクリークさんは手を左頬に添えながら顔を傾け微笑んでいた
「わかりました言ってみます」
少し悩んだが私は決めた
「応援してます!!!」
「………はい!」
───────────
「イチ、どうかしたのか?」
たまには食堂で二人で食べないかと呼び出したはいいものの、中々切り出せず、不審がられてしまった
「え!?な、なにがあ!?」
「様子が変なんだぞ」
「な、なんでもないよお!!?」
声が裏返った、我ながらわかり易すぎる
「ウソだ…わざわざ私を呼び出して…悩みでもあるのか?話してみてくれ」
いつ切り出そうかと機会を伺っていたら、あちらから聞かれた、頬が熱くなる、聴こえてしまうのではないかと言うほど高鳴った鼓動を抑え、意を決す
「アンタのこと考えたら…胸が…ドキドキするのよぉ…」
食事中の生徒達が皆が一瞬手を止めこちらを見た、すぐに食事を再開したが先ほどとは違い、話し声はせず食器の音だけが鳴っていた、皆こちらを意識し耳をたて、私が次に発する言葉を今か今かと待っていた、よく見ればクリークさんもいた「頑張って!」言わんばかりの顔でこっちを見てくる
もう言ってしまったからには引き返せない
「だ、だからアンタに…あ、あど、あどばいすぅ…というか…なんというか…相談したくて…」
「そうか…」
オグリは考え込みながら悲しそうな表情をしていた
「私が好きなのか?」
先ほどまでカチャカチャと鳴っていた音の一切が消え静まりかえる、そんな時間が数秒…体感にして数十秒…今だ状況を把握できていない周囲をよそに彼女は畳みかける
「私のことが好きなのか?」
復旧しかけた脳に追撃をくらい脳がショートした、ここが90年代の漫画なら頭が爆発してチリチリになっていただろう
「冗談だ、お弁当の内容を考えすぎていたんだろう…すまない私のせいで…イチとは、こうやって学食を食べるだけでも楽しい、だからしばらくはそうしよう、そろそろ帰る、また明日会おう」
そう言い放ち食堂を出た
残されたのは今だ放心状態の栗毛ウマ娘とすっかり食べることを忘れ黄色い声をあげている生徒達だけだった
オグリと私で分散していた視線が全て私にそそがれる
背中にチクチクと刺さる視線を感じながら顔を伏せ逃げるように食堂を後にした
───────────
自室に戻りベットに倒れ込む
手を顔に添える、あまりの熱さに驚いて顔から手を離した、私がタコならすでに茹で上がってることだろう、正直レース終わりでもこんなに顔が熱くなったことはない
『私が好きなのか?』
『私のことが好きなのか?』
あの言葉を思いだすたび顔が熱くなる
「明日からどんな顔して会えばいいのよぁ…おぐりのばかぁ…」

おわり

Part11

その1(≫96~98)


≫96 二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 16:25:05

ある食事会の日の風景

「ふう···ただいまタマ」
「おーお帰りー、オグリ。お邪魔してます」
「イチ、もう来てたのか」
「こらこら、そうじゃないでしょ」
「むっ···ただいまイチ、いらっしゃいませ」
「うん、よろしい」
「イチは厳しいな。お母さんみたいだ」
「誰が誰のお母さんよ」
「イチが私のお母さんみたいだ」
「···説明しろって意味じゃない」
「違うのか?」
「ハァ···もういいわ」
「タマ達はどこに行ったんだ?」
「タマモ先輩とクリークさんは何故か足りなくなってた料理の材料を買いに出掛けました」
「」ピタッ
「タマモ先輩曰く『おっかしいなぁー、昨日まで確かにあった筈なんやけどなぁー、昨日寝る前に確かに確認したのに授業が終わって一旦帰ってきたら足りなくなってるわー、しゃーない買いに行ってくるわー。···それはそれとしてオグリは何か知らへん?』ですってよオグリさん?」
「」メソラシ
「オグリ」
「ナ、ナニモシラナイゾ」ギギッ
「ふーん」ジーッ
「」ダラダラ
「へぇー」ジジーッ
「」ダラダラダラ
───────────
「ま、知らないんなら仕方ないか」
「ううっ···す、済まないイチ。夜中にお腹が空いてしまって、つい」ショボン
「はぁ···そういう時は私かクリークさんにLINEでも送ればいいでしょ。大体アレは材料であって料理じゃないでしょうに」
「だが、その、夜中に私のお腹ためにイチ達を起こして迷惑をかけるのはやっぱりダメだ」
「···気を使うポイントがずれてるのよ、アンタは」
「?イチ?」
「えいっ!」パチン
「あいたっ!?」
「うりうり」ムニムニ
「な、何をするんだ、酷いぞイチ」
「餅みたいね、アンタのほっぺ」ムニムニ
「私のほっぺは食べても美味しくないぞ」
「···いい、オグリ。私は誰?アンタの何?」
「それは···レスアンカーワン、私の親友だ」
「っ!」
「イチ?」
「あーなんでもない···コホン。そう、アンタの友達よ。ならつまらないこと気にしてないで困った時は頼んなさい」
「そうか···そうだな、わかった。ありがとうイチ、私はいつもイチに助けられてばかりだ」
「心配しなくてもこの貸しはいつかまとめて返してもらうから」
「ああ、任せてくれ。その時はどんなことでも全力でイチを助けてみせる」
「(···ばーか、こっちはとっくに返しきれない程のものアンタから貰ってるわよ)」
───────────
「それはともかくイチ」
「ん、なあに?」
「そろそろほっぺを放してくれ。本当にお餅になってしまう」
「えっ、あ、ゴメ···」「ただ今帰りまし···あらぁ?」
「」「ああ、お帰りクリーク、タマ」
「タマちゃん」
「なんや、どしたんクリーク?早く入ってくれんとウチが入れんやろ」
「ちょっと学食でお茶してきましょうか、一時間位」
「へ、なんでや?今戻ってきたばかり···ちょっ、そんな引っ張んなや!?」
「もう、ダメですよタマちゃん。お二人の邪魔しちゃ、めっです」
「クリークさん?!ちょっと待って!誤解だから行かないで!話を!話を聞いてください!」
「なあ、イチ。もう私は(お腹が)我慢出来そうにない」グウーッ
「このタイミングで誤解を招きそうなこと言うなー!」

その2(≫140~141)


≫140 二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 17:01:31

『お花見』

「ひゃー、流石に混んどるなぁ」
「満開ですもんね、桜」
「まぁみんな考えることは一緒っちゅーわけやな。お、犬もおるやん」
「場所はこの辺でいいかな……」

「なぁ、イチは犬と猫どっちが好きなん?」
「なんですタマ先輩藪から棒に」
「ん、いやー?さっき犬おったやん?せやからなんとなくなー」
「……それなら断然、犬です」
「断然ときたか。なんでや?」
「そうですね、すぐに鼻を近づけてきたりして懐っこいところ、尻尾を振って駆け寄ってくるところ、お手とかも嫌がらずにしちゃうところとかですかね」
「おお結構言うやないか。しかしまぁ、犬が好き言うたらそんなもんやろな」
「ならなんで聞いたんですか……」
「なんとなく言うたやろ……あ!おーい!オグリぃー!」
───────────
「!」

タッタッタッ

「イチ、タマ、遅くなってすまない」
「かまへんかまへん。ウチらも今着いたとこやし。道ぃ迷わんかったか?」
「そう言えば方向音痴なんだっけ、オグリ」
「大丈夫だ。この公園は朝のランニングで通るからな」
「あ、そうなんだ。ねぇオグリ」
「む、イチ、なんだかいい匂いがするな」
「えっちょっ、顔近っ」
「ハンバーグの匂いがする。うん、今日のお弁当が楽しみだ」
「そっちか……」
「相変わらず食いもんにはめざといやっちゃなー。犬みたいな嗅覚や」
「さっきも尻尾振って走ってきてたし。本当に犬みた……い…………」
「どうしたイチ。お腹が空いたのか?」
「まだ来たばっかりやろがい!……ちゅーのは置いといて……なるほどなぁ?」
「いや、これはその、オグリはウマ娘だし!その、あの」
「イチ、慌てなくていいぞ」
ギュッ
「……お手までしよったわ」
「わ、わ、わ」
「大丈夫か?イチ!?」

おわり

Part14

その1(≫119)


≫119 二次元好きの匿名さん22/08/08(月) 20:40:44

モニー「ねぇ横で色々やられてるとアタシ寝れないんだけど…アンタ明日も練習あるでしょ…もう寝なよ」
イチ「ごめんもうちょっと…もうちょっとだから…」
モニー「…はぁアンタと変わりたいよ…目的を忘れて色恋に現を抜かせれて羨ましい〜…あぁ〜でも今より遅くなるのはイヤかなぁ〜」
イチ「好きなんかじゃないわよ!!」
モニー「そこなの?後半に関する言及はないの?結構酷いこと言ったよ?なんだったら前半も中々なこと言ってんよ?それはいいの?」
向かい部屋「うるさいよ!」
イチモニー「ごめんなさーい」

その2(≫152)


≫152 二次元好きの匿名さん22/08/14(日) 08:23:52

ねぇモニーちょっといい?

なによ

前言ってたチア服届いたんだけどさいきなり皆の前で披露するの恥ずかしいし心配だからさ先にモニー見てくれない?感想聞きたいの

まぁ…別にいいけど

ありがとーじゃ着替えてくるから

チア服…かなり露出あるけど大丈夫なの…?
アイツのことだしそんな露出あるやつ選ばないか…

おまたせしましたー!



Part15

その1(≫56~61)≫18より派生


≫18 二次元好きの匿名さん22/08/22(月) 02:25:11

イチちゃんを慕う娘がいてちょっとむむってなるオグリを見てみたい
イチはすごいウマ娘だからな……!なんて思いながらも
日常の端々でモヤモヤした気持ちが残ってて
流石に練習の時までは引き摺ってなかったけど
タマとかに 今日なんか変やで? なんて言われて
かくかくしかじかしたら なんやホの字か〜? なんて揶揄われて ??? ってなって
でも練習の時はそないでもなかったな! って言われて
イチは…ちゃんと走らない私なんて見たくないと思うから 的なことを言って
タマは こりゃ相当やなぁ なんて言って
後日イチに 大変やろけど応援してんで! って激励?しに来る

≫56 18 22/08/27(土) 02:15:19

『あ、あの!』

「……………」
「…………?」

「……アンタのお客さんじゃない?」
「! そうなのか?」

『あ、や、えーっと、その……違うんです…』

「………てことは、アタシ?」

『はい!』

「……ふ、ふふふ………」

『えっと、その! 昨日、その……走ってるところ見ちゃって、それで……すごく速くて、その…綺麗で!きょ、今日、併走!していただけませんか!』

「ふふ、ふふ………勿論、構わないわよ」

『!ありがとうございます!! じゃあ、放課後、絶対来てくださいね! 絶対ですよ!』

「ふ、ふ、ふふふっ……どーよ! これがアタシのカリスマよ! ………あ、でも…そっちとの折り合いがつかなくなっちゃうわね……折角アンタが空けてくれたのに」
「ううん。…構わない。イチは、凄いウマ娘だから……私だけが独り占めしてはいけないと思う」
「う、ぎ、ぎぎ…っ……ま、まぁ、とにかく! ありがとね! 絶対埋め合わせはするから!」
─────────
 ………何なんだろう。

「…………………」

「オグリ………野菜ばっかそんな山盛りで足りんのかいな」

─────────────────

 ………どうして、こんなにモヤモヤしているんだろう。

「…………………」

「オグリ? …オグリ〜? ちょ、ちょいマニキュア塗りすぎてへんか??」

─────────────────

 ……喜ぶべきことなのに。

「オ〜グ〜リぃーーっ!!!」

 !

