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ワールドエンブリオ

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ワールドエンブリオ ◆L62I.UGyuw



捻じ曲げられた因果は、新たなる世界を産む。


*****

デパートの屋上。ビルの間から日が顔を覗かせている。
転落防止用の金網に手を突いて、直線的なフレームの眼鏡を掛けた少女――沙英は一人茫然と街を眺めていた。
時刻は午前六時を回ったばかり。
人々が起き出し、一日の活動を始める時間帯だ。
しかし未だ街は沈黙していた。
ジョギングに精を出すジャージ姿の会社員も、犬の散歩に出かけるおばさんも、眠い目を擦る新聞配達員も、この街には見当たらない。
生活の気配はあるのに、人が、生き物だけが存在しないという不自然さ。
そんな魂の無い街を見下ろしながら、沙英はほとんど風に消え入りそうな声で、ぽつりと呟いた。

「………………ヒロ…………」

きしりと、金網が軋んだ。

あのとき。
事務的にヒロの名前が読み上げられたあのとき。
沙英は銀時の手を振り切って、訳も分からず走り出してしまった。
まるでそうすれば認めたくない現実から逃れられるかのように。
嘘なのだと、これは全て夢なのだと、目を覚ませばいつものひだまり荘での日常が在るのだというかのように。

だが、指先から伝わる金網の硬い感触が、その儚い希望を否定し続けている。

分かってはいる。理解はしている。
多分、この島のどこかでヒロは死んでしまったのだと。
安っぽいドラマの端役のように、無意味に舞台から退場してしまったのだと。
そして、こんなところで無防備に身を晒していれば、自分もそうなるかもしれないのだと。
理解は――している。

でも、納得は――出来るはずが――ない。



だって。
だって、だって。
だってヒロは昨日だって夜食を作ってくれて。
お礼にシュークリームを出したら、また太っちゃう、なんて嘆いていて。
でも結局誘惑に負けて平らげちゃって。
それでからかったら涙目になって。
そんなヒロが死んだなんて――顔も知らない誰かに殺されたなんて。
あの砂糖菓子みたいな笑顔がもう何処にも無いだなんて。
ゆうべのドア越しの声が最後の言葉だなんて。
ああ――あのときドアの向こうでヒロは何て云ってたっけ?
そんなことも思い出せないのに。
そんなことも――――。

そんな――――。

そんなのは――――、



厭だ――――。



現実感が湧かない。悲しみも、何故か湧かない。
感情が――心が、麻痺している。
それなのに、涙がとめどなくぽろぽろと零れてコンクリートに染みを作る。

肌を刺す朝凪。
知らず、強く握り締めていた指が金網に食い込み白く変色していた。

コツリ、コツリ、と。
少し遠くから硬質の足音が聞こえた。
屋上の扉が開く音は聞こえなかったのに――。
ちらと頭の片隅で違和感を覚えながら、緩慢に涙を拭って沙英は足音の方を振り向く。

刹那――――何もかも忘れて、見蕩れた。

白を基調とした気品のある、それでいて飾らず動き易そうな服。
服の下にはしなやかさと力強さを併せ持つ肉体が想像出来る。
そして怖気のするほど完璧に整った顔立ち。
強い意志を宿す切れ長の眼に、高く筋の通った鼻。
朝の陽光を浴びて煌めく、軽いウェーブのかかった長い銀髪。
腰に提げた日本刀すら、アクセントとして全体の印象を締めている。
少女向けの甘ったるい恋愛小説にだって、これほど完璧な美男子は出てこないだろう。
少なくとも沙英自身が書いた小説には登場しない。

非の打ちどころの無い一枚の宗教画がそこにあった。

「君が沙英さん――かな?」

絵から抜け出た英雄が、涼やかな声で彼女の名を呼んだ。
沙英はただ圧倒されて頷く。

コツリ、と。また一歩前へ。

「ヒロさんのことは残念だったと思う」

びくりと沙英の肩が動いた。
だが――と、銀の英雄は彼女を見据えたまま更に続ける。

「――君はまだ生きている。それならば――出来ることがあるだろう?」

何故彼が自分や自分とヒロとの関係を知っているのか、だとか。
そもそもここにどうやって現れたのか、だとか。
そんな当然の疑問は、彼女の頭には浮かばなかった。
理屈ではなく、英雄とはきっとそういうものなのだ、と納得した。

