置き石 重い代償 JR 損害全額請求へ いたずら急増 「人命かかわる」
2003.08.27 朝刊 31頁 0版31面1段 (全780字)
置き石は絶対に許さぬ―。JR九州は二十六日、線路で置き石などによる列車の走行妨害が多発していることから、今後人物を特定できた場合、故障した列車の修理費や復旧費などについてすべて賠償請求する方針を発表した。線路上に石だけでなく、レンガや自転車を放置するなど悪質なケースが目立ってきたためで、重大な事故を招きかねないと判断した。「人命にかかわる犯罪。子どもたちはまるでゲーム感覚で楽しんでいる。見過ごすわけにはいかない」(石原進社長)としている。
JR九州によると、置き石などが目立ってきたのはここ三年間。二〇〇〇年度は百三十八件だったが、〇一年度は百八十件に増加し、〇二年度には三割増の二百四十五件に達した。
JR九州は、〇二年度から線路内への立ち入りを禁ずる看板を設置したほか、子どものいたずらが多いとみられることから管内の各市町村教委に注意を促したが、効果は薄いという。
今年六月には福岡県福間町の鹿児島線で、小学生が置いた石をはねた特急のモーターが壊れ、二十一本が運休、四十六本が最大で一時間二十分遅れた。約八十万円の損害だった。
今月二十一日には福岡市南区で、長崎発博多行き特急が線路上にあった自転車をはね上げ、特急の窓ガラスにぶつかりひびが入り、さらに下り線を走ってきた普通とも接触、普通列車のガラス一枚が割れた。
北九州市では五十個の石を置こうとした中学生二人が往来危険容疑で逮捕された。二人は「横転した列車内の乗客を助け出し、英雄になりたかった」と供述するなど、遊び半分で罪の意識が薄いケースが多いこともあり、厳しく対処することにした。
過去に賠償請求した例は最近では一件だけ。一九九五年に大分県・豊肥線の普通列車脱線事故で、石を置いた小学生の両親が約四百五十万円を支払うことで和解したが、これまでは損害額が安価な場合が多く、請求を見送ってきた。
西日本新聞社