尼崎脱線事故の運転士論
No.426 崩壊したJRの「安全神話」
伊丹駅でのオーバーランで生じた1分半の遅れ時間を取り戻すためには、この「二倍説」は、結構信じられてきたらしく現役の某民鉄乗務員・抹香鯨氏のblog、運転士魂の中にも、
直線軌道を車両性能ぎりぎりの制限速度で走行しても取り戻せず、唯一可能な方法は、カーブで制限速度まで減速せず、制限速度の二倍を目安に、ただ余裕を見込み、確実に二倍以下にすればよいと判断したと考えられないだろうか。制限速度の70km/hの二倍は、140km/hであり、余裕を見込み、冷静に110km/hと判断したのではないだろうか。
しかし、この仮説には、大きな問題が内在している。はたして運転士が流布程度で学術的根拠のない「二倍説」を乗客を乗せた車両で、冷静にぶっつけ本番で行うだろうかという問題である。
(引用元:脱線しない伝説より)私の会社も含めて各鉄道会社でも「曲線では制限速度の倍の速度までは脱線しない」という事が言われていたからです。
もっとも、こんな話があるから速度超過してもいいかというとそれはとんでもない話なんですが、少なくとも今まで根拠も無く言われ続けてきた言い伝えは、すべて疑ってかからないといけないということだと思います。
と、語られている。
さて、本題に入る。
桜井氏の考えでは、
「事故車両の運転士は、二倍説を信じ、冷静に制限70キロのカーブに、電車を110キロで突っ込ませた」とのことだそうだが、実際、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の中間報告でも、事故調査委員が
運転士が行った運転操作の異常ぶりだ。それは数々の鉄道事故の調査・分析に携わってきた事故調委の各委員の想定をもはるかに超えていた。とまで言ってしまっている程の異常なモノであったとされる。
それでも足りなければ、JR東日本顧問で、運転士経験も持つ山之内秀一郎氏の「なぜ起こる 鉄道事故」の文庫版のための前書きより
それと、この列車の運転士の運転の仕方があまりにも以上であるという点が気になる。この日、4回もオーバーランをしたというのもその一つだが、と、桜井氏の「冷静に速度オーバー説」を一蹴。
(略)
福知山線の旧型ATSの警報に対して確認ボタンを押さなかったので、自動的に非常ブレーキがかかった記録があるという。これが事実だとすると、普通の運転ではまず考えられない状況だと思わざるを得ない。
いや。桜井氏の方がより運転士に対して辛辣だったかもしれない。
(参考)
桜井さんは「運転手は素人以下」とか「あんなオーバーランは私でもやらない」とか、いいコメント出しまくりで(以下略)。
という発言が残っている。
なお、編者は「運転士の取った、脱線に至る行動が異常」としても、「運転士そのもののスキルに問題有り」との結論は保留している。