獣人

【名前】 獣人
【読み方】 じゅうと、あるいはじゅーと
【登場作品】 暴太郎戦隊ドンブラザーズ
【初登場話】 ドン12話「つきはウソつき」
【分類】 敵怪人
【名前の由来】 獣人(じゅうじん)

【詳細】

脳人でもヒトツ鬼でもアノーニでもないドンブラザーズに登場する謎の怪人。

ソノイがその存在を感知しただけで警戒を強めるほどの脅威であるらしいが、多くのことが謎に包まれており、物語も終盤に差し掛かった状態でもその情報の多くは判明しなかった。
また劇中よりも、東映公式サイトによる解説で明かされた情報のほうが多いのもある意味で特徴といえば特徴。
獣人の設定に限らず、撮影裏話を含めドンブラザーズという作品の隅々まで知り尽くしたいという人はどちらの公式サイトもきちんと読むことをおすすめする。

ジュートと読むが、字面のごとくそのまま「じゅうじん」と読んでも意味合いは通じる存在であり、本能の赴くまま人間やアノーニ等脳人であっても構わずに襲いかかる危険な存在。
その反面、怪人態の外見は生物というよりは歌舞伎役者か羽織を身に着けた武将のような人間に近いもので、ヒトツ鬼や脳人のような「スキン」は持たない模様。

人間に寄生、あるいは擬態する能力を持つようで、警察鬼から解放された狭山健児はツアー旅行に参加した際に襲われたようで、再び現れた際にはすでにこの獣人と化していた。
普段はコピーした人間の姿で活動しているため、このあたりはアノーニと同じ性質をもつといえるが、アノーニは特殊なバイザーを装着することで本来の姿を視認可能なのに対し獣人はその正体を看破ることは出来ない。

人間の姿の状態でも卓越した身体能力を発揮し走行するバイクに走って追いついたり、素手で大柄な翼を持ち上げ締め上げた他、脳人レイヤーを視認できるようでバイザーをつけずとも脳人レイヤーのギミックポイントを使用できる。

そんなこの獣人だが、「折り紙を折る」という奇妙な習性を持つ
また「折り紙で何を折っているか」に応じてその獣人の個体ごとのランクを判別できる。
東映公式サイトで明かされた情報だが、それによれば狭山が折っていた「猫」はBランクであり、Aランクが「鶴」、Sランクが「ペンギン」を折るという。

「気ままに遊ぶ」という性質故か本能の赴くまま動物に近い動きを見せる猫の獣人もこの折り紙を折っている間は笑顔を浮かべ落ち着いており、後述するとある人物は苛立った際に鶴の折り紙をメモ帳を使って折っていたあたり、精神を落ち着けるために折るようだ。普段の凶暴性と比べるとまるでドラッグのようである。折り紙が。

そしてこの折った折り紙は、人間に飲み込ませることで適合者を判別し、自身のコピー元として個体数を増やすために使われる。鶴獣人は攻撃に使っていた。
適合しない場合は体調を崩す等の悪影響があるようだが、折り紙を取り出すことで体調は元に戻る。
狭山に成り代わった獣人はその身体能力を駆使していつもなら取り逃がしていた犬塚翼を先回りして捕まえ、自分が折った折り紙を飲み込ませていた。
後の描写を見る限り、獣人の適合者として目をつけていたようだ。

適合できなかったのか猫の折り紙を飲み込まさせられた翼は発熱して体調を崩すこととなり、彼の事情を知る雉野つよしの自宅に匿われることになったのだが…
つよしの妻である雉野みほが寝込んでいる翼を発見。
「誰?」と見知らぬ他人が布団で寝ているという状況に困惑していたものの、翼の苦しむ様子を見た瞬間様子が一変。

翼の口に手を突っ込むと口の中から猫の折り紙を取り出して握り潰し、体調が戻って目を覚ました彼が手裏剣鬼退治のためにいなくなった家の中で一人になった彼女はどこかイライラした様子を見せ、テーブルの上にあったメモ帳を破り取るとそれを折り紙として「鶴」を折っていた。

――――これが、「雉野みほ獣人疑惑」の持ち上がった瞬間である。
みほは翼の口の中に猫の折り紙があることに気がついた瞬間から人間らしからぬ首の動かし方を始めたり、取り出した折り紙を忌々しいとでもいうかのように握りつぶす等といった行動を見せていた。
彼女がドン11話ラストで折り上げた鶴は一体何に使うつもりだったのだろう…翼が戻ってきたら飲み込ませるつもりだったのか?
折り紙を見た瞬間からの豹変ぶりや、終盤における描写を見るに、自身のテリトリーにちょっかいを出されたに近い認識、いわゆる縄張り意識だったのかもしれない。

そしてしばらく獣人関連の情報は更新されてこなかったが、ドン27話にて獣人とはドン王家が作り出した人口の生命体であることがソノイの口から語られた。
ドン王家は人間と脳人の共存を謳っていたことから一族郎党処刑されてしまい、桃井タロウはその生き残りとされている。

