血に染まる彼
コングマンの表情はまさに鬼の形相だった。
眉はこれ異常ないくらい吊り上り、眼球は四方八方に血走っている。
鼻息荒く、大きく上下する肩からは彼の発する闘気が視認できると思えるほどだ。
「この、小娘が・・・!」
狂鬼の眼がコレットを捕らえる。少女はその視線のプレッシャーに圧され、ちょっと身を縮めた。
そしてクレスが二人の間にずいと割り込む。
剣を構え、目の前の巨漢と対峙する。
だが、その時唐突にコングマンの顔が崩れた。
何かに気付いたように、ふふふと笑う。
なんだ、忘れてた。俺様の本当の目的は・・・
眉はこれ異常ないくらい吊り上り、眼球は四方八方に血走っている。
鼻息荒く、大きく上下する肩からは彼の発する闘気が視認できると思えるほどだ。
「この、小娘が・・・!」
狂鬼の眼がコレットを捕らえる。少女はその視線のプレッシャーに圧され、ちょっと身を縮めた。
そしてクレスが二人の間にずいと割り込む。
剣を構え、目の前の巨漢と対峙する。
だが、その時唐突にコングマンの顔が崩れた。
何かに気付いたように、ふふふと笑う。
なんだ、忘れてた。俺様の本当の目的は・・・
ゆっくりと、敵意が無い様に少女に近付いていった。
「いいか。よく聞け、小娘。二度と手を出すんじゃねぇぞ」
怒気は薄くなっているものの、威圧感はまだ残っていた。
「どういうつもりだ?」
クレスが声を出す。
「まあ今回はお前の怪我もあるし、今のは痛みわけということで済ませてやろう。
だがこれから先は俺様とこいつの一騎打ちだ。余計な手出しは無用なんだよ、分かるか?」
コレットはどうしていいか分からないといった風に、どっちつかずに顔を傾けた。
「コレット、そうした方がいい。今ので君は力を結構使ってしまったようだし」
クレスは油断無くコングマンを見つめ、そう言った。
「は、はい。そうします。もし今度クレスさんに当たったら困るし・・・」
コレットは照れ隠しに苦笑する。
「いいか。よく聞け、小娘。二度と手を出すんじゃねぇぞ」
怒気は薄くなっているものの、威圧感はまだ残っていた。
「どういうつもりだ?」
クレスが声を出す。
「まあ今回はお前の怪我もあるし、今のは痛みわけということで済ませてやろう。
だがこれから先は俺様とこいつの一騎打ちだ。余計な手出しは無用なんだよ、分かるか?」
コレットはどうしていいか分からないといった風に、どっちつかずに顔を傾けた。
「コレット、そうした方がいい。今ので君は力を結構使ってしまったようだし」
クレスは油断無くコングマンを見つめ、そう言った。
「は、はい。そうします。もし今度クレスさんに当たったら困るし・・・」
コレットは照れ隠しに苦笑する。
「まあ、そういうわけで・・・」
そこまで言って、コングマンは突然座り込むコレットの眼前に移動した。
クレスが何か言う前に、素早く彼は少女の口を押し開き、その口内に布切れを突っ込んだ。
舌で押し返されないように、しっかりと奥まで詰めた。
「!? んー!!」
「お、おい貴様!!!」
殺気立ったクレスが男に詰め寄ったが、男は軽く手で制すと、
「これぐらい大目に見てくれよ。またさっきみたいなことになったらかなわねぇからな」
クレスは激しい敵意を露にしてコングマンを睨みつけた。
今すぐコレットから布を外してやりたいが、その隙にこの男は何をするか分からない。
今は、目の前の男を倒すことを優先すべきか。
クレスは苦々しく思いながらも、そう結論付けた。
そこまで言って、コングマンは突然座り込むコレットの眼前に移動した。