「す、すまない…タマ。じゃあ、始めようか」

 ……とにかく、今私がすべき事は…走る事だ。
─────────
「あっかん……もー無理……もーいッ歩も動かれへん…! 併走、誘ってもらっておーきにな、オグリ」

「こちらこそ。むしろ、急に誘ってしまって……迷惑じゃなかっただろうか……?」

「えーてえーて! ウチもここんとこ他のと併せしとらんかったしな、そろそろしときたいと思うてたんや! ……それよりウチはむしろ……今日のアンタのが気になったけどな。どないしてん」

「…………」
「タマは、魔法使いみたいだな…」

「いや、自分が分かりやす過ぎんねん。ウチの地元やったらツッコミのオンパレードやで」

「……そうなのか」

「例えやで? ほら、包み隠さず言うてみんかい! アンタとウチの仲やんか、な!」

 タマは、やっぱり魔法使いみたいだ。私の気持ちを分かってるみたいに言葉を入り込ませてくる。

「…うん、ありがとう…タマ。じゃあ、聞いてくれるか?」

「よし来た! 十中八九は…あのイチとかいう娘のことなんやろけど………て、ハハハ。ホンマアンタ分かりやすいなぁ」
─────────
「ふーん………要するに、その後輩いうのにイチが慕われとって……取られたって思ったんや。…く、ふふ……それであんななるって……アンタ、イチにホの字なんちゃうか?」

「ホの………?」

「………んー、まぁ、ええわ。忘れて」

 取られたと、思ったからなのだろうか。あの時、イチに言ったことも…私は多分、本当にそうだと思ったから言ったんだ。
 なのに、どうして……こんなに、胸が気持ち悪いんだろう。

「………分からないんだ」

「………ん〜、まぁ、そんなこともあるわな。ウチだって分からんことなんかごっつぅあるし。でも、アレやな! 走っとる時はそないな感じせんかったけど、それはどうなん?」

「! それは…………」

 それは、分かっている。
 何故、靴裏から飛んだ柴と一緒にモヤモヤを置いていくことが出来たのか。
 それは………

「……きっと、イチは、見たくないと思うから。ちゃんと、きちんと、走ることが出来ない私のことを」

「………ほぁ〜…………」
「……こりゃあ、相当やなぁ」

「? 何か、変だっただろうか」

「…ううん、何もあらへん。……いやぁ、それにしても……今日の風はホンマ気持ちいいなぁ」
─────────
「…これで、いいかな……や、ちょっと焼き過ぎ…? …!……はーい! …って、タマモ先輩? モニーなら今出てますけど……待ちます?」

「や、お構いなく! ちょっとした野暮用やしな。……にしても、美味そうな匂いやなぁ……これ、明日の弁当?」

「? そうですけ「誰のん?」

………誰だって、いいじゃないですか」

「……ほ〜ん。……結構、似たり寄ったりなんかもな」

「え?」

「んーん、なんでも! 色々骨折るやろけど、ウチは応援してるさかい…頑張りや!イチ!」

「? へ?え……ぁ、はい……ありがとうございます……?」

その2(≫147、149~152)


≫147 二次元好きの匿名さん22/09/11(日) 13:51:16
――ロクでもないヤツ、なんてものはホントどこにでもいるらしい。
私を人気のない校舎の裏に連れてきたふたりのウマ娘を見て、そう思わずにはいられなかった。

「悪いなァ、いきなりこんなところまで連れてきて」
「ウチらね、ちょーっとアンタにお願いしたいことがあんのよ」
口の端をつり上げて歯をむき出しにする、下品な笑い方。
生理的な嫌悪感でしっぽがムズムズした。
そういやこんな不良ウマ娘も、トレセン学園にはいたんだっけか。

「……で、私に何の用ですか」
「聞いたぜ。お前あのオグリキャップと仲いいんだろう?」

「そんなのあなたたちには関係ないでしょう」
「オイオイオイ、ちっとは口のきき方に気を付けた方がいいんじゃねぇのか!?」
ふたり組の片割れが私の襟首を締め上げる。
喉に感じる鋭い痛み。
どうせレースでもロクに活躍できない不良ウマ娘、と高をくくっていたけれどかなりの腕力だ。

「なぁに、カンタンなお願いだ。あのオグリキャップ様に頼め。ちょっとカネを貸してくれ、ってな」
ふざけるな、と言おうと思ったけれど。
締め上げられた喉からヒュウヒュウと空気が漏れるだけだった。

「それになぁ、お前ムカつくんだよ。オグリキャップに金魚の糞みたくベタベタしやがって。
どうせ有名ウマ娘とコネを作っとこう、とかそんな理由なんだろ?」
「アタシらに目をつけられた時点でなぁ、もう終わりなんだよ。同じトレセンにいるんだから逃げられるわけがねぇ」
ふたりの不良が獲物をいたぶるように私をにらみ付ける。
私の抵抗する気力はとっくに折れてしまっていた。
──────────────────────────────────────────────────────
「まずはお前の持ってる分だけでいいから、出せや。あとはオグリキャップから金借りてこい」
「どうせオグリキャップはたっぷり稼いでるんだし、少しくらい分けてくれたっていいじゃん」
怖い。どうしようもなく怖かった。
もちろん、オグリから金をたかるなんて絶対にイヤだ。
でも理不尽な暴力を受けた私のメンタルはもう限界で。

――オグリなら、きっとお願いすればお金を貸してくれるんじゃないか。
そんな考えが、頭の中をよぎってしまう。
「オラ、返事はどうなんだよっ」
締め上げたまま体をゆすられる。
喉が痛くて呼吸すらままならない。
とりあえず今だけでも苦しみから解放されたくて、私は不良の申し出を受け入れるしかなかった。
心の中で、何度もオグリに「ごめんなさい」と謝りながら。
私はこくこくとうなずく。
了承の合図と受け取ったのか、不良は私を締め上げる手を離した。
「ようやくわかってもらえたか。助かるわぁ。今月結構ピンチだったから」
「そんじゃ今持ってる分だけでも出してもらえる? ああ、それと」
不良の片方がにやにやと笑いながらスマホを取り出した。
「脱いで裸になれ。写真に撮ってやるからよ。もし誰かにバラしたら拡散してやるからな」
「恥ずかしくて脱げないってか? 何なら手伝ってやってもいいぜ」
下品な笑いを浮かべながら、ふたり組は私ににじり寄ってくる。
本気だ。このふたりは、本気で私から全てをむしり取ろうとしてるんだ。
私のお金も、プライドも、大切なものも、何もかも。
「たすけ――」
「おっと、今さら騒ぐんじゃねぇ」
不良の手のひらが私の口をふさいだ。
もう片方が私の制服のホックに手をかける。
スカートを外され、中に履いているスパッツまで下ろされて。
もういっそ死にたい、と心の中で叫んだ、その時だった。
──────────────────────────────────────────────────────
「な に を し て い る ?」
銀髪のような芦毛をなびかせて。
私が今まで見たこともない、殺気すら感じるほどの怒りを浮かべながら。
オグリキャップが、そこにいた。
「何をしている?」
いつの間にか不良ふたりは直立不動になっていた。
それくらい怖いのだ、今のオグリが。
「黙っていてもわからないぞ」
たとえ野生のヒグマと直面したとしても、今のオグリと比べればたぶん大したことない。
そう思えるくらい今のオグリは怖かった。
あの食いしん坊で、天然で、優しいオグリとは別の存在に思えてしまう。
にらまれるだけで心臓が止まりそうだ。

「イチに何かしたのか」
オグリは服を脱がされけている私の方をちらりと見る。
まあこの状況を見れば、何かよからぬ事があったのは明らかだ。
ずいっ、とオグリが不良たちと距離を詰める。
不良たちは恐怖で固まってしまっているのか、逃げようとすらしなかった。
「何をしたんだ……どうした、話せないのか」
なおもオグリは近づくと、両手でそれぞれの不良たちの肩をつかんだ。
肩をつかまれた瞬間、不良たちは「ひいっ」と情けない声を上げていた。

「私が大食いなのは知っているだろう。もちろん肉だって食べる。いや、むしろ大好物だ」
不良たちがカチカチと歯を鳴らし始めた。
震えているのだ。
このオグリという「怪物」からにじみ出るオーラに圧倒されて
「活きのいいウマ娘の肉は――さぞ美味いんだろうな」
「たっ……たすけっ……」
「い、命だけは……」
不良たちふたりはカタカタ震えながら、その場に水たまりを作っていた。
──────────────────────────────────────────────────────
不良たちが戦闘不能になったのを見届けると、私はそそくさと服を着直した。
それからオグリに手を引かれ、寮の私の部屋へと向かう。
幸いモニーはいなかった。そういえば今日はタマモ先輩と併走するって言っていたっけ。
「あの不良たちに何をされた? 話してくれ」
怒っているようにも見えるけれど、さっきのように怖くはなかった。
むしろ心配の色の方が濃いように見えたから。
隠しても仕方ない。私は不良たちにされたことを全て話すことにした。
「――とまあ、こんなところ。ああ、先生やたづなさんには内緒ね。あんまり大事にしたくないし」
「ダメだ! また同じことがあったらどうするっ」
オグリの大声に少し驚いてしまう。
でも本気で心配してくれてると思うと、少し嬉しい。
「こういう時は大人を頼らないとダメだ。でないと手に負えないと思った時には、すでに手遅れになってしまう」
「そっか……そうだよね」
「あと、頼るなら私を頼れ。イチに悪いことをするヤツは、全部食べてしまうからな」
「ははっ、いくらオグリでもさすがに無茶でしょ。えっ、冗談……だよね?」
まさか不良ウマ娘たちも、あの時は本気で「食べられる」と思ったのだろうか。
いや、さすがにそれはないだろう。無いと思う……たぶん。
「ところでイチ、あの不良たちに傷つけられなかったか」
「少し喉は痛いけど、あとは何ともないよ」
「す、スカート、脱がされていただろう。まさか変な事をされて――」
「何もないって!」
「よかった。私はてっきりイチが傷物にされたかと思って」
「いや傷物って表現!」
「とにかく無事でよかった。けれど、イチがまた今回のように悪いヤツに絡まれたりしないか不安なんだ」
「まあ気を付けるよ。でもあれだけオグリがしっかり脅してくれたから、大丈夫だと思うけど」
「いいや、それでも心配なんだ。できることならイチから一秒たりとも目を離したくない。私はそれくらいイチが大切なんだ」
オグリが私の手を包むように掴んだ。時に怪物と呼ばれる彼女の手は温かくて、柔らかかった。
「さ、さすがに心配しすぎでしょ……」
ぷいっ、と私はオグリから顔をそらした。
今の赤くなった顔は、できれば見られたくなかったから。
──────────────────────────────────────────────────────
あれから数日後。
私はモニーと買い物のため外出していた。
そういえば、あれからあの不良たちとは会っていない。
風の噂では学園から姿を消した、なんて話もあるようだけれど。
ぶるる、と私のスマホがメッセージの着信を震えて知らせた。
「イチってば、今日スマホいじってばっかりじゃない?」
メッセージを確認する私を見て、モニーは面白くなさそうに文句を言ってくる。
「……ごめん」
「いや、そんな深刻な顔で謝らなくても。どうしたのさ、何かあったの」
モニーと出かけている間だけで、メッセージの着信はとっくに10件を超えていた。
さすがにいちいち返信はできない。
というか、なんて返信したらいいのか。

『イチ、今日は出かけているのか。部屋にいないから心配したぞ』
『買い物に行っているのか。どうして私に声をかけなかった?』
『またアイツらに絡まれたら大変だ』
『今どこにいるんだ?』
『電話してもいいか』
『ああ、やっぱりイチが心配だ』
『お互いの居場所がわかるアプリを入れておけばよかった』
オグリから送られてくる大量のメッセージ。
ちらりとスマホをのぞき見たモニーはひきつった苦笑いを浮かべていた。
「これは……愛されてるなぁ」
「愛されてるっていうか、過保護なのよ。私だって自分の身くらい自分で守れるってば」
「そういって危険な目にあったから、こうして心配されてるんでしょ」
「ぐぬぬ。まあ、これからは気をつけるわ」
「それに……私だって、心配なんだからねっ」
ぼそり、とモニーが何やらつぶやいていたけれどあえて返事はしなかった。ひとりごとのようにも聞こえたから。
とりあえずオグリには「大丈夫だから。ごめんね」とだけ返信しておく。
それから私は、少しだけ顔の赤いモニーと買い物を続けた。

Part16

その1 グランドライブ編1 (≫58~65)


≫58 二次元好きの匿名さん22/09/20(火) 18:25:58

『イチ..?あー、あのオグリキャップの親友の』
『オグリちゃんとよく一緒にいる娘ですよね!かわいくて結構好きです!』
『一緒にいるオグリキャップが幸せそうな顔してるのが印象的でしたね』
『レースは、どうなんだろう?よく知らないですね』

よせばいいのに、ついつい気になってしまう。私はネットで時々、自分の名前、"レスアンカーワン"を検索してしまう。
検索して一番に出てくるのは、"イチ"の評判、オグリと一緒にいる写真。
レースの成績なんかはそれなりにスクロールしなければ見つからない。

私はレースの成績の割にはファンが多い。
でもそれは、例えばウララちゃんのような、頑張り屋なところが評価されてとかそういうわけじゃない。
ただオグリとよく一緒にいるから、オグリの親友というイメージが付き、所謂箱推しのような形でファンが増えた。
だから、私のレース成績のこととか余り知らない人が多い。
彼らが好きなのは、オグリと一緒にいる"イチ"であり、レスアンカーワンではないから。
"レスアンカーワン"を応援してくれている人は、いない訳ではないが、殆どいない。
全く不満がないと言えば嘘になる。
でも、特に嫌なわけではない。
それに、これは、私への罰のようなものだから。
オグリに嫌がらせをしようと絡みにいって、その結果が生んだ状況だから、これは私が甘んじて受け入れるべきことなのだろうと思っている。
でも、こうしてネットで検索して改めて突きつけられると、モヤモヤとした気分が強く感じられる。

