初めはそれすらも過ちだと思っていた
ただ、やっぱりまだ自己が弱かったんだ
鞄を開けて彼女の寝顔を見つめる毎日
いつしかそれに罪悪感を感じることはなくなっていて
ある日僕の指は彼女の髪を撫でていて
いつしか白い肌の上を滑らせていた
その指が柔らかい唇に触れたとき
僕は初めて 取り返しのつかない禁忌を侵してしまったのだと
思い知らされたんだ――――
「しん…く」
「…………」
唇同士が触れ合った瞬間に聞こえた物音
そこには美しい金髪を揺らす妹がいた
見られた
僕が勝手に鞄を開き、雛苺に口付けた所を
禁忌を侵した瞬間を―――
「あの…これ、は…」
「言い訳はいらないわ」
「…………」
頭の中が白くなる
あのかわいらしい雛苺の笑顔はもう見れないんだろうな
翠星石ももう一緒に遊んでくれないんだろうな
全員から姉妹の縁を切られるのかな
放心している僕を尻目に、真紅は雛苺の様子を確認する
雛苺はまだ夢の中だった 起きる様子もない
「蒼星石」
名前を呼ばれて、体がビクリと震えた
これからどうなってしまうんだろう
真紅から発された言葉は 想像できるものとは全く違うものだった
「今なら、貴女に協力できるわ」
続
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