運命を分かつ炎
「決戦の時は来た」
ユアンが冷静に言った。静まり返る室内。グリッドは前方から迫り来る牛の様な異形を監視している。
プリムラとカトリーヌは荷物をまとめ、真剣そのものの目でユアンを見る。
「いいか、今回はこちらにも半端ではない危険が伴う。逃げ遅れてこちらが煙に巻き込まれたら元も子もない。
急いで町をでたら北上しよう。
幸い、先ほどの放送でC3村に向かう者は多いだろう。運が良ければきっと敵にも会わない。
しかし、とくにカトリーヌ」
「…は、はい!」
名指しで呼ばれ、はカトリーヌ急いで返事をする。
「お前は極度の方向音痴だ。必ず先頭を走るなんて思わず、プリムラやグリッドに続け。
そしてみんなは決して後ろを振り向くな。とにかく逃げ切る事に専心するんだ。
仮に何かあるとすれば……私がなんとか足止めをする」
しかしそれに反発したのはグリッドだった。
「しかしお前一人では!!」
「大丈夫だ。私もただの怪物相手ならば生き延びる自信がある」
どこまでも冷静なユアン。
しかし一言一言に己の実力と頭脳に確かな自負があり、それは恐らく戦闘レベルでは最低であろう三人を勇気付けた。
「とりあえず手短に確認を行う。
ブーツなどは装備したな?逃げる時の要となる。
忘れ物もないか?
あと、火を直ぐに広めるための油もまいてあるな?」
するとグリッドが叫ぶ。
「あいつが町の広場まで入ったぞ!!」
ユアンの眼が一層厳しくなった。
「放火作戦、開始する」
ユアンが冷静に言った。静まり返る室内。グリッドは前方から迫り来る牛の様な異形を監視している。
プリムラとカトリーヌは荷物をまとめ、真剣そのものの目でユアンを見る。
「いいか、今回はこちらにも半端ではない危険が伴う。逃げ遅れてこちらが煙に巻き込まれたら元も子もない。
急いで町をでたら北上しよう。
幸い、先ほどの放送でC3村に向かう者は多いだろう。運が良ければきっと敵にも会わない。
しかし、とくにカトリーヌ」
「…は、はい!」
名指しで呼ばれ、はカトリーヌ急いで返事をする。
「お前は極度の方向音痴だ。必ず先頭を走るなんて思わず、プリムラやグリッドに続け。
そしてみんなは決して後ろを振り向くな。とにかく逃げ切る事に専心するんだ。
仮に何かあるとすれば……私がなんとか足止めをする」
しかしそれに反発したのはグリッドだった。
「しかしお前一人では!!」
「大丈夫だ。私もただの怪物相手ならば生き延びる自信がある」
どこまでも冷静なユアン。
しかし一言一言に己の実力と頭脳に確かな自負があり、それは恐らく戦闘レベルでは最低であろう三人を勇気付けた。
「とりあえず手短に確認を行う。
ブーツなどは装備したな?逃げる時の要となる。
忘れ物もないか?