この気持ちを放っておくのも良くないと思い、気分転換に少し散歩をすることにした。
門限も近かったから、学園内をうろうろと散策することにした。
──────────────────────────────────────────────────────
暫く学園内を歩き回り、模擬ライブ会場の近くを通りかかる。
何人かの娘達が集まって踊っていた。
ライブの練習だろうか。
そんなことを考えながら前を横切ろうとすると、突然後ろから声をかけられた。

「あ!レスアンカーワンちゃんだよね!少し時間いい?聞いて欲しいお話があるの!」

突然自分の名を呼ばれ驚いて振り向くと、そこにはスマートファルコンがにっこりとした笑顔で立っていた。

「突然ごめんね。少しだけでいいの。今、急いでたりする?」

何の話かは分からなかったが、一線で活躍する娘に名前を知ってもらえていたという嬉しさがあり、話を聞くぐらいならいいかなと思った。

「ええ、まあ、特に予定はないので、大丈夫ですよ」

「本当!よかったぁー。えっとね、実は私達、グランドライブっていう大きなライブを計画しているんだけどね」

そう、嬉しそうにファルコンさんはグランドライブ計画の説明を始めた。「どう?グランドライブ参加してくれない?」
説明を終えたファルコンさんが期待のこもった眼差しを向けてくる。

「うーん..確かにウィニングライブ以外の形っていうのは目新しさがあっていいと思います。
でも、私なんかより適任の人はいっぱいいますよ。グランドライブ実現の為には観客も多く集めなきゃいけないですよね?私なんかよりも、もっとファンが多い人に声をかけた方がいいと思います」

先程まで、ファンのことでモヤモヤを抱えていたせいか、つい僻んだことを言ってしまった。
でも実際、オグリみたいなスターを呼び込んだ方が計画成功
私みたいなのが参加しても..
──────────────────────────────────────────────────────
「ファンの数は関係ないよ!」

ファルコンさんは語気を少し強めてそう言い切った。

「私が言うのもおかしな話かもしれないけれど、ファンの数が多い娘ばかりを集めても、それは形を変えたウィニングライブにしかならないと思うの」

だから、と彼女はしっかりと私の目を見据えて言った。

「ファンの数は関係ない、関係なくしなきゃいけない」

「でも、観客が集まらなかったらどうしようもないですよね」

「う..そこはなんとかする。なんとかしてみせる!」

だから、お願い。とファルコンさんは顔の前で手を合わせてお願いしてきた。
その時は、ファルコンさんの理想に共感しないわけじゃなかったし、参加したくないわけではなかった。
ただ、勉強とトレーニングの両立でも大変なのにそこにグランドライブも加わるとなるとやはり迷わずにはいられなかった。
だから、少し考えていた。
すると、ファルコンさんが言った。

「それに、さっきはああ言ってたけど、イチちゃんもファンの数は多いよ!」

ファンの数を引き合いに出して断ろうとしたこと、その後で迷っている素振りを見せたから、多分、励ますつもりで言ってくれたのだろう。
私の本名も、愛称も知ってくれていて、いつもなら喜んでいたのだと思う。
──────────────────────────────────────────────────────
いつもなら、「そんなことないですよ」とか笑いながら当たり障りなく流せる。
でも、今は、そうできなかった。

「多くなんてないです。皆さん実質的にはオグリのファンみたいなものですし」

まただ。ファルコンさんは何も悪くないのに、つい刺のある言い方をしてしまった。

やっぱり、断ろう。こんな私が参加しても、きっと迷惑にしかならない。

あの、と口を開いた瞬間、横から誰かが割ってはいってきた。

「やあやあ。ファルコンくん。この娘を勧誘しているのかい?」

「あ、タキオンちゃん」

割って入ってきたのはアグネスタキオンさんだった。
この前、皐月賞を獲った、これまた一線級よウマ娘だ。「ふーむ。その顔から察するに、余り良い反応を貰えていないようだねぇ」

「うっ。さすがタキオンちゃん。鋭い..」

タキオンさんの乱入に邪魔されちゃったけど、ちゃんと断らなきゃ、とタキオンさんに向けていた目線をファルコンさんに戻した。
その時、タキオンさんが興味深げな顔で、おや?と私の方へ近付いてきた。

「君、確かどこかで..ああ、そうだ。オグリ君の親友、イチ君、だったかな..?」

今日は厄日だ。
いつもなら、ここまでモヤモヤすることもないのに。
──────────────────────────────────────────────────────
むしろG1を獲るようなウマ娘に自分のことを知って貰えているなんて嬉しくなってもおなしくないのに。
今日に限って。
エゴサなんて、やっぱり録なことにはならない。
私は少し伏し目がちになりながら、小さく「はい」とだけ答えるので精一杯だった。

その様子を見ていたタキオンさんは、少し顎に手をあて、何かを思案する素振りを見せたかと思えば、直ぐに私の耳に顔を近付けて囁いた。

「君という存在を皆に刻み付けるチャンスだよ。レスアンカーワンくん」

驚きと困惑が私を襲った。
私の名前を知っていたことに驚いたのは勿論。
私の抱えているモヤモヤを知っているかのような発言も
さっき、私のことはなんとなく知っている程度というような言動をしていたことも私を混乱させた。

「なんで..」

私は驚きと混乱で、思わずそう口に出していた。

「なんで、とは、何に対してのことかな?」

タキオンさんはそう、意地の悪い目をしながら、ニヤリと笑った。

少し冷静になり、一つの考えに思い至った。
もしかして最初の、私のことをオグリの親友と言ったあの言葉は、私の反応を見るためだったんじゃないか、と
いや、でもなんのために?
というか、何で私の悩みを知って..?
──────────────────────────────────────────────────────
もしかして、ファルコンさんとの会話、聞いてたんじゃ..?

「恐らく君の想像通りだと思うよ」

クックックッと彼女が笑う。

「そして私の予想通りでもあった、という訳さ!」

両手をばっと左右に広げ、人差し指と薬指をピンと立たせた謎のポーズを取りながら、彼女は言った。

この人は心が読めるんだろうか。
それともそう思わせているだけ..?
もし会話を聞いていたならいつから聞いていたんだろう?
わからない。
それに、ずっとニヤケた笑みを浮かべていてなんだか少し腹立たしくも感じるけれど。
でも、私は彼女の言葉で気持ちが揺らいでもいた。

「君にとっても悪い話ではないはずだ。どうだい?私達と共にグランドライブを成功させてみないかい?」

タキオンさんは、またさっきの変なポーズをして、勧誘してきた。

なんだか、掌の上で踊らされているようにも思ったが、私の気持ちは傾いていた。
心のモヤモヤも少し晴れていた。
答えが分かったから。
私が、何にモヤモヤとした感情を抱いていたのかの。
ううん。本当はずっと分かってたんだと思う。
それに自分への罰だなんだと蓋をしてきた。
でも、彼女の言葉でその蓋が開けられてしまった。

でも--
──────────────────────────────────────────────────────
「でも、私はファルコンさんみたいな、凄い目的とか、理想とかないですから。足を引っ張るだけだと思います」

この言い方では参加自体が嫌とは言っていないということに言い終えてから気が付いたが、時既に遅し。
先程まで、私が不機嫌な態度をとってしまっていたせいで、困ったような顔をしていたファルコンさんの表情が明るくなった。
一応断りの文言を言ったはずなのに、まるで気にしていないかのように。

対照的に、タキオンさんは先程までのニヤケているような笑みが消え、真剣そのものな表情になっていた。
そして、私の目を見据えて、口を開いた。

「何かを成し遂げたいと思う気持ちに、大層な理由なんて、必要ない。私はそう考えているよ」

彼女は、直ぐに元のニヤケた笑みを顔に浮かべ、またまた謎のポーズをして声を張り上げた。

「グランドライブは皆のエゴをぶつける場所さ!」

エゴ、マイナスの意味で使われているその言葉に、何故だか私は惹かれた。

「それに、参加者皆がファルコン君と同じ目的を共有しているわけではない。私とて、そうさ。ただ、私の目的の為に利用出来ると考えたから、こうして参加している」

ファルコンさんがエッというような顔をしているのが視界の端に見えたが、タキオンさんは構わず続ける。

「君も存分に利用したまえ。グランドライブとは皆のエゴの、夢のためにある」
──────────────────────────────────────────────────────
私は、オグリと一緒にいる"イチ"として好かれていることが、特段嫌な訳ではない。
でも、全く不満がないと言えば、嘘になる。
私を"レスアンカーワン"として応援してくれる人は殆どいない。
でも、いない訳じゃない。
メイクデビュー以降、レースの度に観客席から私の名前を叫ぶように呼んで、応援してくれている人達がいる。
数百人、もしかたら数十人にも満たないかもしれないけれど、確かにいる。

私は、私なんかをそんな風に応援し続けてくれている人達に、"レスアンカーワン"のファンに「勝てたよ」でも、「応援ありがとう」でもなくって、「私のことを好きになってくれてありがとう」って伝えたい。

そして、私は、"イチ"のファンに"レスアンカーワン"の存在を、叩き付けたい。

こんなの、完全に私のエゴ、我が儘だ。
でも、もし、それが許される場だと言うのなら、その為に使ってもいいと言うならば..

気付けば、口を開いていた。

「私、参加したいです。いえ、参加させてください。グランドライブに!」

その2 グランドライブ編2 (≫77~82)


≫77 二次元好きの匿名さん22/09/22(木) 18:53:36

グランドライブ計画に参加してから数週間経った。
毎日、トレーニングの後にライブの練習や勧誘で忙しく、自由な時間なんて殆ど無くなった。
でも、不思議と後悔を感じたことはない。
参加したいと言ったときに「私は全て分かっていたよ」とでも言いたげな表情をしていたタキオンさんの顔を見た瞬間を除いて、だけど。

そんなある日、いつも通り、朝のお弁当を渡してオグリに渡して、食べ終わるのを待っていた時のことだった。
オグリが珍しくお弁当の中身や味のこと以外で私に話しかけてきた。

「イチ..その、最近寮に戻る時間も遅くて、とても忙しそうだが、何かあったのか..?」

オグリにはすっかり伝えたつもりだったが、どうやら伝えていないという事実を失念していたらしい。
トレーナーさん、モニー、そしてクリークさんには話していた。
だから自然とオグリにも話していたと思い込んでいた。

「ごめん。そういえば言ってなかったね。実は私、今グランドライブ計画に協力してて、それでレッスンとかで帰るのが遅くなってるの」

「グランドライブ..ああ、噂になっているやつだな。イチも参加していたのか」

その会話の後はいつも通り、オグリがお弁当を食べ終えるまで会話はなかった。

「ご馳走さまでした」

「はい、お粗末様でした」

「今日も美味しかったぞ。ありがとう」

そう言ってオグリは私にお弁当箱を差し出した。
──────────────────────────────────────────────────────
「ありがと」

いつも通り、そのまま朝練に向かおうと立ち上がりかけた時、オグリが少し不安気にも見える顔で私に言った。

「もし、イチが大変なら、朝の弁当は無理しないで大丈夫だぞ。私は、イチの邪魔はしたくない」

オグリが私を引き留めるなんて珍しかったから何を言われるのか少し不安だったけど、彼女の言葉を聞いて、安心した。

「無理なんてしてないよ」

そう笑いかけた。でも、オグリはまだすっきりしてないようで、「本当に無理してないか?」と尋ねてきた。

「本当だよ。もう一年ぐらい続けてるから、むしろ作らなかったら調子が狂っちゃう」

オグリはようやく安心したように、「そうか。良かった」と呟くように言った。

しかし、オグリはまだ何か考えているのか、まだ少し難しい顔をしていた。

「オグリ、どうしたの?」

「いや、うん。イチと一緒にライブが出来たら楽しいだろうなと思ったんだ。私も、グランドライブに参加しようかな」

「ダメ!」
──────────────────────────────────────────────────────
口に出した私が驚く程の声でそう口に出していた。

「イチ..?」

「あ、いや、違くて、オグリと一緒にやるのが嫌とかじゃないの。ただ..」

「ただ..?」

オグリはさっきよりも不安そうな顔をしていた。
当然だ。後から思い返しても、私がなんであそこまで強く言ってしまったのか分からないほどなのだから。
ただ、困惑と同時に、ある強い思いを抱いてもいた。 
私は、オグリにも..

