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●大往生
                山々を別け入り

          よくぞここまでたどり着いたものだ

             腹立たしいまでに優秀である。

              ご苦労だった……と

              言いたいところだが、

             君等には消えてもらう。

             貴様等は知らんだろうが

           我ら菌類と人類幾千年の闘争は

         ここで我ら菌類の勝利と言う終焉を迎える

               これから貴様等は

              なんの手助けも受けず、

             ただひたすら、死ぬだけだ。

              どこまでもがき苦しむか

                見せてもらおう。


                死 ぬ が よ い

●キノコ狩り
                 この先には

                  暴力的で

                 鬼のような

                  菌類が

              あなたをまっています。

              それでも参加しますか?


               [> はい
                 上等
                 正に恐悦至極

【リプレイ】
●
 森に入ったエンドブレイカー達は木々をかき分け奥へ奥へと進んでいく。
「何だこれは……! この森のキノコ、毒キノコだらけだ……!」
 きのこ図鑑を手に切り札・エマス(c30188)が道中に生えているキノコを見て驚愕の声を上げる。
「ゲェーッ! 毒キノコぉ!」
 戦友と共に歩む・イチハ(c01807)はメイガスから奇声を発する。ちなみにメイガスの手が掴んでいるキノコも立派な毒キノコである。可食キノコと同じ所に生え外見がそっくりなことも有り誤食されやすい。ちなみに食べてもバッテリーは回復しないとか。
「この赤いのは何かしら……?」
 喫茶店ミミの女店主・リムィリファルァ(c32636)が如何にも『毒持ってますよ』的なキノコを指さす。傘の部分だけが真っ赤なキノコである。傘が開ききっていないキノコもあり、少々卑猥だった。
「それはえぇと……あった。これだ。一部の地域では塩漬けにして食べられている……毒キノコだ」
 やはり毒があった。しかし食える毒キノコだった。ややこしいが毒キノコだ。
「これもキノコなのかな?」
 桃宮・ロイ(c31056)が指さした先には奇妙な形のキノコがあった。蜂の巣が萎んだような、特徴的な傘を持つキノコである。
「これも一部の地域では食べられている毒キノコだな。何でも高級食材として扱われているそうだ。……毒キノコ、なんだがな?」
 何で食べようと思ったんだ先人達は……。
「山々を別け入り、よくぞここまでたどり着いたものだ。腹立たしいまでに優秀である」
 周囲の毒キノコを見ていると、急に声が聞こえてきた。
「ご苦労だった…と、言いたいところだが、君等には消えてもらう」
 声と共に空気が変わる。
「貴様等は知らんだろうが、我ら菌類と人類幾千年の闘争は、ここで我ら菌類の勝利と言う終焉を迎える」
 気づくと四方から何者かの気配を感じることが出来る。完全に囲まれた状態だった。
「これから貴様等はなんの手助けも受けず、ただひたすら、死ぬだけだ。どこまでもがき苦しむか見せてもらおう」
 エマス達が一箇所に固まり守りを固める。
「死 ぬ が よ い」
 その声を合図に一斉に飛び出す4つの影。現れたのは――。
「毒キノコ!」
「毒キノコ!」
「毒キノコ!」
「ラーメン職人!」
 なるほど。わからん。
 全身白ずくめでつばの長い帽子を被っているキノコと全身真っ赤で刺々しい姿をしたキノコ……のようなもの。キノコらしいが、珊瑚や雑草のようにも見える。
 ラッパのように中心が窪んだ傘をしているキノコ、標準的なマタンゴを少し小さくして手が生えて身の丈の2倍ほどのハンマーを持ったキノコ。
「我ら! キノコ死天王!」
 ビシっとポーズを決める毒キノコ+α達。全員が全く違う姿をしているが、毒キノコらしい。
 毒キノコ達は戦う気満々なのを受け、エンドブレイカー達も武器を執る。
「機体番号1807番、発進せよ、クロガネ! ……って、言ってみたかったんだよね……♪」
 ガションガションとメイガスが動く。マギラントの戦い以降、メイガス乗りのエンドブレイカーは増えているものの、然程多いと言う訳ではない。
「……す、すごい!? カッコイイぞイチハ!」
 故にエマスが感嘆の声を上げるのも無理はなく。
「な、何でちゅ!? あの凄く大きいカッコいいのは何でちゅ!? 超欲しい!!」
 ラーメン職人どくきのこも興奮して手にしたハンマーを振り回している。他の毒キノコ達は始めて見るメイガスに動揺を隠せないようだ。
「う……うろたえるんじゃないッ! 菌糸類はうろたえないッ」
 赤い毒キノコ……カエンタケが狼狽える毒キノコ達(一部除く)を叱咤する。
「数ある健康食材の中でトップに座するキノコ。味にくせがあって子どもに敬遠されるキノコ。私達人間にもっと感謝されたくて、こんな姿になったのか♪」
 そこへ先制攻撃とばかりにロイが竪琴の†・Mr.SeaHorse・†の弦を弾きメロディを紡いでいく。
「ウフフ……そうね、ワタシなんて、キノコの中では『死ぬ程美味しい』のよ?」
 真っ白いキノコはそう言うと帽子のつばから胞子をばら撒き毒を撒き散らす。
「フン。では教育してやろう。本当のキノコ中毒の恐ろしさというものを……!」
 続いて、ラッパのような傘から撒き散らされる胞子がエンドブレイカー達を襲う。猛毒や神経毒により体力と手足が痺れ動きづらくなるエンドブレイカー達。
「もっと燃えるがいいや! ……山火事にならない範囲で」
 大胆なのか小心者なのか、イチハはバルカンを召喚して攻撃する。バルカンの鳴き声に清めの効果があるようで、イチハに付いた毒が浄化され尾に灯されている神火が弾となってカエンタケを襲う。
「アチチ! 私はカエンと付く名だが、実際に燃やされると弱いんだよ菌糸類だし」
 冒頭の空気とは一転、威圧的な態度は消え神火に悶えるカエンタケ。その姿はカエンタケの名の通り、火炎の中から伸ばされた手にも見える。
「なら今度は俺の火炎を喰らえ……!」
 ちなみにカエンタケは食えない。食おうとしても硬くて食えない。
 ばら撒かれるのは胞子ではなく粘液。それはエマスの大剣の腹に防がれる。
「カエンタケ……数え厄満と云われる程の強すぎる毒性のあるキノコ……だったか」
 盾のように構えた大剣、◆デスモス・アフトクラトラス◆に力を込め引きぬきからカエンタケを火柱と共に一太刀で斬り上げ、その余波がドクササコへ襲いかかる。
「何!? ここまで来るのか……!?」
 燃えるドクササコ。ほのかにキノコの焼ける香りが漂い出す。
「そぉ、れっ!」
 リムィリファルァが裂帛の気合を込め◆ねこねこはんみゃあ・DASH!◆を振りかぶり思い切り地面へ叩きつける。ファンシーな見た目だが大きく窪んだ地面を見ればその威力は推して知るべし。
 そしてそのハンマーの至近距離に居たドクツルタケは吹き飛ぶ瓦礫に混ざり、ラーメン職人どくきのこに命中する。
「でぢゅ!?」
 予想もしてなかったのか、モロに食らったラーメン職人どくきのこはドクツルタケと一緒にもんどり打つ。
「ふ……ふふふ……。人間にしては、中々やるじゃない」
「大した奴だな……人間風情が……」
「……」
 既にこの時点でグロッキーなキノコ死天王。
「……ところで他の3体はともかく、どうしてラーメン職人がいるんだろ?」
 戦う気配のないラーメン職人どくきのこを見たイチハが何の気なしに呟く。
「!?」
 ラーメン職人どくきのこはその場に倒れこむ。
「あぁぁっ! リーダー!!」
「おのれ人間! 最も言ってはならぬことを!」
「例え役立たずでラーメンしか作れない職人を気取ってクソマズイラーメンしか作れなかったとしても、リーダーは我らにとって大事な存在! 例え足手まといで居ないほうが遥かに役立つなーとか思っても言ってはならぬ空気すら読めぬとは!」
「!?!?!?!?」
 数え厄満なだけあってオーバーキルし過ぎです、カエンタケさん。
「KINOKO☆喰らいMAX!!!」
 何かもう色々と終わりかけている中、ロイの弾き語りは続いていた。誰も聞いてなかったりするが気にしてはいけない。
「ひぃっ! 食われる!?」
 喰らいMAXに反応したのか、怯える死天王達。最早逃げ腰になっていた。
「大丈夫、ボク、トモダチ」
 メイガスの無骨な指を操作しフレンドメロディを奏でるイチハ。メイガスから聞こえる声に戦意がガリガリと削られていく。
 そこにトドメとばかりにエマスとリムィリファルァの攻撃がとどめを刺す。
「こ、コレ以上は拙い……! お、おぼえてろよー!」
 お決まりな捨て台詞を残し。倒れた死天王3体を引きずるリーダーらしいラーメン職人どくきのこ。身の丈以上のハンマーに他のキノコを括りつけ……但しカエンタケだけは必死にハンマーにしがみついている。触れるだけで毒だからね、ソイツ。
 そうして、亀の歩みで森の奥へと消えていく毒キノコ死天王。誰も攻撃しないのは余りにも哀れだからか。
 戦いというにはあまりにも、蓋を開けてみればアッサリとした終わりを迎えることとなった。

