いつか帰るところ ◆E8Sf5PBLn6


これは魔王オディオが催した殺し合いのなかで起こった物語の一つである。
未だ陽が昇らない場所で行われる闘劇。
役者は五人。

誇り高きフィガロの血を受け継ぐダンカン流格闘術継承者、マッシュ・レネ・フィガロ
『最強』を目指す格闘家、高原日勝
自らの欲望のため帝国を裏切った反逆の徒、ビジュ
正義の心を胸に秘める時空冒険者、クロノ
嘗て偽りの生に囚われ、ようやく自分の望む生を歩み始めた魔剣適格者、イスラ・レヴィノス

用意された舞台は二つ。

片や正義と悪との対決。
片や誤解からの衝突。

二つの戦いの火蓋が切って落とされた。

◆     ◆     ◆

舞台開幕。



舞台A――――イスラ・レヴィノスVS高原日勝



先手は高原。地面を蹴り上げ猛スピードでイスラに突進。対するイスラは迎撃するために身構える。

「うおりゃあああああぁぁぁぁぁ」
「……少し眠っていてもらうよ」

(まったく僕はいつも厄介ごとに巻き込まれる)
イスラはとりあえず様子を見ることにした。
戦闘力未知数の相手だ。自分から接近戦を挑まない方が良いだろう。見るからに相手は格闘家―――カウンター攻撃が得意な可能性がある。
(それに迎撃なら自分の得意分野だからね)
なにより―――。

―― 一つ聞く、何で俺たちを襲った?

さっき目の前の男―――高原日勝が言った事がイスラは気になっていたから。
(彼の話によれば、僕が彼と少なくとも一人以上いるであろう彼の仲間を襲ったとの事だ。だが僕はそんなことはしていない)
高原の拳が迫る。イスラは俊敏な動きで回避――思考を続ける。
(となれば可能性が一番高いのは誤解……か、今ここにいるのは僕と彼だけ……意味もなく言いがかりをつけて襲いかかるのは考えづらい)
しかしそれだけでは目の前の男が信用出来る者かと言われればまだ足りない。
(だが僕に負けたときの為に『誤解をしていると装っている』可能性だって十分にある)
この男が本当に誤解をしているだけで、殺し合いに乗っていないなら魔王打倒の戦力だ。殺してはいけない。
だがもし殺し合いに乗っているなら、イスラの姉――アズリアやあの島で会った先生――アティの危険を少しでも減らすためここで殺す。
そしてイスラは相手に話を聞く耳が無い以上、戦いの中で高原を見極めようとしていた。
(志の持たない力は災厄と同じだが、力を持たない志もまた無益な死を招く災いの元だ)
高原の志と――力を。
(君の志と力――試させてもらうよ)

「くらいなッ!! 森部のじーさんの奥技が壱!!」
「! ――消え……ウグッ」

あびせげり。別名、方回転踵蹴り。
自ら前回り受け身する勢いを生かし、
相手の顔・肩を目掛けて自分の踵で蹴りを打ち込む技。
高原のそれは高く、疾くイスラの視界から一瞬で消失、肩に強烈な踵の一撃を見舞う。

「ッッ……なッ!」

イスラは体勢を立て直した瞬間に驚愕する。
なぜなら真っ先に目に入ったもの――それは自分の顔に迫る高原の踵だったからだ。
(馬鹿な!! こんな連続で!!)
高原があんな体勢を崩す不安定な技を出した後、連続で攻撃してきたのだ。イスラがあびせげりを受け体勢を立て直す時間が僅かながらあったことをを差し引いても疾すぎる。
イスラが驚くのも無理はなかった。
すぐさま魔界の剣で迎撃に入るが――。

「フェイントだ!!」

高原は上半身の力を使って空中でさらに一回転。両手を組み、それをハンマーの如くイスラの後頭部に叩き付けた!!!

