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ステンレス車体は弱い - (2005/06/29 (水) 20:48:01) のソース

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JR福知山線脱線:車両ひしゃげ、体が吹っ飛んだ(その2止) 加速優れた軽量車両<br>

2005.04.25 毎日新聞東京夕刊より</p>
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 ◇「新幹線『安全神話』が壊れる日」(講談社)などの著作のある技術評論家、桜井淳さんの話</p>
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 事故車両が鉄製車両に比べ強度の劣るステンレス製でなければ、車両がマンションにめりこむようなことはなかったのではないか。死傷者も鉄製車両なら半分で済んだと思う。鉄道各社は、車両を鉄から薄いアルミなど軽量の素材にして、電力コストを安くしようと取り組んでいる。コスト重視の一方で、このような万一の事故の際の車両強度などを十分に検討してこなかったのではないか。</p>
<hr>
<p>
 古い資料になるが、鉄道ジャーナル誌1984年4月号より。</p>
<p>
 強度・剛性については、ステンレス車は鋼製車両とほぼ同等である。アルミは確かに材料としては弱いものの、部材や工法の工夫で保っている。(鋼鉄車体の0系の相当曲げ剛性(20^14Kg・mm2)よりも、アルミの200系の方が上(30^14Kg・mm2))</p>
<p>
 加えて、今回の事故の衝撃度は最大数十Gと、飛行機墜落にも匹敵し(<a href="http://www.yomiuri.co.jp/features/dassen/200505/da20050507_41.htm">参考</a>)、たとえは猛烈に悪くなるが、</p>
<p>
「ビルの上から、豆腐の入ったステンレスの弁当箱を落としたら、弁当箱が潰れて、中の豆腐が壊れた。じゃあ、潰れない鋼鉄製の重い弁当箱なら豆腐は潰れずにすむか?」</p>
<p>という問の答えを出すようなもの。</p>
<p> <font color=
"#CC0000">死傷者も鉄製車両なら半分で済んだと思う。</font></p>
<p><font color=
"#000000">という発言も、根拠が出ていない。「じゃあ死者が50人強なら、それで良しなのか?むしろ脱線に至る因子を徹底的に潰すほうが、死者は出なかったのでは?」。完全に評論家的で、事故調査委員会を批判出来る発言ではない。</font></p>
<p> <font color=
"#CC0000">軽量の素材にして、電力コストを安くしようと取り組んでいる。</font></p>
<p><font color="#000000"> そもそも、<a href=
"http://www.jssa.gr.jp/point/comparison.htm">ステンレスの比重は、鋼鉄とほぼ同じ</a>(ステンレスは10.5%以上のクロムを含む鉄の合金)。決して「軽量の素材」ではないが、サビ代を考えなくても良いから、軽くできるという意味で「軽量素材」と言っていると解釈しないと、この後の考察がつながらないので、あえてそうする。<br>

 軽量素材(軽量車体)使用は、ジョイント音(ガタンゴトン音)の軽減や路盤のゆがみ減少(=安全性の向上)、電力消費量の減少=地球環境問題の側面がある。</font></p>
<p><font color=
"#000000"> 加えて軽量と言うことは、慣性の法則により、より停止しやすい(初出忘れたが、209系登場当時、運転士さんが面食らったのは、軽量化により、ノッチオフ(アクセルオフ)したあと、減速する時間が早かったことだったとか)。</font></p>
<p><font color=
"#000000"> このことを全く考慮していない発言であると判断する。</font></p>
<p> <font color=
"#CC0000">コスト重視の一方で、このような万一の事故の際の車両強度などを十分に検討してこなかったのではないか。</font></p>
<p><font color="#CC0000"> </font><font color=
"#000000">側面強度は正面は踏切事故を想定しなくてはならないが、側面は「想定外」としか言いようがない。事実、この後<a href="http://www3.atwiki.jp/saku_saku/pages/6.html">曽根教授</a>や<a href="http://www3.atwiki.jp/saku_saku/pages/17.html">佐藤氏</a>に、ここを徹底的に論破される。</font></p>
<p> なお、<!--StartFragment --></p>
<p><a href=
"http://www.smn.co.jp/JPN/security/art/375.html">国土交通省が決定した尼崎脱線事故対策<br>

