邪なる依代
「…ロイド、少し、待ってな」
そうロイドを呼び止めたのはメルディだった。
「そうか、疲れたよな、結構急ぎ足だったし」
ロイドはメルディを気遣い、立ち止まる。
やっと橋に差し掛かった所だった。目指すC3村まではまだ距離がある。ここで少し休憩しようとロイドは提案した。
「…はいな、ごめんなロイド」
「あんまり…ほら、色々と無理するなよ」
メルディはロイドと歩いている途中、色々な事が頭を駆け巡っていた。
このゲームが開始されてからは様々な事が起きた。
沢山の人が死んだ。
自分も女の子と戦った。
常に死が隣り合わせにある。
そしてファラは。ファラは無事なのだろうか。
何よりも恐ろしかったのはメルディがまだ実際にその眼で人が死ぬ所を見ていないことにある。
自分の知らぬ、気づかぬ所のどこかで血が流れている。自分が笑っているその瞬間、確実に屍の山が築かれていっている。
そう、今こうして息をしている瞬間にもきっと。
自分は血の入り混じった空気で呼吸をしている。
肺が見えない死の文字に埋め尽くされてゆくようだ。
メルディの中では不安が増大していった。
考え深げにメルディが眼を伏せる。ロイドもその様子に掛ける言葉が見つからなかった。安易に大丈夫だと声を掛けても現実が違っていたら?放送のファラの様子はロイドにも厳しいものだというのが分かったからこそだった。
ロイドはメルディの横に座って口を閉ざすしかなかった。
そうロイドを呼び止めたのはメルディだった。
「そうか、疲れたよな、結構急ぎ足だったし」
ロイドはメルディを気遣い、立ち止まる。
やっと橋に差し掛かった所だった。目指すC3村まではまだ距離がある。ここで少し休憩しようとロイドは提案した。
「…はいな、ごめんなロイド」
「あんまり…ほら、色々と無理するなよ」
メルディはロイドと歩いている途中、色々な事が頭を駆け巡っていた。
このゲームが開始されてからは様々な事が起きた。
沢山の人が死んだ。
自分も女の子と戦った。
常に死が隣り合わせにある。
そしてファラは。ファラは無事なのだろうか。
何よりも恐ろしかったのはメルディがまだ実際にその眼で人が死ぬ所を見ていないことにある。
自分の知らぬ、気づかぬ所のどこかで血が流れている。自分が笑っているその瞬間、確実に屍の山が築かれていっている。
そう、今こうして息をしている瞬間にもきっと。
自分は血の入り混じった空気で呼吸をしている。
肺が見えない死の文字に埋め尽くされてゆくようだ。
メルディの中では不安が増大していった。
考え深げにメルディが眼を伏せる。ロイドもその様子に掛ける言葉が見つからなかった。安易に大丈夫だと声を掛けても現実が違っていたら?放送のファラの様子はロイドにも厳しいものだというのが分かったからこそだった。
ロイドはメルディの横に座って口を閉ざすしかなかった。
暫くの時間が過ぎ、ロイドは立ち上がった。
「行こうか、メルディ」
そう言って手を差し出した。
しかし。
「行こうか、メルディ」
そう言って手を差し出した。
しかし。
「やだあ!!」
メルディはその手を声を上げて振り払った。
「メルディ!?」
いきなりの行動にロイドは驚く。
そしてその目で見た。
メルディの足元から黒い霧の様なものがにじみ出てくるのを。
「ど、どうしたんだ!?」
メルディは立ち上がり、目に涙を溜めて叫んだ。
「やだ、メルディ怖いよ!