「ただ..オグリには、観客として私を観てて欲しいの。"私"を、観て欲しい」

そこで漸く私は我に返った。

「あ、いや、ごめん。何言ってるんだろうね。オグリがやりたいって言うのに、私がダメって言う権利もないのにね。アハハ。ごめん。ホント」

早口でまくし立てる私のことをじっと見つめた後、オグリは、頷いた。

「分かった」

「え..?」

「イチがそう言うなら、私は観客として観ようと思う」

オグリは真っ直ぐに私の目を見据えながらそう言った。
その声音からは私への信頼を感じた。
──────────────────────────────────────────────────────
「~~っ!もう、本当..そういうとこが..」

私はそう小さく口にしながら、恐らく赤くなっているであろう顔を見られないように、オグリから目をそらした。

「何か言ったか?イチ」

「..別に..ずるいなって..」

私は何を言っているのだろう。

「ずるい..どういうことだ?」

「何でもない!じゃあ、私行くから!」


私はそう言ってお弁当箱を抱いて、そのまま駆け出した。








「いや、何で追いかけて来てんの!?」

私が駆け出した直後、オグリがそのまま後ろから追いかけてきた。
──────────────────────────────────────────────────────
「イチ、すまない。何か怒らせるようなことを言ってしまったのだろうか」

その言葉を聞いた私はスピードを緩めながら、否定した。

「怒ってるわけじゃない」

オグリもスピードを緩め、私の近くで止まる。

「じゃあ、どうしたんだ?」

「何でもない」

私がそのまま再び歩きだそうとすると、オグリに腕を掴まれた。

「何か、嫌な気持ちにさせてしまったなら正直に言って欲しい。私はイチに嫌われたくはないんだ」

本当にずるい、これで振り切って行けるわけないじゃないか。

「オグリにドキドキさせられたなんて!本人に向かって言えるわけないでしょ!」

そうヤケっぱちで言い捨て、オグリの腕を振りほどき、走り出す。
オグリは私の言葉に、声の大きさか内容にかは分からないけど驚いたみたいで、今度は追いかけて来ることはなかった。
オグリに変な不安を抱かせたり、最後に無理矢理腕を振りほどいたりしたことに罪悪感を覚えつつ、私はそのまま駆けていった。



イチの言葉に驚き、その場に取り残され暫く呆然としていたオグリキャップは、誰に向かって言うでもなく、一人、ポツリと呟いた。

「確かに、私はずるいな。イチと過ごす時間が減るのが寂しくて、私も参加すると言ったなんて、絶対に言えないから」

その3(≫101)


≫101 二次元好きの匿名さん22/09/25(日) 14:14:23

モニー「はいこれ、お祝いのケーキ」
イチ「お祝い? えっ、なんもお祝いされるようなことなんかないけど」
モニー「だって、ほら。できたんでしょ・・・彼氏」
イチ「彼氏!? いないってば、そんなの」
モニー「見たんだよ、商店街でイチと帽子をかぶった男が歩いてるの。男の顔はちらっとしか見えなかったけど」
イチ「男となんて出かけるわけないでしょ?きっと見間違いだってば」
モニー(見間違いなわけない。あれは間違いなくイチだった)
モニー(どうして隠すんだろう。私には話してくれないんだろうか)
モニー(ルームメイトで、ライバルで、親友だって思ってたのに)
モニー(もしかして・・・そう思ってたのは、私だけ?)

イチ「ねえモニー」
モニー「な、なに?」
イチ「それ、たぶん・・・変装してたオグリだと思う。GⅠレースの後だから、あんまりファンから声をかけられると落ち着かないからって。それで帽子で髪と耳を隠してたの」
モニー「うそでしょ、それじゃあ私の勘違い?」
イチ「うん、まあ、そうなるかな。でもさ」
モニー(は、恥ずかしい・・・)
イチ「ケーキは、半分こしようか」
モニー(そう言って、困ったように笑いながらイチはケーキを切り分けてくれた)
イチ「うん、おいしい。モニーは私があそこのケーキ屋さん好きだって知ってたんだね」
モニー「もちろんでしょ。だって――」

――私はイチの、友達だもの。

その4 男装オグリとイチのデート (≫121~125)


≫121 男装オグリとイチのデート

がやがやと騒がしい休日のショッピングモール。
私はオグリとふたり、連れ立って出かけていた。

「今日のイチはずいぶんと可愛い服を着ているな」
オグリが真顔で言い放つ。
さらっと事もなげに言ってくるのが、ちょっぴり腹が立つ。
こっちは顔が赤くなるのを抑えるのに必死だというのに。
ちなみに、いつもより張り切ってオシャレをしたのは内緒だ。

「べ、別に可愛くなんかないわよ。それよりオグリはなんでそんな・・・男の子みたいな格好なの」
今日のオグリはロングヘアを後頭部にまとめ、帽子をかぶって目立たなくしている。
耳も隠れているから、よほどじっくり見ない限りオグリキャップだとはわからないだろう。

「今日はなるべく、目立たないようにしたんだ。ファンに声をかけられないように」
「あら、オグリってファンサービスとか苦手なタイプだっけ?」
そんなことはない、とオグリは首を振る。

「せっかくイチとのお出かけだからな。イチとの時間を大事にしたいんだ」
どくん、と心臓が飛び跳ねた。
本当に何なんだ、この芦毛の怪物は。

「あっ、あそこ、キッチン雑貨のお店! ちょっと見てくるっ」
耐えきれずにオグリと距離をとる。
動揺したせいで変な汗まで出てきた。
大丈夫かな、クサくないだろうか。
別にオグリはそんなこと気にしないとは思うけど、そんなことまで気にしてしまう。
すぐにオグリは追い付いてくる。
そう思っていたのだけれど、オグリがやってくる気配はない。
──────────────────────────────────────────────────────
「――あ、あの! いっしょに写真撮ってもらえませんかっ」
さっきまでオグリがいた方向から、黄色い声が聞こえてくる。
振り向けばオグリが知らない二人組の女から声をかけられていた。

「オニイサン、すっごくカッコいい! 銀髪が似合う男なんて生で初めて見た」
「もしかして外国のヒト?ねぇお願い、ちょっとだけでいいから」
頭の悪そうな若い女に囲まれても、オグリは落ち着いていた。
さすがはGⅠで何勝もしているウマ娘。
戸惑ってはいるようだけど、取り乱すことなく対応していた。

その光景を見て思い知らされた。
私なんかとは格が違うのだ、オグリキャップというウマ娘は。
気が付いたら私は駆け出していた。
もちろん全速力ではないけれど。
それでもショッピングモールを走るには、ヒトにとっては十分に危ないスピードだった。

「――おい、気をつけろ! どこ見てんだ!?」
「ウマ娘じゃないか、危ねえな」
どすん、と重い衝撃。
見上げればいかにもガラの悪そうな若い男がふたり立っていた。
片方の男は、私がぶつかったところを痛そうに押さえている。
その光景を見て、私は背筋がすうっと冷たくなった。

「おいおいおい、ウマ娘が店の中を走り回ったらダメだろ」
「トレセンに通報されたくなかったら……わかってるよな?」
ウマ娘がヒトにケガをさせるのは、正当な行為でない限り許されない。
トレセンに入学してから何十回も言い聞かされてきたことだ。
「ご、ごめんなさい。私の不注意で」
こんな混み合ったお店で、走ってぶつかってケガをさせたなんて知られたら、トレセンを退学になってもおかしくない。
それだけはなんとか避けたかった。
──────────────────────────────────────────────────────
「まあ、こんな可愛いウマ娘ちゃんとお知り合いになるチャンスなんてそうそうないからな」
「悪いようにはしねぇ、ちょっとお兄さん達と遊ぼうぜ?」
ニヤニヤと笑う男どもの、ねっとりとした視線。
私の耳、胸、お尻、太ももから、つま先まで。
気持ち悪い。本当に気持ち悪い。
でも、ここで抵抗したら、私の立場が悪くなってしまう。
覚悟を決めた――その時だった。

「イチ!!」
帽子をかぶったオグリが駆け寄ってくる。
その姿をみた男どもは、挑発的な表情をオグリに向けた。

「なんだテメェ、この子の彼氏か?」
「彼氏ならよぉ、お前にも責任取ってもらおうか。さっき思いっきりぶつかられてな、まだ痛てぇんだ」
殴りかかりそうな勢いで男どもはオグリに詰め寄った。
このままじゃオグリもただではすまない。
私のせいだ。私のせいでオグリに迷惑をかけてしまう。
私のせいで、もしオグリがレースに出られなくなったりしたら――

――イチ、大丈夫だ。問題ない。
ウマ娘だけに聞こえるくらいの、小さなささやき。
そんなかすかな声が、私にとっては何よりも頼もしかった。

「申し訳ない。ここは私が誠心誠意をもって、対応させてもらおう」
そう言ってオグリは帽子を脱いで、まとめていた髪をほどいた。
芦毛のロングヘアがさらりとなびく。
まるで風になびくカーテンのように舞う髪からは、ふんわりと花の香りがした。
もし三女神がもし目の前に現れたとしたら、きっとこんな感じなんだろう。
気付けば、私もガラの悪い男たちもぽかんと口を開けていた。
オグリの姿に見とれてしまっていたのだ。
──────────────────────────────────────────────────────
「た、助かった……」
がくり、と力が抜ける。
よろけた私をオグリが支えてくれた。
「大丈夫か。立てるか?」
大丈夫、と言おうと思ったけれど思ったように脚に力が入らない。
情けないことに、男どもに絡まれたせいで思ったより私はビビッてしまっていたらしい。
私が歩けなくなっていることに気づいた店員さんが、バックヤードにある休憩スペースを使っていいと声をかけてくれた。

「すまない。少しの間、休ませてもらえるだろうか」
ひょい、とオグリは私を抱え上げた。
いわゆるお姫様抱っこ、というやつで。
トマトみたいに赤くなった私は、あっという間にバックヤードに連れ込まれてしまった。
ちょこん、と休憩スペースの椅子に座らされる。
オグリは膝をついて私と視線の高さを合わせた。

「……すまない、すぐに駆け付けられなくて」
「別に怒ってないし」
「もう心配ないぞ、私がいるからな」
「わかってるわよ、そんなの。だってオグリが来てくれたんだもの」
とはいえオグリはまだウマ耳がふにゃりと垂れてしまったままだ。
まだ私を危ない目に合わせてしまったことを気に病んでいるらしい。

「ああ、もう、私は大丈夫だからっ。せっかくだし美味しい物でも食べて帰りましょう」
しょんぼりしたオグリに少しでも元気を出してほしかった。
私はぴしゃりと自分のひざを叩いて、立ち上がろうとして。
焦っていたせいか、椅子に足をぶつけてよろけてしまう。

「イチ、危ない!」
がっしりと私を支えてくれたオグリに、そのままもたれかかる。
やわらかい感触、花のような香り、そして――オグリの匂いがした。
──────────────────────────────────────────────────────
「私はそこまでお腹は空いていない……本当だぞ。だから今日はもう帰ろう」
「やだ」
オグリが私を心配してくれているのは、痛いほどわかる。
わかるけれど、それでも。

「なあ、そろそろ離れた方がよくないか」
「やだ」
それでも、私はオグリに抱きついたまま離れない。

「……やれやれ、今日のイチはずいぶんわがままだな」
諦めたように、ふっと笑ったオグリの手が私をそっとなでる。
今日はオグリを困らせて、甘えてばかりだ。
でも、せめて今日くらいはいいだろう。
そう開き直って、私はオグリにぐりぐりと鼻先をすり寄せた。

その5 (≫149)


≫149 二次元好きの匿名さん22/10/02(日) 20:36:28

部屋にはオグリと私、ふたりきりだ。モニーはどこかへ出かけたのか、戻ってくる気配はない。
「なあイチ、これを受け取ってくれ」
ムカつくくらいキリっとした顔をしたオグリが、小さな小箱を取り出した。
たぶん5センチ四方くらいだろうか。
オグリがその箱を開ける。閉じ込められていた煌めきがきらきらと輝いた。
私にだってわかる。これがダイヤモンドだってことくらいは。
「え、なにこれ、指輪・・・?」
「ああそうだ。受け取ってくれ。これは婚約者の証しだ」

「で、でも・・・ウソでしょ、私ウマ娘よ?」
「気にするな、カサマツじゃ全然ありだ」
私の精一杯の抗議を、オグリはまったく意に介することなんかなくて。
くいっ、と私のあごを持ち上げる。
私はもう身動きなんてできなかった。
オグリの顔が、唇が近づいてくる。
怖いわけではないけれど、無意識のうちに目をつぶっていた。
視界はなくても気配はわかる。
アイツの唇が、もう少しで、触れそうに――
―
――
―――
「……だめっ!」
目を覚ませば、見慣れた部屋。そしてモニーの穏やかな寝息。
「なんなの……意味わかんない」
ずいぶんと妙にリアルな夢だった。本当にムカつく。
どうして起き抜けにこんなモヤモヤした気持ちにならないといけないの。
それもこれも、あのやたら顔の良い芦毛のウマ娘のせいだ。
起きるには少し早い時間だけれど、二度寝はできそうにない。
仕方なく私は、ちょっとだけ手の込んだお弁当をアイツに作ってあげることにした。

