Top > 【シェア】みんなで世界を創るスレ【クロス】 > 異形世界・正義の定義 ~英雄/十二使徒~
正義の定義 ~英雄/十二使徒~ 第7話 2/2
「・・・・」
人気の無くなった地下一階のエントランス。ぽつんと一人の小柄な人物が施設の奥へと進んでいた。
赤紫の妖艶な瞳。腰より下まで伸びた長く整った藍色の髪。背丈から恐らく小学校でいう
中高学年程度のそれだと推測される。そして二次性徴真っ只中の一番いい時じゃないかと今考えた
そこの貴方はおそらくロリコンであろうことが容易に推測できる。
彼者(名称不明)は黒のゴスロリ服に身を包むまたしてもあざといだがそれがいい的な格好をしていた。
辺りが暗澹としていて全容は良く見えないが、以上の特徴から女性であるのは明瞭明白である。
「…何か…来る…」
人気の無くなった地下一階のエントランス。ぽつんと一人の小柄な人物が施設の奥へと進んでいた。
赤紫の妖艶な瞳。腰より下まで伸びた長く整った藍色の髪。背丈から恐らく小学校でいう
中高学年程度のそれだと推測される。そして二次性徴真っ只中の一番いい時じゃないかと今考えた
そこの貴方はおそらくロリコンであろうことが容易に推測できる。
彼者(名称不明)は黒のゴスロリ服に身を包むまたしてもあざといだがそれがいい的な格好をしていた。
辺りが暗澹としていて全容は良く見えないが、以上の特徴から女性であるのは明瞭明白である。
「…何か…来る…」
「ふえぇぇぇぇぇっっっっっぇぇぇええええ!!」
施設の奥へと続くドアを蹴破り現れた黄色い閃光、いや幼女。
「…何なの…?」
「ふえぇぇい…おまえから…いぎょーのにおいがぷんぷんしやがるぜぇ…!」
「…わけわかんない。どいて、邪魔」
「ふぇ!いぎょーをとおすわけにはいきませぇーん!とおりたくばこの12えいゆートエルがあいてになりますし!!」
第十二英雄トエル。そそっかしい事においては右にでる者はいないおませなロボットだが戦闘能力に
関して言えば他の英雄達のお墨付き。少女は突然現れたトエルに些か感情の突起を見せるが、すぐに
傲然たる態度を取り戻しトエルを心底うざったそうに見つめた。
「…十二英雄?」
「そうですし!!さあかくごしろよこのやろう!きかんにしんにゅうしたことをふかくこうかいさせてやる!へ、ンシン!」
いざ、対峙せんとトエルはコードを入力し、その身に包む衣の姿形を変える。
『巫女フォーム!』
赤い袴に純白の着物上衣。世間ではそれを巫女さんと呼ぶ。世の男性の憧れの的、清楚純血聖なる
処女のイメージ強い巫女さん、…の衣装に身を包んだトエル。毎度のことながら官兵の趣味である。
対峙する少女は「何いきなりコスプレ披露してんだこの炉裏は」と唖然したが、それでも英雄。
何らかの戦闘技能は有していると考え、気を張り構えた。
「…そっちがそういうのするなら、私もする…」
「ふぇ?」
一方、少女が取り出したものは英雄達の持つオープンデバイスとよく似た、しかし禍々しい紅色の箱。
少女はそれを自らの正面に突き出し掲げ…
「今日は機嫌が悪い…だからあなたで遊ぶことにするから。…変身・装着」『"Fusion Load"』
「なんですあれは…あのぶったいからすごいいぎょーはんのうが…」
自分の腕へと押し当てる。すると箱の中から朱肉のような色の管が次々と伸び出し、少女の体に繋がり
絡みつき全身を覆う。
「ななななんですか!?グロテスクなのはキライ!ふぇふぇ!」
「…ぐっ…!」
少女の全身を覆う管がはじけ飛ぶ。ビタビタと正体不明の液体が飛び散る中、その場に立っていたのは…紅い鎧兜だった。
「やっぱりいぎょーだったのか!」
「…心外。あんなのと一緒にしないで。さあ、遊んであげる」
紅い鎧に紅い兜。全身が朱に染まり支配される。先程のゴスロリ少女は何処へ行ってしまったのか?
