継ぐ者 継がれる物
「うっ…痛っ!」
傷、骨の損傷が治りかけたと思ったスタンはゆっくりと立ち上がろうとする。
だが、敢え無くしてその体を崩して座り込んでしまう。
その様をコレットは別段何も感じずにただ見つめていた。
「駄目だ立てない…じっとしてたら痛くないのに…」
「それが骨折と言うものです。ですから安静にしていてくださらないと…」
スタンのぼやきにミントが返す。
先程まで治りかけていたと思っていた傷は、体勢を変えるごとに痛みを伴うということにスタンは気付いた。いや、気付かされた。
「いいですか?骨というものは人間の身体を支えるための役割の大部分を担っています」
スタンにこれ以上動いてもらわないようにミントは事の重大さを説明し出す。
その時確かに、スタンは嫌な予感がした。
「切り傷などは一般の人間において避けては通れない怪我です。ですから治癒方法も傷を治すために分泌される細胞は、比較的分泌されやすい細胞を使っています」
ミントは人差し指を一本立てて目を瞑る。
「ですから傷を治癒させる段階は僅か二段階しかありません。カサブタ、そして完治という過程がコレです。しかし骨を治すとなるとそうする為の身体のはたらきはまた違ってきます」
傷、骨の損傷が治りかけたと思ったスタンはゆっくりと立ち上がろうとする。
だが、敢え無くしてその体を崩して座り込んでしまう。
その様をコレットは別段何も感じずにただ見つめていた。
「駄目だ立てない…じっとしてたら痛くないのに…」
「それが骨折と言うものです。ですから安静にしていてくださらないと…」
スタンのぼやきにミントが返す。
先程まで治りかけていたと思っていた傷は、体勢を変えるごとに痛みを伴うということにスタンは気付いた。いや、気付かされた。
「いいですか?骨というものは人間の身体を支えるための役割の大部分を担っています」
スタンにこれ以上動いてもらわないようにミントは事の重大さを説明し出す。
その時確かに、スタンは嫌な予感がした。
「切り傷などは一般の人間において避けては通れない怪我です。ですから治癒方法も傷を治すために分泌される細胞は、比較的分泌されやすい細胞を使っています」
ミントは人差し指を一本立てて目を瞑る。
「ですから傷を治癒させる段階は僅か二段階しかありません。カサブタ、そして完治という過程がコレです。しかし骨を治すとなるとそうする為の身体のはたらきはまた違ってきます」
一息吸って今度は立てる指を二本にした。
「骨の怪我と言っても骨折や脱臼とその種類は様々です。確かにスタンさんの怪我は骨折はしているものの比較的軽い部類に入るでしょう。
ですから痛みもそんなに辛いほど感じるわけではないはずです。
ですが骨折という症状を一まとめにすると治癒過程は同じです。その段階は大きくわけて四つ。
一つは形状修正。膝なら膝、腕なら腕といった本来の形である骨の形状を細胞が形成していきます。
これのおかげで関節が逆に曲がったりすると言う異常なことは起きません。
二つ目は骨移防止。コレは複雑骨折の場合は除かれますが、欠けたりした微小な骨を外に逃がさない役割を持っています。
稀に治りかけてくると骨がくっつききれずにおかしな所に残っていたりする場合がありますが、ほとんどの人は綺麗に骨がくっついてくれます。
第三は再構成。つまり骨を治すまでの過程のことを指します。
また、骨に耐性を持たせるために丈夫にしてくれるのもこの段階での役割です。
この時点でギプスなどの固定具を装着していないと、たとえ第一段階の形状修正をもってしても微妙におかしなままくっついてしまうことになります。
スタンさんの場合はアバラで、それに症状も軽いほうなので特別な固定はいりません。ただ安静にしてくれれば。
そして最後に完治です。これでやっと人間の骨というものが治ってくれるんです」