その6 グランドライブ編3 (≫169~175)


≫169 二次元好きの匿名さん22/10/05(水) 19:14:33

思えば、不思議だ。
あの日、私はエゴサをしていなければ、グランドライブには参加していなかったかもしれない。
ファルコンさんが私に声をかけなければ、
タキオンさんの言葉が私のエゴの蓋を開けていなければ、今、私はここにはいないだろう。
この計画に参加しなければ卒業まで関わることもなかったであろう娘達と肩を並べ合っている。

二人には感謝している。
私の思いを皆にぶつけるチャンスを貰えた。
私の思いに気付かせてくれた。

だから、私の「夢」のためにも、彼女達の「夢」のためにも、今日は、絶対に成功させる。

今日はグランドライブ当日。
それぞれの「夢」を胸に抱いて、私達は躍り、歌う。

「やあ、イチくん。調子はどうかな?」

「さすがに緊張しますね。タキオンさんは..いつも通りですね」

「はっはっは!そう見えるかい?」

少なくとも緊張しているようには見えなかった。

「緊張してるんですか?」

「多少はね。これだけの時間を費やして来たんだ。緊張しない方がおかしいさ」

少し意外だった。全校生徒の前であれだけの演説をぶっていた彼女でも緊張するのだなと思った。
いや、あれだけのことを言ったからこそなのだろうか。
──────────────────────────────────────────────────────
「二人ともー。十分後には始まるよー」

そうファルコンさんが私達を呼びに来た。

「ああ、すぐ行くよ」

「すぐ行きます!」

返事をして立ち上がった私は、ふと思い立って、二人を呼び止めた。

「あの、ファルコンさん。タキオンさん」

「どうしたの?」
「どうかしたかい?」

「その、ありがとうございました。私が、今日、ここにいるのは、お二人のおかげです」

私は深々と頭を下げた。

「お礼を言われるようなことはした覚えはないよ」

「そうだよー。私の方こそ皆にお礼を言わなきゃいけないのに」

「それに、終わった気になるのはまだ早いよ。グランドライブは、これからだよ」

確かに、その通りだ。
私は気を引き締め直し、二人と共に、待機場所へと向かった。
──────────────────────────────────────────────────────
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「よーさん人おるなー。大盛況やな」

「ああ、だが、正面の位置を取れなかったのは残念だ」

「ステージの通路?かしら、がぐるっと一周してるように見えますし、此方にも来るんじゃないですかね~」

「変わった形のステージですね」

今日、私はタマとクリーク、モニーと共に、グランドライブを観に来ていた。
タマの言った通り、観客はとても多く、移動するのが難しい程だ。
あの日、イチに観客として観て欲しいと言われてから今日まで、ずっと楽しみにしていた。
何故、イチは私に観て欲しいと言ったのか、その理由はまだ分からない。
だからーー
「観ているぞ。イチ」
──────────────────────────────────────────────────────
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「うぅー。緊張してきたー」
トップバッターである私達は、既に360度一周しているステージの真ん中にある、砦のようなオブジェクトの中で待機をしていた。
緊張した空気がここには立ち込めていた。
そんな中、誰かがポツリと漏らした緊張の言葉を、ファルコンさんは聞き逃さなかったようだ。

「よし!皆で円陣をくまない?少しはリラックスできるかも!」

ファルコンさんの提案があり、皆、めいめいに円形になるように並んだ。
20人近くが一つの円になり、手を重ねたから、かなりぎゅうぎゅう詰めになってしまった。

「せま!」
「きついー!」

そんな声も聞こえてきたり、それで笑った娘もいて、皆自然と張り詰めていたものが溶けていった。

「よーし!じゃあいくよー!」

ファルコンさんの掛け声で皆がざわつきを沈める。

「トレセーン!ファイッ!」

オー!と声を合わせ、重ね合わせた手を掲げる。
皆、緊張が解れたようで、笑みを交わしながら、再びそれぞれの待機位置へともどって行った。
そして、その直後、スタッフさんからもう始まるという旨の声がかかる。
私は最後に、ふう、と一息付き、前を見据えた。
──────────────────────────────────────────────────────
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

観客席の照明が落ちて行き、辺りに光を与え続けているのはステージを照らすライトと皆の持つペンライトの光だけになっていく。
既に観客席は静まり返っている。
ウィニングライブとは違う、不思議な高揚感が会場を包んでいた。
そして、曲が、始まった。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

目の前の跳ね橋が降りていき、少しずつ会場の景色が目に入り始めた。
ステージに向かって行進をする。

やっと皆合えたね。

そうだ。やっとだ。やっと、私のエゴを"私"のファンにぶつける時が来たんだ。
絶対に、成功させる。

最初は私は後ろで、ウィニングライブならバックダンサーの位置で踊る。
グランドライブは皆が輝く、皆が夢をぶつける場。
今は、センターにいる娘達を輝かせる。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
──────────────────────────────────────────────────────
「よく見えないですね~」
「ああ、向こうの画面もステージに隠れて余り見えないな..」

観客の山とステージの形に邪魔をされ、イチ達が踊っているステージの正面は小さくちらちらとしか見えなかった。
カメラが写した映像が投影される大きなモニターも観客席の上についているのだが、ここからだとそれも余り見えない。
イチからはこの辺りの席を取っておいて欲しいと言われていたのだが、聞き間違えたりしてしまっていたのかと、不安になってきていた。
だが、どうやらそれは杞憂だったようだ。
正面で踊っていたイチ達は左右半分程に分かれ、イチは私達のいる方へとステージを走ってきた。
彼女達は、ステージの階段を上り、少し高い位置にある、広場のようになっている位置に並んだ。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ステージを移動し、階段を上った先にある、開けた場所に出る。
多分、この辺りの人達は、さっきまで私達の姿はよく見えてなかったはずだ。
だから、今度はここにいる人達に最高の私達を観てもらう。

そして、もうすぐだ。
私が、このライブで一番輝ける瞬間。
観ていてね。皆。オグリ。

次々と前に立つダンサーが入れ替わっていき、私も徐々に前に出ていく。

そして、最後に一気に、一番前に

「君と勝ちたい!!」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
──────────────────────────────────────────────────────
一瞬。
一瞬だった。
イチのその姿を見た瞬間、周囲から音が消えた。
ステージにいる彼女の姿は、キラキラと輝いて見えて..とても、綺麗だった。
イチが、真ん中にいたのは、時間にすれば10秒もなかっただろう。

けれど、その一瞬の彼女の姿が瞼に焼き付いて、離れなかったんだ。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

Part17

その1(≫75)


≫75 二次元好きの匿名さん22/10/16(日) 21:16:45

~~レース前~~

イチ「……ねえ。あなたの髪飾り、ちょっと貸して」
オグリ「どうするんだ?」
イチ「いいから! すぐに返すから、早く!」
オグリ「わ、わかった」(髪飾りを外す)
イチ「ん」
オグリ(イチは私の髪飾りを手に取ったまま、じっと見つめていた)
オグリ(どうするつもりなんだろう、と不思議に思っていたら)
オグリ(そっと、イチは私の髪飾りに口づけた)

イチ「ねぇ……頭、出して。髪飾りつけるから」
オグリ「ん」
イチ「絶対勝って。おまじない、ちゃんとしておいたから」
オグリ「ああ、イチは私の勝利の女神だからな。絶対に勝利をプレゼントするから、帰ったら美味しいご飯を頼む」
イチ「寮の冷蔵庫に、もう仕込みはしてあるわよ。だから、その……頑張ってね」

ほんのりと赤く頬を染めたレスアンカーワンに送り出され、オグリキャップはパドックへ向かった。
レースの結果は――もちろん、言うまでもないだろう。

その2 (≫103~108)


≫103 二次元好きの匿名さん22/10/20(木) 17:49:21

「あ、あの!」
ある日、オグリと街を歩いていると、同い年ぐらいの女の子に、声をかけられた。

「すみません。その、フ、ファンです!」

緊張しているのだろう。少し上ずったような声でその女の子は言った。

「だってさ、オグリ。私は向こうで待ってるね」

いつものようにオグリのファンだろうと思った私は、オグリに目を向け、そう言った。
しかし、その娘が次に発した言葉は、私にとって想定外のものだった。

「あ、あの、いえ、えと、私、イチさんの、ファンで..」

「え、私?」

驚いて、つい聞き返してしまった。
オグリとセットで写真を求められたりすることはあるけど、オグリじゃなく私のファンだと言う人に声をかけられたことはなかったから。

「はい!私、デビュー戦の時に貴方の走りを見てから、ずっと、イチさんの、レスアンカーワンさんのファンで..」

そんな前から、と驚くと同時に、嬉しさと、なんだか気恥ずかしさが込み上げてきてむず痒くなった。
オグリの顔をチラリと見ると、何故か自慢気にも見えるニコニコな顔をしていた。
あんたは私の保護者か。
──────────────────────────────────────────────────────
「えーと、ありがとう。すごく嬉しい」

私は素直に嬉しさを伝えた。
後は、何すればいいんだっけ。
オグリと一緒によくファンサをしていて慣れていた筈なのに、今は、緊張で上手く頭が回っていなかった。

「あ、こういう時はやっぱり握手かな」

私が手を差し出すと、ファンの娘はすごく嬉しそうに、私の手を握り返した。

「ありがとうございます!あと、サインもお願いしていいですか?」

「もちろん!」

彼女はバッグの中からメモ帳とペンを取り出し、お願いしますと私に差し出した。
私は、残念ながら自分のサインなんて考えたこともなかったから、少し味気のない、シンプルなサインを描いてメモ帳を返した。
飾り気のない地味なものだったが、それでも彼女はすごく喜んでくれた。
こんなに喜んでくれるとなんだか地味なものになってしまったのが少し申し訳なく感じられた。
サイン、考えとこうかな..
そんな私の気持ちを余所にファンの娘は本当に嬉しそうだった。
若干の後悔を感じつつも彼女の喜びが私にまで伝わってきて、私もすごく、嬉しくなってきた。

「あ、あの、ありがとうございました。宝物にします!」

彼女はそう頭を下げて、お礼を言ってくれた。
──────────────────────────────────────────────────────
「こちらこそ、ありがとう。本当に嬉しいよ」

こんなにも私を推してくれている彼女に何か返せることはないだろうか。
そうだ。

「ねえ。良かったら一緒に写真取りませんか?」

「へ?え。ぜ、是非、お願いします!」

あわあわとスマホを取り出し、スマホを構えた彼女に肩を寄せて並び、ツーショットを撮った。
私も自分のスマホで記念に一枚、撮影した。


この時、私は嬉しさと興奮で、側で待ってくれているオグリのことをほっぽってしまっていた。
後から考えると待っててとか一言ぐらいかけておくべきだったのだろう。
でも、この時の私はその事に気付きもしていなかった。


「ありがとうございます!私、今日のこと絶対忘れません!」

その後も少しファンの娘と会話していると、突然、しっぽに何か触れた気がした。
気のせいかな?と思って特に振り向きもせず、会話を続けていると、今度は間違いなく、何かが私の尻尾を撫でた。
──────────────────────────────────────────────────────
「ひゃ!?」

ビックリして少し小さく悲鳴をあげてしまつまたので、ファンの娘が「どうしました?」と心配してくれた。

「ううん、なんでもないよ。大丈夫」

そう笑顔で答えたが、内心は全然大丈夫じゃなかった。
私の尻尾に触れている何かは、フワッとした心地の多分、私の尻尾と同じようなものだ。
そして、それは徐々に私の尻尾に巻き付くような動きをしている。
まさか、と思い、後ろ目でチラリと尻尾の方を確認すると、綺麗な芦毛の尻尾が私のそれに巻き付いているのが見えた。
オグリ!?なんで急に..てかこれって.."尻尾ハグ"..
思わずオグリの方を向くと、なんだか少し怒っているような、拗ねているようなそんな目で私の顔を見ながら、頬を赤らめているオグリの顔があった。
やば、もしかして怒らせちゃった..?
いや、でもそしたらこの尻尾はなんで..