「……あ」

それはまさに受けた者を奈落に落とすような一撃だった。
(ッ……まだだッ!!)
それでもイスラは倒れない。ここで倒れるわけにはいかない。
イスラの頭上を飛び越え後方に着地した高原に一閃。
高原の背中が切り裂かれる。

「テッ!! 見かけによらず頑丈だな…… だったらッ!!」

距離を取ろうとするイスラに高原は急速接近――。
懐に入って必殺技を放つ――相棒の必殺技を。

「熱き正義の燃えたぎる! 赤き血潮の拳がうなる! 爆! 裂! 拳!」

高原が放つは百を超える拳の嵐。それを受けたイスラは後方に大きく吹っ飛ばされる。

(……こいつすげえ。爆裂拳を見切りやがった)
拳がまともに通ったのは半分程度。爆裂拳を客観的見た事がある高原はそれを見切る難しさを知っている。例えそれが半分程度でも。
(こいつが暗闇からの襲撃なんて小細工を使うだろうか? 雷も使ってこないし……こいつじゃないのか?)
イスラを強者と認めた高原は違和感を覚える。拳を通じてイスラに感じたものは悪人とは思えないものだった。
だったら――。

「おーい。大丈……ッ!!」

高原は硬直する……
目の前には銃を構えたイスラが立っていた。



舞台転換。

◆     ◆     ◆

舞台B――――クロノVSビジュ


「死ねええええ!!オラァ!!」
(……遅すぎる)

ビジュは剣を振り回すも目の前の少年は余裕で剣やそこから生まれる雷を避けている。
ビジュは知らない。目の前の少年は中世ガルディア王国最強騎士サイラスを超える剣の使い手グレンが認めるほどの実力者だということを。
ビジュは気付かない。自分と相手との格の違いに。

(……問題ない。無力化は簡単に出来るな)

クロノからすれば極力悪人でも殺したくなかった。
自分の武器はモップ。武器として貧弱すぎる。
そんなもので無力化できるのかという不安があったが。全く問題なかった。
目の前の男の実力は論外だ。剣の使い方もまるでなってない。
これなら、一人でガルディア空中刑務所に乗り込んできたルッカの方がよほどいい動きをするだろう。

「ちょこまかとうざってえ!! 黒焦げになれやあああ」

ビジュは実力差に気付かないまま、クロノに雷を落とす。
(……ちょうどいい、無力化なら自分の雷よりあれがいいな)
クロノは跳躍した。……雷に向かって。

バチッ!―――直撃

「ひゃはは、ひゃははは。どうだあああ!!」
「……サンダーソード」
「……へ?」

ビジュが見たもの……それは―――。

「……モップが、光っ――――!?」

眩い光に包まれた……モップだった。



……
…………
………………



(……ん。こんな感じか)
クロノは使ったのは魔法剣――いや、剣ではないのだが。
ユーリルから聞いたギガソード……それを試したのだ。
今までルッカやマールとの連携で氷や炎を纏った斬撃を使ったことはあったが、自分の雷を使うという発想は無かった。
クロノは思ったのだ……それを自分で使えないか。
だが魔法の制御をしながらの斬撃はなかなか難しい。
故に……ビジュの雷を連携技の材料にした。
(……雷を纏わせるのは思いの外……楽みたいだ。これなら自分の雷でも出来そうだ)
そしてクロノは感覚を掴んだ。
(……とりあえず)
倒れているビジュに向かって歩き出し、ビジュが持っていたサンダーブレードを回収する。
(……こいつは暫くは目覚めないはずだ……それよりも)
再び歩き出す。今度は倒れている青年――マッシュの所に。
(……まだ息があるな)
魔法を唱え始める。クロノは回復魔法は使えないが気つけなら出来る。

「……生命をもたらしたる精霊よ 今一度我等がもとに! レイズ!」
「……うう」

目を開ける。全身が痛い。目の前の男は……

「……高…………原…?」

目が冴えてくる。そこにいたのは赤い髪の少年。心配そうにこっちを見ている。

「高原はッ!!」

周りを見回す。高原はいない。

「なあ! 高原知らないか!」

赤髪の少年は首を傾げている。言ってる意味が分からないようだ。

「あ、悪い。俺はマッシュ・レネ・フィガロ。
 ダンカン流格闘術継承者のモンクだ。殺し合いには乗ってない。君は……?」
「……クロノ」

赤髪の少年は言葉はそれだけだった。
だがそれだけでこの少年も殺し合いに異を唱える者ということだけは……何となく分かった。

「高原知らないか! 黒髪で筋肉質でバンダナ巻いたやつなんだけど!
 さっき雷が落ちてきて、その後向こうの方に走っていったんだ」

クロノは話す。
その男の事は知らないと。
クロノの話はさらに続く。
おそらく、その雷はそこでのびている男がサンダーブレードを使って落とした事を。
その男が高笑いの後、俺を殺そうとした事を。
そしてクロノがその男を叩きのめした事を。