コツリ、と。また前へ。

「もし君がこのままここで泣いていたいというなら、それはそれで構わない。
 だが、君が剣を取り復讐を望むというのなら――オレが、力を貸そう」

例えば童話に出てくる王子様なら、決して言わないであろう苛烈な台詞。
それすらも甘美な響きを持って彼女の胸の奥に届く。

復讐――考えてもみなかった。
麻痺していた心が、動く。

コツリ、と。



「選ぶのは君だ」



冷厳な言葉。

直感する。
ここで応えれば――きっと後戻りは出来ない。
もしかしたら、後悔することになるのかもしれない。
ゴクリと、唾を飲む音が耳を打つ。

でも――それでも、ヒロの仇を討てるのなら――――、



ドガンと。
無粋な音が響いた。



「ちょっ、オイテメッ、そこのバカヤロー! ナニ人の目の前でナンパしとんじゃァァァァァ!!」

威勢のいい濁声。
張り詰めた空気が、屋上の扉を蹴り開けて登場した天然パーマの男によって、粉々にぶち壊された。


*****

屋上にて、軽く互いの状況を話した後、

「気に入らねーな」

金網に寄り掛かっていた銀時が不機嫌な声を上げた。
二人の視線が集まる。

「オメーの話だとそのゆのちゃんを黙って旅館に置いて来たっつーことだよな。
 しかもだ、その化け物――何だっけ? ポットだっけ?」
ゾッドだ」
「あァ、そうそう――で、そのゾッドみてーなヤツにまた襲われるかもしれねーってのを承知の上でだ。
 平たく言やァ足手纏いはどうなろうと構わねェってこったろ」

不快感を隠そうともせずに糾弾する。

「で、でも、それはグリフィスさんの言った通り――」
「その方が結果的には生き残れる可能性が高い、ってか。
 かもしれねーが、それでも女の子を一人でほっぽって来るようなヤローは信用できねーよ」

感情論ではあるが正論でもある。
沙英も、いやむしろ沙英の方がゆのの身を案じているので――それ以上のフォローが出来ない。

「言い訳をするつもりは無い。
 オレは必要なことは例え誰に憎まれようとも行ってきたし、これからも行うつもりだ。
 だがオレは――」

一片の曇りも無い瞳に二人を映して、グリフィスは続ける。

「神に誓って、こんな殺戮劇を善しとするつもりは無い」
「神に誓って、ねェ。この下らねー殺し合いを考えた奴らも『神』って名乗ってやがったけどな」

すかさず交ぜっ返す銀時。あくまでも信用するつもりは無いらしい。
だが信用するかしないかは別として、彼がこんなところでグリフィスと反目し合う理由は無い。
無いのだが、彼の勘が、彼の中に眠る『白夜叉』の直感がこう告げているのだ。
目の前の英雄然とした男からは、涼しい顔でどんな非道も行える――戦場において最も有能で最も危険な、そういう人種の匂いがする、と。
そしてそのような人種と笑顔で手を取り合えるほど、銀時は器用な人間でも能天気な人間でもない。

銀時はグリフィスを睨んだまま口を閉じ、グリフィスもまた沈黙した。
どちらの言い分も理解出来るが故に、沙英も口を挟めない。
会話に一時の空白が生まれる。
日はいつの間にか高く昇り、島の気温はじりじりと上がり始めていた。