そんな私の様子からファンの娘もオグリの様子に気がついたようだ。
オグリの表情を見た彼女は、あっ。というような顔をした。
そして、どうやら私の足の間から尻尾も見えたのだろう。視線を下に向けた彼女は、数秒、フリーズしたように動かなくなったが、突然、顔が真っ赤に変わった。

「あ、あのすみません。長々と、そろそろ失礼いたします。本当にありがとうございました!」

顔を真っ赤にさせた彼女は早口でそう言うと、オグリに向かってこう言った。

「あの、オグリさん。私、応援してます!」

そして、ファンの娘は早足で去っていく。
私は彼女の背中に向かって「ありがとう。またね」と別れを告げる。
──────────────────────────────────────────────────────
「あの、オグリさん。そろそろ尻尾を..」

ファンの娘がいなくなり、近くを歩く人達の視線が気になり始める。
「嫌だ」

「や、その皆に見られてるからさ..」

やっぱり怒らせてしまったのだろうか?
なんだか拗ねたような声に心配が増していく。

「オグリ、怒ってる?ごめんね。ほっぽっちゃってて」

「怒ってるわけじゃない」

え?どういうことだ。じゃあどうして、いや確かに怒ってるのに尻尾を絡ませるとは思えない。じゃあこれって..?

「オグリ、妬いてるの..?」

まさかと思いながらも、そう尋ねてみると、オグリは赤らめた顔を小さく縦に動かした。
ドキッと心臓が高鳴る。
オグリ、嫉妬なんてするんだ..しかも、私のことで..
多分、私も今、顔真っ赤だな。

「ねぇ、オグリ。じゃあさ、手、繋ご。このままだと歩きにくいしさ」

私の言葉に漸く尻尾をほどいてくれた。だが、ファンとの交流と、オグリの意外な感情で、私はすっかりテンションがおかしくなってしまったのだろう。
どうやら歩いている内に、無意識に尻尾を絡ませていたようだ。
寮の近くでタマモ先輩と出会ったときに、指摘されて気が付いた。気がついた時の私の顔は人生で一番赤くなってたと思う。
それどころか、別の生徒にも見られていたようで、後日、学園中の噂になってしまったのはまた別のお話。

その3 (≫123)


≫123 二次元好きの匿名さん22/10/22(土) 21:28:58

寮の自室でスマホをいじっているモニーはふと顔を上げる。
目に入るのは、ルームメイトの空のベッド。
イチは朝から出かけている。
どうせ、お相手はあのオグリキャップだろう。
イチは気付いているんだろうか。
私と遊ぶ時間も、おしゃべりする時間も、めっきり減ってしまったことを。
きっとしばらくは帰らないだろう。
私は自分のベッドから、おもむろにイチのベッドへともぐり込んだ。
イチの使っているシーツ。
イチの使っている枕。
イチの使っているコンディショナーのにおい。

こんなにもイチを感じることができるのに――イチはここにはいない。
それが寂しくてしょうがなかった。
イチをオグリキャップに奪い取られたような気分だ。
「ムカつく……ぽっと出のくせに、調子に乗って……」
気が付いたら、私はそんな言葉を口に出していた。

その4(≫143)≫137より派生


≫137 二次元好きの匿名さん22/10/24(月) 22:14:32

イチちゃんが素直に「どうしたら許してくれるのか」を聞いたら
モニーちゃんにちっちゃい声で「……しっぽはぐ」って言って欲しい

≫143 二次元好きの匿名さん22/10/25(火) 23:55:06

ハンバーグを作った。
にんじんのグラッセを添えた、渾身のひと皿だったのだけれど。
それでも、モニーは私と口をきこうとしてくれなかった。

カレーを作った。
じゃがいもの代わりににんじんを多めに入れたから、ウマ娘なら誰でも美味しいと言うはず。
それでも、モニーは私と口をきこうとしてくれなかった。

パンケーキを作った。
肉料理でもカレーでもだめなら、スイーツしかない。
すり下ろしたにんじんも混ぜ込んだ、優しい甘さのパンケーキ。

もしこれでモニーが許してくれなかったら、私はどうすれば――
黙々とパンケーキを食べるモニーを、私はじっと見守ることしかできなかった。
モニーはパンケーキを食べ終えても黙ったまま。
その沈黙がやけに長く感じられて、怖かった。
私は、おずおずとモニーを上目づかいでちらりと見る。
モニーはぷいっ、と顔をそらした。
ああ、いよいよ「愛想を尽かされたんだなぁ」なんて思っていると。

「し……しっぽハグしてくれたら、許してあげる……」
ごにょごにょとモニーがつぶやく。
トマトみたいに真っ赤な顔、ぱたぱたと落ち着きなく動くモニーのしっぽ。
私は嬉しさのあまり、ちょっとだけ乱暴に自分のしっぽをモニーに絡ませた。

Part18

その1(≫75)≫124から派生


≫124 二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 21:08:42

スペ「あの、デジタルさん。『イチモニ』って知ってますか?」
デジ(ええぇ!?なんでスペシャルウィークさんがイチモニなんて単語を知ってるんですかぁ!
レスアンカーワンさんとエイジセレモニーさんのカップリングを知ってるなんてウマ娘好きでも通だけですよ。
もしかしてスペシャルウィークさんもかなりディープなウマ娘ちゃんオタク!?
純粋そうなフリして実は夜通しウマ娘ちゃんの愛を語れるタイプなんですかね。
まさか同士がこんなところにいるなんて思いもしませんでしたよっ)

スペ「デジタルさん、どうしたんだろう……鼻血出しながら固まっちゃった……。テレビの話をしただけなのに」
※北海道では『イチモニ!』という朝の情報番組が放送されています

≫142 二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 22:02:28

スペ「あの、スズカさん。『イチ』って呼ばれてる娘、聞いたことありますか?」

スズカ「イチ・・・?ああ、もしかしたら」

スペ「知ってるんですか?」

スズカ「たぶん、あの子だと思うの。朝に走りこんだ後、よく見かけたことがあるから。いつも朝早くから誰かを待っていたわ。お弁当を持って」

スペ「お弁当を持って、朝早くから、ですか・・・?」

スズカ「そうみたいね。あんな早い時間にお弁当を作っていたなら、きっと早起きして用意したんでしょうね」

スペ「うわぁ・・・私にはムリかもです」

スズカ「ふふ、スペちゃんは朝が苦手だものね」

スペ「ぐぬぬ・・・。言い返せないのが悔しいです。でも、きっと――」

スズカ「きっと?」

スペ「その『イチ』さんが丹精こめてお弁当を作っているのはよくわかりました。きっと、大切な娘のために作ってるんでしょうね」

スズカ「私もそう思うわ。だって――」


――その『イチ』という娘はいつも、お弁当を持って誰かを待っている時、幸せそうな顔をしていたもの。

その2(≫165)


≫165 二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:16:40

~カフェテリアでの一幕~
タキオン「・・・はぁ」
シャカ「わざわざ隣の席に来てまで、辛気くせぇツラすんじゃねぇ」
タキオン「そうは言ってもねぇ、これは私にとって重大な問題なんだよ。命にかかわると言っても大げさじゃないんだ」
シャカ「どうせ聞くまで動かないんだろ。しょうがねえ、何があったか聞いてやろうじゃねえか」
タキオン「ああ、君はやっぱり優しいんだね」
シャカ「・・・テメーのPC、ハッキングして使い物にならなくしてやろうか?」
タキオン「やめたまえ、その脅しは怖すぎる」
シャカ「ならさっさと懸案事項を話したらどうだ」
タキオン「実はね、私の朝ごはんのことなんだが」
シャカ「あぁ?」
タキオン「そんなに怖い顔をしないでくれたまえ!モルモット君は昼ご飯しか作ってくれないんだ。朝ごはんまで作らせるにはさすがに忍びなくてねぇ」
シャカ「まあ、わざわざ早起きしてメシを作るのはそう簡単なことじゃねぇだろうな」
タキオン「ああ、そうだろう。でも聞いたことがあるんだ。あの芦毛の怪物に、ほぼ毎朝お弁当を作っているウマ娘がいるとね」
シャカ「ああ、レスアンカーワン・・・だっけな。物好きなヤツだな。オグリキャップに飯を作ってやるなんて、狂気の沙汰だぜ。炊飯器がいくつあっても足りやしねえ」
タキオン「まったくだ。論理的な行動とはいえない」
シャカ「確かに、ロジカルじゃねぇな」

――めずらしく意見が一致した天才たちは苦笑いする。
誰かに朝ごはんを作ってあげるなんて行為は、決して論理的ではないかもしれない。
でもそこに込められた想いが、決して軽くないことも、理解しているから。

Part19

その1(≫41)


≫41 二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 20:27:44

『オグリキャップのカワイイ写真が撮れちゃった😆💕皆にもお裾分けするね✨✨✨🤭#オグリキャップ#芦毛の怪物#オグリン』

これでよし、オグリキャップの情けない姿をネットに流す事に成功したわ…運営からの削除対策に嫌がらせとバレないように文面も整えたし完璧以外の言葉が見当たらないわ…流石私ね!
<ピロン♪ピロン♪
ククク早速RTやリプが飛んできたわね、どれどれ…
『保存した』『供給助かる』『#拡散希望』『失望しました…タマモクロスのファンやめます』『なんでやねん』『一生大事にする』『ウッ…ふぅ…やれやれこんな情けない顔をするとはな』『もしもしウマシコ警察?』『祭りの会場と聞いてきたけどおめぇイチだな?』『あらあら〜カワイイですね♪でも明日も>早いのですから夜更ししちゃ駄目ですよ?』『今年のスクープ大賞が決まったようだな…』『あーいけませんこれは危険ですあたしの魂が抜けてしまいます』
ホーッホッホッ!上々の反応ね!なんか見たことある人も居る気がするけど…


その2(≫55~56)≫45、47より派生→≫58から60、72へと派生


≫45 二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 21:20:59

タマ「あんな、最近寒くなってきたやんか。そしたらオグリが『湯たんぽ』を抱えてきたんや」
クリーク「あら、意外とオグリちゃんってば寒がりなんですね~」
タマ「でな、どんな『湯たんぽ』やったと思う?」
クリーク「うーんと、抱えるってくらいだから、かなり大きな湯たんぽだったんでしょうか?」
タマ「いやな・・・オグリが抱えてたのな、イチちゃんだったんや」
クリーク「あら~~」

≫47 二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 21:34:01

寒さのあまり大ボケをかましてイチを抱えて走り去るオグリ

急に抱えられて状況に顔が真っ赤にしてオーバフローするイチ

必死の形相で追いかけるタマとフジとモニー

それを眺めながら温かいお茶を手に、呆れた表情で「平和だねぇ」とつぶやくイナリと同調するクリーク

ここまで幻視したわ。

──誰かSSを頼みます(血涙)

≫55 二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 17:48:58

ある日の午後、寮のリビング、幾人かのウマ娘達がが談笑していた。
「こんな寒い日に限って暖房の不調とはなあ、めっちゃ寒いわ」
タマモクロスはそう言いながら、手を擦り合わせる。
「そうですねぇ~風邪を引いたりしないように気を付けましょう」
スーパークリークも同調し、「暖かいお茶でもいれますねぇ」とキッチンの方へ消える。
「おおきにぃ」
「本当に寒いな」
オグリキャップもタマの横で寒そうに縮こまっている。
「あ~、湯タンポとか欲しいなあ~」
タマのその言葉に、オグリはピクリと反応する。
「湯タンポ..そうだ!」
目を輝かせた彼女は、そのまま寮生の個室の方へと消えていった。
「なんや..?オグリん湯タンポなんかもってたか..?」
彼女と同室のタマは、そういぶかしんだ。
「カイロでも取りにいったんじゃねぇのかい?」
タマの隣に座っているイナリワンがそう推測する。
「カイロかあ。カイロでもなんでも助かるなぁ」
同じくリビングに来ていたエイジーセレモニーが寒さに縮こまりながら言った。

「ーー!?ー?ーー...ー...」
暫くすると、廊下の向こうから何やら声が聞こえてきた。何か慌てているようにも感じられる声色だったが、リビングからは何を話しているかまでは届かなかった。
「何かあったんか?」
タマが様子を見に行こうと立ち上がったその時、何かを抱えたオグリがリビングへ戻ってきた。
そのオグリに抱えられた"何か"は今にも火を吹き出しそうな程真っ赤に顔を染めた、レスアンカーワン、イチだった。
イチを抱き抱えながら満足気な顔をしているオグリはまるで自分が何をしているのか分かっていない様子だ。
モニーは困惑した表情を浮かべ、イナリも苦笑いをするしかなく、一瞬の沈黙が流れる。
「オグリん、オグリん。それ湯タンポとちゃう。イチちゃんや」
あまりのことにいつもの激しい突っ込みも鳴りを潜めてしまったタマが静かに突っ込む。
オグリは何度か自身が抱き抱えているイチと周囲の様子を見比べる。
──────────────────────────────────────────────────────
「...あ...」
漸く自分がしていることに気が付いたようで、みるみる内に顔を赤く染めた。