底知れぬ威圧感を放つそれはとても中に幼気な少女が入っているとは思えぬ風貌をしており、
纏うオーラは歴戦の雄そのものであり、殺気は刃物のように鋭くあんなものを一度向けられようものなら
すくみあがり慄然せずにはいられないそんな様相であった。尤も、機械のトエルがそれを実感することはないが。
「それはおれとたたかうってかいしゃくで、いいのかなぁ…?」『"ジャンクション""ハルバート"』
そう言ってトエルは第五英雄青島の英雄武装である薙刀を出現させる。頭上でクルクルと回転させ、紅い鎧に刃先を向ける。
キラリと光る刃に映る鎧の姿。首を傾け、グリンと首をまわしゴキゴキと首を鳴らす。トエルは一切動じない。
静寂。その場だけを切り取ったような、完全なる静止。二人は永い間とも、一瞬とも取れる時間向かい合いそして…
「ふぇ!」
「…っ!」
同時に地を蹴り足を疾駆させる。30m程の距離が一気に縮まり、拳と刃が衝突する。鉄同士のぶつかる音。
強すぎる力のぶつかり合いに漏れた衝撃が空気を震わす。
トエルは間髪入れず、第二撃をくりだした。鎧の鉄篭手を払い下段からの切り上げ。勢い良く
振り上げられた刃は空を切る。鎧は僅かに体をずらし間一髪のところギリギリで斬撃を避けたようだ。
そんな思考をしている暇など無いと言わんばかりに鎧の鉄の拳がカウンターを仕掛けてくる。
トエルは薙刀の柄でガードしたが、パンチの衝撃が強すぎるのか僅かに後方へと後退る。
体制は崩れていない。すぐさま鎧の追撃がトエルを襲う。
「…面倒。さっさと負けて」
二連回し蹴りを繰り出す鎧少女。極めて低空ジャンプなバックステップで無駄なく回避するトエル。
しかし攻勢は終わらない。これでもかと斜め15°頭上から襲いかかる鉄に包まれた脚。
さすがの連撃に絶え切れなくなったトエルは『"ガード"』で防御を固め、無理のない守りを見せる。まもなくして防護壁に鉄の脚が接触した。
「…!?」
すると防御の要である防護壁にヒビが入る。滅多なことでは破れぬこの防壁を、彼者は
キックで破ろうというのか。危機を察知したトエルはガードを解き、後方へとジャンプし距離を取る。
「…優勢。降参する?」
「へ!こんなのぜんぜんたいしたことありませんし!」『"エナジー""ハルバート"』
刃先にエネルギーが収束し、眩い光を放つ薙刀。鎧を見据え狙いを定めたトエルは薙刀を振り上げ…
振り下ろした。一点に集中していた刃先の光が三日月型となって刃を離れ、一直線に飛んでゆく。
その先には鎧兜。このタイミングで避けなければ回避は不可と思われるが、鎧は避ける気配を見せない。
受けるつもりだ。斬撃を真正面から受け止めるようである。鎧は脚を半歩ほど開き、拳を深く握ると腰を捻り
斬撃が飛んでくるのに合わせるようにしてその拳を突き出す。
「ふえぇ…」
突出された拳の前に、トエルの放った光は砕け散るようにして消失した。たかだかパンチ一発にそれが
かき消されたとなれば、さすがのトエルも驚愕せずにはいられない。
「…続行?まだやるの?もうめんどくさい」
「…キーサーマァァァァ…!」『"ジャンクション""バズーカ"』
「ふえぇぇい…おまえから…いぎょーのにおいがぷんぷんしやがるぜぇ…!」
「…わけわかんない。どいて、邪魔」
「ふぇ!いぎょーをとおすわけにはいきませぇーん!とおりたくばこの12えいゆートエルがあいてになりますし!!」
第十二英雄トエル。そそっかしい事においては右にでる者はいないおませなロボットだが戦闘能力に
関して言えば他の英雄達のお墨付き。少女は突然現れたトエルに些か感情の突起を見せるが、すぐに
傲然たる態度を取り戻しトエルを心底うざったそうに見つめた。
「…十二英雄?」
「そうですし!!さあかくごしろよこのやろう!きかんにしんにゅうしたことをふかくこうかいさせてやる!へ、ンシン!」
いざ、対峙せんとトエルはコードを入力し、その身に包む衣の姿形を変える。
『巫女フォーム!』
