アナザージオウ

「決着の時だ…常磐ソウゴ。俺がお前の息の根を止める。」

【名前】 アナザージオウ
【読み方】 あなざーじおう
【声/俳優】 佐久間悠
【登場作品】 仮面ライダージオウ
【登場話】 EP25「アナザージオウ2019」
EP26「ゲイツリバイブ!2019」
EP27「すべてのはじまり2009」
EP28「オレたちのゴール2019」
【分類】 アナザーライダー
【変身者】 加古川飛流
【特色/力】 アナザーライダーへの変化/未来を見る
未来を視る力/連結可能な2本の剣型武器
【モチーフ】 仮面ライダージオウ、人体模型?、ジェネラルシャドウ、仮面ライダー1号?

【詳細】

加古川飛流アナザージオウウォッチを使って変身した「仮面ライダージオウ」の力を持つアナザーライダー
「全てのアナザーライダーの力を統べし、裏のライダーの王」。

ジオウのデザインを基礎としてインナースーツの色が黒白反転しており、頭部は皮をはいで筋組織をむき出しにした人面…人体模型を思わせる顔をマスクに押し込めた頭をしている。
白目を剥き、歯茎を見せ食いしばる顔は飛流の剥き出しとなった憎悪が反映されているかのよう。
時計の針を模したアンテナもあるが、短針と長針の位置がジオウと逆になっており、針自体も真っすぐ伸びずにグニャグニャに折れ曲がっている。
ただスーツの色、アンテナの位置が逆転してはいるが、アナザーリュウガ登場話に出現したミラーワールドのジオウと比べると「2019」「Zi-O」という文字は反転していない。
またベルト自体は黒く変化しているがジクウドライバーそのものの形状をしており、右スロットにアナザージオウウォッチが装填された、「ジオウに変身している状態として正しい」配置となっている
これまでのアナザーライダーは変身ベルトを上から見たデザインのレリーフだったり、強化アイテムが合体した状態の変身ベルトを抽象化した形状だったり、
そのライダーとは全く関係のないデザインだったりと個体によって様々ではあったものの、正規の変身アイテムを使っていない以上、仮面ライダーの象徴の一つである「変身ベルト」にもまた歪みが表れていた。
だがアナザージオウのベルトの形は歪んでおらず、アナザーライダーへの変身も、「アナザーウォッチを起動」→「腰にウォッチを近づけるとベルトが出現しエフェクトに包まれる」という、変身プロセスはまるで本物の仮面ライダーのようですらある(アナザーウォッチはベルトに装着状態で保持される)。

姿はアナザーライダー特有の生物的、有機的な歪みを持ちながら、部分的に他のアナザーライダーとは一線を画する部分が多く、
またジオウのアナザーライダーでありながらジオウ自身の変身能力は失われていない等、謎が多い存在。

能力はジオウのアーマータイムに由来すると思われる「他のアナザーライダーへの変身」。
どちらかと言うとジオウよりは仮面ライダーディケイドのカメンライド能力が近い変身能力で、アナザービルドアナザーエグゼイド等様々なアナザーライダーに変身し、その能力を行使できる。
またアナザージオウがアナザーライダーに変身しているためか、本来特攻能力があるはずの対応ライダーのライダーアーマーの必殺技が通用しない。
一応撃破は出来るもののアナザーウォッチを切り替えることで別のアナザーライダーに変身して即座に復帰できる。
アナザーウォッチを起動せずとも姿の切り替えは可能なので、ある意味ではジオウの上位互換とも言える。

他のアナザーライダーの能力に頼らずとも、ジオウⅡと同精度の未来予測が可能であり、短針と長針を模した剣による二刀流の他、
武器の柄尻同士を連結させることで強烈な一撃を放つことが可能。
その力は最新のジオウⅡと互角という凄まじいものだが、ジオウⅡメタであるゲイツリバイブとはあまり相性が良くない。

かつてアナザーライダーの契約者だった人物の肉体に宿る力の残滓を回収しアナザーウォッチを複製しており、アナザーオーズの姿でアナザービルドの契約者だったバスケット選手に襲いかかる(つまり檀黎斗王が第一の被害者)。
アナザーエグゼイドの契約者だった飯田を襲って力を奪った後、救急車で運ばれる飯田を見送ったソウゴの前にアナザービルドに変身した状態で出現。
ビルドアーマーを装着したジオウのボルテックタイムブレークを受けるが、ウォッチを切り替えアナザーエグゼイドに変身して復活。
黒ウォズの助けでその場から撤退したジオウを変身解除して見送り、「またな、常磐ソウゴ」と呟いた。

