名も知れぬ植物の類、鬱蒼と茂る大木。そして、乱暴に皮袋を地面に叩き付け、息を漏らす一人の男。
「なぜ、この俺が選ばれる!?訳の分からぬこのゲームにっ?
優勝だとっ?どうせ俺みたいな奴は、どこの馬の骨だか分からん奴に殺される運命にあるんだ!」
まるで炎を纏った様に赤い容貌。針の如く尖った両目。絶え間なく揺すられる片足。
ダオス配下のドラゴケンタウロス、ジェストーナは、唐突なる出来事に疑問を隠せぬ自分の感情を言葉にして吐き出した。
その強靭な外見とは裏腹に、ジェストーナは“死”を恐れていたのだ。
容赦なく人々が狂気に捕われ、殺し合うこの世界。己の精神を正常に保つ事など、不可能に近いかもしれない。
それに、見た所では――自分より遥かに強大な力を持った者達も、参加者の中には紛れ込んでいる。そんな者と出会えば、間違いなく死を味わうだろう。
「くそっ!この俺様が!誰よりも強大な力を持っていれば!ここまで悩む事も無いのに!」
ジェストーナはそんな現実に、怒りを隠せなかった。
「なぜ、この俺が選ばれる!?訳の分からぬこのゲームにっ?
優勝だとっ?どうせ俺みたいな奴は、どこの馬の骨だか分からん奴に殺される運命にあるんだ!」
まるで炎を纏った様に赤い容貌。針の如く尖った両目。絶え間なく揺すられる片足。
ダオス配下のドラゴケンタウロス、ジェストーナは、唐突なる出来事に疑問を隠せぬ自分の感情を言葉にして吐き出した。
その強靭な外見とは裏腹に、ジェストーナは“死”を恐れていたのだ。
容赦なく人々が狂気に捕われ、殺し合うこの世界。己の精神を正常に保つ事など、不可能に近いかもしれない。
それに、見た所では――自分より遥かに強大な力を持った者達も、参加者の中には紛れ込んでいる。そんな者と出会えば、間違いなく死を味わうだろう。
「くそっ!この俺様が!誰よりも強大な力を持っていれば!ここまで悩む事も無いのに!」
ジェストーナはそんな現実に、怒りを隠せなかった。
まてよ、
…まだ自分が「死ぬ」と決まった訳ではない。皮袋の中では、まだ手も着けられていない武器が潜めいている。
それにここは、魔法だって使う事の出来ない世界だ。それならば、ヒヨコ当然の奴らだってゴマンと居るだろうな。
さすがにダオス様や、他の強大な力を持った奴とまともに戦う事は出来ないから、避けるしかない。
しかし、馬の骨当然のヒヨッ子程度なら、軽く殺す事など可能であろう。
そうだ、俺は絶対に、勝てる。俺は勝って、願いを掴んでやる。
ジェストーナは心の奥底に溜まっていた澱を出すかのように、負の感情を全て吐き出す。
そして、地面に転がり落ちている皮袋を掴み、足元に持ってくる。そして、おもむろに中から武器を引き摺り出した。
…まだ自分が「死ぬ」と決まった訳ではない。皮袋の中では、まだ手も着けられていない武器が潜めいている。
それにここは、魔法だって使う事の出来ない世界だ。それならば、ヒヨコ当然の奴らだってゴマンと居るだろうな。
さすがにダオス様や、他の強大な力を持った奴とまともに戦う事は出来ないから、避けるしかない。
しかし、馬の骨当然のヒヨッ子程度なら、軽く殺す事など可能であろう。
そうだ、俺は絶対に、勝てる。俺は勝って、願いを掴んでやる。
ジェストーナは心の奥底に溜まっていた澱を出すかのように、負の感情を全て吐き出す。
そして、地面に転がり落ちている皮袋を掴み、足元に持ってくる。そして、おもむろに中から武器を引き摺り出した。
皮袋の中からは、三つの道具と、皮肉にも説明書と思われる物が出て来た。
一つ目の道具は、手に取っただけでも冷たさを感じる指輪。名前は氷のお守り、と言うらしい。
二つ目の道具は、小柄だが、刃物の様に鋭い、先端の少し欠けた魔獣の牙。
二つ目の道具…いや、これは武器と言うべきだろう。柄に大型の手甲がついた、鞘に収めらた剣。ナイツサーベル。
ジェストーナは柄を掴み、鞘からナイツサーベルを引く。鞘から現れた銀色の刃は、木漏れ日を浴びて僅かに閃いた。
小さい。しかし、人を殺す為の武器である事には、間違いない。ジェストーナは黙って、ナイツサーベルを鞘にしまった。
一つ目の道具は、手に取っただけでも冷たさを感じる指輪。名前は氷のお守り、と言うらしい。
二つ目の道具は、小柄だが、刃物の様に鋭い、先端の少し欠けた魔獣の牙。
二つ目の道具…いや、これは武器と言うべきだろう。柄に大型の手甲がついた、鞘に収めらた剣。ナイツサーベル。
ジェストーナは柄を掴み、鞘からナイツサーベルを引く。鞘から現れた銀色の刃は、木漏れ日を浴びて僅かに閃いた。
小さい。しかし、人を殺す為の武器である事には、間違いない。ジェストーナは黙って、ナイツサーベルを鞘にしまった。
――俺はやれる。きっと、いや、絶対に勝ってやる。もう俺はダオス様、いやダオスの配下などではない。
確かに、俺は弱い。だけれど、まだ心まで弱ってはいないはずだ。
ジェストーナは、決意を固めた。その目には、ダオスに対しての忠誠心では無く、己の意思が強く漲っていた。
確かに、俺は弱い。だけれど、まだ心まで弱ってはいないはずだ。
ジェストーナは、決意を固めた。その目には、ダオスに対しての忠誠心では無く、己の意思が強く漲っていた。
【ジェストーナ 生存確認 所持品:氷のお守り 魔獣の牙 ナイツサーベル
現在位置:F7の森林地帯
第一行動方針:ゲームに乗る。ただし強い者との戦いは避ける。】
現在位置:F7の森林地帯
第一行動方針:ゲームに乗る。ただし強い者との戦いは避ける。】