「そうか……ありがとな。とにかく高原が心配だ。
 向こうの方に行ったはず……」

立ち上がるも足取りは重い……ふらふらだ。
そのときクロノが肩を貸してきた。

「悪い……」
「……気にするな」

二人は向かう高原が走り去った方角へ――ビジュを引き擦りながら。



舞台B――――クロノVSビジュ 

結末―――――クロノ完全勝利

舞台B――――終幕



舞台転換。

◆     ◆     ◆

舞台A――――イスラ・レヴィノスVS高原日勝



(やべえ……銃か)
正直なところ銃は苦手だ。勝てる気がしない。
ルクレチアでサンダウンの実力を目の当たりにしてさらに勝てる気がしなくなった。
(どうすればいい?)
相手との距離は7メートルといったところ……高原の射程外だ。
(だが……この位だったら一気に距離を詰めれば……ッ!!)
見てしまった……イスラの体が纏っている恐ろしい闘気を。

(ふぅ……『紅の暴君』は無くても闘気を叩き付けることは出来たみたいだ)
安堵した。このまま話し合いに持っていきたい。
(まさかここまでとはね……君の志と力――見せてもらったよ)

(近づけ……ない)
相手の手には銃、さらに強烈な闘気。
どうする……考えろ――COOLになれ!高原日勝!
(せめて闘気が無ければ……まてよ……闘気?)
高原は思い出す……世界に修行に出たときのことを。
――そういや、昔どっかの国のサウスタウンって街に闘気を固めて放つという不敗の格闘家がいたって話があったな。その気になれば衛星兵器に対抗できるとか。
そしてその男がいたという道場を訪れた。
(でもたしかその道場の総帥はバイクで武者修行に出かけたとかで会えなかったんだよな)
高原はその技を会得出来なかった。
その超必殺技ならこの状況も打開できるだろう。
(でも出し方がわからねえ……せめて一度見て……いや…………俺は見たことがある!)
そう、マッシュが放ったオーラキャノンだ。
高原は思い出す……あのときのマッシュの動きを。オーラキャノンを受けた自らの腕の感覚を。
高原は見据える……イスラが纏う闘気を。
(もしかして……こんな感じか?)
分かる……自分の体に流れる『気』の流れが。
(成功してくれよ……)
これが出なければ自分の負けだ。

(銃を持った奴が相手なら、『オーラキャノン』を使わざるを得ない !!!!!)

「渦巻く怒りが熱くする! これが咆哮の臨界! オーラッ……キャノン!!」
「……なんだとッ!!」

迫り来る巨大な気弾、イスラは弾くため剣を薙ぐも……


パアアン!


反応が間に合わなかった為、弾くには至らず……オーラキャノンは爆発――高原もイスラも大きく吹き飛ばされた。
高原にとって、これはこの島での二回目の出来事だった。
(あー、やっぱこいつ違うわ)
お互いの体が地面に吸い込まれる。


「はははははっ!!……楽しいなあ」
「……僕は全然楽しくないよ」
「いや、悪かった!! 俺の勘違いだったみたいだ」
「……別にいいよ。たまにはこんなのも悪くないかもね」
「だろ? ははははははははっ!!」

高原は再び笑い始めた。子供のように。

「おーい。高原ー、無事かー」

声が聞こえる。マッシュの声だ。
声の方を向けば赤髪の少年に支えられたマッシュがいた。

「おー、マッシュ俺は平気だぞー」

高原は答えた――最高に楽しそうに。



舞台A――――イスラ・レヴィノスVS高原日勝

結末―――――和解

舞台A――――終幕



舞台終幕。

◆     ◆     ◆

カーテンコール――――情報交換



(全く仕方ないな。逃げられそうにない)
イスラは人に会いたくなかったが、こうなってしまった以上情報交換をせざるを得なくなった。

「あ、ちょっと待て。高原が迷惑かけてしまったみたいだし。その怪我治してやるよ」
その前にマッシュがそう言ってきた。
「君の状態の方が酷いじゃないか。治すなら君が先だよ」
「お、悪いな。……空の下なる我が手に、祝福の風の恵みあらん! ケアルガ!」
マッシュが受けた傷が塞がっていく。
「それは……ストラかい?」
「ストラ? なんだそれ?……うっ」
マッシュがふらつく。
「マッシュ! 大丈夫か!!」
「ああ……」

この違和感は……
(……おかしい。確かに俺は魔法が得意でないがケアルガならこんな傷一発なはず……それにこの疲労感は)
魔法の効果が……薄い?