クレスが何か言う前に、素早く彼は少女の口を押し開き、その口内に布切れを突っ込んだ。
舌で押し返されないように、しっかりと奥まで詰めた。
「!? んー!!」
「お、おい貴様!!!」
殺気立ったクレスが男に詰め寄ったが、男は軽く手で制すと、
「これぐらい大目に見てくれよ。またさっきみたいなことになったらかなわねぇからな」
クレスは激しい敵意を露にしてコングマンを睨みつけた。
今すぐコレットから布を外してやりたいが、その隙にこの男は何をするか分からない。
今は、目の前の男を倒すことを優先すべきか。
クレスは苦々しく思いながらも、そう結論付けた。
「じゃ、本気でやりあうとするか、なぁ小僧」
血が流れる左手も気にせず間接をゴキゴキ言わせながら、コングマンは不敵に笑った。
「ああ、ついでにその小娘の手枷の鍵は俺様が持ってるからな」
クレスは集中して眼前の敵を見やる。
痛み分けとはいったが、確かにクレスの体もボロボロだった。
しかもここに至るまでに一度コングマンに倒され、無理をしてここまで移動したのだ。
集気法で回復しているとはいえ、いつ体にガタがきてもおかしくない。
血が流れる左手も気にせず間接をゴキゴキ言わせながら、コングマンは不敵に笑った。
「ああ、ついでにその小娘の手枷の鍵は俺様が持ってるからな」
クレスは集中して眼前の敵を見やる。
痛み分けとはいったが、確かにクレスの体もボロボロだった。
しかもここに至るまでに一度コングマンに倒され、無理をしてここまで移動したのだ。
集気法で回復しているとはいえ、いつ体にガタがきてもおかしくない。
二人はコレットから充分に距離を取り、一定の距離を取りつつ円を描くように回っていた。
コロシアムに投げ込まれた、常勝無敗のチャンピオンと雪辱を誓う挑戦者は、互いに機会を見計らっていた。
コロシアムに投げ込まれた、常勝無敗のチャンピオンと雪辱を誓う挑戦者は、互いに機会を見計らっていた。
先に痺れを切らしたのはコングマンだった。
踊りかかり、クレスに右正拳を突き出す。
クレスは冷静に避け、返しの拳もかわす。
テンポよく距離を稼ぎ、またにらみ合う。
そうして幾度か攻めと守りのせめぎあいが続いた。
踊りかかり、クレスに右正拳を突き出す。
クレスは冷静に避け、返しの拳もかわす。
テンポよく距離を稼ぎ、またにらみ合う。
そうして幾度か攻めと守りのせめぎあいが続いた。
──落ち着け。基本を思い出すんだ。
クレスは汗を掻きつつ、冷静に回避を続けた。
あの男の拳の威力は身に染みている。
一撃ですら、致命傷になりかねないのだ。
「こんの・・・ちょこまかと!」
痺れを切らしたコングマンは右の拳に力を込め、雷を帯電させた。
「ボルトスラストォ!」
大きく振りかぶり、強烈に前へ突き出す。電撃の拳が高速にクレスに迫った。
ここだ──!
その一瞬、クレスの目に鋭い光が宿った。
身を屈めてのダッキングでそれをやり過ごし、一気に至近距離へと入った。
見上げた時、目が合った。戦うことを生涯の楽しみとでもしているような、強い眼光。
クレスは素早く剣を右に振った。
クレスは汗を掻きつつ、冷静に回避を続けた。
あの男の拳の威力は身に染みている。
一撃ですら、致命傷になりかねないのだ。
「こんの・・・ちょこまかと!」
痺れを切らしたコングマンは右の拳に力を込め、雷を帯電させた。
「ボルトスラストォ!」
大きく振りかぶり、強烈に前へ突き出す。電撃の拳が高速にクレスに迫った。
ここだ──!
