男がこの殺意と殺戮の大地に変わるであろう、その場所で最初に見た人の力…
それは癒しの光であった。
それは癒しの光であった。
男は草原をゆっくり歩いていった。
黒いタイトな服に、美しい金の刺繍が施された上質そうな外套。
しかしそのような服装であろうとも全く浮くことのない、整った容姿をした者だった。マントをしているからこそ細身に見えるが鍛え上げられた長身の肉体。金の刺繍よりも男自身の長く波打つ金髪が主張的に輝く。
そう、例えるなら覇王の風格───
その男はそういった雰囲気を宿していた。
黒いタイトな服に、美しい金の刺繍が施された上質そうな外套。
しかしそのような服装であろうとも全く浮くことのない、整った容姿をした者だった。マントをしているからこそ細身に見えるが鍛え上げられた長身の肉体。金の刺繍よりも男自身の長く波打つ金髪が主張的に輝く。
そう、例えるなら覇王の風格───
その男はそういった雰囲気を宿していた。
(全く…我ながら愚かな事だ…このような事態に陥るとは)
しかし、ミクトランに捕らえられた時点で反抗する事は不可能であった。奴に仕向けた攻撃が自分に跳ね返ってきてしまったことがそれを証明している。
体中に無数に付けられた傷が痛む。
それでもプライドの高い彼にそれを認めることはできなかった。
(私にはやらねばならぬことがあるというのに…何ということだ)
緊張で緩む事のない眉間に更に皺が寄る。
(殺し合いか…私怨の無い者を手に掛けるのは気が進まないが仕方のない事か…)
ひとつ、溜め息を吐いた。
しかし、ミクトランに捕らえられた時点で反抗する事は不可能であった。奴に仕向けた攻撃が自分に跳ね返ってきてしまったことがそれを証明している。
体中に無数に付けられた傷が痛む。
それでもプライドの高い彼にそれを認めることはできなかった。
(私にはやらねばならぬことがあるというのに…何ということだ)
緊張で緩む事のない眉間に更に皺が寄る。
(殺し合いか…私怨の無い者を手に掛けるのは気が進まないが仕方のない事か…)
ひとつ、溜め息を吐いた。
木々が揺れ、鳥が鳴く。
風は男の長髪をとぎ、花の香りが漂う。
「…いい場所だ…、この大地に元々住まう者達よ、私がこれから行う無礼を赦して欲しい」
風は男の長髪をとぎ、花の香りが漂う。
「…いい場所だ…、この大地に元々住まう者達よ、私がこれから行う無礼を赦して欲しい」
男は北に向かって歩きだした。
しかし男はここで予想することもなかった事を目の当たりにすることになる。
しかし男はここで予想することもなかった事を目の当たりにすることになる。
しばらく足を進めると海岸に二人の女性がいた。
初めて手に掛ける者が若い女子供とは。不運というべきか、いや、早くこの場から死という形でも迎えさせるのが彼女達にとっての幸福なのか。
そんなことを思いながらも躊躇はなかった。
初めて手に掛ける者が若い女子供とは。不運というべきか、いや、早くこの場から死という形でも迎えさせるのが彼女達にとっての幸福なのか。
そんなことを思いながらも躊躇はなかった。
男はゆっくり近づき、術の詠唱を始める。
しかしその女性の様子がおかしい。
倒れている少女の身を優しく膝の上に抱き、何か祈っている様子だった。淡い木漏れ日の様な優しい光が二人を包み込み、やがては少女に注がれてゆく。
海岸の周りの草花もその女性の祈りに答えるように、静かに揺れる。
「…待って頂けませんか」
男の存在に女性は気づいた。振り向かないで男に声を掛ける。
「この女の子…ひどく弱っているみたいなの…お願い、そのあと私を殺そうとも構いません。いえ、出来れば見逃して頂きたいのです。貴方に慈悲深き御心があるのならばどうか…」
男は気付くと詠唱をやめ、その光を眺めていた。
ふと見ると自分の体の傷までもが癒えている。
この光はマナのもの───
いや、それよりももっと自分の根源たる生命を呼び起こすようでもあった。
しかしその女性の様子がおかしい。
倒れている少女の身を優しく膝の上に抱き、何か祈っている様子だった。淡い木漏れ日の様な優しい光が二人を包み込み、やがては少女に注がれてゆく。
海岸の周りの草花もその女性の祈りに答えるように、静かに揺れる。
「…待って頂けませんか」
男の存在に女性は気づいた。振り向かないで男に声を掛ける。
「この女の子…ひどく弱っているみたいなの…お願い、そのあと私を殺そうとも構いません。いえ、出来れば見逃して頂きたいのです。貴方に慈悲深き御心があるのならばどうか…」
男は気付くと詠唱をやめ、その光を眺めていた。
ふと見ると自分の体の傷までもが癒えている。
この光はマナのもの───
