邪の風、移動
「どうやらあの二人はもう追って来ない様だね」
サレは東の空を見やり、そうつぶやいた。結構な距離を走った気がする。
そして視線を落とし、横たわる少女、コレットと跪く青年、クレスに声をかける。
「様子はどうだい?」
少女を見つめながら、クレスが答える。
「僕は大丈夫だが・・・コレットが・・・」
撃たれた左手に頭に巻いていたバンダナを巻きつけ
一応の処置ができたクレスと違って、コレットの方は傷が重かった。
少女の息は荒く、表情も苦しそうだった。
サレは東の空を見やり、そうつぶやいた。結構な距離を走った気がする。
そして視線を落とし、横たわる少女、コレットと跪く青年、クレスに声をかける。
「様子はどうだい?」
少女を見つめながら、クレスが答える。
「僕は大丈夫だが・・・コレットが・・・」
撃たれた左手に頭に巻いていたバンダナを巻きつけ
一応の処置ができたクレスと違って、コレットの方は傷が重かった。
少女の息は荒く、表情も苦しそうだった。
「コレット、ちょっとごめん」
そう囁き、クレスはコレットの肩当てを外し、傷口がよく見える様に胸の辺りまで服を脱がした。
暗闇の中で晒された少女の肩は、紅く染まり、血がまだ流れている様だった。
銃で撃たれた場合の応急処置について詳しく知らない彼等は、
とりあえず共通支給品の水で傷口を洗い、なるべく清潔な布を肩に巻いた。
「何か悪い菌でも入ったのか?」
「そうかもしれないね、せめて回復の術が使えればいいんだけど・・・」
二人は顔をあわせる事無く黙りこんだ。
クレスは自分自身の回復なら出来たが、他者に関しては不可能だった。
サレは言うまでもなく、彼等は少女に対してこれ以上の治療の手が不足していた。
ふとクレスが顔を上げて、
「サレ、何か役に立ちそうなものは無かったか?」と言った。
クレスは既に、自身とコレットの支給品の中に治療に役立つものが無いか探したが、
出てきたのは怪しげな茸と、鉄製の手枷だった。
「いや・・・僕の支給品も、この剣以外に役立ちそうなものは無かったよ」
サレは少し思案してからこう答えた。
「そうか・・・」
クレスは落胆し、少女を見やった。
それからまたしばらくして、サレが口を開いた。
「クレス、提案があるんだけど・・・」
「どうしたんだ?」
「僕が今から、何か治療に役立ちそうなものが無いか探してくるよ」
サレはそう言った。クレスは驚き、
「いや、それは駄目だ。この夜に単独行動は危険過ぎる。まださっきの奴等が居るかもしれない」
「大丈夫だよ、この闇ならむしろ僕にとって動きやすいぐらいだ。
コレットちゃんをこのまま寝かしておくことも出来ないし、
かといって僕達二人がコレットちゃんを置いて行くなんて無理、そうだろう?」
クレスは深刻な話をしているはずのサレの表情に、
ほんのわずか別の何かが混じっている様に見えるのが気になった。
しかしそこには突っ込まず、慎重にその案を検討して言葉を発する。
そう囁き、クレスはコレットの肩当てを外し、傷口がよく見える様に胸の辺りまで服を脱がした。
暗闇の中で晒された少女の肩は、紅く染まり、血がまだ流れている様だった。
銃で撃たれた場合の応急処置について詳しく知らない彼等は、
とりあえず共通支給品の水で傷口を洗い、なるべく清潔な布を肩に巻いた。
「何か悪い菌でも入ったのか?」
「そうかもしれないね、せめて回復の術が使えればいいんだけど・・・」
二人は顔をあわせる事無く黙りこんだ。
クレスは自分自身の回復なら出来たが、他者に関しては不可能だった。
サレは言うまでもなく、彼等は少女に対してこれ以上の治療の手が不足していた。
ふとクレスが顔を上げて、
「サレ、何か役に立ちそうなものは無かったか?」と言った。
クレスは既に、自身とコレットの支給品の中に治療に役立つものが無いか探したが、
出てきたのは怪しげな茸と、鉄製の手枷だった。
「いや・・・僕の支給品も、この剣以外に役立ちそうなものは無かったよ」
サレは少し思案してからこう答えた。
「そうか・・・」
クレスは落胆し、少女を見やった。
それからまたしばらくして、サレが口を開いた。
「クレス、提案があるんだけど・・・」
「どうしたんだ?」
「僕が今から、何か治療に役立ちそうなものが無いか探してくるよ」
サレはそう言った。クレスは驚き、
「いや、それは駄目だ。この夜に単独行動は危険過ぎる。まださっきの奴等が居るかもしれない」
「大丈夫だよ、この闇ならむしろ僕にとって動きやすいぐらいだ。
コレットちゃんをこのまま寝かしておくことも出来ないし、
かといって僕達二人がコレットちゃんを置いて行くなんて無理、そうだろう?」
クレスは深刻な話をしているはずのサレの表情に、
ほんのわずか別の何かが混じっている様に見えるのが気になった。
しかしそこには突っ込まず、慎重にその案を検討して言葉を発する。
「いいかもしれないが、誰かに会ったらどうする?」
「みんながみんなさっきの様な馬鹿面下げた野蛮な猿では無い筈だよ。
もしかしたら僕達に協力してくれる人達が居るかもしれない」
クレスは黙っていた。サレは彼の言葉を待ったv
やがて彼は重々しく口を開き、
「・・・分かった。けど、決して無理はしないでくれ。誰かに襲われても、深追いせずに逃げるんだ
それと、あまり長い時間動き回るのも駄目だ。次の放送までにはここに帰ってきてくれ」
「ありがとうクレス、それじゃあ僕は行くよ」