赤い袴に純白の着物上衣。世間ではそれを巫女さんと呼ぶ。世の男性の憧れの的、清楚純血聖なる
処女のイメージ強い巫女さん、…の衣装に身を包んだトエル。毎度のことながら官兵の趣味である。
対峙する少女は「何いきなりコスプレ披露してんだこの炉裏は」と唖然したが、それでも英雄。
何らかの戦闘技能は有していると考え、気を張り構えた。
「…そっちがそういうのするなら、私もする…」
「ふぇ?」
一方、少女が取り出したものは英雄達の持つオープンデバイスとよく似た、しかし禍々しい紅色の箱。
少女はそれを自らの正面に突き出し掲げ…
「今日は機嫌が悪い…だからあなたで遊ぶことにするから。…変身・装着」『"Fusion Load"』
「なんですあれは…あのぶったいからすごいいぎょーはんのうが…」
自分の腕へと押し当てる。すると箱の中から朱肉のような色の管が次々と伸び出し、少女の体に繋がり
絡みつき全身を覆う。
「ななななんですか!?グロテスクなのはキライ!ふぇふぇ!」
「…ぐっ…!」
少女の全身を覆う管がはじけ飛ぶ。ビタビタと正体不明の液体が飛び散る中、その場に立っていたのは…紅い鎧兜だった。
「やっぱりいぎょーだったのか!」
「…心外。あんなのと一緒にしないで。さあ、遊んであげる」
紅い鎧に紅い兜。全身が朱に染まり支配される。先程のゴスロリ少女は何処へ行ってしまったのか?
底知れぬ威圧感を放つそれはとても中に幼気な少女が入っているとは思えぬ風貌をしており、
纏うオーラは歴戦の雄そのものであり、殺気は刃物のように鋭くあんなものを一度向けられようものなら
すくみあがり慄然せずにはいられないそんな様相であった。尤も、機械のトエルがそれを実感することはないが。
「それはおれとたたかうってかいしゃくで、いいのかなぁ…?」『"ジャンクション""ハルバート"』
そう言ってトエルは第五英雄青島の英雄武装である薙刀を出現させる。頭上でクルクルと回転させ、紅い鎧に刃先を向ける。
キラリと光る刃に映る鎧の姿。首を傾け、グリンと首をまわしゴキゴキと首を鳴らす。トエルは一切動じない。
静寂。その場だけを切り取ったような、完全なる静止。二人は永い間とも、一瞬とも取れる時間向かい合いそして…
「ふぇ!」
「…っ!」
同時に地を蹴り足を疾駆させる。30m程の距離が一気に縮まり、拳と刃が衝突する。鉄同士のぶつかる音。
強すぎる力のぶつかり合いに漏れた衝撃が空気を震わす。
トエルは間髪入れず、第二撃をくりだした。鎧の鉄篭手を払い下段からの切り上げ。勢い良く
振り上げられた刃は空を切る。鎧は僅かに体をずらし間一髪のところギリギリで斬撃を避けたようだ。
そんな思考をしている暇など無いと言わんばかりに鎧の鉄の拳がカウンターを仕掛けてくる。
トエルは薙刀の柄でガードしたが、パンチの衝撃が強すぎるのか僅かに後方へと後退る。
体制は崩れていない。すぐさま鎧の追撃がトエルを襲う。
「…面倒。さっさと負けて」
二連回し蹴りを繰り出す鎧少女。極めて低空ジャンプなバックステップで無駄なく回避するトエル。
しかし攻勢は終わらない。これでもかと斜め15°頭上から襲いかかる鉄に包まれた脚。
さすがの連撃に絶え切れなくなったトエルは『"ガード"』で防御を固め、無理のない守りを見せる。まもなくして防護壁に鉄の脚が接触した。
「…!?」
すると防御の要である防護壁にヒビが入る。滅多なことでは破れぬこの防壁を、彼者は
キックで破ろうというのか。危機を察知したトエルはガードを解き、後方へとジャンプし距離を取る。
「…優勢。降参する?」
「へ!こんなのぜんぜんたいしたことありませんし!」『"エナジー""ハルバート"』
刃先にエネルギーが収束し、眩い光を放つ薙刀。鎧を見据え狙いを定めたトエルは薙刀を振り上げ…
振り下ろした。一点に集中していた刃先の光が三日月型となって刃を離れ、一直線に飛んでゆく。
その先には鎧兜。このタイミングで避けなければ回避は不可と思われるが、鎧は避ける気配を見せない。