バッと踵を返しイチを抱き抱えたままリビングから逃げるようにして去ろうとするオグリをモニーとタマが追いかける。
「まてぇ!イチちゃんを解放せえ!」
「イチを湯タンポ扱いってどういうことですか!いつもどんな過ごし方してるんですか!?説明してください!」
「ち、違うんだこれは..!」
オグリに抱き抱えられたままのイチは混乱が収まっておらず、なすがままとなっていた。

「お茶入りましたよ~。ってイナリちゃんしか残ってませんね」
クリークがキッチンからお茶を入れて戻り、お茶をイナリの座る机に置く。
「ありがとよ。皆、オグリを追い掛けていっちまったからな」
「オグリちゃんを?」
「ああ。説明すると少し長く、お、丁度戻ってきたみてえだな」
再び廊下を書ける音と共にオグリがリビングへとかけ戻ってくる。
まだ、イチは抱えられたままで、相変わらず顔を赤くしていた。
そして、それを追ってタマとモニーも戻ってくる。
「ええ加減止まらんかぁ!」
その騒ぎを横目にイナリは苦笑し、お茶に手をのばす。
「まあ、こんなところでい」
「なるほど~平和ですね~」
「平和だねえ」
喧騒の横で二人は静かにお茶を啜る。

この後、騒ぎを聞き付けた寮長に四人は注意されることになるのだった。

≫58 二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 19:56:38

イチ「いいかげんにしなさい! 私はオグリの湯たんぽじゃないのよ!!」ウガー
オグリ「す、すまない。そんなつもりじゃ・・・」シュン
タマ(あいや。さすがにイチちゃんも我慢の限界やったかな)
イナリ(湯たんぽ扱いされて怒っちまったねぇ)
クリーク(あらあら、どうしましょう)

イチ「湯たんぽじゃなくて。だ、抱き枕でしょ・・・」カオマッカ
オグリ「そ、そうだったな。イチは抱き心地がいいからな!」フンス
タマ(うわぁ口の中が甘すぎて砂糖吐きそうや)
イナリ(濃~いお茶でも飲まなきゃやってらんねぇよ)
クリーク(あら~~~どうしましょう。赤飯炊かないとですね)

≫60 了船長22/11/30(水) 21:25:36

≫58
「部屋交換してる時さ、オグリ、私のベッド使ったことある?」
「それは……いや、無いな」
「あー……まあ、いいか。それはそれで」
「モニーは、私のベッドで寝ているのか?」
「あー……ノーコメントで」
「……やっぱり、そうなる……よな」
「背低いほうがあったかい、の、法則?」

「二人とも、部屋の交換というのはどういうことかな? 消灯後の不要な外出はいけないことになっているけど…… 」
「オグリって長距離イケる?」
「ああ。2500までなら」
「コツ教えて。あと、スタートは私のほうが速いから。お先!」
「あッ、モニー、ひといぞ!」
「2000までに捕まえてみせるよ、二人共!」

その後をねつ造しました とても尊いSSでした🙏

≫72 二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 12:21:24

≫58
「さぁ始まりました『オグリキャップ対レスアンカーワン夫婦喧嘩記念』、開幕からイチの凄まじいポコポコパンチのラッシュが展開されてます」
「当たり前や、あんな人前で雑に扱ったら乙女心はズタボロやぞ」
「鈍感オグリキャップ、ひたすら謝るが逆効果。イチのラッシュは加速する一方」
「もうちょい雰囲気とか気にせぇって話や。二人っきり、日も傾いて薄暗い道を行く中で後ろからそっと抱き寄せつつ、耳元で『愛してるぞ、イチ(イケボ)』とかやらんとイチちゃんプンプンやで」
「でもよタマ、イチの奴抱き枕宣言してるぜ」
「天下の往来で何言ってんねや!!!!!こんな所でノンストップガール発動すんなや!!!」
「垂れウマならぬデレウマ回避が欲しいところですが、オグリキャップしっかり受け止めた」
「ポカポカ殴った後に身を寄せ合ってポカポカしてるというオチがついた所でレース終了、やかましいわ!おどれら惚気けてんのう賞に出走させたるぞ!」

その3(≫77)


≫77 二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 13:03:03

――栗東寮、寮長フジキセキの部屋。
寮長の特権である広々とした1人部屋に置かれたソファには、オグリキャップとレスアンカーワンがちょこんと座っていた。
ふたりともしゅんとした表情で、ウマ耳もへにょりと元気なく倒れてしまっている。

「今日は君たちに話があるんだ」
腕を組んで立ったまま、フジキセキはゆっくりと話し始めた。
「ああいや、別に君たちが悪いことをしたとか、お説教をするとかじゃないんだ」
フジキセキは微笑みを絶やさない。
けれどもその顔には少し疲れが見えた。
「……でもね、今日は言わせてもらうよ」
めったに怒ったところを見せないフジキセキが、もしかしたら怒っているかもしれない。
オグリとイチは内心びくびくと怯えていた。

「――栗東寮の他の娘達からね、苦情が来るんだよ。『オグリとイチが夫婦喧嘩してるから止めてください』ってね。そう、君たちがケンカするたびに連絡がくるんだ。確かに寮生どうしのケンカを止めるのは私の役目かもしれないけど、君たちの場合は違うよね!? 一見すればケンカに見えるけど、よく見たらいちゃついてるだけだよね!? 頼むから今後は人目を気にしてほしいな。ああ、もちろん……一線を超えるのは、学園を卒業してからじゃなきゃタメだよ」
かあっと顔が赤くなる。
横にいるオグリを見れば、オグリもトマトみたいに真っ赤だった。
「……申し訳ない」
「すみません、寮長にはご迷惑をおかけしました」
とりあえずフジ先輩に謝って、そそくさと部屋を後にする。
廊下のひんやりとした空気が、火照った顔を冷ましてくれた。
とりあえず、今後オグリと一緒にいる時は人目を気にした方がいいだろう――そう思って廊下を歩いていたら、左手に熱を感じた。
オグリが私の手をつかんでいる。
きっと無意識なんだろう。
私はふっ、と口元を緩めた。
まあ、人目を気にするのは、明日からでもいいだろう。

その4(≫103)≫106へと派生


≫103 二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 06:01:02

「イチさんよ、オグリンに脂っこい夜食食べさせて効率よく太らせる作戦はどうなったん?」
「駄目だった」
「でしょうね」
「しかも二次災害が起きた」
〜〜〜
『イチ、今夜もまた頼めないか』
『はぁ?流石に毎日は体が持たないわ』
『そんな…ちょっとだけ、ちょっとだけでいいから』
『ちょっと、そんなに迫らないで…』
〜〜〜
「なんか誤解されてこのあと怒られた」
「コントかよ」

≫106 二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 22:26:25

≫103
――栗東寮寮長、フジキセキは語る

夜食ってことは、もちろん夜遅い時間なわけだよ。そんな夜更けに――
『イチ、今夜もまた頼めないか』
『はぁ?流石に毎日は体が持たないわ』
『そんな…ちょっとだけ、ちょっとだけでいいから』
『ちょっと、そんなに迫らないで…』
――なんてやり取りを薄暗い寮のキッチンでしてたら、そりゃあ他のウマ娘に見られたら勘違いされるだろ?
イチちゃんはオグリを胸やけさせようとしたんだろうけど、見てるこっちの方が胸やけしちゃうよ。困ったものだね。

その5(≫165)


≫165 二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 20:30:34

モニー「あのー、タマ先輩。すいませんけど併走につき合ってもらえませんかね。一本だけでいいですからっ」
タマ「それくらいかまへん。一本と言わず何本でもいくで!」

モニー「タマ先輩、新しいシューズ選びで悩んでるんです。今度の休み、もし都合がよかったらつき合ってもらえないですか。無理ならぜんぜん大丈夫、ですけど」
タマ「なんや、それくらい全然OKや。かわいい後輩の頼みやからな」

モニー「あ、あの、実は福引で温泉旅行券が当たったんですよ。それで先輩がよければなんですけどっ。調べてみたけどけっこういい温泉みたいなんです。もし先輩がイヤじゃなければ一緒にどうかな、って」
タマ「ウチと一緒でええんか?誘ってくれて嬉しいわ、ありがとな!」

モニー「先輩、好きなのでつき合ってくれませんか」
タマ「もちろんええで!」
タマ「……んんっ?」

◇◇◇◇◇

イチ「あれね、『フットインザドア』っていう交渉のテクニックよ。小さなイエスをくり返させることで、本当の目的にイエスと言わせるの」
オグリ「そうなのか。イチもモニーも頭がいいんだな」
イチ「別にそんな交渉術なんて使わなくても、直接気持ちをぶつければいいのよ。その方が相手に気持ちが伝わるでしょうに」
オグリ「そうだな、私もそう思う」
オグリ(……好きだ、なんて直接言えればいいのだけれど。そう簡単にはいかないんだ)

Part20

その1(>>35~60)


>>35 二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 20:21:27

消灯時間からしばらく――そうやな、2時間くらいはたったやろか。
ルームメイトのオグリは遠征に行っとるから、今夜はウチひとり。
ちいっとばかり寂しい気もするが、まあ慣れたもんや。
まぶたを閉じる。
とろんと意識が溶けていく。
このままいけば眠れるもの時間の問題、そう思っていたんやけどな。

――こつんこつんこつん。
控えめなノック。
消灯時間を過ぎて他のウマ娘の部屋に来るのはご法度やけど。
ノックの音で、誰なのかは見当がついとる。
毛布をはねのけて急いでドアへと駆け寄って、なるべく音を立てないようにカギを開けた。

「……すいませんタマ先輩。こんな遅い時間に」
開いたドアのすき間から見えたのは、やっぱりモニーちゃんやった。
ふにゃりと元気なく倒れたウマ耳を見たところ、何かあったに違いないやろな。

「まあええわ、ホントは消灯時間過ぎとるからよくないけどな。ほら、中に入れ」
後でフジから小言をもらうかもしれへんけど、まあしゃーない。
へこんでる後輩を寒い廊下に放っておけるほど、ウチは情け知らずやないからな。

「あの、先輩。寒いからベッド入っていいですかね」
オグリのベッドは空いてるってのに、モニーちゃんはウチのベッドにするりともぐり込んだ。
まあしゃーない。
誰だって温もりが欲しい時はあるもんや。
とりあえず今夜はモニーちゃんの抱き枕になる覚悟を決めて、ウチはちと狭くなったベッドにもぐり込んだ。


>>37 >>35の続き22/12/21(水) 20:36:29

「そんで、聞かせてもらってええかな。何があったんや」
事前の連絡もなく、消灯時間を過ぎてからウチの部屋に来るなんて。
ましてや、あんなしゅんとした様子でくるなんて、何かあったに違いない。
同じベッドの上、向い合せに寝っ転がりながらウチはモニーちゃんに問いかける。
照明は消してるけど、ウマ娘は暗いトコロでも夜目がきく。
モニーちゃんの思いつめた顔はしっかり見えていた。
「イチと……ケンカしちゃって。わたし、どうしたらいいかわからなくて」
苦しそうにモニーちゃんは声をしぼり出す。
ウチを抱きしめるモニーちゃんの腕にぎゅっと力がこもる。
ただのケンカやない、とすぐに直感でわかった。
「ケンカしただけなら謝ればええ。でもそんな簡単な話やないんやな?」
返事の代わりに、ぐすっ、と鼻をすする音が返ってくる。
ああこれ、やっかいなヤツや。
まあしゃーない。ここは先輩として一肌脱がなアカンところやからな。

「で、どないしたんや。イチちゃんを怒らせるようなこと、何か言ってもうたんか」
モニーちゃんはしばらくの間うんうんうなっとった。
どちらかといえばクールでマイペースなこの子にしてはめずらしい。
よっぽど言いづらいことなんだろう。
そうしてようやく決心したのか、しぼり出すように事情を話し始めた。
「イチはいいよね、レースに勝てなくてもオグリさんに面倒見てもらえるんだから……って。そんなことを言っちゃったんです、わたし」

アカン。さすがにそれはアカン。
ついため息がもれてまう。
そんなウチの様子を見てか、モニーちゃんは慌てたように理由を付け加えた。
「違うんです、その時は悪気なんてなくてっ。実は最近、調子があまりよくなくて。模擬レースでも全然勝てないし。このまま調子が上がらなかったらどうなっちゃうのか、ストレスたまってたんだと思います」
「なかなか調子が出なくて、タイムが上がらん時はある。わからんでもない」
「イライラしてた時にイチに話しかけられて、ついそんな事を言っちゃったんです。そしたら……」
「そしたら?」
「今まで見たことないくらい、怒ってました」


>>40 >>37の続き22/12/22(木) 07:57:42

『ふざけないで! オグリに養ってもらうためにアイツに近づいたわけじゃない。――ああそう、モニーにはそう見えるんだ。私がオグリの賞金目当てにアイツにお弁当作ってるって、そう思ってるんだ』
イチちゃんはそうモニーちゃんにそう言い放ったらしい。
それからイチちゃんは布団にもぐりこみ、口をきいてくれなかったそうや。