その一瞬、クレスの目に鋭い光が宿った。
身を屈めてのダッキングでそれをやり過ごし、一気に至近距離へと入った。
見上げた時、目が合った。戦うことを生涯の楽しみとでもしているような、強い眼光。
クレスは素早く剣を右に振った。
だが男の筋肉の壁の前に威力は軽減され、細い切り傷が出来ただけだった。
無論この程度でこの男が怯むわけは無い。
クレスの予想通り、コングマンは左肘を折り曲げての打ち下ろしを放っていた。
体が密着している為、回避はより困難になる。
紙一重で男の拳が右頬を掠めた。口の中が少し切れた。
そしてもう一度剣を、今度は左に振る。男の豪腕から血がわずかに噴いた。
無論この程度でこの男が怯むわけは無い。
クレスの予想通り、コングマンは左肘を折り曲げての打ち下ろしを放っていた。
体が密着している為、回避はより困難になる。
紙一重で男の拳が右頬を掠めた。口の中が少し切れた。
そしてもう一度剣を、今度は左に振る。男の豪腕から血がわずかに噴いた。
しかしコングマンはそのまま両足を前に進め、派手な頭突きをクレスにぶつけた。
体が揺れ、一瞬視界がぼやける。ぼんやりと、男が次の行動に移っているのが見える。
「おぉらぁっ!!」
コングマンは右の拳を腰の辺りに構え大きく踏み込み、一気に振り上げた。
急ぎ体勢を立て直し、さっと飛びのいて避ける。
空を切る音が耳元ではっきりと聞こえた。
そして隙だらけの脇腹へ、連続して突きを放つ。
血が飛沫となって舞い、硬質な床に跳ねた。
「ふんっ!」
男の両腕を広げての回転攻撃からバックステップで充分に距離を取り、クレスは大きく息を付いた。
体が揺れ、一瞬視界がぼやける。ぼんやりと、男が次の行動に移っているのが見える。
「おぉらぁっ!!」
コングマンは右の拳を腰の辺りに構え大きく踏み込み、一気に振り上げた。
急ぎ体勢を立て直し、さっと飛びのいて避ける。
空を切る音が耳元ではっきりと聞こえた。
そして隙だらけの脇腹へ、連続して突きを放つ。
血が飛沫となって舞い、硬質な床に跳ねた。
「ふんっ!」
男の両腕を広げての回転攻撃からバックステップで充分に距離を取り、クレスは大きく息を付いた。
今の攻防で、こっちは頭突き一発、無効は腕と腹に計七つの斬撃。
いける。このままいけば、勝てる。
クレスの表情が微かに緩み、ダマスクスソードから手を放し、汗を拭う。
左手の汗を拭いた時に血が滲んでいた。しかし気にしてはいられない。
いける。このままいけば、勝てる。
クレスの表情が微かに緩み、ダマスクスソードから手を放し、汗を拭う。
左手の汗を拭いた時に血が滲んでいた。しかし気にしてはいられない。
「ったく、ちまちました戦いしやがって・・・」
そう言って余裕ぶり悪態を突くコングマンも、既に体力は危険域のはずだった。
何事も無かったかのように動いて見せたが、
実際コレットに焼かれた肩、腿、手の甲はかなり痛むはずだ。
しかしそんな素振りは微塵も見せないところ、
流石は闘技場の覇者と自称するだけのことはある。
そう言って余裕ぶり悪態を突くコングマンも、既に体力は危険域のはずだった。
何事も無かったかのように動いて見せたが、
実際コレットに焼かれた肩、腿、手の甲はかなり痛むはずだ。
しかしそんな素振りは微塵も見せないところ、
流石は闘技場の覇者と自称するだけのことはある。
「まあいい。今からてめぇに、チャンピオンの戦いってものを見せてやる」
バシーンと片方の拳でもう片方の掌を打つ。
まさかこの男、本当に痛みを感じていないのか?
クレスがそんな間の抜けたことを考えたその時、コングマンが一気に突進してきた。
急ぎ剣を構え、そのスピードに避け切れないと判断すると、反撃を撃つことにした。
自身に迫る巨躯の、どこから攻撃がくるかを集中して予測しながら、クレスはその時を待った。
飛び出したのは左腕。愚直な正拳突き。身を反らし、男の体の外側へ出て紙一重で避ける。
そして交差の際に斬りつけようとした時・・・コングマンの体がピタっと止まった。
勢いよく放たれたはずの拳は、クレスの真横で静止している。
フェイント──!