受けるつもりだ。斬撃を真正面から受け止めるようである。鎧は脚を半歩ほど開き、拳を深く握ると腰を捻り
斬撃が飛んでくるのに合わせるようにしてその拳を突き出す。
「ふえぇ…」
突出された拳の前に、トエルの放った光は砕け散るようにして消失した。たかだかパンチ一発にそれが
かき消されたとなれば、さすがのトエルも驚愕せずにはいられない。
「…続行?まだやるの?もうめんどくさい」
「…キーサーマァァァァ…!」『"ジャンクション""バズーカ"』
―――…
「…陰伊さん。いつまで引き篭っているの?」
一階で死闘が繰り広げられている頃、冴島は一向に部屋から出てこない陰伊を説得しようと部屋の前でコミュニケーションを取る事に四苦八苦していた。
「いつまでそうしている気ですか!あなたはそれでも英雄なの?」
「…英雄…?」
「か、陰伊さん?」
ぼそりと陰伊が呟く声が返ってくる。とりあえず陰伊が自分の話を無視していない事がわかり、冴島はひと安心する。
「そうよ!あなたは英雄です。多くの人を助ける…」
「…私は人を殺しました。英雄なんかじゃ…ありません」
「それは…仕方なかったことです」
陰伊の憂悶の原因は人を殺したこと。後悔と懺悔の中でゆらぎ動く彼女の意思。迷う彼女の手を
引くのは大人の自分。冴島はまだ心幼き少女に憐愍の情を浮かべながらも話を続ける。
「あの時、私達が戦わねば、もっと沢山の人達が死んでいました」
「でも…あの子たちは…子供でしたよ!?」
「だから何です?子供だったら人殺しが許されるの?あなたは警備隊の人や町の人々が殺されていくのを黙っているつもりなの?」
「・・・・」
陰伊は黙りこむ。いままで彼女は幼稚な妄想を見て、甘い事ばかり言っていたが
いざ現実を突きつけられると何も言えなくなっていたのだ。
「人一人軽々と殺せる力を持った者を捨ておく訳にはいかなかったんです。あれが…私達にとって最良の選択だったの」
一階で死闘が繰り広げられている頃、冴島は一向に部屋から出てこない陰伊を説得しようと部屋の前でコミュニケーションを取る事に四苦八苦していた。
「いつまでそうしている気ですか!あなたはそれでも英雄なの?」
「…英雄…?」
「か、陰伊さん?」
ぼそりと陰伊が呟く声が返ってくる。とりあえず陰伊が自分の話を無視していない事がわかり、冴島はひと安心する。
「そうよ!あなたは英雄です。多くの人を助ける…」
「…私は人を殺しました。英雄なんかじゃ…ありません」
「それは…仕方なかったことです」
陰伊の憂悶の原因は人を殺したこと。後悔と懺悔の中でゆらぎ動く彼女の意思。迷う彼女の手を
引くのは大人の自分。冴島はまだ心幼き少女に憐愍の情を浮かべながらも話を続ける。
「あの時、私達が戦わねば、もっと沢山の人達が死んでいました」
「でも…あの子たちは…子供でしたよ!?」
「だから何です?子供だったら人殺しが許されるの?あなたは警備隊の人や町の人々が殺されていくのを黙っているつもりなの?」
「・・・・」
陰伊は黙りこむ。いままで彼女は幼稚な妄想を見て、甘い事ばかり言っていたが
いざ現実を突きつけられると何も言えなくなっていたのだ。
「人一人軽々と殺せる力を持った者を捨ておく訳にはいかなかったんです。あれが…私達にとって最良の選択だったの」
「…冴島さん…」
「なあに?」
陰伊は、自分の甘さを恥じていた。しかしそれでも譲れないものが彼女にはある。
「…私、ある人の意思を継ぐために英雄になったんですっ…」
「…ある人?」
「そうです…その人は私の一番の親友で…尊敬できる人でした…」
「・・・・」
文末から察するに、そのある人というのはもうこの世にはいないのだろうと冴島は察した。
野暮なことには突っ込まないよう、彼女は沈黙に徹する。
「…あなたの意思は、私が継ぐって決めたのに…私はあの人の意思を継がなきゃいけないのにっ…」
「あの人の願いは…多くの人を助ける事…だから私は英雄になったんです…」