あと、火を直ぐに広めるための油もまいてあるな?」
するとグリッドが叫ぶ。
「あいつが町の広場まで入ったぞ!!」
ユアンの眼が一層厳しくなった。
「放火作戦、開始する」
そんな事はつゆ知らず、トーマとミミーはずんずんと町の中を歩いて行った。
「おい」
「なんだパン?」
「この町にいいものがあるといいな」
トーマが笑顔で背後のミミーに訪ねる。
「そうパン!こんな大きな町ならきっと大きな釜があるパン!もっと美味しいパンも焼けるパン!牛さんは何を食べたいパン?」
「そうだな…ミートパイ…とかは肉がねえから駄目か。任せるぜ。お前の料理は何でも最高に旨いからな!」
ミミーがこの上ない笑顔でトーマに答える。
「じゃあミミー特製のキッシュを焼くパン!きっと牛さんも驚くパン!」
「キッシュ…?何かよくわからんが、期待しているぜ!」
トーマもさらに笑顔で答えた。
この二人にはこの町がとても素晴らしいものに見えた。
早く、宿屋などに入って一緒にお茶をしよう。そしていろんな話をするのだ。
「おい」
「なんだパン?」
「この町にいいものがあるといいな」
トーマが笑顔で背後のミミーに訪ねる。
「そうパン!こんな大きな町ならきっと大きな釜があるパン!もっと美味しいパンも焼けるパン!牛さんは何を食べたいパン?」
「そうだな…ミートパイ…とかは肉がねえから駄目か。任せるぜ。お前の料理は何でも最高に旨いからな!」
ミミーがこの上ない笑顔でトーマに答える。
「じゃあミミー特製のキッシュを焼くパン!きっと牛さんも驚くパン!」
「キッシュ…?何かよくわからんが、期待しているぜ!」
トーマもさらに笑顔で答えた。
この二人にはこの町がとても素晴らしいものに見えた。
早く、宿屋などに入って一緒にお茶をしよう。そしていろんな話をするのだ。
ここがバトルロワイアルの会場なんて事は二人には関係なかった。
例え、喧嘩をしてもフライパンで叩かれようとも、二人でいるのは楽しかった。
特にトーマに至っては今までで初めての、ヒューマの友達だった。今までヒューマに蔑まれていた思い出が遠い昔の記憶だったのではないかと思ってしまうくらいだった。
この少女は(彼は当然ミミーが二十歳を越えているなんて事は知らない)無償の友情をガジュマの自分に注いでくれるのだ。
しかし現実の闇色の刃は確実に彼らに向いていった。
例え、喧嘩をしてもフライパンで叩かれようとも、二人でいるのは楽しかった。
特にトーマに至っては今までで初めての、ヒューマの友達だった。今までヒューマに蔑まれていた思い出が遠い昔の記憶だったのではないかと思ってしまうくらいだった。
この少女は(彼は当然ミミーが二十歳を越えているなんて事は知らない)無償の友情をガジュマの自分に注いでくれるのだ。
しかし現実の闇色の刃は確実に彼らに向いていった。
歩いていたトーマの足が止まった。町の異変に気付いたのだ。
ガジュマの発達した耳がぴくっと動く。
「(逃げる足音…?二、三人か…?)
ちょっとミミー、下がっていろ」
トーマは彼女に注意を促した。
「誰かいるパンか?ミミーにはわからないパン」
「いや…数人いる…間違いねえ…」
警戒してトーマがじり、と構える。
目つきが一気に険しくなった。
ガジュマの発達した耳がぴくっと動く。
「(逃げる足音…?二、三人か…?)
ちょっとミミー、下がっていろ」
トーマは彼女に注意を促した。
「誰かいるパンか?ミミーにはわからないパン」
「いや…数人いる…間違いねえ…」
警戒してトーマがじり、と構える。
目つきが一気に険しくなった。
―――その時だった。
ドッと剛烈な音が町中に一気に響く。
「なっ…!!」
「牛さん!炎が…!」
目の前に炎の柱が立ち上がる。
どんどん町を覆ってゆく。
通常では考えられない程の火の回りだった。
ユアンがいたのは宿屋の屋上の死角だった。
容赦なく建物を焼き払ってゆく。
トーマからはその姿が見えなかったため、まるで独りでに町が炎に包まれたかのような光景だった。