「そ、そういえば、この島が封鎖されてるというのは本当なんですか?」

険悪な雰囲気を打ち払うように、沙英が多少強引に話題を変える。
グリフィスも銀時の説得は難しいとみたのか、彼女に目を向け、

「ああ、本当だ。この宝貝の性能の確認がてら、この島の南へ真っ直ぐ飛んでみたんだが」

そう言って海を眺める。
釣られて、二人も海の方に顔を向けた。
彼らの視線の先には、鏡のように冷えた海面が白く煌めいている。

「……それで?」

銀時が先を促す。

「海に出て少し進んだ所に、白い『壁』があった。横に延々と続いていて――おそらくは島全体を囲んでいるのだろう」
「え? でも、ここからは何も見えませんよ?」

沙英が疑問の声を上げた。
デパートの屋上からは、はっきりと水平線が見える。
グリフィスの言う白い壁らしきものは見当たらない。

「近付かないと見えないんだ。しかも、どんな仕掛けなのかは解らないが、壁に触れると強い力で弾き返されてね。
 オレの知識には無いものだが――」

君達はどうだとグリフィスは訊いた。
その言葉に二人は顔を見合わせ、そしてお手上げとばかりに揃って首を振る。

「壁ねえ……飛べるんならそんなもん上から乗り越えりゃいいんじゃねーの?」

銀時がやる気の無い声でもっともなことを言った。

「それは当然オレも考えたんだが、不可能だった。
 壁は上空へ行くに従って少しずつ反り返している。
 確認はしていないが、島全体を半球状に覆っているようだな」

元々期待していなかったのか、そうかい、と軽く返す銀時。その顔に特に落胆の色は見えない。
ちなみに――グリフィスが壁の形状を確認しなかった理由は、高空に行くと風火輪に急激に体力を奪われることに気付いたからなのだが、彼は敢えて銀時に弱点を開陳するほど迂闊ではない。

一方、いまいちイメージが掴み難かったのだろうか、沙英が遠慮がちに小さく手を挙げて訊く。

「えっと、つまり……壁というより、卵の殻、みたいな感じですか?」



――何でもないはずの言葉。
勿論、沙英もその言葉を発したことに他意があった訳ではない。
しかし――その単語――『卵』――を耳にしたグリフィスの脳裏に、突如異様な光景が過ぎった。







何十回と色を重ねた油絵を思わせる不気味な空。



――――肉の腐った臭いが鼻を突く。



深淵へと続く虚のような黒い太陽。



――――薄墨の光が色を奪う。



罪人の悲鳴を髣髴とさせる生気の無い風。



――――心音が世界に響く。



地面を埋め尽くす見渡す限りの巨大な顔、顔、顔。



――――身体の、深奥で、何かが、



どこからともなく涌き出でる異形の怪物達。



――――何かが、歓喜の声を、



そして、鷹の団の――――――。







「あの……大丈夫ですか?」

ハッと我に返る。
反応を失ったグリフィスの顔を沙英が心配そうに覗き込んでいた。

(今のは……?)

知らず胸元に手を持っていき、そしていつも持っていたお守り――ベヘリットが無くなっていることにグリフィスは気付いた。

「あ、ああ――――いや、大丈夫だ。少々――気になることがあっただけだ」

内心の動揺を悟られぬよう、須臾とも那由他ともつかぬ幻想を振り払い、彼は微笑みを取り戻す。
彼女に余計な不安や不信を与える必要は無い。

「卵――そうだな。オレ達がいる場所は巨大な卵の内側だと思えばいい」

顎を掻きながら、心配するでもなく二人のやり取りを見ていた銀時が割り込む。

「要はこの首輪をどーにかしたとしても、それだけじゃ逃げられやしねーってこったな。
 で、結局オメーはどうしようってんだ?」
「簡単だ。どうにかできるとは言わないまでも、首輪や壁についての情報を持っている者を捜せばいい。
 そして正しい情報があれば――」

活路は見出せるものだとグリフィスは自信に満ちた様子で言い切った。
でも、と沙英が不安そうに言い出す。

「そんな人が都合良くいるとは――」
「限らないな。しかし、いる可能性は充分にある。
 例えば――最初の場で説明を行った二人に食って掛かった者達、とかな」

確かに――『神』の陣営に属する者の知り合いならば、何らかの重要な情報を持っている可能性は高い。
銀時も沙英もその点についての異論は無い。

「それで、これからどうするかだが――」

グリフィスの計画は、銀時と沙英がヴァッシュ達と合流後にゆのを迎えに行き、彼自身は北部の市街地を回って仲間を集める、という段取りだった。
再度落ち合う場所は、ゆのが向かっている可能性もある教会と定める。