「でも…私は自分のしていることがもうわかりません。沢山を助けるために一つを犠牲にすることも…
何のために戦っているのかも…」
「なあに?」
陰伊は、自分の甘さを恥じていた。しかしそれでも譲れないものが彼女にはある。
「…私、ある人の意思を継ぐために英雄になったんですっ…」
「…ある人?」
「そうです…その人は私の一番の親友で…尊敬できる人でした…」
「・・・・」
文末から察するに、そのある人というのはもうこの世にはいないのだろうと冴島は察した。
野暮なことには突っ込まないよう、彼女は沈黙に徹する。
「…あなたの意思は、私が継ぐって決めたのに…私はあの人の意思を継がなきゃいけないのにっ…」
「あの人の願いは…多くの人を助ける事…だから私は英雄になったんです…」
「でも…私は自分のしていることがもうわかりません。沢山を助けるために一つを犠牲にすることも…
何のために戦っているのかも…」
「正義ってなんなんですか…!何を信じて、私は戦えばいいんですか!」
「わ、私は…皆の言う『正義』を信じることができませんっ…一を犠牲にすることも…無理です…私は…
普通の人間なんだからっ…!英雄なんかじゃない普通の人間なの!そんな普通の私には…荷が重すぎます…」
普通の人間なんだからっ…!英雄なんかじゃない普通の人間なの!そんな普通の私には…荷が重すぎます…」
「そうね。正義ってなんだろうね…」
「冴島さんも、わからないんですか…?」
「さあね?どうだったかしら。わからなくて悩んでいた時の事なんて…もう忘れちゃったわ。
何が正しいと思ってたのか…もう思い出せないもの。今は定められた規則に従うだけよ」
「それで…いいんですか?そんな…本当に正しいこともわからないまま戦うなんて…」
「信念だけじゃ人は救えません。時は待ってくれはしないの。今この時でさえも苦しむ人々が
大勢いるの。一人でも多くの命を救うために…アレが正しいこれが正しいと気にしている暇なんて無いの
結果的に人命が救えればそれでいいと私は思っているわ。何が正しいかわからないからと言って、
戦いを放棄することは許されない。それが英雄なんだから」
「そんな…!」
「あなたは自分から英雄になったのでしょう?いつまで逃げ続けるつもり?いつまで目を逸らすつもりなの…?」
「う…」
「現実を受け入れなさい。世の中なんてわからないことだらけよ。いちいち答えを求めていてはいくら
時間があっても足りないわ。そろそろ…陰伊さんも大人にならなくちゃね…」
「でも…でも…っ!」
「一人でも多くの人が助かる事…それが正義でいいじゃない。そうやって自己欺瞞でもしなくちゃ、戦っていけないわよ…?」
「私は…!」
「冴島さんも、わからないんですか…?」
「さあね?どうだったかしら。わからなくて悩んでいた時の事なんて…もう忘れちゃったわ。
何が正しいと思ってたのか…もう思い出せないもの。今は定められた規則に従うだけよ」
「それで…いいんですか?そんな…本当に正しいこともわからないまま戦うなんて…」
「信念だけじゃ人は救えません。時は待ってくれはしないの。今この時でさえも苦しむ人々が
大勢いるの。一人でも多くの命を救うために…アレが正しいこれが正しいと気にしている暇なんて無いの
結果的に人命が救えればそれでいいと私は思っているわ。何が正しいかわからないからと言って、
戦いを放棄することは許されない。それが英雄なんだから」
「そんな…!」
「あなたは自分から英雄になったのでしょう?いつまで逃げ続けるつもり?いつまで目を逸らすつもりなの…?」
「う…」
「現実を受け入れなさい。世の中なんてわからないことだらけよ。いちいち答えを求めていてはいくら
時間があっても足りないわ。そろそろ…陰伊さんも大人にならなくちゃね…」
「でも…でも…っ!」
「一人でも多くの人が助かる事…それが正義でいいじゃない。そうやって自己欺瞞でもしなくちゃ、戦っていけないわよ…?」
「私は…!」
ドコオオオオオオン!!