そしてアナザーフォーゼでもあり、アナザーファイズでもあった佐久間龍一の元を訪れ、アナザーウォッチを生成。
直後駆けつけたゲイツと交戦状態に入り、遅れてやってきたソウゴからライドウォッチを奪ってエグゼイドアーマーを装着したゲイツのクリティカルタイムバーストを受けるが、「MISS」表記でダメージが入らず、
現れた白ウォズが仮面ライダーウォズフューチャーリングキカイに変身し、フルメタルブレークと爆裂DEランスのコンボ技を受け爆炎に包まれる。
だがその炎の中からアナザーファイズに切り替えて復活。

白ウォズの問いかけに自身の名を名乗ったあと、ソウゴに向けて「お前とは何度も交差する運命にある」と意味深な言葉を投げかけその場から立ち去った。
言われたソウゴ自身も彼のことを「誰だっけ」とおぼえていないようだったが…

続いてアナザーウィザードだった早瀬から力を奪おうと接近するが、十分に予測できる行動だったため先んじて彼の護衛をしていたソウゴとアナザー鎧武に変身して交戦。
ジオウⅡと互角に戦っていたが、駆けつけてきた白ウォズとゲイツが変身して追撃に入る。
間、フューチャーリングクイズに変身したウォズが自爆気味な問いかけをしたのをアナザーゴーストに変身して切り抜けたり、ゲイツが起動しようとしたゲイツリバイブライドウォッチが不発に終わったりしていたが、
なおも食い下がる両ライダーの前でアナザージオウとしての本当の姿をさらけ出すこととなる。

彼、飛流がソウゴに憎しみを向ける理由は「家族の仇を討つため」。
2009年、いちご狩りツアーに家族で参加していた飛流は、バス事故で両親を失った。
事故を生き残ったのは彼ともう一人の子供のみ、それが常磐ソウゴだったのだ。
当時の記憶の中、飛流は白い服を来た女がソウゴの名を叫びながら銃の引き金を引いたことをが強く印象づいていた彼は、事故の原因がソウゴにあると思いこんでおり、
どうやらそれをスウォルツに利用され、アナザージオウに選ばれたらしい。

アナザージオウが誕生したのはオーマの日と呼ばれる、オーマジオウが誕生したターニングポイントにほど近く、
「ジオウが最低最悪の魔王、オーマジオウとして君臨する本来の歴史」、「ゲイツリバイブがオーマの日にジオウを倒して救世主となった別の歴史」、「アナザージオウがジオウもゲイツも倒して自らが王となる異なった歴史」があり得るとされている。

このことからアナザージオウ、ひいてはアナザーライダーという存在が、如何に本来の仮面ライダーに成り代わってしまう危険性と時間に対しての強制的な修正力の強さが伺い知れる。
この「オリジナルに成り代わってしまうアナザーライダー」に関しては、後にその通りの現象が起きることに……

なお、彼が両親を喪ったバス事故だが、実はスウォルツが「2009年産まれの子供達」の中から「魔王に値する力のある存在」を選び取るために仕組んだもの。
そして飛流にアナザージオウの力を与えたのもスウォルツであることがほぼほぼ確定している。
つまり飛流が行っている復讐は、行うための力も原因も、全てはスウォルツというただ一人の男の手のひらの上で踊らされているだけに過ぎない。
言ってしまえばソウゴに対しての憎しみは完全な逆恨みであるのだが、理不尽な事故で家族を喪った悲しみをぶつける相手をようやく見つけた飛流はその事に気づかず、
アナザーライダーとして復讐の機会をお膳立てしてくれたスウォルツが本当の仇だと知ることも無かった。

救世主としての力、ゲイツリバイブライドウォッチが起動しないゲイツは、ツクヨミが過去に移動してソウゴに向けて引き金を引く瞬間を目撃。
そしてそのまま爆発するバスに巻き込まれた彼女を見て、命をかけてオーマジオウ誕生を阻止しようとしたと思い込んだ彼は、本当の救世主になるべく、そして彼女の意思を無駄にしないため魔王としてソウゴを討つことを決意し、ゲイツリバイブに変身。
ゲイツを止めようとするも、ジオウⅡと同じ力を持つアナザージオウに対してゲイツリバイブは圧倒的な力を発揮し、彼の行動を止めることはできなかった。
そのためウールから大量のアナザーウォッチを受け取った飛流は、それを利用してアナザーライダー軍団を作成。
白ウォズからも力を奪おうとするが失敗し、黒ウォズに仮面ライダーウォズの力が移行するというハプニングはあったものの、これまで登場した未来ライダーの力を持つ個体を除く、
全てのアナザーライダーの軍勢をもってソウゴを倒そうとする。