もし…もしファラが死…」
「わからないだろ、そんな事!」
ロイドも望まぬ結果を口にしようとするメルディの言葉を遮るように、叫ぶ。
「やだ、怖い、メルディは苦しむファラも見たくないよ!」
メルディの脳裏にアイメンの悲劇がよぎる。
みんな、死んでいった。
交わり自分の胸にダイレクトに響く慟哭。
しかもこのゲームでは自分の知っている人までその手を血に濡らしているのかもしれない。
「だから助けにいくんだろ、ファラって子はお前に呼びかけていたんだ。絶対にファラに会いにいかなきゃ…」
「メルディもそう思たよ!!だけど…」
足元の霧がどんどん濃くなり、メルディの体を上っていった。
まるで負の感情がメルディに迫ってくるかのように。
メルディをそれが喰らい尽くしてゆく。
「ヒアデスも死んだ…ロイドの友達も何人か死んだ。
もうこのゲームおかしいよ!」
悲壮な声。ひどく混乱している。
「ああそうだ!だけどファラはそれを止めようと頑張っている。
だからこそ村まで行かなきゃいけないんだ!」
メルディの目からぼろぼろと涙がこぼれだし、体が次第に震えてくる。
メルディはその手を声を上げて振り払った。
「メルディ!?」
いきなりの行動にロイドは驚く。
そしてその目で見た。
メルディの足元から黒い霧の様なものがにじみ出てくるのを。
「ど、どうしたんだ!?」
メルディは立ち上がり、目に涙を溜めて叫んだ。
「やだ、メルディ怖いよ!
もし…もしファラが死…」
「わからないだろ、そんな事!」
ロイドも望まぬ結果を口にしようとするメルディの言葉を遮るように、叫ぶ。
「やだ、怖い、メルディは苦しむファラも見たくないよ!」
メルディの脳裏にアイメンの悲劇がよぎる。
みんな、死んでいった。
交わり自分の胸にダイレクトに響く慟哭。
しかもこのゲームでは自分の知っている人までその手を血に濡らしているのかもしれない。
「だから助けにいくんだろ、ファラって子はお前に呼びかけていたんだ。絶対にファラに会いにいかなきゃ…」
「メルディもそう思たよ!!だけど…」
足元の霧がどんどん濃くなり、メルディの体を上っていった。
まるで負の感情がメルディに迫ってくるかのように。
メルディをそれが喰らい尽くしてゆく。
「ヒアデスも死んだ…ロイドの友達も何人か死んだ。
もうこのゲームおかしいよ!」
悲壮な声。ひどく混乱している。
「ああそうだ!だけどファラはそれを止めようと頑張っている。
だからこそ村まで行かなきゃいけないんだ!」
メルディの目からぼろぼろと涙がこぼれだし、体が次第に震えてくる。
そして黒い霧は更に溢れてきた。
まるで邪悪なものでできたようなそれを、ロイドは直感的にまずいと判断した。今のメルディの状態はこの霧が巻き起こしていると、そう感じた。
「とりあえず、落ち着こう、もう少し休もうか、メルディ」
メルディを落ち着かせようとロイドが頭に手をやろうとしたその時
「触らないでえ!」
再びその手を振り払い、走り出した。
「ど、どうしちゃったんだよ!」
黒い霧はメルディを完全に覆っていた。まるでメルディの嘆きの感情に呼応するように。
「メルディ…苦しいよ。だいぶ、怖いよ。
きっと…みんな死んじゃう。ファラも、メルディも、ロイドも」
「そんなこと言うな!メルディは俺が守る!
ファラだってまだ間に合うかもしれない!」
橋の上で両者が叫び合う。それは吹き抜ける強い風にも浚われることはなかった。
「でも沢山死んでるよ!
あのね、メルディの中でネレイド言ってるよ。もう無駄かもしれないからって。ファラ見たらきっとメルディ駄目になっちゃう。本当だって、分かっちゃう」
「ネレイド…?」
メルディが遠くからでも分かるほどの悲しそうな顔で言う。
「うん…、メルディの中の強くて、怖い力。メルディに沢山酷いこと言ってる」
「そんな声聞いちゃ駄目だ!」
ロイドはメルディに駆け寄ろうとした。
「こないで!」
メルディはロイドを制止した。
いつものにこやかに笑っているメルディとはかけ離れた様子にロイドはそれ以上近付く事は出来なかった。
「すごく、すごく恐ろしいよ。メルディもいつか、殺されちゃう。誰かに、殺されちゃう。
ファラも生きてても、殺されちゃう」
悲痛なメルディの言葉。ロイドは拳を握り締めた。
「俺がそんなことさせない!」
違う。
ロイドだって怖いのだ。
自分のいつもいた仲間は現にこのゲームに殺された。
「だけどっ…!」
握り締めた拳に更に力が入る。
「俺達は生きなきゃいけないんだ!
