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バトロワは人生の縮図である

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バトロワは人生の縮図である ◆UjRqenNurc



まだ暗い夜の帳に閉ざされた街。
その街灯の下を二人の人影が進む。


(さっきは恥ずかしいとこ見せちゃったなー
 あの子たちやヒロに見られてたら絶対からかわれちゃうよ……)


女子にしては高い身長とボーイッシュな外見、運動も出来る沙英は普段はクールで大人びたキャラで
通しており、後輩たちからは頼りになるお姉さんと認識されている。
親友のヒロには弱いところを色々知られてしまっているが、後輩たちの前ではこんな醜態は晒したくなかった。


あの褐色の少女が何を基準に人を集めたのかは知らないが、自分やヒロが連れてこられているのであれば
後輩たちも連れてこられている可能性もある。
自分でもこれだけの恐怖を感じているのだから、怖がりの後輩ゆのやヒロがもし連れてこられているとしたら
今頃恐怖に震えて動けないでいるかもしれない。


時折自分にも計り知れないほどの大物ぶりを見せつけてくれる宮子なら、もしかすると
平気でサバイバルしているかもしれないが……
やっぱり放ってはおけない。自分が見つけて助けてあげなければ。
絶対みんなで揃ってひだまり荘に帰るんだ。


そこまで考えを纏めると隣を歩く男を見上げる。
最初エロ本を見ながら鼻血を出しているのを見たときは、大人としてどうかと思ったが突然こんな場所に
連れてこられて来たにも関わらず、動じずに落ち着いた行動がとれる頼りがいがある人なのかもしれない。


(私の事守ってくれるって言ってくれたし……)


恋愛小説やドラマのヒロインがそんな言葉をかけてもらうシーンを見ることはよくあったが、
沙英自身が男の人にそんなことを言ってもらったのは初めてだった。


(私より背もだいぶ高いし……こうして黙っていると結構男前じゃない?)


思わず顔が赤面してしまう。
こんな状況だというのに…いや、こんな状況だからだろうか。
吊り橋効果という言葉がある。
揺れ動く吊り橋などの上で危険を共に体験した男女には連帯感や恋愛感情が生まれるというのだ。


(ああもう! なんですぐ顔が赤くなるんだよ私!
 こんなの吊り橋効果って奴だよ、だいたいあんな出会いから恋愛関係になるなんて小説でも見たことないよ!)


「ん? どしたぁ?」


沙英が一人わたわたしていると銀時が声をかけてきた。


「あ、い、いえ、なんでも……あ、そうだ銀さん
 さっきも言ったけど武器の確認しておきましょうよ」


「あぁ、そういえばそうだったな、よし、じゃあそこの街灯の下で見てみるか」


こんな開けた場所で、明るいところに長時間いるというのは見つかるリスクもあったが、持ち物の確認をするのに
明りがなくてはどうにもならない。
二人は街灯の下で自分に与えられた所持品の確認を始める。


「なんだこりゃ……義手……か?」


「会場の地図」「コンパス」「参加者名簿」「筆記用具」「水と食料」「ランタン」「時計」
ここまでは二人とも共通の物だったが、次に銀時が引き出した物に沙英が短い悲鳴を上げる。


まるで切り落とされた人間の腕のようなそれは、どうやら機械仕掛けの義手のようだった。
説明書が付いており、それにはこう記されていた。


『太乙万能義手
ガスで動くからくり義手(左手用)』


どうやらボタン操作で色々な機能を発揮するものらしい。
細かい機能を頭に入れると銀時はそれをデイパックの中に戻す。
こんなものを普段から持ち歩いていては出会う人間にいらぬ誤解を受けてしまう恐れがあるからだ。


次に出てきたのはヤシの実を二つに両断したかのような形の不思議な金属で出来たものだった。


「何かな、これ……銀さん、説明書ついてなかったの?」


「うーん、この形……こりゃやっぱアレだろうな……」


呟くと、銀時は素早くそれを沙英のスレンダーな胸に押し当てた。


「おっぱいプロテクター」


「んなわけあるかああああああーーーーー!!」


「ぐはあぁぁっ!?」


瞬間、沙英は銀時を張り倒す。
ぱーではなく、ぐーで。
まるで漫画のように銀時が吹っ飛び、アスファルトの上を転がっていく。


「あ、ご、ごめんなさい……」


「ふっ……いいツッコミだったぜ、メガネキャラはやっぱそうでなくちゃな……」


思わず激しすぎるツッコミを入れてしまった沙英であったが、銀時は結構平気そうである。
この男にとってはこのくらいのツッコミは日常茶飯事なのだ。
むしろそのくらいじゃないと落ち着かない。なんとも厄介なボケ体質であった。