ミントはハァとため息をついて目を開き、スタンを見る。
「解ってもらえましたでしょうか?ですからスタンさんには安静にしていてもらわない…」
と、言いかけて目を見開く。
そこにはうとうとと、今にも夢の中へと誘われそうなスタンの姿があった。
「骨の怪我と言っても骨折や脱臼とその種類は様々です。確かにスタンさんの怪我は骨折はしているものの比較的軽い部類に入るでしょう。
ですから痛みもそんなに辛いほど感じるわけではないはずです。
ですが骨折という症状を一まとめにすると治癒過程は同じです。その段階は大きくわけて四つ。
一つは形状修正。膝なら膝、腕なら腕といった本来の形である骨の形状を細胞が形成していきます。
これのおかげで関節が逆に曲がったりすると言う異常なことは起きません。
二つ目は骨移防止。コレは複雑骨折の場合は除かれますが、欠けたりした微小な骨を外に逃がさない役割を持っています。
稀に治りかけてくると骨がくっつききれずにおかしな所に残っていたりする場合がありますが、ほとんどの人は綺麗に骨がくっついてくれます。
第三は再構成。つまり骨を治すまでの過程のことを指します。
また、骨に耐性を持たせるために丈夫にしてくれるのもこの段階での役割です。
この時点でギプスなどの固定具を装着していないと、たとえ第一段階の形状修正をもってしても微妙におかしなままくっついてしまうことになります。
スタンさんの場合はアバラで、それに症状も軽いほうなので特別な固定はいりません。ただ安静にしてくれれば。
そして最後に完治です。これでやっと人間の骨というものが治ってくれるんです」
ミントはハァとため息をついて目を開き、スタンを見る。
「解ってもらえましたでしょうか?ですからスタンさんには安静にしていてもらわない…」
と、言いかけて目を見開く。
そこにはうとうとと、今にも夢の中へと誘われそうなスタンの姿があった。
これには流石に温厚なミントも思わず叫んでしまう。
「スタンさん! 聞いているんですか!」
「うぁハイっ! …あ、ゴメン、え? 何が?」
ミントは額に手をあてて嘆く。流石のミントもスタンのこの緊張のなさには少し呆れを通り越して羨ましささえ覚えた。
「…第二段階までの治りは早いんです。ですからスタンさんが治ってきたと感じているのは勘違いであり、実際はそこからが骨の治癒の本番、といったところでしょう」
ミントはこれでようやく彼にも解ってくれただろうと再び目を瞑る。
スタンはうんうん成る程と骨に響かないよう首をゆっくりと縦に振る。その反応にも少し疑わしいものを感じた。
「ゴメン、ミント。どうやら心配かけちゃったみたいだ」
実際はそうなのだがミントは「いえ、そんなことないです」と謙遜する。
「そうだな。足手まといになるのは嫌だ。ちゃんと骨が治るまで、安静にしとくよ」
そう言ってスタンは睡眠をとるために目を閉じる。
その様子を見てミントは少しだけ微笑み、しばらくスタンの寝顔を眺めることにした。
本当にこの人は無茶なんだからと、失礼にも心の中で思ってしまう。
だけどこれがこの人のいいところなのかもしれない。
ミントはそう思い、今度は自分の傍らにずっと立ち尽くしている少女を見やる。
「アナタも早く本来の姿に戻れるといいですね」
笑顔を投げかける。
だが虚ろなる少女コレットは、やはり何を思うわけでもなくただ空を見つめるばかり。
しかしその少女は突拍子も無く視線の先を変える。
やはりその先は空なのだが、方角が違う。ミントはその様子に少し驚き、自分もその方角を向く。
方角の空には確かな黒い煙。
「あれは、C3の村でしょうか…」
ちょうどそれは今、赤い屋根の下で起こった一つの悲劇と同じ時間。
「一体何が起きているのでしょう…」
ミントは一人不安になりその煙を見つめる。