そう思った時にはコングマンの肘鉄がクレスの手首を打ち、剣を取り落としてしまった。
そして男は大きく身を回し、クレスを抱き込むような体勢で体当たりしてきた。
抗うすべなく、クレスは壁に派手にぶつけられた。
バシーンと片方の拳でもう片方の掌を打つ。
まさかこの男、本当に痛みを感じていないのか?
クレスがそんな間の抜けたことを考えたその時、コングマンが一気に突進してきた。
急ぎ剣を構え、そのスピードに避け切れないと判断すると、反撃を撃つことにした。
自身に迫る巨躯の、どこから攻撃がくるかを集中して予測しながら、クレスはその時を待った。
飛び出したのは左腕。愚直な正拳突き。身を反らし、男の体の外側へ出て紙一重で避ける。
そして交差の際に斬りつけようとした時・・・コングマンの体がピタっと止まった。
勢いよく放たれたはずの拳は、クレスの真横で静止している。
フェイント──!
そう思った時にはコングマンの肘鉄がクレスの手首を打ち、剣を取り落としてしまった。
そして男は大きく身を回し、クレスを抱き込むような体勢で体当たりしてきた。
抗うすべなく、クレスは壁に派手にぶつけられた。
壁に付いている、コレットを拘束しているのと同じ種類の金具が後頭部を打ち、意識が飛びかける。
それには既に鎖が付いていた。長いそれは、クレスの頭から足元ぐらいまで垂れていた。
それには既に鎖が付いていた。長いそれは、クレスの頭から足元ぐらいまで垂れていた。
両手を強く掴まれ、壁に押し付けられる。
かつて撃たれた左手からまた血が噴き出し始めた。
「ぐっ・・・!」
苦痛に顔を歪める。
そうして気付いた時にはコングマンのつるりとした頭が目の前にあった。
瞬間的に危険を感じ、膝を曲げて上半身を落とす。何かが砕ける音。
コングマンの頭突きが、壁にぽっかりと穴を開けていた。
破片が頭に落ちてくるのを感じながら、
クレスは両手を握られたまま、下に思い切り引っ張った。
右手は抜け落ちたが、負傷した左手に力が入らない。
このままコングマンに拘束されたままではまずい。早く逃れなければ。
座っているのに片手だけ上に持ち上げられている奇妙な体勢のまま、
クレスは新たに眼前に迫る膝蹴りから身を反らした。やはり壁が砕けた。
もう一度立ち上がる。自分と同じ、自由になったコングマンの左手が、
こちらの顔面目掛けて掌底を叩き込もうとしていた。
その時咄嗟にクレスは右手を自身の腰に回した。
そして何かを掴み、目の前に突き出した。
刹那、男の掌底が衝突する。
かつて撃たれた左手からまた血が噴き出し始めた。
「ぐっ・・・!」
苦痛に顔を歪める。
そうして気付いた時にはコングマンのつるりとした頭が目の前にあった。
瞬間的に危険を感じ、膝を曲げて上半身を落とす。何かが砕ける音。
コングマンの頭突きが、壁にぽっかりと穴を開けていた。
破片が頭に落ちてくるのを感じながら、
クレスは両手を握られたまま、下に思い切り引っ張った。
右手は抜け落ちたが、負傷した左手に力が入らない。
このままコングマンに拘束されたままではまずい。早く逃れなければ。
座っているのに片手だけ上に持ち上げられている奇妙な体勢のまま、
クレスは新たに眼前に迫る膝蹴りから身を反らした。やはり壁が砕けた。
もう一度立ち上がる。自分と同じ、自由になったコングマンの左手が、
こちらの顔面目掛けて掌底を叩き込もうとしていた。
その時咄嗟にクレスは右手を自身の腰に回した。
そして何かを掴み、目の前に突き出した。
刹那、男の掌底が衝突する。
コングマンは左手をクレスの右手に被せながら、苦悶の表情を浮かべた。
ポタポタと、血が重なり合った手から流れ出て、床を濡らしていた。