「あ、銀さん、これ……」


銀時が吹っ飛ばされた衝撃でデイパックからごっついショルダーアーマーのついた鎧が出てきていた。
肩の先端の部分のパーツが外れており、そこにさっきのパーツがぴったりとくっつく。
説明書もその鎧のほうにくっついていた。


『九竜神火罩
捕獲専用の宝貝であるが、仙人界最硬の宝貝合金で出来ておりシェルターとしても使える』


「宝貝って何だろ……仙人界?」


「さーねぇ……お嬢ちゃんのほうは何が入ってたんだ?」


「私はこれです。特に説明書とかはついてなかったんで、普通の刀だと思いますけど……」


沙英は一本の刀を差しだす。


「へー、正統派ジャンプヒーローが使ってそうないい刀じゃねーか」


どうやら刀が気に入ったらしい銀時に、沙英は刀と鎧の交換を提案した。
鎧は軽い金属素材で出来ているらしく、沙英が装備してもさほど重くは感じなかった。


「あとは……まだ何か入ってるみたい。なんだろこれ……おっきい……」


デイパックに手を入れてゴソゴソ探ってみると大きくて硬い何かが手に触れる。
原理はわからないが、このデイパックにはデイパック自身より大きなものが入るらしい。
手触りからしてどうやら円柱型をしているらしい何かを、沙英は両手でデイパックの中から引きずり出す。


「んしょっ!」


ずるり


デイパックから引きずり出された白銀の砲身が沙英の眼前に現れる。
長大な砲身の根元に二つの球体をぶら下げたその形はまるで……


「ギャアアァァァァア!?」


「おお、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねーか
 完成度たけぇな! おぃ!!」


「アームストロングって二回言った!? ちょっ、なんなのよコレ!」


「見りゃわかるだろ? 大砲だよ
 ……しかし砲身を顔に向けておくのはお兄さん感心しないよー?
 いきなり暴発しちゃったら大変だよ、きみぃー?」


「変なコト言わないでください! セクハラで訴えますよ!?」


「セクハラァ!? おいおい、まったく思春期って奴ぁー、すぐエロい妄想を……」


ここがどんな場所だか忘れたかのように大騒ぎする二人を、街灯が静かに照らしていた……



    ◇     ◇     ◇



「緊張感のかけらもない連中ですね……ここが戦場であるとわかってるんでしょうか?」


大騒ぎしている二人を百数十メートル先から見つめている人物がいた。
ここではない、異世界の国家アメストリスにおいて「紅蓮」の二つ名を持つ国家錬金術師
ゾルフ・J・キンブリーである。
白いスーツとコート、帽子といったいでたちは、この闇夜の中でもよく目立つ。


「ハハハ、なかなか芸術的な武器じゃないか。興味深いよ」


声を返す貴公子然とした人物はこのゲームのジョーカーたる趙公明


「……彼らにも『華麗なる決闘』とやらを挑むのですか?」


「いや、ここであんな大砲を使われてはヴァッシュ君がすぐかけつけてくるだろう
 まだ決闘の準備も整っていないというのに彼との再戦は避けたいな」


趙公明は懐からマップを取り出すとバサリと広げる。


「ふむ、そうだねぇ。
 この競技場というところに行ってみようか、華々しく技を競い合う場と言う意味だろう? 
 ここを僕のゴージャスな戦いのステージにすることとしよう!」


(北、ですか……さきほどの少女は西に向かったようですし、ちょうどいいかもしれませんね)


キンブリーは心に「火種」を仕込んだ剛力番長と名乗る少女を思い出す。
あれは愉しかった。まったく上手い具合に仕込めたものだ。
時が来れば「火種」は「爆弾」となり、見事な花火を打ち上げてくれるだろう。
ああいう「爆弾」をもっと増やし、この舞台に一斉に花火を打ち上げようではないか。
この、「紅蓮の錬金術師」の二つ名が示す通りに。



独自の価値観を持つことによって元の世界ではそれぞれが「異端児」とされた趙公明とゾルフ・J・キンブリー。
この二人の同盟がいつまで続くかは、神とても見通す事は出来ないだろう。
だがひとまずは迫りくる「人間台風」を避けて北上する事で意見の一致をみる。
このバトルロワイアルにさらなる混迷を齎す為に……