突然の轟音。上の階から聞こえてきたそれに陰伊の声は遮られてしまう。
「…何?今の音?」
只事ではない事態を察し、冴島は陰伊の事が心残りでありながらもその場を後にする。
残された陰伊は一人、部屋の中でドアを背に崩れ落ちる。がらんどうな天井を見て、放心する。
冴島に言われた様々な言葉が彼女の頭の中を駆巡っていた。果たして、陰伊は立ち直る事ができるのか…
「…何?今の音?」
只事ではない事態を察し、冴島は陰伊の事が心残りでありながらもその場を後にする。
残された陰伊は一人、部屋の中でドアを背に崩れ落ちる。がらんどうな天井を見て、放心する。
冴島に言われた様々な言葉が彼女の頭の中を駆巡っていた。果たして、陰伊は立ち直る事ができるのか…
―――…
「なんだよこれ…」
「あわわわ…施設が穴だらけだべさ…」
施設内で爆音が響く。機関の人間がそれに気がつかないはずもなく音源地へと人が集まりますと、
そこでは幼女と紅い鎧が暴れまわっているではないか。本来ならば襲撃だなんだと狼狽え浮足立つ
所だったが騒ぎを起こしているのがどちらも見知った者達だったため不思議と冷静を保つことが出来た。
それ以前にそもそもどうしてこのような事態に陥っているのか頭が付いていかなかった。
「そこぉーッ!!おちろぉーッ!」
どかーんどかーん!
「…当たらなければどうということはない」
トエルがバズーカを乱射する。どうやらあの紅い鎧を狙っているように見えるが…
「あの鎧って…第七英雄天草ちゃんだよなぁ…」
青島がよく知る鎧の少女を見てぼやく。そう…紅き鎧を纏うこの少女こそが第七英雄『天草 五姫(あまくさ いつき)』なのである。
「何呑気に観戦していますの!早く二人を止めなさい!」
このままでは大破どころでは済まなくなる。それを危惧した北条院は周りの人間に二人を止めに行くよう
促すが、あんなデッドスポットに自ら飛び込む命知らずは誰一人として存在し得なかったようで、
英雄デバイス所有者であっても止めに入ることをためらうような、つまりそれほどまでにトエルと天草の戦闘は激しかった。
「つうか北条院が行けばいいじゃん」
「な!?わ、私は…」
痛いところを突く青島。北条院は基本ヘタレであるのでこういった危ないことは他人任せなのである。
だがそれと同時に彼女はプライドが高い。少し煽ってやれば、自分の思い通りの結果になる事を青島は知っていた。
「へぇー、やっぱりなぁ、北条院はヘタレだからなぁ…」
「へ、ヘタレ言うな!」
「ヘタレじゃーん。ビビッてんじゃないの~?」
「この私が臆するわけありませんわ!いいでしょう!やってやりますわ!刮目なさい!私の『貴人』を!」
まんまと青島の策略に乗ってしまう北条院。無手勝流。戦わずして戦いに勝つ。
生き残る為にこれ以上の極意はない。ともかく、北条院に合唱を捧げなくてはならない事を先に言っておこう。
「第六英雄、北条院佐貴子。正義の名の下、悪を成敗します!」
武装展開した北条院。名乗り口上もほどほどに、大剣を抱え両者を止めに入る…のだが、まぁ予想通りというか、予想以上というか。
「邪魔を!」
「すんな!ふぇ!」
割って入る北条院をトエルと天草はボロ屑のようになぎ払い、後方50m程の壁まで吹き飛ばす。
その間わずか3秒。
「瞬殺はあんまりですってよ~~~~~~…」
「… 弱っ!」
「北条院さん瞬殺でしょや」
「もうちっと持つかとおもったんだけどなぁ~」
予想されていた事とはいえ、あまりに早過ぎる北条院の戦線離脱にますます止める気力が失せる野次馬一行。
そりゃだれだって命は惜しい。そうは言ってもこのままでは施設が崩壊してしまう。互いに叱咤督励し
「おまえが行け」「いやおまえが行け」等という不毛な押し付け合いが始まるのは時間の問題と思われた…
がしかし、天は我らを見放してはいなかった…!
「あわわわ…施設が穴だらけだべさ…」
施設内で爆音が響く。機関の人間がそれに気がつかないはずもなく音源地へと人が集まりますと、
そこでは幼女と紅い鎧が暴れまわっているではないか。本来ならば襲撃だなんだと狼狽え浮足立つ
所だったが騒ぎを起こしているのがどちらも見知った者達だったため不思議と冷静を保つことが出来た。
それ以前にそもそもどうしてこのような事態に陥っているのか頭が付いていかなかった。
「そこぉーッ!!おちろぉーッ!」
どかーんどかーん!