男の右手は、鋭利な刃物で貫かれていた。
クレスの握る、それ。
忍刀血桜が、コングマンの拳を刺し貫いていた。
「君の忘れ物だ。いや、元々はコレットのものだったな」
眉一つ動かさずに、クレスはそう言った。
間髪いれずにさっと左手を男の拘束から引き抜き、向こう側へ駆け出した。
狙いは勿論落ちたダマスクスソードである。
それを拾い、改めて男に向き直す。
ポタポタと、血が重なり合った手から流れ出て、床を濡らしていた。
男の右手は、鋭利な刃物で貫かれていた。
クレスの握る、それ。
忍刀血桜が、コングマンの拳を刺し貫いていた。
「君の忘れ物だ。いや、元々はコレットのものだったな」
眉一つ動かさずに、クレスはそう言った。
間髪いれずにさっと左手を男の拘束から引き抜き、向こう側へ駆け出した。
狙いは勿論落ちたダマスクスソードである。
それを拾い、改めて男に向き直す。
コングマンは左手に刺さった刀を思い切り引き抜くと、その辺に放り投げた。
既に二度も貫かれてしまった左手は、最早使い物にならないと思えるほどズタズタで、出血していた。
対するクレスも、血が流れ出る彼の左手の感覚は徐々に麻痺していた。
「さて・・・決着といこうか」
ぶるぶると震える自身の左手を眺めながら、コングマンは言った。
クレスは黙って剣を構え、目の前の男と、何度目だろう、対峙する。
「んー・・・!」
心配そうなコレットの声が聞こえた。
「心配しないで、コレット。僕は勝つ。勝って君を助ける。言っただろ?君は僕が守るって」
クレスはちょっと笑んで、努めて気丈な声出した。
「二の舞にならなきゃいいがな」
コングマンが戒めるような口調でつぶやいた。
もう一度精神を統一する。ゆっくりと、息を吐く。
そして。
既に二度も貫かれてしまった左手は、最早使い物にならないと思えるほどズタズタで、出血していた。
対するクレスも、血が流れ出る彼の左手の感覚は徐々に麻痺していた。
「さて・・・決着といこうか」
ぶるぶると震える自身の左手を眺めながら、コングマンは言った。
クレスは黙って剣を構え、目の前の男と、何度目だろう、対峙する。
「んー・・・!」
心配そうなコレットの声が聞こえた。
「心配しないで、コレット。僕は勝つ。勝って君を助ける。言っただろ?君は僕が守るって」
クレスはちょっと笑んで、努めて気丈な声出した。
「二の舞にならなきゃいいがな」
コングマンが戒めるような口調でつぶやいた。
もう一度精神を統一する。ゆっくりと、息を吐く。
そして。
爆発した様に突進をかますコングマン。
冷静に、落ち着いて右にかわすクレス。
一瞬、すれ違う二人。
背後を取り、剣を上段に構えるクレス。
足を止めるコングマン。
剣を振り下ろすクレス。
裏拳を放つコングマン。
ぶつかりあう剣と拳。
弾かれるクレス。
向き直るコングマン。
体勢を立て直すクレス。
両腕を突き出すコングマン。
突き飛ばされるクレス。
両腕に力を込めるコングマン。
集束する光。
目を見張るクレス。
笑うコングマン。
剣を垂直に構えるクレス。
叫ぶコングマン。
冷静に、落ち着いて右にかわすクレス。
一瞬、すれ違う二人。
背後を取り、剣を上段に構えるクレス。
足を止めるコングマン。
剣を振り下ろすクレス。
裏拳を放つコングマン。
ぶつかりあう剣と拳。
弾かれるクレス。
向き直るコングマン。
体勢を立て直すクレス。
両腕を突き出すコングマン。
突き飛ばされるクレス。
両腕に力を込めるコングマン。
集束する光。
目を見張るクレス。
笑うコングマン。
剣を垂直に構えるクレス。
叫ぶコングマン。
「ヘビィボンバー!!」
巨大な光の弾が二人の眼前に発生し、回りの壁や床ごと破壊していった。