【I-07~08境目/街道/1日目 黎明】


【趙公明@封神演技】
[状態]:健康
[装備]:オームの剣@ワンピース
[道具]:支給品一式、ティーセット、盤古幡@封神演技
[思考]
基本:闘いを楽しむ、ジョーカーとしての役割を果たす。
1:闘う相手を捜す。
2:太公望と闘いたい。
3:カノンと再戦する。
4:ヴァッシュに非常に強い興味。
5:特殊な力のない人間には宝貝を使わない。
6:宝貝持ちの仙人や、特殊な能力を持った存在には全力で相手をする。
7:自分の映像宝貝が欲しい。手に入れたらそれで人を集めて楽しく闘争する。
8:競技場を目指す(ルートはどうでもいい)
[備考]
※今ロワにはジョーカーとして参戦しています。主催について口を開くつもりはしばらくはありません。
※参加者などについてある程度の事前知識を持っているようです。


【ゾルフ・J・キンブリー@鋼の錬金術師】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式*2、ヒロの首輪、不明支給品0~2
[思考]
基本:優勝する。
1:趙公明に協力。
2:首輪を調べたい。
3:剛力番長を利用して参加者を減らす。
4:参加者に「火種」を仕込みたい
[備考]
※剛力番長に伝えた蘇生の情報はすべてデマカセです。
※剛力番長に伝えた人がバケモノに変えられる情報もデマカセです。
※制限により錬金術の性能が落ちています。


    ◇     ◇     ◇


ニコ・ロビンは自分の能力と支給品を確認した後、デパートの内部を調べていた。
建物内は電気がついていないため時間がかかったが、双眼鏡、医薬品、食料、着替え、タオル、毛布など
必要そうな物を一通り揃える事が出来た。
ナイフがあれば色々重宝するので欲しかったのだが、なぜか武器の類は見当たらず代わりに包丁をデイパックに放り込む。


(これを武器にしたらサンジくんに怒られそうね……)


まぁ自分の能力と武器は相性があまり良くないので、これを武器として使う事はないだろうが……


ドオオオォォォォン!!


階下から爆発音が轟く。
参加者同士による戦闘が始まったのだろうか?
ロビンは迷わず階段に向かって駆け出した。



    ◇     ◇     ◇



デパート1階外壁に大穴が空いていた。
瓦礫が外側に吹き飛んでいるところを見ると、これをやった人間はデパート内部から爆弾か何かを
使ってこれを行ったのだろう。
問題はその人物がこの穴から外に出て行ったのか、未だにこの場にいるのかどうかだが……


「これはあなたがやったのかしら?」


ロビンは新たにその場に現れた赤いコートを着た見知らぬ男に尋ねる。
殺気は感じないし、気配を隠す様子もないことから危険性はないと判断するが……
サングラスをかけた表情は読めない。


「僕がやったわけじゃないけど、さっきまで戦ってた相手の相棒の仕業だろうねぇ。
 怪我はなかったかい? セニョリータ」


「ええ、大丈夫よ……私はニコ・ロビン
 殺し合いに乗る気はないのだけど……あなたは?」


ロビンはあえて八千万ベリーという高額賞金首として世界に知られる名前を名乗ってみる。


「悪魔の子」と悪名轟かせる彼女の名を聞いてなお挑んでくるようなら海賊の天敵たる正義の味方か、
賞金首狙いのバウンティーハンター。あるいはゲームに乗った危険な参加者。
いずれにしても麦わら海賊団に仇為す者だ。


逃げようとするようなら大した力を持たない小物。捕えて情報を引き出すのは簡単だ。


動じないようなら、あの麦わら一味のような天然……あるいは大物だ。
話し合いのテーブルにつくのもいいだろう。
彼女の望みを達するには情報や、主催者を打倒する強い力が必須なのだから。


「いやー、自己紹介なんて照れますけどー『愛という陽炎を追い続ける平和の狩人』みたいな感じ?
 大丈夫、僕も殺し合いなんてする気はないよ」


対するヴァッシュはあくまでも飄々とした自然体を崩さない。
サングラスをとるとロビンに微笑みかける。
彼もまた600億ダブドルという天文学的な額の元・賞金首なのだが、別に名を隠そうとしているわけではない。
この優男然とした外見のおかげか、『あの』ヴァッシュ・ザ・スタンピードと気付かれる事はまずないのだ。
だが、その軽口をロビンは名を隠す慎重な言動と判断した。
交渉するに十分な相手だと。


