アナザー鎧武

「邪魔者は全て排除する!」

【名前】 アナザー鎧武
【読み方】 あなざーがいむ
【声/俳優】 友常勇気
【登場作品】 仮面ライダージオウ
【登場話】 EP11「ジオウ・オン・パレード2018」
EP12「オレ×オレのステージ2013」
EP25「アナザージオウ2019」
EP27「すべてのはじまり2009」
EP28「オレたちのゴール2019」
EP41「2019:セカイ、リセット」
EP43「2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル」
【分類】 アナザーライダー
【特色/力】 亜空間への干渉/剣術
【モチーフ】 仮面ライダー鎧武 オレンジアームズ、落ち武者

【詳細】

チームバロンのメンバーの一人だったアスラにスウォルツが「アナザー鎧武ウォッチ」を埋め込むことで作り出した「仮面ライダー鎧武」の力を持つアナザーライダー

フルーツと鎧武者を組み合わせたデザインが特徴的だった仮面ライダー鎧武であったが、アナザー鎧武はその正反対の落ち武者のような不気味な外見をしており、
頭部にフロントブレードが突き刺さって血を流し、オレンジ色のバイザーの奥には怒りをにじませた両目が確認できる。
身体の鎧は一見すると普通の鎧武者のようにも見えるものだがオレンジ色の錆か塗料がこびりついたような色合いになっており、さらに両肩装甲からは植物の枝のようなものが伸びている。
その全体的な姿は、「フルーツ鎧武者」であった鎧武と違ってフレッシュさの欠片も感じられない。
「腐り落ちた果実」を思わせる姿は、かつての輝きから転落し落ちぶれたということで落ち武者のモチーフと結び付けられたのだと思われる。

仮面ライダー鎧武に登場する怪人であるインベスヘルヘイムの森に生えた果実を口にした生物が変化したものであり、
鎧武本編において人間がインベスに変化する際には植物の蔦のようなものが身体にまとわりつく演出が入るため、ヘルヘイムの植物を意識したものであると思われる。
なお同様に仮面ライダーバロンが怪人化したロード・バロンといった存在がいるが、あちらに比べるとこちらはだいぶ鎧武の面影を残している。
「ヒーローにも怪人にもなりきれない」と考えると、なんとも皮肉的な外見である。
戦極ドライバーを手にしたばかりの紘汰もまた、「子供」にも「大人」にもなりきれない存在であったがゆえに。

剣戟を得意とした鎧武のアナザーライダーだけあって、大橙丸、もしくは大剣合体モードの火縄大橙DJ銃を模した巨大な刀を武器とし、これを用いた剣術を得意とする他、
亜空間に干渉することでヘルヘイムへの扉を開く事ができる。その際クラックに近いチャックが空間に出現してゲートとなるが、錆びついたもので原典のクラックとは異なる演出となっている。
ちなみに仮面ライダー鎧武に登場したキャラで通常とは異なるクラックを使った敵はウツボカズラ怪人を使役していた武神鎧武だけであり、
彼はブラッドオレンジロックシードを使い、神社の衣紋掛けに似た特殊なクラックを使っていた。
彼もまた「アナザー鎧武」と呼べる別世界の仮面ライダー鎧武であり、オーマジオウや本作品のナレーションを務める小山力也氏が声を担当する等妙な共通点がある。

変身者はチームバロンに所属するアスラという男性。
チームから追放されたところをスウォルツに選ばれ、アナザーウォッチを埋め込まれたことでアナザー鎧武としての力を得た。
そしてそれ以後チームのリーダーであった駆紋戒斗を始めとして、邪魔者を次々にヘルヘイムに追放する形でついにはチームバロンのリーダーに上り詰めた。
なおアナザー鎧武が誕生した影響で仮面ライダー鎧武の物語が消滅し、葛葉紘汰はフリーターではなくドルーパーズで働いており、終盤で死亡した駆紋戒斗が2019年まで生存している。
ダンスチーム自体は残ってパフォーマンスも続けているようで、ユグドラシル・コーポレーションが残っているかは不明だが、インベスが消滅したことでヘルヘイムの森の侵食もなくなった可能性が高く、
そうなるとクラックを通して森の探求や、戦極ドライバー等森の侵食に備えるための装備を開発する必要もないため、
鎧武本編での企みは消滅していると思われる。元々は世界的な製薬会社という設定のため、普通にまっとうな会社として運営が続いているのかもしれない。

