舞台上の踊り子たち
一通り自分の考えをリッドに伝えたあと、今度は本当に寝ようとキールはソファへ向かった。
しかしそれは難しい顔をしたリッドによって阻まれた。
首をかしげる仕草だけで、どうかしたのかと問う。
それを見たリッドはもう一度先ほどの紙へ何やら書き始めた。
とても読みやすいとは言えない文字をキールは目で追う。
『俺たちが盗聴されてるってさっき言ったよな。どうしてわかるんだ?
まさかこの塔に何か仕掛けられてるってのか?』
読み終えて顔を上げると、澄んだ青色の瞳がこちらを見ていた。
そうか、それも説明しておかなければならないな。
『この塔にはおかしな仕掛けなんて見当たらなかった』
ペンを握る細い手が、リッドよりは幾分整った文字を紙の上に連ねていく。
『リッド、先の放送でミクトランが言ったことを覚えているか?』
思い出すような仕草をしながらリッドは頷く。
『ヴェイヴという人物は「まだ」死んでいない。
つまり、ほとんど死に近い状態であると言ったんだ。これは分かるな?』
ふんふんとリッドは素直にキールの言葉を飲み込む。
『ということは、ミクトランは何らかの方法で参加者の状態を知ることができるはずだ。
参加者一人ひとりの正確な情報を、な』
『そんなことできるのか?』
『最初の放送で気づくべきだった。
どうやってミクトランは参加者の生死を判断しているのか…。
島全体に情報を取得するための装置を仕掛けるという手も考えられるが、
それでは装置が壊れてしまう可能性もある。激しい戦闘でな』
島では幾度と無く戦闘が起こっている。この塔から見えた凄まじいエネルギーもそうだ。
あのような力に耐えられる程の装置を島全体に仕掛けるのは難しいだろう。
『それよりも、もっと簡単で確実な方法がある』
しかしそれは難しい顔をしたリッドによって阻まれた。
首をかしげる仕草だけで、どうかしたのかと問う。
それを見たリッドはもう一度先ほどの紙へ何やら書き始めた。
とても読みやすいとは言えない文字をキールは目で追う。
『俺たちが盗聴されてるってさっき言ったよな。どうしてわかるんだ?
まさかこの塔に何か仕掛けられてるってのか?』
読み終えて顔を上げると、澄んだ青色の瞳がこちらを見ていた。
そうか、それも説明しておかなければならないな。
『この塔にはおかしな仕掛けなんて見当たらなかった』
ペンを握る細い手が、リッドよりは幾分整った文字を紙の上に連ねていく。
『リッド、先の放送でミクトランが言ったことを覚えているか?』
思い出すような仕草をしながらリッドは頷く。
『ヴェイヴという人物は「まだ」死んでいない。
つまり、ほとんど死に近い状態であると言ったんだ。これは分かるな?』
ふんふんとリッドは素直にキールの言葉を飲み込む。
『ということは、ミクトランは何らかの方法で参加者の状態を知ることができるはずだ。
参加者一人ひとりの正確な情報を、な』
『そんなことできるのか?』
『最初の放送で気づくべきだった。
どうやってミクトランは参加者の生死を判断しているのか…。
島全体に情報を取得するための装置を仕掛けるという手も考えられるが、
それでは装置が壊れてしまう可能性もある。激しい戦闘でな』
島では幾度と無く戦闘が起こっている。この塔から見えた凄まじいエネルギーもそうだ。
あのような力に耐えられる程の装置を島全体に仕掛けるのは難しいだろう。
『それよりも、もっと簡単で確実な方法がある』
キールは体を起こすと、ペンを持ったままの手でそれを示した。
彼が示すそれはリッドの身体にも存在している。
ぎくりとして、リッドは両手を首元へやった。まさか…。
『そうだ。ミクトランは僕たちを脅すためだけに首輪をつけたわけじゃない』
苦々しく息を吐き、その続きを綴る。
『この首輪は僕たちの行動を常に監視している。
参加者の位置が筒に抜けになっているのもそのせいだ』
リッドの息を呑む音が聞こえた。首輪の存在が二人に重くのしかかる。
『でも、分かるのは身体の状態と位置だけかもしれないだろ?』
『そうかもしれないが、逆に盗聴されている可能性を考えたって何もおかしくない。
むしろその可能性のほうが高いと思う。
