まっ昼間の夢 - エロリアン @ ウィキ

いつものように、のんびり～ん、まったり～んと
お部屋で遊んでると、生徒からスカイプ音声がありました。

生徒のお母さんが不眠うつで、お世話になってる
ケースワーカーから電話があったとのことで
その相談でした。
ただし、お母さんではなく、お父さんのことでした。

生徒、わたし、生徒、わたしと
お餅つきのような会話です。
（いまどき、餅つきって……）

「うちの父……UFOにのって、いってしまった感じです」
「ぬぅ。UFOで、旅行かぁ～~いいねぇ～～」
「違います。妄想でUFOにのったみたいで。
そもそも、のれるんですか、気軽にUFO」
「のれたら、いいねぇ」
「妄想で、のってもねぇ」
「にふ。妄想でも、UFOにのれたら、楽しいでしょ」

どうやら、お父さんは日中、不思議なビジョンを
見るようになってしまったようです。

UFO、麦わらをかぶったおじさんと子供、花。
妖怪とかモンスター、不思議な風景など。
こわいかんじではなく、楽しいかんじだとか。

不眠症で、うつ気味の奥さん（生徒のお母さん）と
暮らしてるうちに仕事疲れ、睡眠不足、看病疲れ
奥さんとのケンカなどが続くうちに
それらは起こったようでした。

生徒の話を聞いているうちに、な～んとなく
ペンタブで、お父さんの不思議を
落書きしちゃってました。

ニコニコマーク入りのUFO？
ドラゴンボールを集めて、不死になる？
ハリーポッター風のマント？
棒のぼり？　運動場？

こ～んなかんじかしら？

スカイプの共有画面で、その絵を生徒にみせたら
「ひ、ひどすぎる～」
と笑われてしまいました。

「とても人間が描いたものとは思えない！」
「……父と同じかも」
（わたしがお父さんと同じ症状の意味？）
とかも、いわれて、もっぱら
わたしの絵についての話になってしまいました。

なんだか、笑われていただけで……
ワタシも笑ったけどW
とても、大切なことを忘れてるような……？

しもた～～！
お父さんのこと、殆ど話してなかった～！　笑

まっ、いっかぁ～～～。

すっかり、そのことを忘れていたある日
また、生徒から、連絡がありました。

「父、すっかり、治っちゃいましたょ～」
「ただティ（わたしのこと：先生の意味？）が
なにもいわれなかったんで（笑ってばかりだったので）
いつも教えてもらってるように

『楽しいのなら、大丈夫だよ～
妖怪でも、みえちゃったんだったら、こわくないのなら『何でも楽しんだらいいよぉ～』
って、父にいってみたんですよ。

で、思いつきで『お父さんはファンタジーや
雨月物語とか、昔の話などもいっぱい知ってるから
それがあふれてきたんだね。感受性すごいんだねぇ』
とも、いってみました。

ニコニコして、会うたびにそんな対応をしてたら
お父さんはいつしか「アレは錯覚だったなぁ」
と自分から、いってきたんです。
で、いまではうそみたいに
へんてこなモノは見えなくなりました」

そんな生徒の話を聞きながら

「そっかぁ～楽しいのはいいことだなぁ。なあ～も、（他人に）迷惑かけないことなら～」と
あらためて、おもった～あいかわらずの午後でした。

かんりの人