「僕の怪我はいいよ」

イスラがそう言ってくる。
(あ―――気ぃ使われちまった)
イスラは感づいたのだ。今のふらつきは怪我のせいでなく、ケアルガを使ったからだと。
「すまん……」

「じゃ自己紹介だ。俺は高原日勝『最強』を目指す格闘家だ」
「マッシュ・レネ・フィガロ……ダンカン流格闘術継承者のモンクだ」
「……クロノ」
「……イスラ・レヴィノス」

情報交換が始まってまず驚いたのは、クロノが首輪を持っていたことだ。
首輪を手に入れた経緯を説明し、調べられないかといってきたが……

高原曰く「悪い。完全に駄目だ」
マッシュ曰く「兄貴なら調べられそうだが……俺には分かんないな」

だ、そうだ。

イスラに聞いてみると……
「それなりに心得はあるつもりだけど専門家じゃない。僕より他の人に任せた方がいいよ」
そう言ってきた。

そして人物情報に進む。そこでもクロノは驚く情報を持ってきた。
なぜか死んだはずの参加者がいるかもしれないことを。
クロノはユーリルと考えた考察はまだ話すつもりはないが、本当に死者がいるとすればそれは遅かれ早かれ気付くことだ。
これはカマかけだ。……死者の蘇生に心当たりがないかと。

「死んだはずの参加者……か。俺もまだ魔法が使えるみたいだし……ケフカは本物……なのか」
名簿のケフカは同名の別人という考えもあったが……シンシアなるものも死んだはずの者となれば同名による偶然よりも、蘇ったのではないか?という気もする。
「生き返るねぇ……フェニックスがあればあるいは……とは思うんだが。あれはケフカを倒した後消えてしまったしな……」

(……マッシュは心当たりがあったみたいだがその手段は既に失われたはずのもの……か)
クロノは得た情報を頭に入れる。

「俺の仲間は……」
お互いに情報をまとめていく。

「こんなとこか……」
「……これから教会に行ってユーリルと落ち合おうと思っている。一緒に行かないか? その怪我も治療してもらったほうがいい」
「「ああ!!」」
「僕はいいよ、そっちから来たし」

視線がイスラに集まる。
「ごめん……さっきも話したけど姉さんには会いたくないんだ………一人で行動させてくれ」

「おいおい、別にいいだろ!」
高原がそう言うも。

「今の僕には姉さんに会う資格はないよ……あと……僕の気持ちは姉さんに伝えないで欲しい」
「……分かった。ならこれからどこに行くのかも聞かないよ」
「……クロノ!」

クロノは何も聞かずにイスラと別れる――そう言ってきた。

「……有り難う。姉さんを頼む」
「……今はそれでいい。でも……いつか自分の意志で会いに行ってくれ」
「…………え?」
「……大切な人に会いに行くのに資格がいるなんて誰が決めたんだ? そんなもの……必要ないだろ?」
「………………」

イスラは黙り込む。
そう……会いたくないのは事実だ。だけど会いたいと思う気持ちも心のどこかにあったことも気付いていたから。

「……後はこの刺青をどうするか……だな」
高原がビジュをどうしたものか考える。

「……そいつは僕に任せてくれないか? あまり教会に遅れちゃいけないだろ? きつく灸は据えておくよ」
「……任せるよ」
「じゃあさっきの詫びにこれやるよ!! 甘い物……好きか?」

高原は鯛焼きセットを差し出してきた。
「…………嫌いじゃない」
「じゃあ受けと……」

―――クロノが鯛焼きセットを欲しそうにこっちを見ている!! どうしますか?

