第六巻 古代・外国のレシピ
領内の各図書館には数え切れないほどの古書や巻物の断片が保管されていますが、その中で料理技法に関するものはほとんどありません。現存する数少ない資料はエルフのハイロードTaurith大王によって書かれた "ye Great Booke of Foode"(旧暦829年)、そして未詳の人間の貴族による "what Thou See is What Thou Eat"(おそらく旧暦600年頃)のわずか二冊だけです。
どちらの書物も、食に関する一種奇妙な記述が多数含まれています。多くの食材は今日では入手が困難なものですし、その他のレシピも極めて珍妙で、誰も出来上がりの品を食べたいとは思わないのではないかと思うような代物です。両方とも完全に古代語で書かれているため、一文をそっくりAncariaの現代語に訳すのは難しく、場合によってはほとんど不可能なこともあります。ですからおそらく翻訳の過程で完全に抜け落ちてしまったりした部分もあるのでしょう。しかしそれでもこれらの本は、料理好きな人以外にとっても非常に興味深い資料です。当時の生活を記した希少なドキュメントであり、我々の世界の歴史について貴重な示唆を与えてくれるからです。
Taurith大王 "Ye Great Book of Doode"(旧暦830年頃)からの抜粋
ゴブリンのマスタードソースがけ
ゴブリンを数匹殺します。頭、手、足を取り除きます。大きな鍋に入れて塩、こしょう、ニンニク、少々のハムを入れて炒めます。皮に焦げ目がついてきたら取り出します。オニオンリングと少々の水を加え数分間煮ます。オニオンリングが柔らかくなってきたら火から外します。はけとマスタードを用意して、ゴブリンにマスタードを塗ります。ゴブリンの表面がまんべんなく覆われるように塗って下さい。先程作ったオニオンソースをかけて盛りつけます。もしもっとスパイシーな味付けが好みであれば、ペパロニをみじん切りにしてふりかけるとよいでしょう。
スクランブルハーピーエッグ
ハーピーの卵を2~5個盗みます。軽く叩いて、調味料を加えます。フライパンに脂を溶かし、卵を流し入れます。木のスプーンでしばらくのあいだ混ぜ、卵が固まり始めたら火から下ろして冷まします。パンと共に温かいうちに盛りつけます。
ジャイアント人喰いリャマのグーラッシュ
仲間を何人か集めてジャイアント人喰いリャマを倒します(大まかに言って、ジャイアント人喰いリャマ1匹から約8人前が作れます)。リャマは危険な生き物なのでくれぐれも注意して下さい。特に毒の唾はなんとしてでも避け、安全のために必ずゴーグルを着用するようにしましょう。ジャイアント人喰いリャマが死んだら、皮を剥いで内臓をすべて取り除きます。特大の鍋に入れて水を加え、数時間煮込みます。肉が灰色になってきたら頭から取り出します。肉を骨から剥がし、小さく切り分けます。肉は鍋に戻して横の方に偏らせておき、タマネギ、ショウガ、こしょう、ナツメグ、塩、酢、少々のワインを入れます。水を数パイントと乾燥リスを加えて30分ほど煮込みます。火から下ろし、特大フライパンにリャマ肉を入れ、焦げ茶色になるまで数分炒めます。再び鍋に戻してよく混ぜ、取り分けます。
バジリスクのベーコン巻き
バジリスクの頭に袋をかぶせて殺します。皮を剥いで内臓をすべて取り除き、そこにタマネギ、リンゴ、塩、こしょう、シナモンを詰めます。スライスしたベーコンをバジリスクに巻きつけ、糸で固定します。バジリスクを火にくべて15時間ローストします(バジリスクは火の耐性が強いため、時間がかかります)。熱いうちに盛りつけます。できあがった料理と視線を合わせないよう注意して下さい。
明らかに、これらのレシピは珍妙です。もっと言えば、そのうちのいくつかはとんでもなく異常です。そのため一部の歴史家はこの本を悪ふざけで書かれたものだと考えています。古代語部分の訳に誤りがあったせいではないかと疑う人もいます。
しかし、より古い時代の本 "What Thou See is What Thou Eat" に関して話すとなると、最も権威ある研究者でさえ慎重にならざるを得ません。この本の最古の断片はあるハイエルフの遺跡を発掘している時に発見されたのですが、保存状態はかなり悪く、多くのページは欠落しており、残りの部分も水に浸かって激しく損傷していました。しかもその文面は、何世紀もの間に失われてしまった非常に古い人間語方言で書かれているのです。それでも一部の内容は解読され、写しが作られています。
著者不詳 "What Thou See is What Thou Eat"(旧暦600年頃)からの抜粋
バンパイアのフランベ・タルト
- バンパイア 1~2体
- 木の杭 1本
- ニンニクの球根 55個
- タマネギ 3個
- パセリ
- ニガヨモギ
バンパイアに杭を打ちます。バンパイアを動けなくするため、杭はそのままにしておきます。ニンニク、タマネギ、ニガヨモギ、そして(ごく少量の)パセリを敷いた鍋にバンパイアを入れ、待ちます。日が昇ったら、バンパイアを日光に当てて一分間待ちます(ミディアムがお好みであれば30秒でかまいません)。
リスシチュー
- リス 50~60匹
- 水 10ガロン
- トマト 3個
- 塩
- こしょう
- ナツメグ
- タイム
大きな鍋にリスを入れます。トマトを小さく刻んで加え、水を入れて、大きなエドガーでかきまぜながら一時間ほど煮込みます(訳注:エドガーとは大型の調理スプーンを意味する古語)。水が少なくなってきたら、塩こしょう、ナツメグ、タイムを加えます。エドガーでさらに混ぜ、最後にもう一度塩で味をととのえます。仕上げにクリームを少量添え、熱いうちにいただきます。
マジックスカラベだんご
- スカラベ 20匹
- 小麦
- 卵
- タマネギ
- ペパロニ
- 砂糖
- 塩
マジックスカラベを20匹集め、羽と触角を取り除きます。卵、小麦、少々の水をボウルに入れ、混ぜながらこねます。タマネギとペパロニを小さく刻んで練り粉に加えます。スカラベを練り粉で包み、一個につき一匹が入るようにしてだんごを作ります。表面が茶色になるまでだんごを火にかけてローストし、焼き上がったら火から取り出して砂糖・塩で味付けします。甲虫の味のくせを和らげるため、サワークリームと酢をかけてもよいでしょう。
おことわり:
特別冒険心にあふれた読者であろうともご承知いただけるものと思っておりますが、これらのレシピは極めてヘンです。適切なリサーチなしにこれらのレシピを実践することはおすすめできません。編集部はこれらのレシピによって引き起こされたいかなる精神的・身体的損害についても保証できません。しかしながら、もしあなたがこのレシピの一つでも実際に試してみようという勇敢さをお持ちであれば、ぜひとも当社までご感想をお寄せ下さい。
最終更新:2008年11月19日 17:18