数秒後、まるで超巨大な鉄球でも落っこちたように、その場は奇妙に潰れていた。
「はぁ、はぁっ、ふぅ・・・」
コングマンは息も荒く、眼前の光景を見て違和感を覚えた。
何かが違う。何か大事なものを見落としているような・・・
その正体はすぐに分かった。
天より振ってくる、一人の剣士・・・
クレス・アルベインが空中よりコングマンに襲い掛かっていた。
数秒後、まるで超巨大な鉄球でも落っこちたように、その場は奇妙に潰れていた。
「はぁ、はぁっ、ふぅ・・・」
コングマンは息も荒く、眼前の光景を見て違和感を覚えた。
何かが違う。何か大事なものを見落としているような・・・
その正体はすぐに分かった。
天より振ってくる、一人の剣士・・・
クレス・アルベインが空中よりコングマンに襲い掛かっていた。
あの一瞬、クレスは時空剣技と呼ばれる技により、空間を転移し、上空に翔んでいた。
そして丁度光弾が消えた時に、彼は舞い降りていた。
「はぁっ!!」
上空からの強烈な振り下ろし。男の背中を抉る。
続いて連続して斬りつけた。血が飛び、男の体が揺れた。
「この野郎ぉぉぉ!」
コングマンは一心不乱に拳を振り回した。
しかしそれはクレスの頭上を掠め、逆にクレスの斬撃が男を襲った。
絶対に回避は不可能と思われた。
しかし、コングマンは信じられないぐらいの底力で、右腕を振り上げていた。
再度ぶつかり合う剣と拳。
ガントレットの強度は高く、それ以上推し進めるのは困難だった。
「甘いんだよてめぇは!さっきよりはマシになったようだが、そんなんでこの先、生き残れると思ってンのか!?」
「それでも僕は、戦う!仲間と一緒に、最後まで生き残ってみせる!」
そして丁度光弾が消えた時に、彼は舞い降りていた。
「はぁっ!!」
上空からの強烈な振り下ろし。男の背中を抉る。
続いて連続して斬りつけた。血が飛び、男の体が揺れた。
「この野郎ぉぉぉ!」
コングマンは一心不乱に拳を振り回した。
しかしそれはクレスの頭上を掠め、逆にクレスの斬撃が男を襲った。
絶対に回避は不可能と思われた。
しかし、コングマンは信じられないぐらいの底力で、右腕を振り上げていた。
再度ぶつかり合う剣と拳。
ガントレットの強度は高く、それ以上推し進めるのは困難だった。
「甘いんだよてめぇは!さっきよりはマシになったようだが、そんなんでこの先、生き残れると思ってンのか!?」
「それでも僕は、戦う!仲間と一緒に、最後まで生き残ってみせる!」
「だから・・・」
クレスの剣に、いつの間にか雷が帯電していた。凄まじい閃光の奔流が、二人を照らした。
「だから僕は、負けられない!!」
そう言い放ち、あらん限りの力を込めて一気に押し切った。
すれ違い様に、男の全身に電流が走るのを確認した。
「ぐおおおおおおおおお!!!」
コングマンは体を仰ぎ、絶叫した。
クレスは膝を突き、そんな男の様子を背中で感じ取りながら、勝負が決したのを感じた。
クレスの剣に、いつの間にか雷が帯電していた。凄まじい閃光の奔流が、二人を照らした。
「だから僕は、負けられない!!」
そう言い放ち、あらん限りの力を込めて一気に押し切った。
すれ違い様に、男の全身に電流が走るのを確認した。
「ぐおおおおおおおおお!!!」
コングマンは体を仰ぎ、絶叫した。
クレスは膝を突き、そんな男の様子を背中で感じ取りながら、勝負が決したのを感じた。
これで、勝っ───
気が付いた時にはクレスは宙を舞っていた。
全身の感覚が麻痺したように思えた。
上下が反転した世界で、コレットの表情が引きつって、恐怖の色が浮かべているのが見えた。
そうして彼は地面に墜落した。