いや、それよりももっと自分の根源たる生命を呼び起こすようでもあった。
「女、名は?」
男は女性に問いかけた。
「私の名はマーテルと申します」
女性が振り向いた。
生命をたたえた若葉の様に輝く緑の髪、聖母の如く優しさに溢れる顔。
「…───マーテル…そうか、あなたが。」
男はその場に跪いた。
そして深々と頭を下げる。
「どうか無礼を許して欲しい。私の名はダオス。」
男は女性に問いかけた。
「私の名はマーテルと申します」
女性が振り向いた。
生命をたたえた若葉の様に輝く緑の髪、聖母の如く優しさに溢れる顔。
「…───マーテル…そうか、あなたが。」
男はその場に跪いた。
そして深々と頭を下げる。
「どうか無礼を許して欲しい。私の名はダオス。」
ダオスのその意外な行動にマーテルは驚いた。
「どうかお顔を上げて下さい。そのような事をされる理由が私にはありません」
「いや、私には理由があるのだ」
ダオスは立ち上がり、マーテルの膝の上の少女を抱き上げた。
「…ここは見渡しが広くきくから危険だ。森にでも隠れよう」
ダオスはマーテルに視線を落とした。
「あなただけは何としても私が守ろう」
先程とは対極のダオスの行動にマーテルは驚きを隠せなかったが、マーテルも立ち上がる。
「なんとしても私はこのような人としての信に反することを止めさせたいのです。
人として激しく間違っています。ミクトランも…いつかこんな事を終わらせてくれると信じたいのです」
そのマーテルの眼は全ての者を愛する母神の眼であった。
しかしダオスは言う。
「…奴の名は出すな。いつ首が飛ぶか分からない。
あなたは優しすぎる。賛同をしてくれない事は承知だが、あなたを守る為なら私は手段を選ばない。覚悟しておいてほしい」
そう言うとダオスは南へと足を進めた。
「あなたは不思議な女性だ。先程攻撃をしようとしても、恐れている様子が無かった」
マーテルは少し黙ると答えた。
「貴方はきっと…恐しい男性なのでしょう。それでも私には分かるのです。
貴方は本当は…」
「よせ。今の私には似合わぬ言葉だ」
「どうかお顔を上げて下さい。そのような事をされる理由が私にはありません」
「いや、私には理由があるのだ」
ダオスは立ち上がり、マーテルの膝の上の少女を抱き上げた。
「…ここは見渡しが広くきくから危険だ。森にでも隠れよう」
ダオスはマーテルに視線を落とした。
「あなただけは何としても私が守ろう」
先程とは対極のダオスの行動にマーテルは驚きを隠せなかったが、マーテルも立ち上がる。
「なんとしても私はこのような人としての信に反することを止めさせたいのです。
人として激しく間違っています。ミクトランも…いつかこんな事を終わらせてくれると信じたいのです」
そのマーテルの眼は全ての者を愛する母神の眼であった。
しかしダオスは言う。
「…奴の名は出すな。いつ首が飛ぶか分からない。
あなたは優しすぎる。賛同をしてくれない事は承知だが、あなたを守る為なら私は手段を選ばない。覚悟しておいてほしい」
そう言うとダオスは南へと足を進めた。
「あなたは不思議な女性だ。先程攻撃をしようとしても、恐れている様子が無かった」
マーテルは少し黙ると答えた。
「貴方はきっと…恐しい男性なのでしょう。それでも私には分かるのです。
貴方は本当は…」
「よせ。今の私には似合わぬ言葉だ」
【ダオス 生存確認】
所持品:エメラルドリング
現在位置:A7の海沿い
所持品:エメラルドリング
現在位置:A7の海沿い
第一行動方針:マーテルを守る、とりあえずは身を隠す
第二行動方針:このイベントを終わらせるならどんなことも厭わない
【マーテル 生存確認】
所持品:双眼鏡 邪剣ファフニール アクアマント
現在位置:A7の海沿い
第一行動方針:ミトス、ユアン、クラトスとの合流(なるべく戦闘を避け、ミトスとの合流を最優先)
第二行動方針:このゲームをやめさせる
第三行動方針:ダオスと行動
【シャーリィ 生存確認】
所持品:???? ???? ????
現在位置:A7の海沿い
状態:潮風で気を失っているが回復中
行動方針:不明
第二行動方針:このイベントを終わらせるならどんなことも厭わない
【マーテル 生存確認】
所持品:双眼鏡 邪剣ファフニール アクアマント
現在位置:A7の海沿い
第一行動方針:ミトス、ユアン、クラトスとの合流(なるべく戦闘を避け、ミトスとの合流を最優先)
第二行動方針:このゲームをやめさせる
第三行動方針:ダオスと行動
【シャーリィ 生存確認】
所持品:???? ???? ????
現在位置:A7の海沿い
状態:潮風で気を失っているが回復中
行動方針:不明