―結果を見て解説するバカの壁―</a></p>
<p>にて、</p>
<blockquote dir="ltr" style="MARGIN-RIGHT: 0px">
<p>〇車両構造と強度の再検討」<br>
〇は私が主張・提案した項目</p>
<p> 車両の専門家は、たとえば<a href=
"http://www3.atwiki.jp/saku_saku/pages/17.html">元東急車輛の佐藤国仁</a>さんのように、私の主張に否定的であったが、行政側がよくここまで決断してくれたものだと感謝している。</p>
</blockquote>
<p dir="ltr">
と、述べてはいるが、国土交通省が鉄道総研に依頼したのは、<a href="http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20050510k0000m040145000c.html">サバイバルファクターの研究</a>であり、これすなわち車両構造と強度の再検討ではないことは、念のために申し添える。</p>
<hr>
<p dir="ltr">(追記)</p>
<p dir="ltr">
尼崎脱線事故大破、想定外「なぜ」線路逸脱、専門家に衝撃原因究明徹底を<br>

2005.04.25 大阪夕刊</p>
<p>
今回の事故では、衝突した車両が原形をとどめないほど大きくひしゃげて大破し、事故のすさまじさを見せつけた。最近の鉄道車両は、省エネや高速運転のため、薄いステンレス製が主流となっており、事故車両も最新型のステンレス車両。専門家は、軽量化で車両の剛性が弱まったのではないか、とも指摘する。</p>
<p>
事故車両は、1991年1月から製造が開始されたステンレス製で、2003年度までに484両製造されている。JR西日本では、京阪神を結ぶ主力車両となっている。</p>
<p>
ステンレス製車両は、JRに移行する前、国鉄末期から登場し始めた。それまでの鉄製に比べて▽軽量で速度向上が図れる▽「型枠ができれば、製造面でも造りやすい」(JR西日本)――との利点がある。</p>
<p>
しかし、鉄に比べて衝撃を吸収しやすい構造で、今回のように大きな圧力が加わると、剛性の高い鉄製に比べて車内にいる乗客に、その衝撃力が伝わるという危険性も併せ持っている。</p>
<hr>
<table style="WIDTH: 530px; HEIGHT: 135px" cellspacing="1" cellpadding="1"
width="530" border="1">
<tbody>
<tr>
<td>材料名</td>
<td>普通鋼ss41</td>
<td>高張力鋼SHT2</td>
<td>
<p>ステンレス</p>
<p>SUS304</p>
</td>
<td>
<p>耐蝕アルミ</p>
<p>4%Mg</p>
</td>
</tr>
<tr>
<td>引張強さ</td>
<td>41</td>
<td>55</td>
<td>60</td>
<td>36</td>
</tr>
<tr>
<td>比重</td>
<td> 7.85</td>
<td> 7.85</td>
<td> 7.85</td>
<td> 2.8</td>
</tr>
<tr>
<td>強度重量比</td>
<td> 5.2</td>
<td> 7.0</td>
<td> 7.7</td>
<td>12.9</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>鉄道ジャーナル 84/04による。</p>
<p>
 佐藤国仁氏の恐れた「ミスリード」がここでも発生してしまったか。</p>
<hr>
<p>(更に追記)<br>
読売新聞 -
国交省、鉄道車両の安全義務づけへ…側面衝突対策など(2005/05/03)</p>
<p>
 兵庫県尼崎市のJR福知山線事故を受け、国土交通省は2日、鉄道事業者や鉄道車両メーカーに対し、これまで想定外の側面衝突対策を含め、車両に一定の衝突安全性を確保することを義務づける方針を固めた。<br>

 強い衝撃を受けて車両が損傷しても、乗客の「生存空間」が確保できるような構造を求めることも検討しており、同省では具体的な指針作りに近く着手する。<br>

 自動車の場合、道路運送車両法の保安基準に基づき、一定の衝突安全性の確保が義務づけられている。これに対し鉄道車両は、鉄道事業法に基づき、台車など重要部品の強度や内装素材の難燃性の確保を義務づけているが、衝突安全性についてはこれまで一切、基準がなかった。<br>