一人の想うべき青年を心に抱きながら。
「スタンさん! 聞いているんですか!」
「うぁハイっ! …あ、ゴメン、え? 何が?」
ミントは額に手をあてて嘆く。流石のミントもスタンのこの緊張のなさには少し呆れを通り越して羨ましささえ覚えた。
「…第二段階までの治りは早いんです。ですからスタンさんが治ってきたと感じているのは勘違いであり、実際はそこからが骨の治癒の本番、といったところでしょう」
ミントはこれでようやく彼にも解ってくれただろうと再び目を瞑る。
スタンはうんうん成る程と骨に響かないよう首をゆっくりと縦に振る。その反応にも少し疑わしいものを感じた。
「ゴメン、ミント。どうやら心配かけちゃったみたいだ」
実際はそうなのだがミントは「いえ、そんなことないです」と謙遜する。
「そうだな。足手まといになるのは嫌だ。ちゃんと骨が治るまで、安静にしとくよ」
そう言ってスタンは睡眠をとるために目を閉じる。
その様子を見てミントは少しだけ微笑み、しばらくスタンの寝顔を眺めることにした。
本当にこの人は無茶なんだからと、失礼にも心の中で思ってしまう。
だけどこれがこの人のいいところなのかもしれない。
ミントはそう思い、今度は自分の傍らにずっと立ち尽くしている少女を見やる。
「アナタも早く本来の姿に戻れるといいですね」
笑顔を投げかける。
だが虚ろなる少女コレットは、やはり何を思うわけでもなくただ空を見つめるばかり。
しかしその少女は突拍子も無く視線の先を変える。
やはりその先は空なのだが、方角が違う。ミントはその様子に少し驚き、自分もその方角を向く。
方角の空には確かな黒い煙。
「あれは、C3の村でしょうか…」
ちょうどそれは今、赤い屋根の下で起こった一つの悲劇と同じ時間。
「一体何が起きているのでしょう…」
ミントは一人不安になりその煙を見つめる。
一人の想うべき青年を心に抱きながら。
リアラに連れられて、カイルはかつてE2の城があった場所、その瓦礫の中にいる三人の力尽きた姿を見る。
一人は、このゲームが始まる前に参加の意を強く、その行動を示した赤いドレッドの髪の男。マグニス。
カイルにとってこの男はいずれ脅威になるだろうと思っていた。この世界でこのゲームをし続ける限り、自分から打って出たマグニスは必ずしも拳を交えるだろうと思っていたのだ。
二人目は、歴史改変に加担し、英雄抹殺を企てた最凶の敵。バルバトス。
参加前に一斉に集められた部屋の中、確かにカイルはその瞳に青髪の男の姿を映していた。
一番危惧すべきはこの男。縁なんてものは嫌だがそれすらも感じさせられてしまったカイルは、リアラを見つけることの次にはバルバトスをどうするか考えていたものだ。
そんな危険ばかりを、だけどその二人はもうここにはいない。
彼らは死んでしまった。これは喜ぶべきなのか、カイルは真剣に悩んだ。
今まで脅威と感じた二人がこの世から去ったのだ。カイルにとってはその事実だけが、また新たな脅威を生んだ。
このゲームの忌々しさを胸に受ける。そして一層あの声の主に会いたい気持ちが増した。
そして三人目。リアラの話によるとクラトスと言う名前らしいその人は、経緯は分からないがどうやら守るべきものの為に命を削り、その力を行使したらしい。
そしてカイルにはその姿が一段と輝かしいものに見えた。
カイルは一度クラトスと会っている。偶然とはいえこの人を「父さん」と呼んでしまったのだ。
一人は、このゲームが始まる前に参加の意を強く、その行動を示した赤いドレッドの髪の男。マグニス。
カイルにとってこの男はいずれ脅威になるだろうと思っていた。この世界でこのゲームをし続ける限り、自分から打って出たマグニスは必ずしも拳を交えるだろうと思っていたのだ。
二人目は、歴史改変に加担し、英雄抹殺を企てた最凶の敵。バルバトス。