獣人は人間に成り変わる形で世界を侵食する存在であり、同じく人間になりすまして活動しているアノーニと似た方式だがどうやら単一の固体が複数の人間を侵食し同化して個体数を増やしていくタイプであるようだ。
獣人は「適合者」と言われる人間に寄生するが、全ての人間が対象になるわけではなく本編が始まる1年前に犬飼翼が参加した合宿に現れ彼と取引をした謎の声の持ち主は、その場に居た複数人に折った折り紙を飲み込ませることで適合者を探し、その結果該当したのが翼の恋人である倉持夏美ただ一人だった等ランクが上になるにつれ適合者になれる人間の数は減るようだ。。

その後謎の声に連れ去られた夏美は「鶴の獣人」にコピーされどういった経緯からか不明だが雉野つよしと出会い恋に落ち(?)、彼の妻である雉野みほとして暮らし始める。

雉野みほ=獣人という図式は劇中で様々見られた要素からの推察であり、状況証拠が揃いすぎているものの本編でそうである、と断定するシーンはほぼほぼ皆無であった。
しかし、なんと東映公式サイトのドン27話の予告&26話解説ページにて「ドンブラザーズ設定用語攻略本ペディア」なる項目が書かれているのだが、その中の獣人の紹介文にて「鶴の獣人=雉野みほ」であることをしれっと暴露していた。
しかも「など」とかつけて
(複数の適合者が登場した猫には書かれていないため、獣人の適合者全体がまだいるという意味での「など」である可能性が高い。ドン11話のバスの乗客は全て猫の獣人にされた上、鶴の獣人である可能性のある人物が何人か出ている)。

桃井陣がいた刑務所が楔となり獣人を封印していたというが、獣人は別の抜け道なるものを見つけ出し現実世界の侵食を開始した模様。
陣は「ドンモモタロウ」を育てた罪で刑務所に収容されることになったというが、一体誰がその処分を下したのかは定かではない上、何故彼がそのまま今の処遇に甘んじている理由も判明していない。

獣人が初めて劇中で登場したのはどこか薄暗い森だったが、ドン35話にてそれが眠りの森と呼ばれる空間であることが明かされた。
おそらく獣人はその空間に封印され、桃井陣のいる刑務所が楔となって現実世界への侵食を防いでいたが、どこか別の道を見つけたことで侵食が進んでしまった模様。
陣も獣人の侵略は知っているはずだが、これといった手段を取ろうとしている様子はない。

脳人レイヤーイデオンとも呼ばれる現実世界に重なる異世界は人間の欲望をエネルギー源として成立している。
しかし過剰な欲望は脳人レイヤーを交配させるためソノイらは過剰な欲望を持ち、ヒトツ鬼を引き寄せる人間を粛清しているわけだが、獣人が現実世界、脳人レイヤー双方を滅ぼす存在というのは、猫の獣人を見るように本能で動く面が強く人間本来が持つ欲望が消えてしまい脳人レイヤーを支えるエネルギーそのものが生み出されなくなるからである可能性が考えられる。
一方人間達が暮らす表の世界は獣人が適合者に成り代わり侵食していくことで、怪物が密かに現実を壊していくわけであり、実際のところ人間からしてみれば獣人も脳人(主にアノーニ)もやっていることは同じで、双方侵略者であることには変わりないという二重に驚異的な存在となっている。

ペンギンの獣人は表立った行動を取っていないが、劇中時間で一年前に起きた翼が追われるきっかけとなった事件では獣人の適合者を選定する「謎の声」が描写されているが、それがペンギンの獣人ではないかと見られている。

そして終盤にて桃谷ジロウの育ての親である寺崎巡査自身がペンギンの獣人であり、獣人がコピーした人間達を捉え保管する眠りの森(獣人の森とも)の管理人として活動していたことが判明した。
謎の声の主との関連性は不明。

【余談】

名前の由来は今の所不明。

元々雉野みほは、犬塚翼の愛する女性こと「夏美」と瓜二つであったこと、つよしとは結婚して数ヶ月であるが、交際期間が不明であったことから、他人の空似かもしくは結婚詐欺師ではないかという意見があり、アノーニが擬態しているのではともされていた。

が、この獣人の設定が明かされ彼女がその獣人ではないかという疑惑が持ち上がることになりその後も数々の不穏な要素が積み重なっていった結果、本文中にあるように公式側が鶴の獣人であることを先取りして暴露するという結果になる科学鬼の登場もまだだったのに

獣人に寄生された人間がどういう状態なのかはドン35話にて描かれ、コピーされた人間は獣人が死ぬとそのまま死亡することがみほの口から語られている。
翼の恋人だった「夏美」、鶴の獣人となりつよしと結婚した「みほ」。
これらは一体どういう形で決着がつくのだろうか。

いずれにせよどちらかは消える、諦めることになるのかもしれない。

最終更新:2025年01月18日 01:47