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※オープニングは失われている※

【リプレイ】
●コスプレ喫茶ミミ?
「おかえりなさいませ、お嬢様!」
 エマスが入店してきた女性客に笑顔で接客していく。普段のスーツ姿から黒の燕尾服に黒の手袋とシックに決めている。
 続けて入ってきた男性客にはリムィリファルァが対応する。リムィリファルァも普段とは違い、メイド服を着て接客をしていた。ミニスカートとガーターストッキングの絶対領域に一部の男性の視線が集まっているのは気のせいだろう。
「……って何だババ」
 絶対領域から視線を上げた青年は何か言いかけたが何処からか来る重圧に口を噤む。
「お皿をお下げしてもよろしいでしょうか?」
 チナは食事を終えた客の皿を下げて行く。心なしか、客の視線が温かいような、そんな気がする。
「あの娘かわいいよなぁ……。妹って感じでさぁ」
 やっぱり見た目ということなのだろうか。保護者のような視線でチナを眺める客。
 現在、喫茶店ミミでは一風変わったイベントを行なっている。店員が執事やメイドに扮して接客をするというイベントだ。
 エマスは黒の燕尾服に手袋で執事となり、リムィリファルァはミニスカートのメイドで、チナは基本的なメイド服を着ている。
「……ははっ。それは面白そうですな。どうでしょう、今夜にでも……」
 女性客と談笑していたエマスは新しい客に気付き話を切り上げる。最後にそれとなく誘いを入れてから、だが。リムィリファルファの視線が痛い。物理的に痛くなりそう。
「んー…どれも美味しそうだなあ。…どれがいいと思う?」
 メニューとバルカン2匹を交互に見つつ悩むイチハの姿もある。鶏を模したポンチョを着ており浮いている感もあるが、その幼い外見もあり気にする人はいなかった。
 ちなみにバルカン達はテーブルの下でじゃれていた。誰が置いたのか、紙袋の中に入り込んだりしている。それに気付いた客は萌え死にかけたとか何とか。
 注文を受けたリムィリファルファが厨房へ入ると、一人の男が入れ替わりにホールへ向かう所だった。
「今の所、何も異常は無い」
 リムィリファルファとすれ違いざまにクロウリーが耳打ちする。厨房や食料庫を見回っていたクロウリーはリムィリファルファと入れ替わり接客をしていく。ミミの制服を着ているだけだが、周りが執事にメイドという格好なので逆に目立つ。
 男はナイスミドルしか居ないせいか、女性客の年齢層はそう若くはない。稀に若い子や幼女も居るが。ナイスミドルを求める幼女というのはまた如何なものか。

●名台詞だけどさ……
 客足はそう多くないものの、途切れる事無く昼過ぎも続いていた。忙殺とは行かなくとも、忙しく接客をしている。
 エマス、リムィリファルファ、チナ、クロウリーの4人は接客をしつつも不審な客が居ないか目を配る。因みにイチハは昼前に出ていった。余り長く居座るというのも難しいからだ。
「ん……?」
 エマスが店の外を見ると1人の男が店の前を通り過ぎる所だった。それだけなら何の変哲も無い光景だろう。チナやクロウリー、イチハから「さっきから何度も見かける」という報告がなければ、だが。
 そこで敢えてリムィリファルファはエマスとクロウリーをバックヤードに下がらせてチナと2人で接客していくことにした。
 わざと人が少ないように見せれば、ということだろう。
 そうして、エマスは裏口付近に、クロウリーは厨房に隠れて様子を伺う。
「来た……」
 物陰に隠れたエマスが息を殺す。音もなく裏口から侵入した犯人。顔は見えないが、何度も店の前を通り過ぎていた者と同じ服装をしている。
 そして素早く厨房まで進み、棚にある食器を数枚手に取り懐から取り出した袋に入れる。売ってもそう価値のない品であり、正直盗む意味が感じられない。
 すぐさま出ようとするが、隠れていたクロウリーが後ろから声をかける。
「いらっしゃいませ、地獄の入り口へようこそお客様?」
 あくまで口調は丁寧に、それでいて手にした魔鍵はいつでも使えるように構えている。
「!?」
 振り返りクロウリーの姿を見ると驚く犯人。見た目は20代の男だったが、エルフなので実年齢はもう少し上かもしれない。
「っ……」
 直ぐに逃げようとするが、既に後ろはエマスが塞いでいた。
「お帰りなさいませご主人様。オーダーはお決まりでしょうか? 本日のオススメメニューは『窃盗犯の自首』となっております」
 その台詞と同時にクロウリーがシャドウロックで犯人の動きを止める。
「さぁて、何で店の物を盗んだのか白状して貰おうか」
「私達は手荒な真似はしたくない。どうだい? ここで全部話してもう二度としない、と約束するなら城塞騎士には何も言わないでおこう」
 クロウリーとエマスが犯人に問いかける。
「は……話せば……全部話せば……騎士にも……本当に騎士にも言わないで……くれるのか……?」
「あぁ、約束するとも。数日は、ここでタダ働きをして貰うかもしれないが、この事は誰にも言わない。だから話してごらん」
 念を押すように尋ねる犯人にエマスはなるべく優しく答える。
「だが断る」
「「ナニッ!?」」
「この俺が最も好きな事のひとつは自分よりも上の立場のやつに『NO』と断ってやる事だ……!」
 一瞬、その場に居た全員が濃ゆい顔になった気がしたのは気のせいか。犯人はキッパリとエマスの取引を断った。
「ならば仕方ないな。クロウリー、外にいるイチハに伝えてくれないか」
「……分かった」
「…………」
 城塞騎士に引き渡す事となってもドヤ顔の犯人。城塞騎士が来ても焦りを見せながらも決して動機については口を割らなかったそうな。
 こうして、犯人は捕まった。しかし犯行動機は遂に語られることが無いまま幕引きという奇妙な結果になってしまった。


冒険結果:成功!
最終更新:2013年05月19日 15:27