参加前に一斉に集められた部屋の中、確かにカイルはその瞳に青髪の男の姿を映していた。
一番危惧すべきはこの男。縁なんてものは嫌だがそれすらも感じさせられてしまったカイルは、リアラを見つけることの次にはバルバトスをどうするか考えていたものだ。
そんな危険ばかりを、だけどその二人はもうここにはいない。
彼らは死んでしまった。これは喜ぶべきなのか、カイルは真剣に悩んだ。
今まで脅威と感じた二人がこの世から去ったのだ。カイルにとってはその事実だけが、また新たな脅威を生んだ。
このゲームの忌々しさを胸に受ける。そして一層あの声の主に会いたい気持ちが増した。
そして三人目。リアラの話によるとクラトスと言う名前らしいその人は、経緯は分からないがどうやら守るべきものの為に命を削り、その力を行使したらしい。
そしてカイルにはその姿が一段と輝かしいものに見えた。
カイルは一度クラトスと会っている。偶然とはいえこの人を「父さん」と呼んでしまったのだ。
あの時は頭もろくに働かずに間違えてしまい、失礼な印象を与えてしまっただろう。
だけど何故かカイルは、命の光を失ったこのクラトスの姿がひどく「親」という感情を抱いてしまう。
リアラから話は聞いていたが、彼にも子がいて、更にこのゲームに参加しているらしい。
そして納得する。この姿には確かに、親が子に向ける愛情らしきものが感じられた。
カイルは静かにその場で目を瞑り、黙祷した。
だけど何故かカイルは、命の光を失ったこのクラトスの姿がひどく「親」という感情を抱いてしまう。
リアラから話は聞いていたが、彼にも子がいて、更にこのゲームに参加しているらしい。
そして納得する。この姿には確かに、親が子に向ける愛情らしきものが感じられた。
カイルは静かにその場で目を瞑り、黙祷した。
「カイル…」
背後からリアラの声を受ける。振り向くと一つの剣がリアラの両手に乗っていた。
リアラはスッとカイルに差し出す。
「これは…」
「クラトスさんの剣…彼の姿を見つけた時、落ちていたの」
カイルはゆっくりとその剣を手にする。
炎の意志を司りし剣 フランヴェルジュ
カイルはそれを一度、二度振って感覚を確かめる。
そして頷き、再びクラトスに向き直り剣を掲げる。
「クラトスさん…あなたの剣をお借りします。そして必ず生きて、この剣をあなたの子供に返しに行きます」
背後からリアラの声を受ける。振り向くと一つの剣がリアラの両手に乗っていた。
リアラはスッとカイルに差し出す。
「これは…」
「クラトスさんの剣…彼の姿を見つけた時、落ちていたの」
カイルはゆっくりとその剣を手にする。
炎の意志を司りし剣 フランヴェルジュ
カイルはそれを一度、二度振って感覚を確かめる。
そして頷き、再びクラトスに向き直り剣を掲げる。
「クラトスさん…あなたの剣をお借りします。そして必ず生きて、この剣をあなたの子供に返しに行きます」
カイルは見つめる 自らを犠牲にして命を落としたその男の姿を
リアラは見つめる 新たな決意を胸に抱き、また一つ成長した自分の英雄の姿を
リアラは見つめる 新たな決意を胸に抱き、また一つ成長した自分の英雄の姿を
そうしてカイルとリアラは二人の元へ戻るために歩き出す。
その途中にカイルはリアラの持つもう一つの武器、オーガアクスをスタンに渡すよう促した。
なんでも昔は斧も振り回していたらしい。まぁこれも母さんから聞いた話なんだけど。
「俺が持っても仕方ないし、父さんに渡した方がいいよ」
そう言って更に足を進める。
その途中にカイルはリアラの持つもう一つの武器、オーガアクスをスタンに渡すよう促した。
なんでも昔は斧も振り回していたらしい。まぁこれも母さんから聞いた話なんだけど。
「俺が持っても仕方ないし、父さんに渡した方がいいよ」
