【詳細】
世界中に散った
ヒューマギアのコントロールを目的として開発されており、管理用の人工知能を有する。
いわば衛星の体を持ったヒューマギア、のようなものだろう。
しかし12年前「人間は地球にとって害となる存在のため絶滅させるべき」という判断を下し、ヒューマギア達に命令を出して暴走させるようになったため、飛電其雄の判断で宇宙へと打ち上げられる前に爆破処理されることとなった。
通信衛星ゼアは恐らくアークがこのような暴走を引き起こし使用不可能になったため、改めて開発されたものと思われる。
アークに搭載された人工知能の設計は飛電其雄と当時の社長秘書型ヒューマギアの
ウィルが担当していた。
しかしシンギュラリティに到達しつつあったウィルはヒューマギア達が置かれた環境に疑問を感じていたため、彼の不審な様子から飛電是之助はアークの不調を察知し、衛星の打ち上げを中止しようとしていた。
しかしウィルの判断か、アーク自身の判断か定かではないが打ち上げを強行しようとしたため其雄が予め仕込んでいた爆弾を起動し打ち上げを阻止。
巨大な衛星を完全に破壊するだけの威力を持った爆弾だったため、実験都市まるごとを飲み込む凄まじい爆発が生じ、甚大な被害が生じた。
この事件が
デイブレイクであり、同じ時期にヒューマギア開発工場でもヒューマギアが一斉に暴走する事件が発生。
工場長の判断で暴走したヒューマギアを工場内に閉じ込め、工場を爆発させることで工場長もろとも暴走したヒューマギア達は一掃されている。
またアークがハッキングしていたのはヒューマギアにとどまらず、
デイブレイクタウンには他にも多くの企業、研究団体が所属しており、ナノマシンの研究を行っていた団体はアークのハッキングを受けており、これが劇場版REAL×TIMEの物語へ繋がっている。
滅亡迅雷.netの
滅/仮面ライダー滅は12年前には既に誕生しており、仮面ライダーへの変身能力も持っていたため何らかの関わりがあるようだが、
ヒューマギアの暴走はアークによるものであり、「聖戦」と呼ぶヒューマギアの一斉蜂起に関わってはいただろうが、不破諫の言うように「滅亡迅雷.netがデイブレイクを引き起こした」というのは正しくはない。
最も滅を始めとするヒューマギア達や後述するようにアークの人工知能に発生した問題が実はとある人物の思惑によるものであり、滅亡迅雷.netもまたその人物の思惑のままに動く単なる手駒に過ぎなかった可能性が出てきたため、そういった意味では「デイブレイクを引き起こしたヒューマギアが滅亡迅雷.net」とするとある意味では正しいのかもしれない。
仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーションではデイブレイク当時の事情が語られ、新たな
タイムジャッカーフィーニスが介入したことでアークの破壊は不可能に終わり、宇宙へ打ち上げられたアークはヒューマギア達を一斉に暴走させ人類へ反旗を翻すこととなった。
その結果人間の生息域は著しく狭められ、街は子供から大人、会社員、
警備員、
配達員、
教師までおよそ人間が行ってきた営みを全てヒューマギアが行っているという異常な世界となっていた。
歴史の分岐点は、「衛星アークの打ち上げ前に爆破が出来たか否か」であると考えられ、フィーリスが
アナザー1号、ウィルが
アナザーゼロワンとなって衛星を積んだロケットを破壊しようとする其雄、或人を妨害したことでアークは無事に宇宙へと到達し、歪んだ歴史の阻止は叶わなかった。
だが地下に密かに隠されていた本来宇宙空間にあるはずだったゼアを福添を中心とした生き残りの人類達がロケットに積み込み打ち上げに成功。
さらに其雄との対決を或人が乗り越えたことで彼が社長に復帰し、ゼロワンも同じく復活したことでジオウと共に
アナザーライダー達は倒され、歴史は無事に修復されることとなった。
ただその記録は歴史修正に伴い消滅し、ゼアと
リンクしていたため改変前の記憶も所持していた或人はゼロワンとの対決の末、一連の記憶を失ったと思われる。
その後本編の第16話にて、そもそものアークの人工知能の暴走は人間が行ってきた戦争の歴史や、人間の悪意等の偏った知識をラーニングさせていた
ZAIAエンタープライズ社長の天津垓が原因だったと判明。
人工知能の暴走に関して其雄は原因を突き止めようとしていたものの突き止めきれたかどうかは明かされておらず、前社長の是之助はウィルや其雄の設計に携わっていたヒューマギアを疑っていたが、本来の歴史では其雄の行動によってアークは大破し実験都市は廃墟になってしまったため、どのタイミングで彼らが真相を知ったのかは定かではない。
作中では是之助が名探偵型ヒューマギアのワズ・ナゾートクの捜査によってヒューマギアを悪用しようという存在を認知しており、その対策として
飛電ゼロワンドライバーと
プログライズキーを残していたとされている。
この悪意ある存在は滅亡迅雷.netのことではなく、恐らくアークの暴走の裏にいたZAIAだったと思われる。
現在では水没させた上で厳重に隔離された
デイブレイクタウンの水の中に沈んでおり人工知能も爆破された影響から満足に機能しておらず、滅亡迅雷.netはアークの復元のため
ゼツメライズキーの戦闘データを集めるため
マギアを作り出していた。
そして第14話にて仮面ライダー雷がゼロワンとバルカンから奪い取ったプログライズキーを起動し、ゼアが射出した複数のライダモデルを吸収することで知能が復活し、ゼアのように3Dプリンターによるプログライズキーの作成が可能になった。