「…当たらなければどうということはない」
トエルがバズーカを乱射する。どうやらあの紅い鎧を狙っているように見えるが…
「あの鎧って…第七英雄天草ちゃんだよなぁ…」
青島がよく知る鎧の少女を見てぼやく。そう…紅き鎧を纏うこの少女こそが第七英雄『天草 五姫(あまくさ いつき)』なのである。
「何呑気に観戦していますの!早く二人を止めなさい!」
このままでは大破どころでは済まなくなる。それを危惧した北条院は周りの人間に二人を止めに行くよう
促すが、あんなデッドスポットに自ら飛び込む命知らずは誰一人として存在し得なかったようで、
英雄デバイス所有者であっても止めに入ることをためらうような、つまりそれほどまでにトエルと天草の戦闘は激しかった。
「つうか北条院が行けばいいじゃん」
「な!?わ、私は…」
痛いところを突く青島。北条院は基本ヘタレであるのでこういった危ないことは他人任せなのである。
だがそれと同時に彼女はプライドが高い。少し煽ってやれば、自分の思い通りの結果になる事を青島は知っていた。
「へぇー、やっぱりなぁ、北条院はヘタレだからなぁ…」
「へ、ヘタレ言うな!」
「ヘタレじゃーん。ビビッてんじゃないの~?」
「この私が臆するわけありませんわ!いいでしょう!やってやりますわ!刮目なさい!私の『貴人』を!」
まんまと青島の策略に乗ってしまう北条院。無手勝流。戦わずして戦いに勝つ。
生き残る為にこれ以上の極意はない。ともかく、北条院に合唱を捧げなくてはならない事を先に言っておこう。
「第六英雄、北条院佐貴子。正義の名の下、悪を成敗します!」
武装展開した北条院。名乗り口上もほどほどに、大剣を抱え両者を止めに入る…のだが、まぁ予想通りというか、予想以上というか。
「邪魔を!」
「すんな!ふぇ!」
割って入る北条院をトエルと天草はボロ屑のようになぎ払い、後方50m程の壁まで吹き飛ばす。
その間わずか3秒。
「瞬殺はあんまりですってよ~~~~~~…」
「… 弱っ!」
「北条院さん瞬殺でしょや」
「もうちっと持つかとおもったんだけどなぁ~」
予想されていた事とはいえ、あまりに早過ぎる北条院の戦線離脱にますます止める気力が失せる野次馬一行。
そりゃだれだって命は惜しい。そうは言ってもこのままでは施設が崩壊してしまう。互いに叱咤督励し
「おまえが行け」「いやおまえが行け」等という不毛な押し付け合いが始まるのは時間の問題と思われた…
がしかし、天は我らを見放してはいなかった…!
―『"イレブンソート"゙』―
「!?」
忽然として宙に現れる九本の剣。地に降り注ぐ刃の応酬。
「君達は少しおいたが過ぎる…」
互いに火花を散らすトエルと天草の間に入る一つの人影。彼の両手握られているのはそれぞれ種類の異なる二本の剣。
その刃先はそれぞれトエルと天草に向いており、二人の動きを静止させる。
忽然として宙に現れる九本の剣。地に降り注ぐ刃の応酬。
「君達は少しおいたが過ぎる…」
互いに火花を散らすトエルと天草の間に入る一つの人影。彼の両手握られているのはそれぞれ種類の異なる二本の剣。
その刃先はそれぞれトエルと天草に向いており、二人の動きを静止させる。
「お、王鎖さ~ん!」
気の抜けた白石の声がしんと静まり返ったロビーに響く。その声はトエルと天草の間にいる青年へと送られたものである。
二人を止めたのは第二英雄・王鎖珠貴その人であった…
気の抜けた白石の声がしんと静まり返ったロビーに響く。その声はトエルと天草の間にいる青年へと送られたものである。
二人を止めたのは第二英雄・王鎖珠貴その人であった…
―続く―
―次回予告…
暑くて次回予告どころじゃ…かゆ…うま…
次回、正義の定義…
第八話
「LOST WORD」
次回もアンリミテッドな導きを…
第八話
「LOST WORD」
次回もアンリミテッドな導きを…
皆夏場は熱中症に来をつけてね!ってことで投下終了
文では伝わりにくいので英雄武装を絵にし…しかし画力が足りない!
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ttp://loda.jp/mitemite/?id=1192.jpg