そう言って更に足を進める。
そうして長くも歩かずにミントとスタンの元へと辿り着いた。
だがミントはあらぬ方角を見ている。釣られて二人も見るもその黒い煙に気がついた。
「ミントさん、あれって…」
「えぇ、おそらくはC3の村でしょう」
その返答にカイルはしばらく煙を見つめる。
すでにあの村で何かが起こっているのだ。それがマーダーによる殺戮であれ、同志たちの宴であれ。
だがしかし、あそこで何が起こっているのか分からないのもまた事実、カイルはそれを受け止めることにした。
「今はスタンさんの怪我が治るまで待ちましょう。今の俺たちに出来ることは、多分それぐらいしかないから」
「カイル…」
リアラはカイルの横顔を見つめる。その顔はおそらく、初めてこの世界に落とされた頃とは別段のものになっているだろう。
「スタンさんは…寝てるのか」
スタンの様子を見るとカイルは少し安堵する。その寝顔は幼い頃に見た記憶と一緒のものだ。
リアラはカイルと顔を合わせて頷き、スタンのザックにオーガアクスを入れた。
そしてリアラはミントに振り向いて質問。
「あの、ミントさん。スタンさんの怪我は、どのくらいで治りますか」
その質問を受けてミントはリアラの方を振り向き、少し難しい面持ちで答える。
「おそらく早くて半日、通常なら丸一日を費やすでしょう」
「そんなにかかるんですか…」
ミントの返答にカイルは少し肩を落とす。リアラはさりげなくカイルの手を握っていた。
「私の法術やリアラさんの晶術でも施せる最大の治癒をしてきましたが、内部の、しかも鉄分の損傷となるとあとは自己再生能力に頼るしかないんです」
人間の骨は鉄分とカルシウムの大半で構成されている。傷などの外部の損傷は同じく外部から治癒を施せるのだが、逆もまた然り。内部の損傷は内部の治癒能力でないと回復しないらしい。
カイルはミントの言葉に頷いて敬意を表す。
「リアラとミントさんは頑張ってくれたんです。だから今度は、俺と父さんが頑張ります」
ぐっと拳を握る。その姿にミントは「期待していますよ」と微笑んだ。
ふとリアラは事態の張本人である少女を見る。
何を思っているのか、彼女は北の空を見続けるばかり。
彼女が元に戻る手段はあるのだろうか。リアラは知らずにそんな事を考えていた。
だがミントはあらぬ方角を見ている。釣られて二人も見るもその黒い煙に気がついた。
「ミントさん、あれって…」
「えぇ、おそらくはC3の村でしょう」
その返答にカイルはしばらく煙を見つめる。
すでにあの村で何かが起こっているのだ。それがマーダーによる殺戮であれ、同志たちの宴であれ。
だがしかし、あそこで何が起こっているのか分からないのもまた事実、カイルはそれを受け止めることにした。
「今はスタンさんの怪我が治るまで待ちましょう。今の俺たちに出来ることは、多分それぐらいしかないから」
「カイル…」
リアラはカイルの横顔を見つめる。その顔はおそらく、初めてこの世界に落とされた頃とは別段のものになっているだろう。
「スタンさんは…寝てるのか」
スタンの様子を見るとカイルは少し安堵する。その寝顔は幼い頃に見た記憶と一緒のものだ。
リアラはカイルと顔を合わせて頷き、スタンのザックにオーガアクスを入れた。
そしてリアラはミントに振り向いて質問。
「あの、ミントさん。スタンさんの怪我は、どのくらいで治りますか」
その質問を受けてミントはリアラの方を振り向き、少し難しい面持ちで答える。
「おそらく早くて半日、通常なら丸一日を費やすでしょう」
「そんなにかかるんですか…」
ミントの返答にカイルは少し肩を落とす。リアラはさりげなくカイルの手を握っていた。
「私の法術やリアラさんの晶術でも施せる最大の治癒をしてきましたが、内部の、しかも鉄分の損傷となるとあとは自己再生能力に頼るしかないんです」