●
 戦闘を終えたエンドブレイカー達は毒キノコが無い所を探していた。キノコ狩りの為である。
「お、この辺りは毒キノコが無いな」
 そして漸く、食べれるキノコのある辺りに到着した。
「あれ、これって食べられるきのこ? それとも毒キノコ……? ……フェンに嗅いで貰えば分かるかな?」
 しかしバルカンのフェンは近くに居なかった。
「あれ? フェン、どこー?」
 見るともう1匹のバルカン、カガリと遊んでいた。
「七輪を出して……あと他に必要なのはあるかな?」
 持ってきた道具から必要な物を取り出しつつ準備を進めるロイ。七輪の上には既に採られたキノコが乗っている。
「エマス。これは食べれるのかしら?」
 リムィリファルァが採ってきたキノコと図鑑を見比べるとエマスは首を横に振る。
「それはダメだなリリ。食べれないキノコだ」
 そうして、食べれるキノコを採取し七輪で焼いて食べていく。
「ちなみに、食べれるキノコでも生で食べない事が大事なんだぞ? ……まぁ、中には生でも食べれるキノコはあるが」
 ちなみにそれは見た目が毒キノコ。
 こうして、辺り一帯の食べれるキノコはエンドブレイカー達によって殲滅されることとなった……。





冒険結果:成功!
最終更新:2013年05月19日 15:40