俺も、死にたくない!元の世界で待っている人が沢山いる!こんなゲームで殺し合いなんて馬鹿馬鹿しいんだ!お前だってそうだろメルディ!!
ファラだってそう思っているからあんな必死に呼びかけたんだ!この会場の奴らにも、メルディ、お前にも生きて欲しいから!!」
「ロイド……」
メルディはその言葉に暫く口を閉ざした。
まるで邪悪なものでできたようなそれを、ロイドは直感的にまずいと判断した。今のメルディの状態はこの霧が巻き起こしていると、そう感じた。
「とりあえず、落ち着こう、もう少し休もうか、メルディ」
メルディを落ち着かせようとロイドが頭に手をやろうとしたその時
「触らないでえ!」
再びその手を振り払い、走り出した。
「ど、どうしちゃったんだよ!」
黒い霧はメルディを完全に覆っていた。まるでメルディの嘆きの感情に呼応するように。
「メルディ…苦しいよ。だいぶ、怖いよ。
きっと…みんな死んじゃう。ファラも、メルディも、ロイドも」
「そんなこと言うな!メルディは俺が守る!
ファラだってまだ間に合うかもしれない!」
橋の上で両者が叫び合う。それは吹き抜ける強い風にも浚われることはなかった。
「でも沢山死んでるよ!
あのね、メルディの中でネレイド言ってるよ。もう無駄かもしれないからって。ファラ見たらきっとメルディ駄目になっちゃう。本当だって、分かっちゃう」
「ネレイド…?」
メルディが遠くからでも分かるほどの悲しそうな顔で言う。
「うん…、メルディの中の強くて、怖い力。メルディに沢山酷いこと言ってる」
「そんな声聞いちゃ駄目だ!」
ロイドはメルディに駆け寄ろうとした。
「こないで!」
メルディはロイドを制止した。
いつものにこやかに笑っているメルディとはかけ離れた様子にロイドはそれ以上近付く事は出来なかった。
「すごく、すごく恐ろしいよ。メルディもいつか、殺されちゃう。誰かに、殺されちゃう。
ファラも生きてても、殺されちゃう」
悲痛なメルディの言葉。ロイドは拳を握り締めた。
「俺がそんなことさせない!」
違う。
ロイドだって怖いのだ。
自分のいつもいた仲間は現にこのゲームに殺された。
「だけどっ…!」
握り締めた拳に更に力が入る。
「俺達は生きなきゃいけないんだ!
俺も、死にたくない!元の世界で待っている人が沢山いる!こんなゲームで殺し合いなんて馬鹿馬鹿しいんだ!お前だってそうだろメルディ!!
ファラだってそう思っているからあんな必死に呼びかけたんだ!この会場の奴らにも、メルディ、お前にも生きて欲しいから!!」
「ロイド……」
メルディはその言葉に暫く口を閉ざした。
みんな生きて帰れる?
きっとファラも無事か?
きっと…?
メルディの黒い霧が少しずつおさまってゆく。
「だから…、少し休んだら行くぞ。きっと、ファラも待っていてくれるはずだ」
「…本当に?」
ロイドは少しリッド達に似ていると思った。
きっと自分が苦しんでいたら手を差し伸べてくれる。
こんな自分にも優しくしてくれる。
メルディのなかのあったかいおもいでのひとつ。
必死なロイドに胸が暖かくなっていった。
メルディの表情に明かりが灯しだした。
すると―――
きっとファラも無事か?
きっと…?
