かつて英雄と呼ばれた男
それにしても一体自分はどのくらい岩に埋れていたのだろうか。
洞窟の中なので環境的判断は出来ない。外は真っ暗なのか明るいのかすらか判らない。
そこで、とハロルドと訣別したスタンは洞窟を歩きながらザックに入っている時計を取り出し時刻を確認する。
「朝の5時半!?そんなに生き埋めになってたのか・・・」
我ながらタフだなと思い、時計をしまう。
ハロルドと行動を別としたスタンは出口へと向かった。
未だに少年への無念やハロルドへの怒りは収まっていない。だが、いつまでもここにいては仕方が無い。
そう判断したスタンはミントを連れて洞窟を後にする。
洞窟の中なので環境的判断は出来ない。外は真っ暗なのか明るいのかすらか判らない。
そこで、とハロルドと訣別したスタンは洞窟を歩きながらザックに入っている時計を取り出し時刻を確認する。
「朝の5時半!?そんなに生き埋めになってたのか・・・」
我ながらタフだなと思い、時計をしまう。
ハロルドと行動を別としたスタンは出口へと向かった。
未だに少年への無念やハロルドへの怒りは収まっていない。だが、いつまでもここにいては仕方が無い。
そう判断したスタンはミントを連れて洞窟を後にする。
- つもりだったのだが。
「ミントがいない・・・」
確かに通路横に寝かせておいたハズなのに今は忽然とその姿を消していた。
「目が覚めて一人でどこかへ行ったとか・・・いや、あの子の性格からしてたぶんそれはない・・・じゃあどこに・・・」
一人ごちてその場でうろうろするスタン。
と、その足を急に止め、「まさか・・・」と声を縮める。
「誰かに連れ去られた・・・とか」
独り言に一人頷くスタン。だがそうとなればこんなことをしている場合ではない。
「うわヤバイ!もしかしたらもうすでに・・・」
バルバトス、マグニスと交戦してから結構な時間は経過している。ミントがいつ連れ去られたかは判らないが、もう充分遠くへ行ってしまってはいるだろう。
だがしかし、こんなことでスタンはめげなかった。
「待ってろミント!今助けに行ってやる!」
そう叫ぶやいなや高速で出口に向けて走り出す。交戦はしたがそうたいした傷もないので支障はなかったようだ。
確かに通路横に寝かせておいたハズなのに今は忽然とその姿を消していた。
「目が覚めて一人でどこかへ行ったとか・・・いや、あの子の性格からしてたぶんそれはない・・・じゃあどこに・・・」
一人ごちてその場でうろうろするスタン。
と、その足を急に止め、「まさか・・・」と声を縮める。
「誰かに連れ去られた・・・とか」
独り言に一人頷くスタン。だがそうとなればこんなことをしている場合ではない。
「うわヤバイ!もしかしたらもうすでに・・・」
バルバトス、マグニスと交戦してから結構な時間は経過している。ミントがいつ連れ去られたかは判らないが、もう充分遠くへ行ってしまってはいるだろう。
だがしかし、こんなことでスタンはめげなかった。
「待ってろミント!今助けに行ってやる!」
そう叫ぶやいなや高速で出口に向けて走り出す。交戦はしたがそうたいした傷もないので支障はなかったようだ。
そうして出口に着いた途端にその放送は始まった。
息が乱れてはいたが一先ず出口付近にある木に腰をおろし、その放送を聞く。
そして、また一人、スタンの知る人物がこのゲームの犠牲者となっていることを知った。
「マリー・・・さん」
うつ伏せる。あまりの驚愕に立つことが出来ない。
また一人大切な仲間を死なせてしまった。その精神に与えられたダメージは底測れない。
「何が世界を救った英雄だ・・・結局俺は、助けてやれてないじゃないか・・・」
洞窟での出来事を思い出す。あの少年もみすみす見殺しにしてしまったのだ。こんな自分が偉大であるはずが無い。
全てを諦めかけた。その時―――
息が乱れてはいたが一先ず出口付近にある木に腰をおろし、その放送を聞く。
そして、また一人、スタンの知る人物がこのゲームの犠牲者となっていることを知った。
「マリー・・・さん」
うつ伏せる。あまりの驚愕に立つことが出来ない。
また一人大切な仲間を死なせてしまった。その精神に与えられたダメージは底測れない。
「何が世界を救った英雄だ・・・結局俺は、助けてやれてないじゃないか・・・」
洞窟での出来事を思い出す。あの少年もみすみす見殺しにしてしまったのだ。こんな自分が偉大であるはずが無い。
全てを諦めかけた。その時―――
―――ったく情けないわね!こっちにきたら容赦しないわよ!