 各車両メーカーは独自に、衝突の際も一定の安全性が確保できるよう車両を設計してきた。<font color="#CC0000">だが主に想定されてきたのは列車同士の正面衝突や追突事故による「タテ」方向の衝撃。車両の側面から大きな衝撃が加わるような事故は想定外で、タテ方向に比べて「ヨコ」方向の衝突安全性は軽視されてきたのが実情だ。<br>
</font> また近年はJR、私鉄とも、都市部の在来線は、<font color="#CC0000">旧来の鋼鉄製車両より強度が劣る</font>ステンレス製車両が主流だ。<br>

 今回、事故を起こした「207系」車両もステンレス製。マンションに横向きに激突した2両目は、幅約3メートルの車両が、最も狭いところでは約50センチにまで圧縮され、約70人の犠牲者を出すなど、側面衝突に対するもろさを露呈した。<br>

 車両強化の必要性は、2000年3月に起きた営団地下鉄(現・東京メトロ)日比谷線の脱線事故でも浮上。この事故では、<font color="#CC0000">ステンレス製よりもさらに強度が低いアルミ製の脱線車両が対向車両と衝突、乗客5人が死亡した。<br>
</font> この事故後、運輸省(当時)の事故調査検討会は、「衝突時の乗客被害低減のため、車体構造の研究が必要」と提言。しかし我が国では、米国のような実際の車両を使用した衝突試験が行われていないこともあり、提言後も基礎研究にとどまり、車両強化対策は事実上、手つかずのままとなっていた。<br>

 国交省は今回の事故を深刻に受けとめ、<font color=
"#CC0000">米国の実験データも参考にし</font>、側面からの衝撃も考慮するようメーカーに義務づける方針。また車両が衝突した際、車両を変形させて衝撃を吸収する一方、乗客の「生存空間」を同時に確保する設計も求めていく。</p>
<blockquote dir="ltr" style="MARGIN-RIGHT: 0px">
<p>
福知山線事故の後で、どこかのTV局で箱を使った実験をやっていたけど、どうしたって横の方向は弱くなるのは当たり前。</p>
<p>
弱い車両として、日比谷線事故を持ち出してきたようだが、これでは、営団(当時)03系のアルミ車の方に死者が出たかのような、ミスリードを発生させている。(実際は東武20050系ステンレス車。<a href="http://www002.upp.so-net.ne.jp/noguchi/siryou/hibijiko/hibijiko.html">参考</a>)</p>
<p>
 確かに破損の度合いは03系の方がそれこそチキになってしまうほど酷かったが・・。(外板が人を傷つけないように、めくり上がらせない強度に設定するべき、とは、佐藤国仁氏の意見。但し、潰れないように頑丈に、とまでは言っていない。)</p>
<p>
 米国の衝突試験・・「電車を創る(土岐 實光・交遊社)」によれば、圧縮360tという試験はあるも、なぜ360tなのか根拠はなく、ただ「こう決められてるから」「衝突しても大丈夫なように」だけ。しかも、この基準はATS・ATCも無い頃のもので、しかも電車専用の鉄道にはこの基準はなく、「アメリカの本戦用電車の発達を妨げている。」と断じている。<br>

 参考までに。<a href=
"http://blog.mag2.com/m/log/0000015619/105392601?page=2">これ</a>が村上龍氏の、作り話であることを祈りたいが・・・・。これ、本当?<br>

=(引用)=========<br>
<!--StartFragment -->
<tt>もっと言うと、ATSなんていう気の利いたものもありません。今はアムトラックを<br>

中心に余りに事故が多いので、無線でのコミュニケーションシステムなどを入れてい<br>

るようですが、基本的に線路に設置されたATSなどはありません。その結果として、<br>

私たちはまず先頭車両には乗りません。何故かというと事故があるからです。</tt></p>
</blockquote>
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