メルディの黒い霧が少しずつおさまってゆく。
「だから…、少し休んだら行くぞ。きっと、ファラも待っていてくれるはずだ」
「…本当に?」
ロイドは少しリッド達に似ていると思った。
きっと自分が苦しんでいたら手を差し伸べてくれる。
こんな自分にも優しくしてくれる。
メルディのなかのあったかいおもいでのひとつ。
必死なロイドに胸が暖かくなっていった。
メルディの表情に明かりが灯しだした。
すると―――
『それはまやかしだ』
「!!?」
メルディの顔が一気に青ざめた。
「メルディ!?」
ロイドはその様子に声を上げる。
「やだ…、こないで…」
内なる声がメルディを唆す様に、甘く、そして残酷に囁きかける。
『我にその身を委ねよ。
誰もが死ぬ。誰もがだ。
お前も分かっているはずだ。
非力な人間は、いずれ死ぬ』
「違う…、違うよ」
メルディが両耳を押さえてうずくまった。
沈静化してきたはずの黒い霧が更に湧き出てくる。
「メルディ…一人で何を…ネレイドって奴か!?」
再びロイドは駆け寄ろうとする。
「駄目!きちゃ駄目!!」
俯いたままメルディは止めた。
『辛いだろう、苦しいだろう。
我ならばお前を救う事ができる』
はあ、はあ、とメルディの息が荒くなる。
寒気が体を支配する。震えが止まらない。心臓がどんどん氷に覆われてゆくようだ。
メルディの繊細な心を、闇が貪る。
『馬鹿なぬくもりに身を預けるのはよせ。それはお前を守ってなどくれない。そうだろう?そうやってそれをあてにしていたが為にお前はまた悲しむ』
ネレイドの言葉ひとつひとつが、メルディに灯ったはずの暖かさをかき消してゆく。
そして心の深淵を執拗に掘り返していった。
怒り、悲しみ、憎しみ、嘆き、絶望
みるみる内にメルディの心までもを霧が覆っていった。
「!!?」
メルディの顔が一気に青ざめた。
「メルディ!?」
ロイドはその様子に声を上げる。
「やだ…、こないで…」
内なる声がメルディを唆す様に、甘く、そして残酷に囁きかける。
『我にその身を委ねよ。
誰もが死ぬ。誰もがだ。
お前も分かっているはずだ。
非力な人間は、いずれ死ぬ』
「違う…、違うよ」
メルディが両耳を押さえてうずくまった。
沈静化してきたはずの黒い霧が更に湧き出てくる。
「メルディ…一人で何を…ネレイドって奴か!?」
再びロイドは駆け寄ろうとする。
「駄目!きちゃ駄目!!」
俯いたままメルディは止めた。
『辛いだろう、苦しいだろう。
我ならばお前を救う事ができる』
はあ、はあ、とメルディの息が荒くなる。
寒気が体を支配する。震えが止まらない。心臓がどんどん氷に覆われてゆくようだ。
メルディの繊細な心を、闇が貪る。
『馬鹿なぬくもりに身を預けるのはよせ。それはお前を守ってなどくれない。そうだろう?そうやってそれをあてにしていたが為にお前はまた悲しむ』
ネレイドの言葉ひとつひとつが、メルディに灯ったはずの暖かさをかき消してゆく。
そして心の深淵を執拗に掘り返していった。
怒り、悲しみ、憎しみ、嘆き、絶望
みるみる内にメルディの心までもを霧が覆っていった。
暫しメルディは無言になった。
「大丈夫か、メルディ」
ロイドが駆け寄った。
「大丈夫か、メルディ」
ロイドが駆け寄った。
「あのな、ロイド」
メルディがゆっくり立ち上がりながらロイドに語り掛ける。
随分と落ち着いた声だった。しかし霧は止むところはない。
それでもロイドは一見冷静さを取り戻した様子のメルディに少し安堵を覚える。
「なんだ、メルディ」
メルディが少しだけ笑った。しかしどこか悲しげな笑顔。
メルディは袋からあるものを取り出した。