仰向けに倒れ、不気味な器具の類が多々吊るされているのが見えた。
ふと、彼に歩み寄るものが居た。
全身の感覚が麻痺したように思えた。
上下が反転した世界で、コレットの表情が引きつって、恐怖の色が浮かべているのが見えた。
そうして彼は地面に墜落した。
仰向けに倒れ、不気味な器具の類が多々吊るされているのが見えた。
ふと、彼に歩み寄るものが居た。
マイティ・コングマンだった。全身雷に焼かれて黒ずんで、あらゆる箇所から血を流している。
その表情は、不気味に笑っていた。
「は、ふはは、は・・・まさか、この、俺様をここまで追い詰めるなんてな。
このマントが無ければ、こんなもんじゃ、済まなかっただろうぜ・・・」
つい先程クレスを殴り飛ばし、荒い息を交えて語るコングマンは、既にまともに立ってすらいられないはずの状態だった。
男の装備するセレスティマントは、雷攻撃を軽減する力があり、男の命を僅かに残したのだった。
彼を今奮い立たせている感情、それはチャンピオンとしての誇り、思わぬ苦戦を強いられた挑戦者への怒り。
その表情は、不気味に笑っていた。
「は、ふはは、は・・・まさか、この、俺様をここまで追い詰めるなんてな。
このマントが無ければ、こんなもんじゃ、済まなかっただろうぜ・・・」
つい先程クレスを殴り飛ばし、荒い息を交えて語るコングマンは、既にまともに立ってすらいられないはずの状態だった。
男の装備するセレスティマントは、雷攻撃を軽減する力があり、男の命を僅かに残したのだった。
彼を今奮い立たせている感情、それはチャンピオンとしての誇り、思わぬ苦戦を強いられた挑戦者への怒り。
「だが、これで俺様の勝ちだ!!」
そう叫んでクレスの上に馬乗りになり、彼の顔面を思い切り殴った。
そう叫んでクレスの上に馬乗りになり、彼の顔面を思い切り殴った。
ぐしゃっ。
コングマンの拳が確かな手ごたえを感じると同時に、クレスの頭が跳ねた。鼻から血が流れ出た。
続けて殴る。殴る。殴り続ける。
クレスは抵抗することもできずにただされるがままだった。
次第に彼の意識は薄れて行き、彼の見る世界は紅く染まっていった。
鼻から口から鮮血が飛び散り、コングマンの顔に付着する。
血まみれの狂気の笑みを浮かべる男は、既に常人のそれでは無かった。
続けて殴る。殴る。殴り続ける。
クレスは抵抗することもできずにただされるがままだった。
次第に彼の意識は薄れて行き、彼の見る世界は紅く染まっていった。
鼻から口から鮮血が飛び散り、コングマンの顔に付着する。
血まみれの狂気の笑みを浮かべる男は、既に常人のそれでは無かった。
「んっ、んぐー!んん、んー!!!」
拘束から逃れようともがきながら、コレットは涙を浮かべて必死に哀願しようとした。
しかしそうした彼女の言葉はまるで聞こえていないとでも言う様に、コングマンは馬乗りのまま己の行為を続けた。
術を唱えようとしても、口と両手を塞がれた状態で、
眼前に繰り広げられる恐ろしい光景を前に、まともな言葉を紡ぐことはできなかった。。
コレットは震えた。震えて、自分でも何を言ってるいるのか理解できずに、ただ呻いた。
拘束から逃れようともがきながら、コレットは涙を浮かべて必死に哀願しようとした。
しかしそうした彼女の言葉はまるで聞こえていないとでも言う様に、コングマンは馬乗りのまま己の行為を続けた。
術を唱えようとしても、口と両手を塞がれた状態で、
眼前に繰り広げられる恐ろしい光景を前に、まともな言葉を紡ぐことはできなかった。。
コレットは震えた。震えて、自分でも何を言ってるいるのか理解できずに、ただ呻いた。
いつの間にかクレスはピクリとも動かなくなっていた。