ミクトランはこのゲームを楽しんでいるからな。
僕たちのやり取りを聞いてほくそ笑んでいることだろう。
それにゲームを阻害したり、脱出しようとたりする参加者を特定することもできる』
『なんとかしてこいつを外せないのかよ!』
『構造が分からない以上、危険な真似はしたくない。
無理やり外そうして爆発しましたじゃ元も子もないしな』
『くそ、俺たちは完全にあいつの掌の上だってのか!』
リッドは拳を机に叩きつけようとして、なんとかそれを抑えつけた。
ミクトランには自分たちが今休んでいることになっているのだ。
『僕たちはなんとかしてミクトランの目を誤魔化さなければならない。
僕たちの目的はここからの脱出なんだからな。
この塔を出てからは慎重に行動してくれ』
彼が示すそれはリッドの身体にも存在している。
ぎくりとして、リッドは両手を首元へやった。まさか…。
『そうだ。ミクトランは僕たちを脅すためだけに首輪をつけたわけじゃない』
苦々しく息を吐き、その続きを綴る。
『この首輪は僕たちの行動を常に監視している。
参加者の位置が筒に抜けになっているのもそのせいだ』
リッドの息を呑む音が聞こえた。首輪の存在が二人に重くのしかかる。
『でも、分かるのは身体の状態と位置だけかもしれないだろ?』
『そうかもしれないが、逆に盗聴されている可能性を考えたって何もおかしくない。
むしろその可能性のほうが高いと思う。
ミクトランはこのゲームを楽しんでいるからな。
僕たちのやり取りを聞いてほくそ笑んでいることだろう。
それにゲームを阻害したり、脱出しようとたりする参加者を特定することもできる』
『なんとかしてこいつを外せないのかよ!』
『構造が分からない以上、危険な真似はしたくない。
無理やり外そうして爆発しましたじゃ元も子もないしな』
『くそ、俺たちは完全にあいつの掌の上だってのか!』
リッドは拳を机に叩きつけようとして、なんとかそれを抑えつけた。
ミクトランには自分たちが今休んでいることになっているのだ。
『僕たちはなんとかしてミクトランの目を誤魔化さなければならない。
僕たちの目的はここからの脱出なんだからな。
この塔を出てからは慎重に行動してくれ』
最後にそう書くとキールは静かに席を立った。
これから何が起こるかわからないのだ。少しでも体力を温存しておきたい。
ソファへと向かう後姿をリッドはぼんやりと眺めていた。
これから何が起こるかわからないのだ。少しでも体力を温存しておきたい。
ソファへと向かう後姿をリッドはぼんやりと眺めていた。
ふいにこの島のどこかに居るであろうファラのことが気にかかった。
幸い、その名はまだ呼ばれていない。
無事で居てくれているだろうか…。
幸い、その名はまだ呼ばれていない。
無事で居てくれているだろうか…。
【リッド・ハーシェル 生存確認】
状態:背中に刀傷(9割回復)
所持品:ムメイブレード、エルヴンマント
基本行動方針:キールと共に行動。ファラ、メルディと合流し、脱出法を探し出す。
第一行動方針:ミクトランに見つからない様に脱出方法を模索
レンズが気になる
第二行動方針:できれば危険人物を排除する。(ただし逃げを優先する)
現在位置:B2の塔 一階の部屋
状態:背中に刀傷(9割回復)
所持品:ムメイブレード、エルヴンマント
基本行動方針:キールと共に行動。ファラ、メルディと合流し、脱出法を探し出す。
第一行動方針:ミクトランに見つからない様に脱出方法を模索
レンズが気になる
第二行動方針:できれば危険人物を排除する。(ただし逃げを優先する)
現在位置:B2の塔 一階の部屋
【キール・ツァイベル 生存確認】
状態:全身打撲(回復中 現在9割回復)
所持品:ベレット、ホーリィリング
基本行動方針:リッドと共に行動。ファラ、メルディと合流し、脱出法を探し出す。
第一行動方針:レンズの存在を特定する
現在位置:B2の塔 一階の部屋
状態:全身打撲(回復中 現在9割回復)
所持品:ベレット、ホーリィリング
基本行動方針:リッドと共に行動。ファラ、メルディと合流し、脱出法を探し出す。
第一行動方針:レンズの存在を特定する
現在位置:B2の塔 一階の部屋