「そう、信用するわ、狩人さん。それではとりあえず情報交換でもいかが?」


そう言うとヴァッシュを近くにあるファーストフードのテナントに案内する。
口元に艶やかな微笑みを浮かべて。



【I‐7/デパート1Fファーストフード店/一日目 黎明】


【ニコ・ロビン@ONE PIECE】
[状態]健康
[装備]
[道具]支給品一式、ダーツ(10/10)@未来日記、んまい棒(サラミ×2、コーンポタージュ×2)@銀魂
   双眼鏡、医薬品、食料、着替え、タオル、毛布、包丁
[思考]
基本:麦わら海賊団の仲間が会場にいた場合、何を犠牲にしても生還させる
1:しばらくは情報収集。(主に主催者について)
2:可能なら、能力の制限を解除したい
※自分の能力制限について理解しました。体を咲かせる事のできる範囲は半径50m程度です。
※参戦時期はエニエスロビー編終了後です。


※デパートの衣服売り場に、首のもげたマネキンが一体あります。
※デパート内部は探索済みです


【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@トライガン・マキシマム】
[状態]:健康、黒髪化3/4進行
[服装]:真紅のコートにサングラス
[装備]:ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃(5/6うちAA弾0/5(予備弾24うちAA弾0/24))@トライガン・マキシマム
[道具]:支給品一式、不明支給品×1
[思考]
基本:誰一人死なせない。
1:趙公明を追いたいが、手がかりがない。
2:参加者と出会ったならばできる限り平和裏に対応、保護したい。
3:この綺麗なお姉さんとお近づきになりたいなー
[備考]:
※参戦時期はウルフウッド死亡後、エンジェル・アーム弾初使用前です。
※エンジェル・アームの制限は不明です。
 少なくともエンジェル・アーム弾は使用できますが、大出力の砲撃に関しては制限されている可能性があります。



    ◇     ◇     ◇



ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲にまつわるコントをようやく終了させた二人は
進んだ先にあったデパートの中に踏み込む。
銀時が甘い物を所望したためであるが、この先の事を考えれば色々必要な物をここで調達するのは
悪い選択ではないだろう。


「銀さん糖分とらないと死んじゃうからねー」


「はいはい、いちご牛乳ですよね。でもこれって泥棒なんじゃ……」


(ヒロも甘いもの好きだし、もしかするとここに来てるかも……)


沙英は知らない。
このデパートのすぐ近くで親友が元の姿もわからないほどの化け物に練成されて殺され、埋葬されたことを。
もはや親友の優しい笑顔を二度と見ることは出来ないという運命を。


【I‐7/デパート入口/一日目 黎明】


【沙英@ひだまりスケッチ】
[状態]:健康
[装備]:九竜神火罩
[道具]:支給品一式 、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲
[思考・備考]
1:銀さんと協力して、ヒロを見つけたい。
2:いるかどうかわからないけど、後輩たちがいたら保護したい。
3:銀さんが気になる?
4:宝貝?仙人?
5:ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲は忘れたい



坂田銀時@銀魂】
[状態]:健康
[装備]:和道一文字
[道具]:支給品一式 、大量のエロ本、太乙万能義手
[思考・備考]
1:沙英を守りながら、ヒロを探すのを手伝う
2:ヒロを見つけたら、二人を守る
3:糖分が欲しい


【九竜神火罩@封神演義】
崑崙十二仙の一人太乙真人の持つ宝貝
仙人界最硬の捕獲専用宝貝であり、太乙真人の鎧の肩に装備されている
鎧ごと支給されている


【太乙万能義手@封神演義】
左腕を失った太公望のために太乙真人が開発したガス仕掛けの義手
宝貝の力は使っていない
水鉄砲、ロケットパンチ、自在に伸縮して動かせるなどの機能を持つ


【和道一文字@ONE PIECE】
三刀流の剣豪ゾロの親友くいなの形見である大業物21工の一振り
一千万ベリーはくだらない価値を持つ


【ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲@銀魂】
かつて江戸城の天守閣を吹き飛ばした決戦兵器
わいせつな形をした大砲
モデルは戊辰戦争で官軍に使用されたアームストロング砲


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