マギア

【名前】 マギア
【読み方】 まぎあ
【登場作品】 仮面ライダーゼロワン
【分類】 敵怪人
【名前の由来】 魔術(ラテン語: Magia)

【詳細】

滅亡迅雷.netが開発したゼツメライザーゼツメライズキーによって暴走したヒューマギアの怪人態の名称。

装着されたゼツメライザーを通して滅亡迅雷.netに接続したヒューマギアは暴走プログラムがインストールされ、暴走状態へと移行する。
そしてゼツメライザーにゼツメライズキーを装填し、起動することでキーに記録された絶滅動物のデータを追加装備として実体化させ、外装をパージしたヒューマギアのボディに装着されることで完成する。

暴走プログラムがインストールされるとヒューマギアのヘッドセットは通常の青から赤に変化する。
そうなってしまうと現行の技術では戻すことが出来ず、マギアの行動を止めるにはゼツメライザーごとその身体を破壊するしか無い。

怪人態となったマギアは指先からコードを射出し、周囲にいるヒューマギアや機械制御の乗り物等を強制的に暴走させ使役することが可能となる。
ゼツメライザーを介さず暴走したヒューマギアはトリロバイトマギアと呼ばれ、こちらもレッドアラートが点灯しておりこの姿になってしまうと外装も共通のものになってしまうため、
特定のヒューマギアの個体を見分けるのはまず不可能と言って良い。
しかし個体によっては暴走プログラムのインストールに抗うヒューマギアもおり、トリロバイトマギア化した個体も一部元の思考ルーチンが残っているため業務内容をうわ言のように繰り返すものがいる。

トリロバイトマギアは外見も装備も一緒だが、それを除く絶滅動物の能力を得たマギアは選定条件があり、
「シンギュラリティ」を超える、すなわち自我に目覚めた個体のみがマギアの素体として選ばれ、本来の機能を逸脱した状態とも言えるためか、暴走しても明確に受け答えが可能。
しかしながらAIが自我に目覚めたといっても人間らしい感情の機微までは理解できず反応が冷たく機械的。
自我に目覚めたものの、それを育むことなく暴走してしまうためだろうか…

前述の通り、マギア化してしまったヒューマギアは破壊するしか止める手段がない。
それはつまり自我に目覚めた唯一無二の存在の消失を意味し、外装を暴走前の姿に取り繕っても再び同じ自我に目覚めるとは限らないし、その可能性も限りなく0に近いだろう。
人間とはまた違った意味で、この世に生まれたたった一つの命を無残にも散らされてしまうことになるマギア。
だがベローサマギアとなり暴走した腹筋崩壊太郎は、お客を笑顔にするという行為に喜びを得るという感情に目覚めるも、マギア化しゼロワンに倒されてしまった後、観客はおろか雇い入れた支配人ですらその消失を悲しむ者はいなかった。

ヒューマギアは人間の社会に溶け込んでいるが良くも悪くも大量生産品であり、それは日用品に近い認識がされているという証でもある。
壊れたマシンは捨てて、取り替えるだけ。

A.I.M.S.の隊長、不破諌は殊更ヒューマギアを敵視し、暴走するマギアは飛電インテリジェンスが開発した戦闘用のロボットだと考えていた。
A.I.M.S.には暴走したヒューマギアの破壊が認められており、そういった面からも、ヒューマギアと人間の共存にはまだまだ壁が多く残されてると言える。

滅亡迅雷.netの悪辣さは当然として、人間と人工知能、これらの共存がほんとうの意味で成り立つ日は来るのだろうか。
当初或人たちは、滅亡迅雷.netの手によってヒューマギアが暴走させられた姿と認識していたが、個体選別条件が存在することまでは考えが至っていなかった。
第7話にて迅によって今まで出現したマギアは全て自我が芽生えたヒューマギア達であり、滅亡迅雷.netはそういった個体を選んで暴走させてきたのだと暴露したことで、或人らもそのことを知るに至っている。

滅亡迅雷.netが一時壊滅したことで飛電インテリジェンスはテロ終息宣言を発表したものの、それを皮切りとして"ゼツメライザーを装着していないマギア"が現れるようになっていく。
そのマギアの正式な名前は「アークマギア」と言い、知能が復活したアークが遠隔操作によってヒューマギアを暴走させたもの。
「人間から悪意を受ける」ことで生じる負のシンギュラリティを感知したアークが、そのヒューマギアにマギアのデータをプログラムとして書き加え改変することで誕生する。

遠隔ハッキング故に、プログライズホッパーブレードが完成するとそのシステムを応用したプロテクトが完成し、アークマギアは登場しなくなった。
しかしヒューマギアを仮想敵として自社製品の利益を得ようとする天津垓が、民意操作のためにゼツメライザーを持ち出し、ヒューマギアを無理やり暴走させるようになったため、
マギアもまた散発的に登場するようになる。

そして、第28話では、ついに自らの意思でドードーマギアへの暴走を選択したヒューマギア、「MCチェケラ」が登場してしまった。

【余談】

名前の由来は恐らくラテン語で魔術を意味するマギアからと思われる。

ヒューマン+マギアが由来であろうヒューマギアから、人間を意味する部分が消えたとなると、人間性を剥ぎ取った殺戮機械であることを意味しているのだろうか。
ゼツメライズでは人間らしい外皮が焼かれるように消失した後、頭部のカバーのようなものが外れてそこからケーブルが伸び外装が装着される。
それは得た心を燃やし尽くしているかのようでもあり、マギアは動物に似た外装パーツが仮面のように装着されるため、衝動をむき出しにしつつもそれを仮面で覆い隠す…まるで仮面ライダーのようではないだろうか。

実際、ベルトを(第三者の手で)装着し、キーアイテムを装填して変身というのは平成ライダーによくある手法であり、ゼロワンもまたベルトにプログライズキーを装填して変身しているため、仮面ライダー共通のテーマである「仮面ライダーと敵の力の本質は同一のもの」というのが意識されているのがわかる。
…最もそうなると、令和に移行した令和ライダーで、ベルトを使って初めて変身したのはなかやまきんに君ということになる。

初代仮面ライダーの敵組織、ショッカーは改造手術の際に脳改造手術を後回しにしてしまったため仮面ライダー1号という戦士を生み出すこととなった。
そして令和時代に移り変わり、マギアはまずヒューマギアを洗脳してからボディに強化外装を装着しているあたり、まず洗脳して逆らえないようにするというのは、ショッカーの失敗を意識したものであるのかもしれない。

マギアは今の所全10タイプ存在するが、これらデザイン、モチーフとなる絶滅動物の選定には人造人間キカイダーに登場したダークロボットへの意識があるという考察もある。

最終更新:2024年03月04日 02:22