ただ、ぐしゃっと嫌な音が響くばかりであった。
ただ、ぐしゃっと嫌な音が響くばかりであった。
「・・・死んだか」
変わり果てたクレスの姿を見下ろしながら、コングマンはゆっくりと立ち上がった。
クレスの顔は、流れ出る血と腫れた肌で、端整な顔は今やまともでなく紅かった。
コングマンは立ち上がり、しかし足取りがふらついていた。流れる血が床に落ちた。
やがて彼は狂気の笑みを浮かべて笑い出した。
「・・・は、はは、はっはっはっは!!俺様が、最強よぉ!!!」
薄暗い拷問部屋で、ただコングマンは笑い、コレットは泣き、クレスは動かなかった。
変わり果てたクレスの姿を見下ろしながら、コングマンはゆっくりと立ち上がった。
クレスの顔は、流れ出る血と腫れた肌で、端整な顔は今やまともでなく紅かった。
コングマンは立ち上がり、しかし足取りがふらついていた。流れる血が床に落ちた。
やがて彼は狂気の笑みを浮かべて笑い出した。
「・・・は、はは、はっはっはっは!!俺様が、最強よぉ!!!」
薄暗い拷問部屋で、ただコングマンは笑い、コレットは泣き、クレスは動かなかった。
【コングマン 生存確認】
状態:HP1/10、右肩貫通 左大腿裂傷 左手の甲貫通、刺し傷(出血) 左腕に切傷 脇腹に刺し傷 背中に切傷 全身に小さな切傷 全身に痺れ
サディスティック 狂気
所持品:レアガントレット セレスティマント 手枷の鍵
第一行動方針:闘志のある者と闘い、倒す(強弱不問)
第二行動方針:コレットを虐めて愉しむ
第三行動方針:出会った相手は倒す
現在位置:E2のイーツ城地下拷問部屋
状態:HP1/10、右肩貫通 左大腿裂傷 左手の甲貫通、刺し傷(出血) 左腕に切傷 脇腹に刺し傷 背中に切傷 全身に小さな切傷 全身に痺れ
サディスティック 狂気
所持品:レアガントレット セレスティマント 手枷の鍵
第一行動方針:闘志のある者と闘い、倒す(強弱不問)
第二行動方針:コレットを虐めて愉しむ
第三行動方針:出会った相手は倒す
現在位置:E2のイーツ城地下拷問部屋
【コレット 生存確認】
状態:TP半分、右肩に銃創(止血)、発熱、座り込み両手上げて手枷で拘束 口に布の詰め物 大疲労 深い悲しみと絶望
所持品:なし(コングマンにより鞄ごと没収)
第一行動方針:取り敢えず生き残る
第二行動方針:クレスを守る
第三行動方針:仲間(Sキャラ及びクレスとサレ)との合流
現在位置:E2のイーツ城地下拷問部屋
状態:TP半分、右肩に銃創(止血)、発熱、座り込み両手上げて手枷で拘束 口に布の詰め物 大疲労 深い悲しみと絶望
所持品:なし(コングマンにより鞄ごと没収)
第一行動方針:取り敢えず生き残る
第二行動方針:クレスを守る
第三行動方針:仲間(Sキャラ及びクレスとサレ)との合流
現在位置:E2のイーツ城地下拷問部屋
【クレス 生存確認】
状態:瀕死 意識不明 顔面殴打 顔の腫れ 鼻から出血 口から出血 左手に銃創(出血)、TP消費(中)
所持品:ダマスクスソード バクショウダケ 忍刀血桜
第一行動方針:コレットを救い出す
第二行動方針:ミント、アーチェ、モリスンと合流
第三行動方針:サレと合流
第四行動方針:仲間と最後まで生き残る
現在位置:E2のイーツ城地下拷問部屋
状態:瀕死 意識不明 顔面殴打 顔の腫れ 鼻から出血 口から出血 左手に銃創(出血)、TP消費(中)
所持品:ダマスクスソード バクショウダケ 忍刀血桜
第一行動方針:コレットを救い出す
第二行動方針:ミント、アーチェ、モリスンと合流
第三行動方針:サレと合流
第四行動方針:仲間と最後まで生き残る
現在位置:E2のイーツ城地下拷問部屋