第二回放送
「ふむ、コングマンが倒れたか。奴は積極的な参加者だったため惜しい気もするが・・・
まぁ良いだろう。代わりに面白い物を聞かせてもらった。」
ミクトランはモニター室の椅子に座りながら、イーツ城にて繰り広げられていた戦闘の一部始終を
参加者の首輪に設置されている盗聴器を通して鑑賞していた。
現在時刻は午前六時直前、もうすぐ第二回放送の時間だ。
しかしミクトランは椅子から立ち上がろうとはしない。
彼にはいくつか、気がかりな事があった。
(この十二時間で、多くの積極的な参加者が脱落するとは予想外だ。
今はまだバルバトスと赤髪の男の二人やマシンガンの小娘、青髪の魔術師のような参加者も居るが、
このまま彼らの潰しあいが続いてしまう可能性もある。
その展開もまた捨て難いが、早い段階でそれが始まると後半は隠れるだけの穏健派ばかりが残ってしまう。
だがここで『24時間死者が出ない場合は全員の首輪を爆破』というルールが効力を発揮する。
流石の穏健派も・・・いや、穏健派だからこそ「仲間」を守るの為に「仲間」を殺すという
大きな矛盾を行わなくてはならなくなる。
結局参加者は首輪がある限り、殺し合いからは避ける事は出来ない。そう・・・首輪がある限りは・・。)
まぁ良いだろう。代わりに面白い物を聞かせてもらった。」
ミクトランはモニター室の椅子に座りながら、イーツ城にて繰り広げられていた戦闘の一部始終を
参加者の首輪に設置されている盗聴器を通して鑑賞していた。
現在時刻は午前六時直前、もうすぐ第二回放送の時間だ。
しかしミクトランは椅子から立ち上がろうとはしない。
彼にはいくつか、気がかりな事があった。
(この十二時間で、多くの積極的な参加者が脱落するとは予想外だ。
今はまだバルバトスと赤髪の男の二人やマシンガンの小娘、青髪の魔術師のような参加者も居るが、
このまま彼らの潰しあいが続いてしまう可能性もある。
その展開もまた捨て難いが、早い段階でそれが始まると後半は隠れるだけの穏健派ばかりが残ってしまう。
だがここで『24時間死者が出ない場合は全員の首輪を爆破』というルールが効力を発揮する。
流石の穏健派も・・・いや、穏健派だからこそ「仲間」を守るの為に「仲間」を殺すという
大きな矛盾を行わなくてはならなくなる。
結局参加者は首輪がある限り、殺し合いからは避ける事は出来ない。そう・・・首輪がある限りは・・。)
と、そこでミクトランは横に置いてあった参加者リストを手に取る。
(だが彼らの中に頭のキレる者が何人か居るのを確認している。体調や現在位置をモニターしている事に、
あるいは盗聴に気づいている者も居るかもしれん。これ以上首輪について詮索させないように
対策をとっておいた方が良さそうだな。)
などと考えている間に時刻は午前六時を迎えた。
盗聴器からは大人と子供が争う声が聞こえる、どうやら今も交戦中の者たちがいるようだ。
殺し合いを止めるようなマネをする気はないが、今は参加者の反応と今後の展開の方が気になっていた。
ミクトランは席を立ち、またも何処からともなくマイクを取り出して放送を始めた。
あるいは盗聴に気づいている者も居るかもしれん。これ以上首輪について詮索させないように
対策をとっておいた方が良さそうだな。)
などと考えている間に時刻は午前六時を迎えた。
盗聴器からは大人と子供が争う声が聞こえる、どうやら今も交戦中の者たちがいるようだ。
殺し合いを止めるようなマネをする気はないが、今は参加者の反応と今後の展開の方が気になっていた。
ミクトランは席を立ち、またも何処からともなくマイクを取り出して放送を始めた。
「おはよう、諸君。昨夜は良く眠れたかな?」
島全体に響き渡る皮肉の混じった声が、参加者たちに朝を告げた。
「未だ夢の中にいる者も居るかもしれないが、これから第二回放送を行う。
聞き逃した者は、各自ほかの参加者から情報を奪うなり対処したまえ。
もっとも、寝過ごしてしまった者にはこの忠告すら聞こえないだろうがな。」
しかしこの『バトルロワイアル』に参加している限り、彼らには本当の朝を迎える事
はない。来るのは更なる悪夢だけである。
島全体に響き渡る皮肉の混じった声が、参加者たちに朝を告げた。
「未だ夢の中にいる者も居るかもしれないが、これから第二回放送を行う。
聞き逃した者は、各自ほかの参加者から情報を奪うなり対処したまえ。
もっとも、寝過ごしてしまった者にはこの忠告すら聞こえないだろうがな。」
しかしこの『バトルロワイアル』に参加している限り、彼らには本当の朝を迎える事
はない。来るのは更なる悪夢だけである。
「まずは、禁止エリアだ。早く脱落者を知りたい者もいるだろうが、
こちらも重要な内容なのでよく聞くように。」
なにやら含みのある言葉に、参加者の間で不穏な空気が流れる。
「では発表する、今から三時間後の午前九時よりF8、正午よりB7
午後三時よりG5、第三回の放送がある午後六時よりB2だ。」
禁止エリアの指定場所を参加者に告げた途端、複数の声が盗聴器を通してミクトランの耳に入った。
その中には先程、奇妙な暗号めいた言葉を羅列していた連中の声も混じっている。
スクリーンを見ると禁止エリアに指定したB2とB7、G5には数個の光点が表示されていた。
