閃光のもたらすもの【side one】
「あぁ・・・なんてこと」
その輝きは偏にして鮮やか。
だがそれに込められた思いは、無常にも一人の少女に向けられたもの。
ミトスとダオスが向かった森林地帯の少し奥のところから発せられる二つの閃光。
茂みが多く木々が邪魔をし、その姿は確認できないではいたが、白い輝きはまさしくミトスの輝き。
マーテルはただ涙を零す。一人の少女を救えなかったことを。
あの子は独りになってしまい、自分を見失っていただけ。誰かが手を差し伸べられば、あの子の閉じた心を開くことが出来たのかもしれない。
だが今となってはその願いも無祐。あの輝く閃光の威力はいやでも知ってしまっている。
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
ただただ涙を流し、独りの少女へと謝る。たとえ自分を傷つけた相手でも、マーテルはその子を助けたかったのだ。
「マーテルさん・・・」
隣でマリアンはその光景を見る。
この人は何て優しく、何て慈悲深き方なのだろう。自分を危機に追い遣った相手の為に、こんなに涙を流せられるだろうか。
マリアンもただその顔は驚くしかない。閃光の煌きはこうごうと増し、やがてその余韻を残して少しずつ収まっていく。
すると後ろの叢からガサガサと音がした。誰かいるようだ。
二人は一瞬固まり、ゆっくりとその方向を見やる。
音が大きくなっていく。段々近づいてくる。
「―――っ!」
無意識にマリアンはマーテルの前に立つ。
「マリアン・・・さん」
相当疲れているはずなのに、マリアンは立ちはだかる。
この人を死なせてはいけない。この人はおそらく、この世界に必要な存在なんだ。
その一心で彼女は叢を向く。もうそこまで来ている。
私には力がないけど、誰かを守りたい。
そう思った瞬間、
『待って!』
アトワイトが叫ぶ。少し驚くマリアンだが、その言葉の意味はすぐわかった。
その輝きは偏にして鮮やか。
だがそれに込められた思いは、無常にも一人の少女に向けられたもの。
ミトスとダオスが向かった森林地帯の少し奥のところから発せられる二つの閃光。
茂みが多く木々が邪魔をし、その姿は確認できないではいたが、白い輝きはまさしくミトスの輝き。
マーテルはただ涙を零す。一人の少女を救えなかったことを。
あの子は独りになってしまい、自分を見失っていただけ。誰かが手を差し伸べられば、あの子の閉じた心を開くことが出来たのかもしれない。
だが今となってはその願いも無祐。あの輝く閃光の威力はいやでも知ってしまっている。
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
ただただ涙を流し、独りの少女へと謝る。たとえ自分を傷つけた相手でも、マーテルはその子を助けたかったのだ。
「マーテルさん・・・」
隣でマリアンはその光景を見る。
この人は何て優しく、何て慈悲深き方なのだろう。自分を危機に追い遣った相手の為に、こんなに涙を流せられるだろうか。
マリアンもただその顔は驚くしかない。閃光の煌きはこうごうと増し、やがてその余韻を残して少しずつ収まっていく。
すると後ろの叢からガサガサと音がした。誰かいるようだ。
二人は一瞬固まり、ゆっくりとその方向を見やる。
音が大きくなっていく。段々近づいてくる。
「―――っ!」
無意識にマリアンはマーテルの前に立つ。
「マリアン・・・さん」
相当疲れているはずなのに、マリアンは立ちはだかる。
この人を死なせてはいけない。この人はおそらく、この世界に必要な存在なんだ。
その一心で彼女は叢を向く。もうそこまで来ている。
私には力がないけど、誰かを守りたい。
そう思った瞬間、
『待って!』
アトワイトが叫ぶ。少し驚くマリアンだが、その言葉の意味はすぐわかった。
「マリアン!!」