EP11冒頭にて鎧武アーマーの力を得たジオウの手で撃破されるが、その直後謎の空間に取り込まれたソウゴはそこで謎の男と対面。
そこでその男から言葉をかけられ、再び元の世界に戻されるが…

EP10ラストにてクジゴジ堂を出ていったゲイツを連れ戻すためでかけたソウゴだったが、直後に「ダンサー連続失踪事件」をアナザーライダーの仕業とすして調査しようとする服の異なるソウゴがやってくる。
やけに手際がよく用意がいい上に、アナザー鎧武の事情を知り、生まれた時代と倒すのに必要なライドウォッチまで手に入れたソウゴは、
ゲイツがアナザー鎧武の力でヘルヘイムに飛ばされると、アナザー鎧武の攻撃で負傷した男性を病院に連れて行くとしてその場をあとにする。

クジゴジ堂に戻るツクヨミだが、先に戻っていたソウゴは先程まで起こっていたことをまるで知らず、再び探しに外へと出ていくが、
入れ替わりに再び服の異なるソウゴがクジゴジ堂に飛び込んでくる。
混乱するツクヨミをよそに自分の仕入れたアナザー鎧武の情報を話し出すソウゴだったが、その様子を怪しんだツクヨミから追求を受けると「買い出しに行ってくる」と慌てて飛び出していった。
その直後、闇雲に探しても見つからないと三度ソウゴが駆け込んできて…

戻ってきたソウゴを連れ、事情を薄々察したツクヨミが怒り気味にチームバロンのパフォーマンス会場へ移動。
ツクヨミの挑発によりジオウに変身したソウゴと、「貴様はさっきの…」とつぶやきアナザー鎧武に変身したアスラが激突する。
オーズアーマーを装着したジオウに圧倒されるが、ジオウをヘルヘイムに送ってしまおうと亜空間に干渉しだしたところを背後からスレスレ撃ちを受け中断。
銃撃が放たれた地点からはもうひとりのジオウが姿を現し、オーズアーマーを装着したジオウは一瞬混乱するも即座に持ち直し、ジオウ同士の優れたコンビネーションでアナザー鎧武を圧倒し、
オーズアーマージオウがとどめを刺そうと接近したため濁ったオレンジ色のエネルギー弾を発射して迎撃するが、オーズアーマージオウをもうひとりのジオウが抑え込んだことで両者共に攻撃を受けてしまい変身を解除。

その隙にその場を立ち去った。
だが、衆人の前でアナザーライダーに変身してしまったことでチームバロンのリーダーとしての立場を続けることが出来なくなってしまい、
スウォルツに詰め寄るも、「志が低い」と断じられ王になればスターだという彼の言葉に考えを改める。

実はもうひとりのソウゴは3日後の未来からタイムマジーンで移動してきた存在であり、スウォルツによってクラックの向こう側に捨てられてしまった鎧武ライドウォッチと、アナザー鎧武によってクラックの向こう側に放逐されてしまったゲイツを救うため行動していた。
最初は自ら助けに行こうとしたようだが、謎の空間の中に呼び出され始まりの男…神となった葛葉紘汰によって説得され、ゲイツが自ら次元を乗り越えて戻ってくることを信じ、その状況を整えるため単身数日前の過去に移動してきたらしい。

ちなみに3日後とはいえ未来のソウゴがタイムトラベルしてきたことは非常に危険な行為であり、自らの存在が消えてしまう可能性もあるという。
故にツクヨミはもちろん、基本的にソウゴのことは全肯定するウォズさえも激怒していた。
ソウゴに対し怒鳴りつけるウォズ(とツクヨミ…は結構多い気もする)はかなり珍しい。
「やっていることはタイムジャッカーと何ら変わらない」とまで言われてしまっている。

3日後のソウゴは自分が消滅する危険性を知りつつも、ゲイツを助けるために必要なことだと主張を曲げない。
ツクヨミと、過去の自分自身に指示をして動かし、鎧武ライドウォッチを手に入れさせた後、本来のソウゴがアナザー鎧武相手に使おうとするがそこをスウォルツが妨害し、クラックの外へ鎧武ライドウォッチを投げ捨ててしまう(そしてそれを追いかけ、コダマスイカアームズまでもがヘルヘイムに移動してしまった)。