「そろそろ自分の隠れ家が禁止エリアに指定された者もいるだろう。禁止エリアに踏み込んだ者は
例外なく首輪を爆破される。死にたくなければ設置時間までに動く事だ。」
前回の放送では聞けなかった禁止エリアへの反応が余程嬉しいらしい。
ミクトランは笑いを堪えるように放送を続ける。
こちらも重要な内容なのでよく聞くように。」
なにやら含みのある言葉に、参加者の間で不穏な空気が流れる。
「では発表する、今から三時間後の午前九時よりF8、正午よりB7
午後三時よりG5、第三回の放送がある午後六時よりB2だ。」
禁止エリアの指定場所を参加者に告げた途端、複数の声が盗聴器を通してミクトランの耳に入った。
その中には先程、奇妙な暗号めいた言葉を羅列していた連中の声も混じっている。
スクリーンを見ると禁止エリアに指定したB2とB7、G5には数個の光点が表示されていた。
「そろそろ自分の隠れ家が禁止エリアに指定された者もいるだろう。禁止エリアに踏み込んだ者は
例外なく首輪を爆破される。死にたくなければ設置時間までに動く事だ。」
前回の放送では聞けなかった禁止エリアへの反応が余程嬉しいらしい。
ミクトランは笑いを堪えるように放送を続ける。
「それでは脱落者の発表だ。第一回放送から今までに死亡したのは・・・」
禁止エリアの事で騒いでいた連中も含め、ほとんどの参加者が無言になりミクトランの次の言葉を待った。
「マリー・エージェント、マイティ・コングマン、ロニ・デュナミス、ゼロス・ワイルダー、藤林しいな
ジーニアス・セイジ、ポプラ、カッシェル、ソロン、ヴェイグ・・・おっと、彼はまだ『死者』ではなかったなw
以上の九名だ。」
ミクトランがわざとらしく訂正をするが、他の参加者の中には『ヴェイグ』という名の誰かが
死者と大して変わらない状態であること悟っている者も居るだろう。
しかし、大半の参加者は脱落者の発表に動揺しているようだ。
その証拠に盗聴器からの反応は、先ほどの禁止エリアの発表とは比べ物にならないものであった。
「残りは36人、夜ということもあり前回放送時より脱落者が減少すると私は予想していたのだが、杞憂だったな。
どうやらこの『バトルロワイアル』の主旨を理解してくれている参加者が少なからずいるようだ。
彼らのような良き理解者の存在は、主催者である私としても嬉しい限りである。今後も存分に楽しんでくれたまえ。
そして未だ仲間との合流・脱出などという無粋な目的で行動している者にも当然、このゲームを楽しむ権利がある。
今からでも遅くはない、他の参加者と殺し合い早くゲームの醍醐味を味わってくれ。・・・それでは放送を終わる。」
禁止エリアの事で騒いでいた連中も含め、ほとんどの参加者が無言になりミクトランの次の言葉を待った。
「マリー・エージェント、マイティ・コングマン、ロニ・デュナミス、ゼロス・ワイルダー、藤林しいな
ジーニアス・セイジ、ポプラ、カッシェル、ソロン、ヴェイグ・・・おっと、彼はまだ『死者』ではなかったなw
以上の九名だ。」
ミクトランがわざとらしく訂正をするが、他の参加者の中には『ヴェイグ』という名の誰かが
死者と大して変わらない状態であること悟っている者も居るだろう。
しかし、大半の参加者は脱落者の発表に動揺しているようだ。
その証拠に盗聴器からの反応は、先ほどの禁止エリアの発表とは比べ物にならないものであった。
「残りは36人、夜ということもあり前回放送時より脱落者が減少すると私は予想していたのだが、杞憂だったな。
どうやらこの『バトルロワイアル』の主旨を理解してくれている参加者が少なからずいるようだ。
彼らのような良き理解者の存在は、主催者である私としても嬉しい限りである。今後も存分に楽しんでくれたまえ。
そして未だ仲間との合流・脱出などという無粋な目的で行動している者にも当然、このゲームを楽しむ権利がある。
今からでも遅くはない、他の参加者と殺し合い早くゲームの醍醐味を味わってくれ。・・・それでは放送を終わる。」
放送を終えたミクトランは、今後の事を想像した。
隠れ家が禁止エリアとなってしまう者は当然、新たなる隠れ家を求めて動く。
その道中に他の参加者と遭遇し戦闘が始まる。
新たな隠れ家にたどり着いたとしても、既に他の参加者が潜伏してた為に戦闘が始まる。
その事を予想して、事前に隠れ家となりそうな場所で待ち伏せをする者も出てくるだろう。
同じ事を考えて、別の待ち伏せを狙う者と戦闘が始まる事もある。
あえて設置時間前の禁止エリアへ進む者もいるだろう。
そこでやはり同じ事を考えた者と遭遇し戦闘が始まる事もあるだろう。
そのまま双方の決着がつかないまま禁止エリアの設置時間が来て・・・・。
その道中に他の参加者と遭遇し戦闘が始まる。
新たな隠れ家にたどり着いたとしても、既に他の参加者が潜伏してた為に戦闘が始まる。
その事を予想して、事前に隠れ家となりそうな場所で待ち伏せをする者も出てくるだろう。
同じ事を考えて、別の待ち伏せを狙う者と戦闘が始まる事もある。
あえて設置時間前の禁止エリアへ進む者もいるだろう。
そこでやはり同じ事を考えた者と遭遇し戦闘が始まる事もあるだろう。
そのまま双方の決着がつかないまま禁止エリアの設置時間が来て・・・・。
今回の放送でゲームの流れが変わるのは明白だった。