それは手のひらに収まるほどの石の欠片の様だった。
日の光を乱反射してきらきらと光る、美しい石だった。
「これのせいでメルディの中、変な声するよ。メルディを食べていっちゃう。
でも捨てれなかった。
どうしてかわかるか?」
「どうしてって…」
メルディは手の上の石をそっと両手で握り締めた。
「メルディ、怖かったよ。このゲーム。
ネレイド大きくて、悪いもの。メルディ呑み込んじゃう。
だけどな…、メルディ悪い子だよ。
捨てれなかったのは、それでもネレイドをどこか心強く思ってたよ」
胸元で、石を抱き締めた。
「それって…」
メルディはロイドと目を合わせることなく話を続ける。
「ネレイド、怖い。でもゲームずっとずっと怖い。
メルディ逃げてたよ。ネレイドは悪いけど強いから、この石と一緒にいると守ってくれるみたいで少しほっとした」
メルディがゆっくり立ち上がりながらロイドに語り掛ける。
随分と落ち着いた声だった。しかし霧は止むところはない。
それでもロイドは一見冷静さを取り戻した様子のメルディに少し安堵を覚える。
「なんだ、メルディ」
メルディが少しだけ笑った。しかしどこか悲しげな笑顔。
メルディは袋からあるものを取り出した。
それは手のひらに収まるほどの石の欠片の様だった。
日の光を乱反射してきらきらと光る、美しい石だった。
「これのせいでメルディの中、変な声するよ。メルディを食べていっちゃう。
でも捨てれなかった。
どうしてかわかるか?」
「どうしてって…」
メルディは手の上の石をそっと両手で握り締めた。
「メルディ、怖かったよ。このゲーム。
ネレイド大きくて、悪いもの。メルディ呑み込んじゃう。
だけどな…、メルディ悪い子だよ。
捨てれなかったのは、それでもネレイドをどこか心強く思ってたよ」
胸元で、石を抱き締めた。
「それって…」
メルディはロイドと目を合わせることなく話を続ける。
「ネレイド、怖い。でもゲームずっとずっと怖い。
メルディ逃げてたよ。ネレイドは悪いけど強いから、この石と一緒にいると守ってくれるみたいで少しほっとした」
『我だけがお前を守ることができる』
メルディは顔を上げた。
ロイドを見た。
霧が顔までも覆い、表情までもは分からなかった。
だが闇の間からはっきりと見えたその眼は
ロイドを見た。
霧が顔までも覆い、表情までもは分からなかった。
だが闇の間からはっきりと見えたその眼は
別れを告げているようで。
消え入りそうな声でぽつりと呟く。
「ごめんな…ロイド。
メルディ、ネレイドに…負けちゃったよ」
メルディ、ネレイドに…負けちゃったよ」
ドッ!と黒い霧が一気に勢いよく吹き出した。
「メルディ!!」
ロイドはとっさに木刀を構えるが、霧の奔流に吹き飛ばされる。
「うわあ!!!」
そのまま橋の欄干の上を体が越える。
下は、海だ。
「くっ…!」
とっさに左腕をのばし、なんとか橋の床の縁に手を掛けてぶら下がる。
しかし
目の前にはメルディの姿があった。
ロイドを見下げるその目は、残酷な邪神そのものだった。
何がおきた?
何が?
何が?
ロイドには吹き飛ばされ、人が変わったような邪な力を身に纏うメルディを見てもなお、状況が飲み込めなかった。
「メルディ!!」
ロイドはとっさに木刀を構えるが、霧の奔流に吹き飛ばされる。
「うわあ!!!」
そのまま橋の欄干の上を体が越える。
下は、海だ。
「くっ…!」
とっさに左腕をのばし、なんとか橋の床の縁に手を掛けてぶら下がる。
しかし
目の前にはメルディの姿があった。
ロイドを見下げるその目は、残酷な邪神そのものだった。
何がおきた?
何が?
何が?