「あー、お前にも半分やるよ」
その瞬間クロノの顔がパッと明るくなった気がした。


……
…………
………………


イスラと別れた三人はユーリルと落ち合うために教会に向かっていた。
もう周りが明るくなり始めていたがこのペースなら七時までには着くはずだ。

「あ、そうだ!! なあマッシュ、俺……オーラキャノン撃てたぜ!!
 約束だぜ……後で教えてくれよな!! お前のとっておきを!!」
「もう使えるようになったのか!?
 すごいな……お前」
高原はオーラキャノンを使えるようになってはしゃいでいた。

マッシュは高原の才能に一種の恐ろしさを感じた。
(今確信できた……こいつは『夢幻闘舞』を会得出来る)
マッシュは思う――高原に自分の全てを伝えたいと。

クロノは黙々と鯛焼きを食べながら歩いている。

三人は打倒オディオの心を胸に仲間のもとへ――。


【H-2 平野北部 一日目 早朝】
【クロノ@クロノ・トリガー
[状態]:疲労(小)
[装備]:サンダーブレード@FFⅥ、
鯛焼きセット(鯛焼き*1、バナナクレープ*2、ミサワ焼き*1、ど根性焼き*1)@LIVEALIVE、
魔石ギルガメッシュ@ファイナルファンタジーVI
[道具]:モップ@クロノ・トリガー、基本支給品一式×2(名簿確認済み、ランタンのみ一つ) 、トルネコの首輪
[思考]
基本:打倒オディオ
1:……美味しい。
2:ユーリルと合流する為教会へ向かう。
3:打倒オディオのため仲間を探す(首輪の件でルッカ、エドガー優先、ロザリーは発見次第保護)。
4:魔王については保留 。
[備考]:
※自分とユーリル、高原、マッシュ、イスラの仲間、要注意人物、世界を把握。
※参戦時期はクリア後。
※オディオは何らかの時を超える力を持っている。その力と世界樹の花を組み合わせての死者蘇生が可能。
 以上二つを考えましたが、当面黙っているつもりです。
※服はややゴワゴワしてるものの完全に乾きました。

【高原日勝@LIVE A LIVE
[状態]:全身にダメージ(中)、背中に裂傷、疲労(中)
[装備]:なし
[道具]:死神のカード@FF6、基本支給品一式(名簿確認済み)
[思考]
基本:ゲームには乗らないが、真の「最強」になる。
1:マッシュのとっておきってどんな技なんだろなー。
2:ユーリルと合流する為教会へ向かう。
3:武術の心得がある者とは戦ってみたい(特にレイ・クウゴ)
4:オディ・オブライトは俺がぶっ潰す(?)
[備考]:
※マッシュ、クロノ、イスラ、ユーリルの仲間と要注意人物を把握済。
※ばくれつけんを習得。オーラキャノン習得。

【マッシュ・レネ・フィガロ@ファイナルファンタジーVI】
[状態]:全身にダメージ(大)、疲労(中)
[装備]:なし
[道具]:スーパーファミコンのアダプタ@現実、ミラクルショット@クロノトリガー、表裏一体のコイン@FF6、基本支給品一式(名簿確認済み)
[思考]
基本:殺し合いには乗らない。
1:ユーリルと合流する為教会へ向かう。
2:首輪を何とかするため、機械に詳しそうなエドガー、ルッカを最優先に仲間を探す。
3:高原に技を習得させる。
4:ケフカを倒す。
[備考]:
※高原、クロノ、イスラ、ユーリルの仲間と要注意人物を把握済み。
※参戦時期はクリア後。

◆     ◆     ◆

舞台裏――――



ビジュは感電して失っていた意識が戻って来ていた。
「……くっそあの餓鬼が」

「お目覚めかい?」
「!!!!」

目の前の男は……イスラ?
ちょうどいい。武器がない今……化け物の力を持つこいつに取り入るのが最善だ。

「早速で悪いけど君、今まで誰に出会ってなにを見た?」

俺は砂漠で女と小娘を見たこと……特に小娘は化け物みたいな力を持っていたことを話した。
さらにここであった事も。

「……ふーーん、それで全部?」
「あ、ああ」
「じゃあ君は用済みだね」

……え?
なんだ? 俺……剣を向けられてるぞ……。

「な……なんの冗談だ……」
「冗談? なんの事だい?」

こいつの目……本気だ!!