しかしそれはソウゴ達の予想範囲内であり、コダマスイカアームズの機能でヘルヘイムにいるゲイツと通話が可能になり、森に放り投げられた鎧武ライドウォッチを持って地球に戻らない限りアナザー鎧武を倒し切ることが出来ないと伝える。
それを聞いたゲイツは、森で行動を共にしていた駆紋戒斗の言葉も受け運命を変えてやるとライドストライカーを使って元の世界に戻ることに成功。

廃工場の中でアナザー鎧武と戦っていたソウゴはゲイツの帰還をタイムマジーンで待機していた3日後の自分へ報告。
それを聞いたソウゴ(3日後)は元の時間軸へと戻り、異なる時間軸におけるアナザー鎧武戦が再開される。

鎧武ウォッチを手に入れた双方のジオウは鎧武アーマーを装着。
仮面ライダー鎧武の力を宿すアーマーの力に圧倒され、スカッシュタイムブレークに輪切りにされ敗北、爆散した。

アナザー鎧武の力が消滅した後、クラックの向こう側に追放されていた者達は無事に帰還を果たす。
その中にはかつてのチームバロンのリーダー、駆紋戒斗もいてアナザーライダーの力を失ったアスラは彼にすがるような視線を向けるも、「弱者」に成り下がったアスラを一瞥した戒斗から、

「失せろ。自分の力で頂点を掴み取る覚悟がない奴に…居場所なんてない」

と断じられその場に崩れ落ちた。

その後EP27加古川飛龍が倉庫で作業をしていた男性にアナザー鎧武ウォッチを埋め込むことで作り出し配下に加えていた。
そしてソウゴの命を狙うアナザージオウの手駒として使われることとなる。
EP28終盤におけるアナザーライダー軍団とジオウ&ゲイツとの戦いでは、鎧武アーマーを装着したジオウのスカッシュタイムブレークに切り裂かれ撃破された。

EP41ではアナザージオウⅡの能力で作り出された「2019」の数字が刻まれた個体が登場。
アナザーアギトアナザー電王と共にソウゴに襲いかかり、グランドジオウが呼び出した仮面ライダー鎧武に切り裂かれて爆散したものの、アナザージオウⅡの歴史改変によって復活し鎧武を返り討ちにしてしまった。
さらにキングギリギリスラッシュに切り裂かれて再び撃破されるもやはり何事もなかったかのように復活。
門矢士の助けでその場を逃走したソウゴを追跡し発見したため襲いかかったが、グランドジオウが召喚した大橙丸のエネルギーチャージした斬撃を受け爆散し消滅した。
EP43における決戦でも再登場。
アナザー龍騎、アナザー電王、アナザー響鬼と共にグランドジオウと戦うも歯が立たず、キングギリギリスラッシュでまとめて撃破された。

【余談】

因みに『セレブレート ジジオウ コンプレーション』によれば、オリジナルの鎧武が「オレンジの鎧武者」なのに対し、こちらは「腐った蜜柑の落ち武者」。また戦極ドライバーもよく見ると、切腹用の小刀に取り換えられている(曰く「ハラキリドライバー」)。

アナザー鎧武誕生により、始まりの男として神にも等しい力を得た葛葉紘汰すらも歴史改変の影響に巻き込まれて消滅してしまった。
ただライダーとしての力と記憶を失った地球人としての葛葉紘汰は存在していたため、鎧武の物語を経て黄金の果実を手に入れたという経緯が消え去ったことで始まりの男としての存在が否定され消滅に至ったと思われる。

アナザーライダーの歴史干渉の凄まじさがよく分かる例であるが、それでもアナザー鎧武が撃破されるまで始まりの男は存在し続け、ソウゴに助言を与えるなど別格であることは十分に描写されていたと言える。
始まりの男の助言により、逢魔降臨歴にこれまで一切記述のなかった明光院ゲイツに関する文章が登場してしまい仮面ライダージオウの物語は大きく動いていくことになった。

ちなみに駆紋戒斗も鎧武の物語が消えたことで2018年まで生存していた。
アスラによってヘルヘイムに追放されてしまったが、2018年のチームバロンにはザックもペコも存在しなかった。
元々戒斗はザック達が所属していた当時のダンスチームに無理やり参加しリーダーに収まった経緯があったため、戒斗が行方知れずになり追い出されてしまったはずのアスラが舞い戻りリーダーになってしまった時点でザックとペコはチームを見限って出ていった…とも考えられる。

最終更新:2021年09月24日 00:49