ロイドには吹き飛ばされ、人が変わったような邪な力を身に纏うメルディを見てもなお、状況が飲み込めなかった。
「なんだ、あれは!?」
丁度その橋に差し掛かった者達がいた。
金髪の青年と少年。萌葱の髪の女性。
黒いまがまがしい気に覆われた少女が映る。
そしてその足元の橋から今にも落ちそうな少年。
端から見るとどの様な状況なのか、理解するには簡単な構図だった。
両者の顔が険しくなる。
「仕方がない。あまり時間はないが…いくぞ、ミトス」
「当然だよ!」
ダオスとミトスは少女に向かって駆けて行った。
丁度その橋に差し掛かった者達がいた。
金髪の青年と少年。萌葱の髪の女性。
黒いまがまがしい気に覆われた少女が映る。
そしてその足元の橋から今にも落ちそうな少年。
端から見るとどの様な状況なのか、理解するには簡単な構図だった。
両者の顔が険しくなる。
「仕方がない。あまり時間はないが…いくぞ、ミトス」
「当然だよ!」
ダオスとミトスは少女に向かって駆けて行った。
【ダオス 生存確認】
所持品:エメラルドリング
状態:TP3/5消費
第一行動方針:メルディを退ける(状況によっては殺す)
第二行動方針:マーテルを守る
第三行動方針:マーテルと行動
第四行動方針:打開策を考える
第五行動方針:敵は殺す
現在位置:B5橋の上
【ミトス 生存確認】
所持品:ロングソード 邪剣ファフニール アトワイト ????
状態:後頭部に打撲、足に軽裂傷、TPを微消費
第一行動方針:ロイドを助ける
第二行動方針:マーテルを守る
第三行動方針:マーテルと行動
第四行動方針:打開策を考える
第五行動方針:クラトスとの合流
現在位置:B5橋の上
【マーテル 生存確認】
所持品:双眼鏡 アクアマント
状態:悲哀
第一行動方針:ロイドを助ける
第二行動方針:ダオス達と行動
第三行動方針:ユアン、クラトスとの合流
現在位置:B5橋の上
所持品:エメラルドリング
状態:TP3/5消費
第一行動方針:メルディを退ける(状況によっては殺す)
第二行動方針:マーテルを守る
第三行動方針:マーテルと行動
第四行動方針:打開策を考える
第五行動方針:敵は殺す
現在位置:B5橋の上
【ミトス 生存確認】
所持品:ロングソード 邪剣ファフニール アトワイト ????
状態:後頭部に打撲、足に軽裂傷、TPを微消費
第一行動方針:ロイドを助ける
第二行動方針:マーテルを守る
第三行動方針:マーテルと行動
第四行動方針:打開策を考える
第五行動方針:クラトスとの合流
現在位置:B5橋の上
【マーテル 生存確認】
所持品:双眼鏡 アクアマント
状態:悲哀
第一行動方針:ロイドを助ける
第二行動方針:ダオス達と行動
第三行動方針:ユアン、クラトスとの合流
現在位置:B5橋の上
【ロイド:生存確認】
状態:健康
所持品:ウッドブレード(自作)、トレカ、カードキー
基本行動方針:皆(Sの仲間及び協力してくれる仲間)で生きて帰る
第一行動方針:メルディを説得する
第二行動方針:シースリ村に向かう
第三行動方針:協力してくれる仲間を探す
第四行動方針:メルディと行動
現在地:B5橋の上
状態:健康
所持品:ウッドブレード(自作)、トレカ、カードキー
基本行動方針:皆(Sの仲間及び協力してくれる仲間)で生きて帰る
第一行動方針:メルディを説得する
第二行動方針:シースリ村に向かう
第三行動方針:協力してくれる仲間を探す
第四行動方針:メルディと行動
現在地:B5橋の上
【メルディ 生存確認】
状態:ネレイドの干渉
所持品:スカウトオーブ、リバヴィウス鉱
行動方針:ネレイドに操られている
現在地:B5橋の上
状態:ネレイドの干渉
所持品:スカウトオーブ、リバヴィウス鉱
行動方針:ネレイドに操られている
現在地:B5橋の上