ゲイツとの約束…クジゴジ堂を去ったゲイツと再び会うため、彼と決着を付けるため決戦の場に向かおうとするソウゴにアナザーライダー軍団を繰り出して襲いかかるが、ジオウⅡの覇王斬りによってアナザービルドアナザーエグゼイドが消滅。
なんとか振り切ってゲイツとの約束の場にたどり着いたソウゴを追いかけ立体駐車場にいた彼らを発見。直前にかけられたソウゴの言葉を受けて立ちすくむゲイツをよそに、復讐を果たさんと拳を振り上げる。

だが、全てを振り切ったゲイツがその腕に抱きつき阻止するというアナザージオウにとって予想外となる行動を取る。
それに対して「こいつは魔王になる男だぞ!」と叫ぶが、それに対しゲイツは、

「こいつが魔王になるだと!?そんなわけがあるか!」

「こいつは誰より優しく、誰より頼りになる男だ! そして…俺の、友達だ…!」


とその心中を吐露する。
その様子に呆れ果てたアナザージオウは、アナザーライダー軍団を呼び寄せ二人まとめて始末しようとしたがアーマータイムを切り替え戦うジオウ、ゲイツによって軍勢は全滅させられ、
最後に一人残り、両者に攻撃を仕掛けるもジオウⅡとゲイツリバイブに変身した彼らは、ジオウⅡの未来予知でアナザージオウの行動を予知し、未来予知を先回りできるゲイツリバイブ疾風に先回りさせることでその行動を封殺。
ゲイツリバイブ剛烈の攻撃で空中に打ち上げられたところでジオウⅡのキングギリギリスラッシュに切り裂かれたことで敗北し、アナザージオウウォッチも排出された。

そして変身を解除したソウゴは、倒れ伏す飛流に対し、過去のためではなく今のために生きようと声を掛ける。
その言葉を聞いた彼は泣き崩れるのだった。


【余談】

現行ライダーのアナザーライダーというまさかの存在。
オーマジオウの正体考察として「ジオウのアナザーライダー、もしくはジオウ自体がオーマジオウのアナザーライダー」というものがあるが、
このアナザーライダーの登場でその説は否定されることとなった。

彼のソウゴに対する憎しみは上述の通り見当違いのものであるが、彼はツクヨミがファイズフォンXを発砲した直後から、スウォルツによって違う時間に連れ去られ、「選別」が終了して2009年に戻されるまで終始気を失ったままであり、
その事が余計にソウゴの名前と、犯人らしき存在としてツクヨミの名が強く印象付けられたのだろう。

だがすべての元凶となったのは力を与えたスウォルツにあり、ソウゴ自身もツクヨミが発砲した時点ではバスに乗り込んだ多数の子どもたちの一人に過ぎなかった。
ソウゴが選ばれたのも、彼が見せた謎の力がスウォルツの目に止まったためであり、終始気絶しっぱなしだった飛流が助かったのはただの偶然の可能性が高い。
爆発の直前転移させられた子どもたちが助からなかったのは、恐らくダイマジーンの攻撃に巻き込まれるかしたのを手当もせずそのまま2009年に送り返したからだろうと思われる。

ただこの事故に関しては未だに不明な点が多く、
  • 「時の王者」を探し出すのに2009年産まれの子供が対象だった理由。
  • 子供たちが飛ばされたのは一体西暦何年の時間なのか
  • この事故に関する新聞記事だが、ツクヨミがパッド型デバイスで読んでいた当時の記事をよく見るとおかしな部分がある。
    記事文章では「右の写真がソウゴ、左が飛流」となっているのだが、実際の写真の部分に対してはそれが逆転し「左の写真がソウゴ、右の写真が飛流」になっている。
雑誌媒体によるとスウォルツの真の目的は近々明らかになるらしいので、そういった疑問にも答えが出ることを期待したい。

なお雑誌の写真の件だが、公式サイドは一切触れておらず、単なる誤植なのか伏線なのかはっきりしていない。
誤植ではなかった場合、何らかの歴史改変が行われた結果、「加古川飛流」としてアナザージオウに変身していた人物自体が本物の「常磐ソウゴ」だった可能性が考えられるものの、
叔父である順一郎が子供時代のソウゴを迎えに来たシーンが有ることや事故以前のバスに乗り込む常磐家のシーンを考えると疑問が残ってしまう。
最もアナザージオウⅡの歴史改変能力によって順一郎は甥の存在が記憶から抜け落ちているため、歴史改変の強制力の強さによってはあり得る話…ではある。
結局放送終了後にも何もアナウンスがなかったため、ただの誤植であった可能性が高まった。

第40話終盤では仮面ライダーゼロノスこと桜井侑斗はソウゴに向けて「お前は本当に常磐ソウゴなのか」と問いかけており、
侑斗の知る「最低最悪の魔王」は、ソウゴの名を騙る何者か、この場合は飛流が正体を隠して常磐ソウゴであると詐称している可能性が浮上した。
未だに底が知れないオーマジオウだが、果たして……

最終更新:2024年01月25日 02:19