「ま……待ってくれ!! 俺、あんたの役に立ってみせるぜ……」
「君が役に立たないことはよく知っているよ」
「た……頼む……助けて……」
「そんなに死にたくない? ふーん……じゃあ……豚の真似をしてみてよ」
「……え?」
「聞こえなかった? 豚の真似をしてみてっていったんだけど?」
「わ……分かった」

俺は四つん這いになって豚の鳴き真似をする。

「ぶー……ぶー……」

屈辱だ……。

「あはははははは♪面白いな♪」

助かったか……。












「豚の真似をしたら助けるなんて一言も言ってないよ♪豚は死ね♪」




ザンッ









……
…………
………………



「志も力もない君が生きていても迷惑なだけだよ」
ビジュの首輪を回収したイスラはそう独り言ちる。

ビジュを殺した理由は三つ

一つ目は首輪のサンプルの入手の為。
トルネコの首輪を貰わなかったのはビジュの首輪を入手することが念頭にあったからだ。
それに自分が専門家じゃないのは事実だし、彼らには首輪を外せそうな知り合いがいるらしかった。
故に首輪の解析を断った。

二つ目は自らの治療の為。
高原の背中を斬りつけたときに僅かながら体の痛みが引いた。
イスラはそれが魔界の剣の効果ではないかと考えた。
マッシュの治療を断ったのもそれを試す為。
その実験対象に自分の怪我の起因になったビジュを選んだのだ。
そしてその推測は正しくイスラの怪我は完全に治っていた。

最たる理由の三つ目
ビジュは間違いなく殺し合いに乗るであろうし、既にそれは証明された。
オディオを倒す戦力にもならない。生かしておいてデメリットは有れどメリットは無い。
危険分子の排除はアズリア達の生存率の上昇に繋がる。
ビジュの持っている情報を全部引き出してから後は殺す――ただそれだけの事。

クロノ達にはビジュとは顔見知りと伝えてない。故にビジュの名前も知らない。すぐ放送で呼ばれても問題無い。
首と胴が別れたビジュを海に捨てて、イスラは灯台に向かう。

(あの二人は機械に疎いみたいだし、まだ灯台を調べる価値は有るはずだ)
何かが有るかもしれないと。
(灯台を調べた後はどうするかな……ビジュの言うことを鵜呑みにするつもりはないけど昼になる前に砂漠に行く事も有り……かな)
ビジュが言っていた化け物の様な力を持った小娘の事を考える。
(……それとエドガー・ロニ・フィガロとルッカ・アシュティアか……あまり人には会いたくないけどこの二人には接触する必要が有るかもしれない)
自分が駄目だった時、首輪を外せそうな者をサポートすることも視野に入れ始める。


―――大切な人に会いに行くのに資格がいるなんて誰が決めたんだ?


不意にクロノが言ったことが頭によぎった。
俯いて立ち止まる。…………十秒、二十秒、三十秒……時間は過ぎていく。

イスラは顔を上げ再び歩き出す。


「僕が…………決めたよ」

それが今のイスラの答えだった。


【I-1 灯台付近 一日目 早朝】
【イスラ・レヴィノス@サモンナイト3 】
[状態]:健康。
[装備]:魔界の剣@ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち
[道具]:不明支給品0~1個(本人確認済み)、基本支給品一式(名簿確認済み) 、ドーリーショット@アークザラッドⅡ
     鯛焼きセット(鯛焼き*2、バナナクレープ*3、ミサワ焼き*2、ど根性焼き*1)@LIVEALIVE、ビジュの首輪、
[思考]
基本:首輪解除と脱出を行い、魔王オディオを倒してアズリア達を解放する。
1:灯台で首輪を解除する為の手掛かりを探す。
2:途中危険分子(マーダー等)を見かけたら排除する。
3:エドガーとルッカには会った方がいいかな?
4:極力誰とも会わず(特にアズリア達)姿を見られないように襲われたり苦しんでいる人を助けたい。
5:今は姉さんには会えない………今は。
[備考]:
※高原、クロノ、マッシュ、ユーリルの仲間と要注意人物を把握済み。
※参戦時期は16話死亡直後。そのため、病魔の呪いから解かれています。
※ビジュの首と胴は海に捨てました。

【ビジュ@サモンナイト3 死亡】
【残り43人】

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BACK△057:嘲律者Next▼059:第一回定時放送

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BACK△057:嘲律者Next▼059:第一回定時放送

052:正に悪夢、アクム 高原日勝 064:ボボンガ
マッシュ
クロノ
イスラ 065:アズリア、『熱』に触れる
ビジュ GAME OVER


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最終更新:2010年06月29日 21:42