「出来ることなら、君達もなるべく多くの仲間を集めてから教会に行って欲しい。
 落ち合う時刻は、そうだな、今日の深夜――日付が変わる時でどうだろう?」
「ええ、分かりました」
「ま、そりゃ構わねーけど」

今までとやる事が大きく変わる訳ではないので、二人はすんなり了承した。
他にも教会で落ち合えなかった場合はメモを残すことや、教会が進入不可能になった場合は灯台へ向かうこと、その他細かい決め事を確認する。

「さて、オレはそろそろ行くことにしよう。
 西のエリアに入れなくなる前に向こう側へ抜けておきたいからな」

そう言うとグリフィスは風火輪を起動し、宙に浮いた。
沙英が一歩前に進み出て、胸の前で指を組み、

「その、どうか気を付けて下さい」

陳腐ながらも心の篭った言葉でグリフィスの無事を祈る。
そんな彼女に、

「ああ、君達もね」

彼も極上の微笑みを返した。
そして吹き始めた海風を纏うように高度を上げていく。
心配そうな様子の沙英と憮然とした表情の銀時を後に残し、白き鷹は再び空へと舞い上がった。


*****

グリフィスが飛び去って行った方を眺めていた銀時は、彼がビルの陰に消えた直後、盛大な溜息を吐いた。

「最後までキザなヤローだったなオイ」

その顔には『あーいうヤツは苦手だ』とはっきり書いてある。
事実、グリフィスの思惑を別としても銀時にとって彼のようなタイプは天敵なのだ。
具体的に言うと、ギャグにノってくれないタイプが。

「まァ悪党って訳じゃねーだろうし、一応協力すっかね。
 目的は同じらしいしな。仲間集めんのは賛成だし」

ただああいうのは悪党じゃねーからこそタチが悪いんだけどな、と心の中で付け加える。

「あ、そ、その……」

先程から黙っていた沙英が、顔を伏せ気味にしておずおずと切り出した。

「ん?」

銀時は首だけを動かして沙英の方を見遣る。

「さっきはごめんなさい。勝手に走って逃げたりして……。
 銀さんだって、あの、その、新八さんが…………わっ!?」

言い淀んだ彼女の肩に手を置いて彼はその先を制した。

「ハイハイストーップ。湿っぽい話は禁止な。
 大体な、あの変態どもが勝手に死んだっつってるだけだろーが。
 あのメガネはゴキブリ並にしぶてーんだ。そう簡単にゃくたばんねーよ。
 今頃どっかでガサゴソ這い回ってんだろ。
 だから」

一旦言葉を切る。
そして不思議な安心感を与える笑みを浮かべて、

「俺達は俺達であいつらをブン殴る方法を考えようぜ。な?」

優しく言い切った。

気休めであることは沙英にも分かっている。
新八も――ヒロも、生きている可能性は多分、無い。
それでも、銀時の優しさは彼女の心に沁みた。

「んじゃまあ、あいつらも待ちくたびれてるだろーしそろそろ行くかね」
「……はい。ゆのも早く迎えにいってあげないといけませんしね」

まだ少し赤い目を瞬いて、沙英はようやく、ほんの僅かに微笑む。
そして二人は並んで屋上の扉の中へと消えていった。



このとき屋上からヴァッシュ達の様子を確認しておけば――二人のこの後の行動も違ったものになったのかもしれない。

時刻は午前七時。
デパートから一キロメートルほど北で、彼らの仲間であるはずの三人が戦いを始めていた。


【I-7/デパート/一日目 朝】

【沙英@ひだまりスケッチ】
[状態]:健康
[服装]:
[装備]:九竜神火罩@封神演義
[道具]:支給品一式、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲@銀魂、
輸血用血液パック
[思考]
1:銀さんと協力して、ゆのと宮子を保護する。
2:貧血に効きそうな?食料を探す。
3:食料と血液を持って、ヴァッシュさん達のところに戻る。
4:銀さんが気になる?
5:深夜になったら教会でグリフィスと合流する。
6:ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲は忘れたい。
7:ヒロの復讐……?
[備考]
※グリフィスからガッツとゾッドの情報を聞きました。
※ゆのが旅館にいることを知りました。
※会場を囲む壁を認識しました。