「うわっ!」
咄嗟に体を跳ね上げる。夢か幻か、今確かにあいつの声が聞こえたような・・・。
だとしたらなんてリアルな夢なんだ。はは、とつい笑みを零してしまった。
さっきの声の主の隣にマリーさんもいた気がする・・・そうか、なんだかんだ言ってあの二人は結局はパートナーなんだ。
「こんな姿を見せたら、きっと二人にどやされるな」
うん。きっと怒涛の怒声が破竹の勢いで降りそそってくるだろう。そんなところに顔を出すほどスタンは無謀ではない。
「よいしょ」
と親父のような掛け声とともに腰を上げ、サックに入った地図を取り出す。
まだ助けることのできる人がいる限り、動かないといけない。
別に英雄になろうとは思わなかった自分に英雄と言う称号を世界がくれたんだ。
だったらそれに報わなければ世界に申し訳ない。
「ミントを助けないと・・・」
徐に地図を広げるスタンはこの近くにある一つの町へと目にとまる。
だが、さっきの放送でここは禁止区域に指定されていたハズだと思い出し、さすがに犯人もそこまでバカではないだろうと考え行路を変える。
「この城が一番近いかな・・・」
言って地図をしまう。行き先は決まったようだ。
「待ってろよミント・・・今助けに行ってやるからな」
地図をしまい足を動かす。そして心の中で想う。
ありがとう、ルーティ。マリーさん。俺もうちょっと頑張ってみるよ。
その顔はこの晴天の空に似つかわしいほどさわやかなものだった。
咄嗟に体を跳ね上げる。夢か幻か、今確かにあいつの声が聞こえたような・・・。
だとしたらなんてリアルな夢なんだ。はは、とつい笑みを零してしまった。
さっきの声の主の隣にマリーさんもいた気がする・・・そうか、なんだかんだ言ってあの二人は結局はパートナーなんだ。
「こんな姿を見せたら、きっと二人にどやされるな」
うん。きっと怒涛の怒声が破竹の勢いで降りそそってくるだろう。そんなところに顔を出すほどスタンは無謀ではない。
「よいしょ」
と親父のような掛け声とともに腰を上げ、サックに入った地図を取り出す。
まだ助けることのできる人がいる限り、動かないといけない。
別に英雄になろうとは思わなかった自分に英雄と言う称号を世界がくれたんだ。
だったらそれに報わなければ世界に申し訳ない。
「ミントを助けないと・・・」
徐に地図を広げるスタンはこの近くにある一つの町へと目にとまる。
だが、さっきの放送でここは禁止区域に指定されていたハズだと思い出し、さすがに犯人もそこまでバカではないだろうと考え行路を変える。
「この城が一番近いかな・・・」
言って地図をしまう。行き先は決まったようだ。
「待ってろよミント・・・今助けに行ってやるからな」
地図をしまい足を動かす。そして心の中で想う。
ありがとう、ルーティ。マリーさん。俺もうちょっと頑張ってみるよ。
その顔はこの晴天の空に似つかわしいほどさわやかなものだった。
「そういえば・・・」
マリーの名前に気を取られすぎて一人の聞き覚えのある男の名前を聞き逃していたスタンは、やはりその男の名前を思い出せないでいた。
「なんだろう、何か変なひっかかりが」
頭にひっかかる男の存在。必死になって記憶を絞り込もうとする。
少なくともこのバトロワ内では結構な戦跡と活躍を見せたその男の存在―――コングマンだったが、スタンの耳にも目にもはいっていないので今は亡きコングマンの勇姿はスタンにとって
「ま、いっか」
との言葉と一緒に片付けられるモノでしかなかった。
スタンに変わってコングマンよ、永遠に。
「さ~て!そんじゃ行きますか!」
一人でのものすごい杞憂に振り回され、ミントをさらった誘拐犯を追うためスタンは北へと進んだ。
マリーの名前に気を取られすぎて一人の聞き覚えのある男の名前を聞き逃していたスタンは、やはりその男の名前を思い出せないでいた。
「なんだろう、何か変なひっかかりが」
頭にひっかかる男の存在。必死になって記憶を絞り込もうとする。
少なくともこのバトロワ内では結構な戦跡と活躍を見せたその男の存在―――コングマンだったが、スタンの耳にも目にもはいっていないので今は亡きコングマンの勇姿はスタンにとって
「ま、いっか」
との言葉と一緒に片付けられるモノでしかなかった。
スタンに変わってコングマンよ、永遠に。
「さ~て!そんじゃ行きますか!」
一人でのものすごい杞憂に振り回され、ミントをさらった誘拐犯を追うためスタンは北へと進んだ。
【スタン 生存確認】
状態:軽い損傷
所持品:ディフェンサー ガーネット 釣り糸(残り少ない)
第一行動方針:ミントの救出
第二行動方針:仲間と合流
現在地:G3平原→E2城へ
状態:軽い損傷
所持品:ディフェンサー ガーネット 釣り糸(残り少ない)
第一行動方針:ミントの救出
第二行動方針:仲間と合流
現在地:G3平原→E2城へ