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CL8-12
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コラム8-12:法のバグをどう乗り越えるか――「解釈」を支える国民の常識と未来への理論武装
当サイトの別コーナー【皇室検定(オカルティックVer.】の設問群(2-8(応用編):皇室典範の構造的課題と法解釈、2-9(特別編):解釈論の限界と法的リスク)で確認した通り、「旧宮家の男系男子が養子縁組によって皇族に復帰する」という政府案に対して、左派(反対派)からは「1947年の皇室典範制定時の法解釈との整合性」や「憲法14条(法の下の平等)との矛盾」といった鋭い指摘がなされています。養子となった本人には直ちには皇位継承資格を与えないという措置は、まさにこの法的リスクを回避するための「安全装置」です。
しかし、厳密な法論理の観点から見れば、現在の政府答弁による解釈変更だけで過去の立法趣旨との齟齬が完全に消滅するわけではなく、一種の「モヤモヤ」が残ることは否めません。では、この「法解釈の隙(バグ)」を前に、私たちはどう立ち向かうべきなのでしょうか。
ここで一つの補助線となるのが、「自衛隊と憲法9条」をめぐる法解釈の歴史です。
日本国憲法第9条は「陸海空軍その他の戦力の不保持」を定めていますが、自衛隊は事実上の軍隊として機能しています。法学的な厳密さだけを見れば、そこに矛盾がないとは言えません。しかし、この「解釈論」が戦後の日本社会で成り立ち、通用してきた最大の理由は、それが「自国を防衛するためには実力組織が必要である」という国民の常識(コモンセンス)と乖離していなかったからです。
法の条文は冷徹なロジックですが、それを社会で機能させる「法解釈」の根底には、常にその時代の国民の集合的な合意や歴史的必然性が流れています。
皇位継承における「旧宮家の男系男子は、皇統に属する特別な存在なのか、それとも14条が適用される一般国民なのか」というデリケートな境界線も、構造としてはこれと全く同じです。
法理上のギリギリの綱渡りであったとしても、「神話の時代から続く男系継承の伝統を守り、皇統を絶やしてはならない」という国民の健全な常識と歴史意識がその解釈を下支えする限りにおいて、この制度運用は正当性を持ち、社会に受容されます。
法理上のギリギリの綱渡りであったとしても、「神話の時代から続く男系継承の伝統を守り、皇統を絶やしてはならない」という国民の健全な常識と歴史意識がその解釈を下支えする限りにおいて、この制度運用は正当性を持ち、社会に受容されます。
しかし、だからといって「現在の政府が答弁でOKと言ったから、もう安心だ」と思考停止に陥ることは、保守派にとって最大の罠です。
自衛隊が長きにわたり違憲論争の矢面に立たされ、政治状況によって揺さぶりをかけられてきたように、「解釈」に依存する制度は、将来の政権交代や違憲訴訟によって根底から覆される脆弱性を孕んでいます。特に、万が一の事態が生じ、タイムラグを埋めるための緊急システムとして「養子本人への皇位継承権の即時付与」を決断せざるを得ない局面が来れば、この法的矛盾への攻撃は最大化するでしょう。
私たちに必要なのは、左派の指摘を単なる「粗探し」と切り捨てることではありません。彼らの論理的破壊力を正確に測り、それを受け止めた上で、「なぜ日本国憲法下においても、男系継承という例外が法理として許容され、かつ国家の存立に不可欠なのか」という、憲法論・国家論レベルでの強固な理論武装を自らの手で構築し続けることです。