人間の骨は鉄分とカルシウムの大半で構成されている。傷などの外部の損傷は同じく外部から治癒を施せるのだが、逆もまた然り。内部の損傷は内部の治癒能力でないと回復しないらしい。
カイルはミントの言葉に頷いて敬意を表す。
「リアラとミントさんは頑張ってくれたんです。だから今度は、俺と父さんが頑張ります」
ぐっと拳を握る。その姿にミントは「期待していますよ」と微笑んだ。
ふとリアラは事態の張本人である少女を見る。
何を思っているのか、彼女は北の空を見続けるばかり。
彼女が元に戻る手段はあるのだろうか。リアラは知らずにそんな事を考えていた。
【スタン 生存確認】
状態:アバラ三本損傷
所持品:ディフェンサー ガーネット オーガアクス
第一行動方針:傷が治るのを待つ
第二行動方針:C3村へ向かう
第三行動方針:仲間と合流
第四行動方針:ジョニーが気になる
現在位置:E2城跡
状態:アバラ三本損傷
所持品:ディフェンサー ガーネット オーガアクス
第一行動方針:傷が治るのを待つ
第二行動方針:C3村へ向かう
第三行動方針:仲間と合流
第四行動方針:ジョニーが気になる
現在位置:E2城跡
【カイル 生存確認】
状態:健康
所持品:フランヴェルジュ 鍋の蓋 フォースリング ラビッドシンボル(黒)(割れかけ)
第一行動方針: 父の傷が治るまで待機
第ニ行動方針:C3村へ向かう
第三行動方針:リアラを守る
第四行動方針:クラトスの息子(ロイド)に剣を返す
第五行動方針:ハロルドが気になる
現在位置:E2城跡
状態:健康
所持品:フランヴェルジュ 鍋の蓋 フォースリング ラビッドシンボル(黒)(割れかけ)
第一行動方針: 父の傷が治るまで待機
第ニ行動方針:C3村へ向かう
第三行動方針:リアラを守る
第四行動方針:クラトスの息子(ロイド)に剣を返す
第五行動方針:ハロルドが気になる
現在位置:E2城跡
【ミント 生存確認】
状態:TP2/3
所持品:ホーリィスタッフ サンダーマント
第一行動方針:スタンの傷が治るまで待機
第ニ行動方針:C3村に向かう
第三行動方針:仲間と合流第四行動方針:クレスが気になる
現在位置:E2城跡
状態:TP2/3
所持品:ホーリィスタッフ サンダーマント
第一行動方針:スタンの傷が治るまで待機
第ニ行動方針:C3村に向かう
第三行動方針:仲間と合流第四行動方針:クレスが気になる
現在位置:E2城跡
【リアラ 生存確認】
状態:TP2/3
所持品:エクスフィア強化ロリポップ 料理大全 フルールポンチ1/2人分 ???? ピヨチェック、要の紋
第一行動方針:スタンの傷が治るまで待機
第二行動方針:カイルについて行く
第三行動方針:コレットを信じる
第四行動方針:ハロルドが気になる
現在位置:E2城跡
状態:TP2/3
所持品:エクスフィア強化ロリポップ 料理大全 フルールポンチ1/2人分 ???? ピヨチェック、要の紋
第一行動方針:スタンの傷が治るまで待機
第二行動方針:カイルについて行く
第三行動方針:コレットを信じる
第四行動方針:ハロルドが気になる
現在位置:E2城跡
【コレット 生存確認】
状態:TPほぼ回復 無機生命体化 (疲労感・精神力 磨耗無視)
所持品:銃剣付き歩兵用対戦車榴弾砲(残弾0)
苦無(残り1)
基本行動方針:防衛本能(攻撃意思に対する完全抹殺及び不明瞭な干渉に対する威嚇)
第一行動方針:リアラの言うことを聞く
現在位置:E2城跡
状態:TPほぼ回復 無機生命体化 (疲労感・精神力 磨耗無視)
所持品:銃剣付き歩兵用対戦車榴弾砲(残弾0)
苦無(残り1)
基本行動方針:防衛本能(攻撃意思に対する完全抹殺及び不明瞭な干渉に対する威嚇)
第一行動方針:リアラの言うことを聞く
現在位置:E2城跡