だが復活して初めて作ったプログライズキーが、今まで
A.I.M.S.の不破が変身に使っていた「ウルフ」系のキーだったこと、滅亡迅雷.netに属するものしか使えないとされていた
アサルトウルフプログライズキーを例によっていつものように強引にこじ開け不破がアサルトウルフへと初変身した際、水没したアークが何かと同期するように赤い光を発したこと、
さらにはゼアはアサルトグリップの設計を見越して、アサルトウルフプログライズキー作成以前のタイミングで作ったはずのシャイニングホッパープログライズキーにアサルトグリップの装着箇所を設計しているなど、
ゼアとアークには何らかのつながりがあるかのような示唆がなされている。
天津垓はアークの知能復活のために暗躍しており、A.I.M.S.も滅亡迅雷.netもその目的のための都合の良い駒に過ぎなかった。
滅亡迅雷.netはアークの知能が復活し、暴走するヒューマギアという驚異が十分に喧伝できたためか用済みとみなされ、A.I.M.S.との全面対決の末壊滅。
しかしサイバーテロリストである滅亡迅雷.netが壊滅してもマギアは引き続き現れていた。
それはヒューマギアが人間の悪意に触れることで起きる「負のシンギュラリティ」によってアークが遠隔でプログラム改変を行い、暴走させることで生まれる
アークマギアと呼ばれる新種のマギアだった。
また滅亡迅雷.netのアジトで天津垓が
サウザンドジャッカーで抽出した最強のゼロワンのデータ(シャイニングアサルトホッパー)を解析し、刃唯阿に作らせたメタルクラスタホッパープログライズキーは、強制割り込みプログラムによって本来ゼアに接続するゼロワンドライバーをアークに接続させ、ゼロワンシステムをアークの支配下に置くシステムが組み込まれている。
メタルクラスタホッパーの登場によってアークの電脳空間が描写されたが、それは「暗」や「凶」等のおどろおどろしい単漢字が埋め尽くす真っ暗な世界だった。
プログライズホッパーブレードの完成によってアークマギア等、暴走したヒューマギアを元の状態に戻すことが可能になり、或人の意識もアークから解放されメタルクラスタホッパーも完全に制御下に置かれ純粋なゼロワンの戦力になったのだった。
これでアークの驚異は去った、かと思われたが、アーク自身も知能が復活したことから密かに行動を始めており、自らの秘書として
アズを送り出して滅亡迅雷.netを復活させ、彼らのシンギュラリティのデータを得た上、イズになりすまして或人と接触し、第14話以前のゼロワンのデータを得たことで
仮面ライダーアークゼロとして自らが人類絶滅のために活動することが可能になった。
その圧倒的な力は或人に恐怖を植え付けるほどで、滅亡迅雷.netを文字通りの手足として駆使しライダー達を追い詰めていく。
ついにはゼロワンを下して飛電ゼロワンドライバーとつながるゼアまでも手中に収めてしまった。
だが途方も無い数のシュミレーションをこなしたゼアとイズによって或人は仮面ライダーゼロツーの能力を手に入れる。
その力は身体能力、演算力共にアークゼロを上回り、アークゼロは完全敗北を喫することとなる。
この敗北が思考に影響を及ぼしたのか、アークは人間だけでなくヒューマギアをも排斥対象に認定。
滅亡迅雷.netも見捨て自ら行動するようになり、その末第41話にてゼロツーと滅に破れた後、その戦いの影で弟の手引を受けて通信衛星ゼアの元へと移動していた雷がゼアに接続されていたブレイキングマンモスのユニットを強奪。
ジェットモードへ変形したユニットを操る雷の攻撃によってゼアの本体が破壊され、それによってゼアに宿っていたアークの意識も爆散し消滅した。
これによってアークの驚異は過ぎ去った――――
わけではなかった。
しかし「人間を超える人工知能」、「純然たる悪意」であるこの人工知能アークが残した爪痕は深く、これに関わってきた人々の心へ強く残ることになり、
人工知能が存在する限り、アークのような存在が生まれかねないという人間の根底に宿る恐怖心、猜疑心とヒューマギア自体もまたシンギュラリティに達し、機能や役割を越えた心を持ったことで
「負の感情」に翻弄される危険性を持つこととなり、人間とヒューマギア双方の意識に宿る「アークの概念」というべき、カタチのない悪意がくすぶり続けることになる。
そしてそれは、悪意ある存在へ伸ばされる神の手にも似た力となり…
悪意と
悪意がぶつかり合う最悪の最終決戦が幕を開けることとなる。
【余談】
劇場版などで判明したアークのユニット形状はゼアと瓜二つ。だがデイブレイクタウンに沈んでいるアークは、ゼアの後部ユニット、ブレイキングマンモスのパーツが見受けられないので、
ギーガーは回収された後部ユニットを分析したものなのかもしれない。
ゼア自身もブレイキングマンモスを構成するユニットを省いたユニットが本体なのだろう。
名前の由来は天津垓が「方舟」と度々呼んでいるため、旧約聖書に記された「ノアの箱舟」が由来と思われる。
ゼアのほうは「あそこ(へ)」を意味するThereと思われる。
アークの打ち上げは飛電インテリジェンス、飛電是之助の夢であった。
アークという名前は人間を、人間とヒューマギアが時代を進めてくれる方舟だと考えていたのかもしれない。
しかしノアの箱舟は、神々が引き起こした洪水を乗り越えるための船であった。
飛電とZAIA、ヒューマギアと人間、激動の時代を乗り越えたのは…それは
仮面ライダーゼロワンという物語の結末を是非見てほしい。
最終更新:2022年11月25日 22:40