「なあモニーちゃん……そらまずいで」
イチちゃんはいわゆるツンデレやから、ぱっと見にはわかりづらいかもしれへんけどオグリが大好きや。
考えてもみい。ほぼ毎朝早起きしてお弁当をこしらえる相手のことを、好きじゃないわけないやろ。
それを賞金目当てで養ってもらうために近づいた、なんて言われたら。
そりゃあ怒るに決まっとる。
「ど、どうしたらいいですかっ。あれからイチは口をきいてくれないし、試しにスマホでメッセージを送っても既読すらつかないんですよ」
泣きそうな声で焦るモニーちゃんに、ウチはなんと言えばいいか悩んだ。
「謝るしか、ないやろなぁ」
「……許してくれますかね?」
すがるようなモニーちゃんの声。
けれどもウチは、可愛い後輩のために心を鬼にした。

「謝れば許してもらえる、なんて甘ったれた考えは捨てろや。ゴメンで済むなら警察はいらん。謝っても許してもらえんかもしれへん」
「そんな、わたし、どうしたらいいんですか」
「それでもなぁ、謝るしかないんや。許してもらえなくてもな」
モニーちゃんの返事はない。
泣き声こそしないけれど、鼻をすする音が聞こえてきた。
無理もないやろな。許してもらえないかもしれない相手に謝罪するなんて、あまりに荷が重すぎる。
まあしゃーない。ここは先輩として一肌脱いだるわ。

「絶対に謝ったほうがええ。謝るべきチャンスを逃してしまうとな、絶対に後悔する結果になるで。謝って、謝って、それでもイチちゃんが許してくれなかったら。……そんときは、ウチが骨くらいは拾うたるわ」
ぐすぐすと鼻をすするモニーちゃんの頭と背中をそっとなでる。
押し殺したような泣き声が時おり聞こえてきたけれど、とりあえず聞こえないフリをすることにした。
ああ、そういえばまだチビ達が小さい頃は、よくこうして寝かしつけてたな。
そんなことを懐かしく思い出しているうちに、いつの間にかウチまで眠ってしまっていた。


>>43 >>40の続き22/12/22(木) 22:59:48

◇◇◇◇◇
レスアンカーワンは自室のベッドで眠りについていた。
同室のエイジセレモニーが、夜遅く部屋を出ていったのは知っている。
どうせ居心地が悪くなってタマ先輩の部屋にでも逃げたんだろう。
たしかタマ先輩と同室のオグリも、レースの遠征でいなかったはずだ。
ふと、気配を感じて目が覚める。
カーテンのすき間がほんのりと明るいところを見ると、朝の5時くらいだろうか。
まだ寝ぼけた目を開ければ、薄暗い自室の光景が少しづつ視界に入ってくる。
寝起きの視界に飛び込んできたものを見て、私は思わず叫びそうになった。

――部屋の真ん中に、モニーが正座している。
「な、な、モニー、あんた、なにしてっ」
混乱して頭が回らない。
朝起きたらルームメイトが正座していた、なんて寝起きの頭で理解ができるわけない。
慌てて体を起こすと、モニーは私にしっかりと顔を向けた。
「……ごめんなさい」
しぼり出すような声は、なんだか怯えたように震えていた。
「本当にごめんなさい。わたし、イチに無神経なことを言っちゃった。許してもらえる、なんて思ってない」
モニーは正座をしたまま、両手を床についた。
その表情はひどく思いつめていて、見ているこちらが苦しくなってくるくらいだ。
「やめてっ。そこまでされたら、もう何も言えないわ」
モニーの顔は青白い。
何だか嫌な予感がして、モニーの脚に手を添える。
ああ、もちろん変な意味なんてない。
自分だけじゃなくて他人の脚の調子を気にするのは、ウマ娘にとっては当たり前のことなんだから。
「冷たっ! モニー、あなたいつから床に座ってたの!?」
「あー、たぶん、1時間くらいからかな。……イチが目を覚ましたらすぐに謝ろうと思ってたから」
「バカじゃないの!?正座だって脚によくないのに、ましてや冷やしたらなおさらダメでしょう!」
脚はウマ娘の命。
それでもなお、私に謝るために寒い部屋でずっと正座をしてたんなんて。


>>48 >>43の続き22/12/23(金) 23:11:01

「ほら、私のベッドに入って!」
無理やりモニーの手をつかんで、私のベッドに引きずりこむ。
今は少しでもモニーの脚を温めないと。
モニーは驚いて口をぱくぱくさせていたけれど、かまうもんか。
「あんたはそこで少し体を温めてなさい。私は着替えたらキッチンに行くから」
すっかり目が覚めてしまったし、二度寝は無理だ。
せっかくだから、誰もいないキッチンで何か手の込んだものでも作ろうと思ったのだけれど。
パジャマの袖を引っ張られる感触。
振り返れば、モニーが私をうるんだ瞳でじっと見上げていた。

「あの……ごめん、寒くてしょうがないんだよね」
弱々しい声。
思わず肩の力が抜けてしまう。
ここまで弱ってしまったルームメイトを放っておけるほど、私は薄情じゃない。
せめて湯たんぽ代わりにはなってやろう。
私はベッドにもぐり込む。
モニーの体はひどく冷たい。
だから私はモニーの胸元にもぐり込んで、軽く頭突きをくらわせてやった。
「え、ちょ、イチったら何してんの……」
私は人差し指をモニーの口元にあてる。
モニーにはそれ以上何も言わせない。
あんたは私に黙って温められていればいいんだ。

「何となくね、わかっちゃうの。私たちはオグリやタマ先輩と違って、勝てるのが当たり前じゃない。
負ける方がずっと多いもの。だから不安になって、ついルームメイトに八つ当たりをすることもある……そうでしょ?」
もごもご、と私に口をふさがれたモニーがうなずく。
さすがに何だか申し訳なくなってきたので、私はモニーの口をふさいでいた指を離した。


>>64 二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 23:38:48

「ぷはっ」
私が指を離すと、モニーはまるで水中から顔を出したように口を開けた。
その仕草が小動物みたいでちょっと可愛いなと思ってしまい、にやけそうになるのをガマンする。
気が付けば、あれほど冷え切っていたモニーの体はすっかり温かくなっていた。
その体温が心地よくて、私はモニーの腕の中にすっぽり収まった。

「えー、イチってば以外と甘えっ子?」
「うるさいわね、湯たんぽになってあげてるんだから文句言わないのっ」
今思えばこの状況はちょっと恥ずかしい。
モニーの体からもドキドキと心臓の鼓動が響いてくる。
もしかして、モニーも緊張してるのかな。

「……あのさ。ちょっと変なこと言うかも」
「なに?」
「そういえばイチのベッドに入るなんて初めてなんだよね。ヤバい、今思うとドキドキする」
「ちょっと、ホントに変なこと言わないでくれる!? こっちまで意識しちゃうんだけど!」
顔が熱い。
それになんだか体も熱くなってきたし、ひとまずベッドから出よう。
そう思って体を動かそうとすると、モニーの両腕がしゅるりと私の体に巻きついた。
「あーでもごめん。もう少しこのままでいさせて……お願い、もう少しだけ」
祈るようなモニーの声に、私は折れるしかなかった。
どのみち、あまりこうしてばかりもいられないだろう。
カーテン越しの外はすっかり明るくなってしまっているから。


>>65 二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 23:41:05

「まったく、甘えっ子なのはモニーのほうじゃないの」
しょうがないわね、なんて私は心の中で微笑ましくため息をついた。
今のモニーはまるでぬいぐるみを抱いて眠る女の子みたい。

ああ、そういえば今日は12月25日――クリスマスだっけ。
学園は有馬記念の話題であふれているから、すっかり忘れかけてしまっていた。
カーテンを開ければ外は真っ白になっているかもしれない。
たとえウマ娘だって、さすがにこの時期の寒さはこたえるのだけれど。

私たちのベッドが寒いどころか、ふたり分の熱で暑いくらいだった。

その2(>>142、148)


>>142 二次元好きの匿名さん23/01/05(木) 19:49:27

【22:30 イチとモニーの自室にて】
      • こーして眺めてると、イチってけっこう整った顔してるよねぇ。
くやしいけど、あのオグリさんと並んでても、あんまり見劣りしないもの。
お肌だってキレイだし。
あんまり高い化粧品は使ってないって言ったけど、やっぱり生活習慣もあるのかなぁ。
食べ物だって気を使ってるんだろうし。

少しくらい――さわっても起きないよね?


>>148 二次元好きの匿名さん23/01/06(金) 22:50:20

すぅー、すぅー、とイチのかわいい寝息が聞こえてくる。
ホントぐっすり眠ってる。
これならきっと、ちょっとやそっとイタズラしたくらいじゃ起きないよね。
まずはほっぺた。
さわるとプニプニしてて、マシュマロみたいにやわらかい。
もしかしたらオグリさんなら食べてしまうかも。
まあ、今こうしてさわり心地を堪能できるのはわたしだけなんだけどね。

次は髪をさわってみる。
ムカつくくらいサラサラで、よく手入れされてるのがわかる。
そういや寝不足は髪にも悪いんだっけ。
わたしもイチを見習って、少しは規則正しい生活を送ったほうがいいんだろうか。
でも早寝早起きは苦手だ。
くるくると、イチの髪の毛を指に巻きつける。

小難しいことはどうでもいい。
とりあえず大切なことは、ぐっすり眠っているイチをひとり占めできるのはこの私――エイジセレモニーただひとり、ということだ。
オグリさんにはレースで勝てっこないけれど、ルームメイトの特権だけはわたしだけのアドバンテージだから。
ああ、なんだか眠くなってきた。自分のベッドに戻るのすら面倒くさい。
だって仕方ないじゃないか。
1月の夜はこんなにも寒いんだから。

イチの文句は明日の朝に聞こう。
とりあえずもう一度目が覚めるまでは、この温もりを抱きしめていよう。
わたしはそんな言い訳を心の中でしつつ、ルームメイトのベッドにもぐり込んだ。

その3(>>155(>>152より派生))


>>152 二次元好きの匿名さん23/01/07(土) 20:29:20

このアングルの困り顔オグリも可愛い
ふにゃりと倒れたウマ耳がまるで子犬みたい


>>155 二次元好きの匿名さん23/01/08(日) 16:33:29 >>152より派生

タマ「なあイチちゃん、七草粥は作ったんか?」

イチ「いいえ、お粥は消化がいいですけど腹持ちしないですし。私はともかく・・・あの食いしん坊にお粥は向かないんですよね」

タマ「ハハ、確かにオグリが満腹になるほどお粥を作るのは大変そうやな」

イチ「それに七草粥って縁起物でもあるけれど、お正月料理で疲れた胃腸を休めるものでしょう」

タマ「オグリに胃もたれなんて無縁やしな」

イチ「そうなんですよね。だからアイツに七草粥を作っても――げっ」

タマ「ん?どないした?」

イチ「いや、オグリが>>152みたいな顔でこっちをじぃーっと見つめてるんですよ・・・」

タマ「あー・・・たぶん食べてみたかったんやろなぁ、イチちゃんの七草粥・・・」


その4(>>157)


>>157 二次元好きの匿名さん23/01/08(日) 19:35:48

イチ「せりなずな ごぎょうはこべら ほとけのざ、すずなすずしろ これぞ七草……ってね」
オグリ「すごいなイチ! 本当に七草が入ったお粥は初めてだ!」
イチ「たまたまスーパーの半額セールで売ってたから、なんとか作れたわ」
タマ「せやかてイチちゃん、土鍋ひとつぶんで足りるのか? あのオグリやぞ?」
イチ「大丈夫、問題ないわ。お粥だけど食べ応えは保障するから」
オグリ「いただきます!」
イチ「タマ先輩も、よかったらどうぞ」
タマ「ええんか? ウチが食べたらオグリの分が・・・」
イチ「大丈夫ですよ。お正月の後ならではの、お粥を食べ応え満点にするとっておきの秘策があるんです」
タマ「秘策・・・?」
オグリ「ふぁふぁっふぁぼ!」(わかったぞ!)
タマ「モノを口に入れたまましゃべるなや。あ、でもウチも食べたらわかったわ。これって――」

イチ「はい、小さく切ったお餅を入れました。学園に飾ってあった鏡餅を少しわけてもらったんです」
タマ「これなら腹もたまるし、鏡餅もムダにならんしええな」
オグリ「イチはすごいな。味とかだけじゃなくて、いろいろと考えてご飯を作ってるんだな」
タマ「……まあ作る時に一番考えてるのはオグリのことやろうけどな」
イチ「ちょ、何言ってるんですか!?」


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