「ど、どうなっているんだ!!能力者か!?」
トーマが迫り来る炎を磁のフォルスでこちらに来ない様に炎の軌道を歪めながら叫ぶ。
ドッと剛烈な音が町中に一気に響く。
「なっ…!!」
「牛さん!炎が…!」
目の前に炎の柱が立ち上がる。
どんどん町を覆ってゆく。
通常では考えられない程の火の回りだった。
ユアンがいたのは宿屋の屋上の死角だった。
容赦なく建物を焼き払ってゆく。
トーマからはその姿が見えなかったため、まるで独りでに町が炎に包まれたかのような光景だった。
「ど、どうなっているんだ!!能力者か!?」
トーマが迫り来る炎を磁のフォルスでこちらに来ない様に炎の軌道を歪めながら叫ぶ。
「牛さん!!左!!」
「何!?」
「何!?」
猛る炎が一気に家屋に回り、崩れた壁がトーマをめがけて倒れてきた―――。
【グリッド 生存確認】
状態:ほぼ健康 後頭部に打撲痕
所持品:無し
基本行動方針:生き延びる。
行動方針:漆黒の翼のリーダーとして行動。
第一行動方針:町から脱出
状態:ほぼ健康 後頭部に打撲痕
所持品:無し
基本行動方針:生き延びる。
行動方針:漆黒の翼のリーダーとして行動。
第一行動方針:町から脱出
【ユアン 生存確認】
状態:健康 TP1/3消費
所持品:占いの本、エナジーブレット、フェアリィリング、ミスティブルーム
基本行動方針:仲間と共に脱出。ミクトランを信用していない。
第一行動方針:作戦の遂行
第二行動方針:漆黒の翼を生き残らせる
第三行動方針:漆黒の翼の一員として行動。仲間捜し。
状態:健康 TP1/3消費
所持品:占いの本、エナジーブレット、フェアリィリング、ミスティブルーム
基本行動方針:仲間と共に脱出。ミクトランを信用していない。
第一行動方針:作戦の遂行
第二行動方針:漆黒の翼を生き残らせる
第三行動方針:漆黒の翼の一員として行動。仲間捜し。
【プリムラ・ロッソ 生存確認】
状態:健康 軽いパニック状態
所持品:セイファートキー、ソーサラーリング、チャームボトルの瓶、ナイトメアブーツ、エナジーブレット
基本行動方針:仲間と共に脱出。ミクトランを磔にして島流し決定。
第一行動方針:街から脱出
第二行動方針:出来ればC3行きを提案
状態:健康 軽いパニック状態
所持品:セイファートキー、ソーサラーリング、チャームボトルの瓶、ナイトメアブーツ、エナジーブレット
基本行動方針:仲間と共に脱出。ミクトランを磔にして島流し決定。
第一行動方針:街から脱出
第二行動方針:出来ればC3行きを提案
【カトリーヌ 生存確認】
状態:健康 動揺
所持品:マジックミスト、ジェットブーツ、エナジーブレット×2、ロープ数本、C・ケイジ
基本行動方針:帰りたい。生き延びる。
第一行動方針:町から脱出
状態:健康 動揺
所持品:マジックミスト、ジェットブーツ、エナジーブレット×2、ロープ数本、C・ケイジ
基本行動方針:帰りたい。生き延びる。
第一行動方針:町から脱出
【ミミー・ブレッド 生存確認】
状態:健康 混乱
所持品:ウィングパック×2 イクストリーム 金のフライパン マジカルポーチ ペルシャブーツ クィッキー
第一行動方針:炎の対処
第二行動方針:街で食料調達
第三行動方針:トーマにキッシュをつくる
状態:健康 混乱
所持品:ウィングパック×2 イクストリーム 金のフライパン マジカルポーチ ペルシャブーツ クィッキー
第一行動方針:炎の対処
第二行動方針:街で食料調達
第三行動方針:トーマにキッシュをつくる
【トーマ 生存確認】
状態:健康 混乱
所持品:メガグランチャー ライフボトル
基本行動方針:ミミーを守りぬく
第一行動方針:炎の対処
第二行動方針:ミミーのキッシュを食べる
状態:健康 混乱
所持品:メガグランチャー ライフボトル
基本行動方針:ミミーを守りぬく
第一行動方針:炎の対処
第二行動方針:ミミーのキッシュを食べる
現在位置:G5の町