叢から出てきたのは、全身が土まみれで血まみれになっていたリオンだった。
「・・・エミリオっ」
瞬間、マリアンはその場に崩れる。緊張の糸が切れて腰を抜かした。
「怪我は無いかマリアン」
駆け寄ってマリアンに声をかける。「大丈夫」の返答にリオンは安堵の息を漏らす。
そして眼を濡らしたマーテルのほうを向く。
「さっきの銃の音は貴様か」
マーテルを睨むリオン。だがその質問にもアトワイトが制止する。
『この人は恩人よ。そう睨みつけるのは無礼というものだわ』
『アトワイト。無事で何よりだ』
別の剣が声を発する。炎の素を与えられし剣、ディムロスのものだった。
アトワイトは返事はしなかったが、それだけでディムロスには何らかの意志が通じたようだ。
『坊ちゃん』
「判っている」
残りのソーディアン、シャルティエが声をかけるのと同時にリオンの視線はマリアンへと戻る。
しかし、マリアンの眼に映るはその血によって真っ赤に染まったリオンの服。
「その血は・・・」
驚いて失神しそうになるマリアンだったが、
「コレは僕の血じゃない。返り血・・・」
言って、目が見開く。マリアンは口に手をやり今にも泣きそうになっている。
そうだ・・・僕は彼女の前で・・・
リオンはそのときの光景を思い出す。自分が自分ではなかったとき。いや、もしかしたらアレが本当の自分だったのではないか。
頭が真っ白になる。見られたんだ。彼女に・・・僕は・・・。
叢から出てきたのは、全身が土まみれで血まみれになっていたリオンだった。
「・・・エミリオっ」
瞬間、マリアンはその場に崩れる。緊張の糸が切れて腰を抜かした。
「怪我は無いかマリアン」
駆け寄ってマリアンに声をかける。「大丈夫」の返答にリオンは安堵の息を漏らす。
そして眼を濡らしたマーテルのほうを向く。
「さっきの銃の音は貴様か」
マーテルを睨むリオン。だがその質問にもアトワイトが制止する。
『この人は恩人よ。そう睨みつけるのは無礼というものだわ』
『アトワイト。無事で何よりだ』
別の剣が声を発する。炎の素を与えられし剣、ディムロスのものだった。
アトワイトは返事はしなかったが、それだけでディムロスには何らかの意志が通じたようだ。
『坊ちゃん』
「判っている」
残りのソーディアン、シャルティエが声をかけるのと同時にリオンの視線はマリアンへと戻る。
しかし、マリアンの眼に映るはその血によって真っ赤に染まったリオンの服。
「その血は・・・」
驚いて失神しそうになるマリアンだったが、
「コレは僕の血じゃない。返り血・・・」
言って、目が見開く。マリアンは口に手をやり今にも泣きそうになっている。
そうだ・・・僕は彼女の前で・・・
リオンはそのときの光景を思い出す。自分が自分ではなかったとき。いや、もしかしたらアレが本当の自分だったのではないか。
頭が真っ白になる。見られたんだ。彼女に・・・僕は・・・。
マリアンがリオンの手の上に手を重ねる。
それだけで、リオンの心は満たされた。
決して許されるべきではないと、業を背負うべきなのだと、判ってはいた。
だが、この重なる彼女の手が、その思考を止める。
マリアンはリオンの顔を見つめると、ふるふると顔を振る。
それだけで、リオンの心は満たされた。
決して許されるべきではないと、業を背負うべきなのだと、判ってはいた。
だが、この重なる彼女の手が、その思考を止める。
マリアンはリオンの顔を見つめると、ふるふると顔を振る。
もう、泣かないでいいから―――。
マリアンは泣きながらその言葉をリオンに捧げた。
マリアンは泣きながらその言葉をリオンに捧げた。
「マリアン・・・」
リオンは一度、顔を下げる。すぐに顔を上げたその瞳は、何かを決めた、そんな光をもっていた。
彼女は僕が守る。絶対に・・・。
隣でマーテルは目に涙を溜めながら、手をあわせて二人に祈りを捧げた。