坂田銀時@銀魂】
[状態]:ちょっと腹痛
[服装]:
[装備]:和道一文字@ONE PIECE
[道具]:支給品一式、大量のエロ本、太乙万能義手@封神演義
[思考]
1:沙英を守りながら、ゆのを迎えに行く。
2:ヴァッシュ達と合流する。
3:深夜になったら教会でグリフィスと合流する?
[備考]
※参戦時期は柳生編以降です。
※グリフィスからガッツとゾッドの情報を聞きました。
※ゆのが旅館にいることを知りました。
※会場を囲む壁を認識しました。
※デパートの中で起こった騒動に気付いているかは不明です。


*****

二人と別れ、再び空を西へ飛ぶグリフィス。
彼の眼下に見える家は徐々にまばらになり、代わりに緑が増えてきている。
そろそろ進入禁止エリアを抜ける頃だろう。

ゆのの友人である沙英を早々に発見出来たのは僥倖だった。
あの白髪頭の剣士、銀時は一筋縄ではいかなそうではあったが、見たところ実力はかなりのものだ。
打算的な行動を嫌う点も、扱い難くはあるが得難い資質であり、半端に賢しい者より信用出来るだろう。
とりあえずは悪くない滑り出しと言える。

彼らの言葉を聞いた者が教会に集まるまでに、おそらくは犠牲者も出るだろうが――構うまい。
結局のところ、自力で生き延びられぬ者は死ぬしかないのだ。

何にせよ、この調子なら意外と早く、この場で新たな『鷹の団』を結成することが出来そうだ。
だが勿論、そのために必要な、最も重要なものは――、

「ガッツ。お前は今、何処にいる?」

そう、彼がいなければ始まらない。

結局、銀時と沙英はガッツを知らなかったようだ。
南側の市街地にはいないのだろうか。とすると、彼のいる可能性が次に高い場所は北側の市街地か。
いずれにせよ、ガッツは逃げ隠れする性格ではないから、捜し続ければすぐに痕跡くらいは発見できるだろう。

逸る気持ちを抑え、低空から地上を俯瞰するグリフィス。
視界には今のところ大したものは入って来ない。

彼の意識を占めるものはガッツと、そしてもう一つ。

(それにしても――あのイメージは一体何だ?)

どうしても気になる。
先程、グリフィスの脳裏に突如浮かび上がったこの世では在り得ない光景。
ただの幻覚だと、白昼夢だと切り捨てるには鮮明に過ぎた。
周囲を油断無く見渡しながらも彼は思索にふける。

(あんなものは――オレは知らない――はずだ。だが、何故だ。何故あんな地獄のような光景にオレは――)

――――安らぎを感じたんだ?


【I-5/上空/1日目 朝】

【グリフィス@ベルセルク】
[状態]:健康
[服装]:貴族風の服
[装備]:居合番長の刀@金剛番長、風火輪@封神演義
[道具]:支給品一式
[思考]
1:ガッツと合流する。
2:殺し合いに乗っていない者を見つけ、情報の交換、首輪を外す手段を見つける
3:役に立ちそうな他の参加者と繋ぎをつけておく。ゆの、沙英、銀時との再合流は状況次第。
4:未知の存在やテクノロジーに興味
5:ゾッドは何を考えている?
6:あの光景は?
[備考]
※登場時期は8巻の旅立ちの日。
 ガッツが鷹の団離脱を宣言する直前です。
※ゆのと情報交換をしました。
 ゆのの仲間の情報やその世界の情報について一部把握しました。
※沙英、銀時と軽く情報交換しました。
※自分の世界とは異なる存在が実在すると認識しました。
※会場を囲む壁を認識しました。
※風火輪で高空を飛ぶと急激に疲れることに気付きました。


*****

それが、とある少年執事の今際の際に、何処からか混線した声と同質のものであることを彼は知らない。
それが、彼の求める黒い剣士にとって忘れ難い災厄であることを彼は知らない。
それが、本来の因果、定められていたはずの運命の断片であることを彼は知らない。

彼の疑問に答える者はない。

『覇王の卵』は今も何処かで、深く静かに脈動している。


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