そう言い、マントを翻して自分のザックを拾い上げる。
そしてコレットの隣に片手を膝に乗せた体勢で座り込み、
「コレットちゃん、がんばってね。すぐに楽にしてあげるから」
サレは微かに微笑み、さっと立ち上がった。
クレスと目を合わせ、少し頷く。
そうしてサレは漆黒の闇に消えていった。
「やれやれ・・・」
充分に二人から離れた後、サレはため息を付いた。
少し、困ったことになってしまった。
三人が逃げる途中で、元居た場所を通ったが、そこには切れたロープがあるだけだった。
拘束されていたはずの男、ティトレイがあの場所から姿を消していた。
クレスとコレットは大して気にしなかったが(というより他人を気にする余裕が無かった)、サレにとっては違った。
あの時、ティトレイを殺そうとして中途半端に拘束を解いてしまったことが裏目に出た。
結果、男は再び逃げ出し、サレにとって頭痛の種が増えた。
「みんながみんなさっきの様な馬鹿面下げた野蛮な猿では無い筈だよ。
もしかしたら僕達に協力してくれる人達が居るかもしれない」
クレスは黙っていた。サレは彼の言葉を待ったv
やがて彼は重々しく口を開き、
「・・・分かった。けど、決して無理はしないでくれ。誰かに襲われても、深追いせずに逃げるんだ
それと、あまり長い時間動き回るのも駄目だ。次の放送までにはここに帰ってきてくれ」
「ありがとうクレス、それじゃあ僕は行くよ」
そう言い、マントを翻して自分のザックを拾い上げる。
そしてコレットの隣に片手を膝に乗せた体勢で座り込み、
「コレットちゃん、がんばってね。すぐに楽にしてあげるから」
サレは微かに微笑み、さっと立ち上がった。
クレスと目を合わせ、少し頷く。
そうしてサレは漆黒の闇に消えていった。
「やれやれ・・・」
充分に二人から離れた後、サレはため息を付いた。
少し、困ったことになってしまった。
三人が逃げる途中で、元居た場所を通ったが、そこには切れたロープがあるだけだった。
拘束されていたはずの男、ティトレイがあの場所から姿を消していた。
クレスとコレットは大して気にしなかったが(というより他人を気にする余裕が無かった)、サレにとっては違った。
あの時、ティトレイを殺そうとして中途半端に拘束を解いてしまったことが裏目に出た。
結果、男は再び逃げ出し、サレにとって頭痛の種が増えた。
コレットの怪我もそうだ。
あの少女は利用価値が高い。
一緒に居るだけで大抵のものはこちらに敵意無しと判断するに違いなかった。
そういう意味で、むしろコレットが怪我をしたことはこちらにとって有利に働くかもしれないとも思った。
お人よしの馬鹿が、無条件でこちらに近付いてくる可能性もあるということだ。
例外はさっき遭遇した野蛮な族どもで、
まああの様な輩とはあまりお近づきにならない方がこちらの身の為だと思った。
サレにとってはコレットを治療する為の道具、或いは人材を探すことも重要だったが、
ティトレイの始末を付ける事も重要事項だった。
その為の単独行動であった。
サレは歩を速めた。彼のマントが翻り、闇夜に同化した。
あの少女は利用価値が高い。
一緒に居るだけで大抵のものはこちらに敵意無しと判断するに違いなかった。
そういう意味で、むしろコレットが怪我をしたことはこちらにとって有利に働くかもしれないとも思った。
お人よしの馬鹿が、無条件でこちらに近付いてくる可能性もあるということだ。
例外はさっき遭遇した野蛮な族どもで、
まああの様な輩とはあまりお近づきにならない方がこちらの身の為だと思った。
サレにとってはコレットを治療する為の道具、或いは人材を探すことも重要だったが、
ティトレイの始末を付ける事も重要事項だった。
その為の単独行動であった。
サレは歩を速めた。彼のマントが翻り、闇夜に同化した。
【クレス 生存確認】
所持品:ダマスクスソード 手枷
状態:左手に銃創(止血) TP消費(小)
第一行動方針:コレットの様子を見守る
第二行動方針:コレット、サレと行動
第三行動方針:最後まで生き残る
現在位置:F3の森
所持品:ダマスクスソード 手枷
状態:左手に銃創(止血) TP消費(小)
第一行動方針:コレットの様子を見守る
第二行動方針:コレット、サレと行動
第三行動方針:最後まで生き残る
現在位置:F3の森
【コレット 生存確認】
所持品:忍刀血桜 バクショウダケ
状態:体調を崩し、まともに動けない 右肩に銃創(止血)、発熱 TP消費(微)
第一行動方針:サレ、クレスと行動
第二行動方針:ロイド達と合流
現在位置:F3の森
所持品:忍刀血桜 バクショウダケ
状態:体調を崩し、まともに動けない 右肩に銃創(止血)、発熱 TP消費(微)
第一行動方針:サレ、クレスと行動
第二行動方針:ロイド達と合流
現在位置:F3の森
【サレ 生存確認】
所持品:ブロードソード ????
状態:TP消費(小)
第一行動方針:ティトレイを探し、口を封じる
第二行動方針:治療に役立つ道具または人を探す
第三行動方針:クレス、コレットを利用する
第四行動方針:クレス、コレットと行動
現在位置:F3の森から移動中
所持品:ブロードソード ????
状態:TP消費(小)
第一行動方針:ティトレイを探し、口を封じる
第二行動方針:治療に役立つ道具または人を探す
第三行動方針:クレス、コレットを利用する
第四行動方針:クレス、コレットと行動
現在位置:F3の森から移動中