リオンは一度、顔を下げる。すぐに顔を上げたその瞳は、何かを決めた、そんな光をもっていた。
彼女は僕が守る。絶対に・・・。
隣でマーテルは目に涙を溜めながら、手をあわせて二人に祈りを捧げた。
『ソロンの名前が出ていたわ。あなたがあの子と一緒にいるということは・・・』
『ああ。あの殺人者はリオンがやった』
『それはそれはとても華麗だったよ』
『それにしても、マリーが・・・』
アトワイトは落胆する。共に歩んできた相棒を二人も失ってしまった。
だがここでめげていては軍人の名がすたる。アトワイトの輝きが一層増したような気がした。
ディムロスも黙認でそれを確認した。
地面に置かれたソーディアン達が話し合っている間、こちらも行動を決めなければならない。
「お願い、あの人を守ってあげて」
マリアンの願いは強いものだとリオンは察した。マリアンの頼みとあらば仕方がない。
「私はここであの二人を待たなければなりません」
そのマーテルの願いがそうなのだから必然的にここでその二人とやらを待たなければならない。
「さっきの光は何だ。尋常なものではなかった」
リオンの問いには誰も口が開かない。
リオンはその返答を放棄し、訝しげに光が放たれていた方向を見つめた。
森林地帯はやけに静かだった。
それはまるで、嵐の前の静けさと言わんばかりの―――。
『ああ。あの殺人者はリオンがやった』
『それはそれはとても華麗だったよ』
『それにしても、マリーが・・・』
アトワイトは落胆する。共に歩んできた相棒を二人も失ってしまった。
だがここでめげていては軍人の名がすたる。アトワイトの輝きが一層増したような気がした。
ディムロスも黙認でそれを確認した。
地面に置かれたソーディアン達が話し合っている間、こちらも行動を決めなければならない。
「お願い、あの人を守ってあげて」
マリアンの願いは強いものだとリオンは察した。マリアンの頼みとあらば仕方がない。
「私はここであの二人を待たなければなりません」
そのマーテルの願いがそうなのだから必然的にここでその二人とやらを待たなければならない。
「さっきの光は何だ。尋常なものではなかった」
リオンの問いには誰も口が開かない。
リオンはその返答を放棄し、訝しげに光が放たれていた方向を見つめた。
森林地帯はやけに静かだった。
それはまるで、嵐の前の静けさと言わんばかりの―――。
【リオン 生存確認】
状態:極度の疲労 睡眠 全身に軽い火傷 上半身に軽い凍傷 腹部に痛み 右腕に刀傷 肩に刺し傷
所持品:シャルティエ ディムロス 手榴弾×1 簡易レーダー
第一行動方針:マリアンを守り抜く
第二行動方針:マーテルを守る
現在地:B7の森
状態:極度の疲労 睡眠 全身に軽い火傷 上半身に軽い凍傷 腹部に痛み 右腕に刀傷 肩に刺し傷
所持品:シャルティエ ディムロス 手榴弾×1 簡易レーダー
第一行動方針:マリアンを守り抜く
第二行動方針:マーテルを守る
現在地:B7の森
【マーテル 生存確認】
所持品:双眼鏡 アクアマント
状態:悲哀
第一行動方針:ダオス、ミトスの期間を待つ
第二行動方針:ダオス達と行動
第二行動方針:ユアン、クラトスとの合流
現在位置:B7の森
所持品:双眼鏡 アクアマント
状態:悲哀
第一行動方針:ダオス、ミトスの期間を待つ
第二行動方針:ダオス達と行動
第二行動方針:ユアン、クラトスとの合流
現在位置:B7の森
【マリアン 生存確認】
所持品:アトワイト スペクタクルズ×13
状態: 疲労 TP微消耗
第一行動方針:眠って頭を整理する
第二行動方針:アトワイトの提案した作戦を実行する
現在位置:B7の森
所持品:アトワイト スペクタクルズ×13
状態: 疲労 TP微消耗
第一行動方針:眠って頭を整理する
第二行動方針:アトワイトの提案した作戦を実行する
現在位置:B7の森